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日本もこっそりF-35まとめ買いに参加へ!? [亡国のF-35]

F-35 block.jpg18日付NYT紙は、12日の週にボルチモアで実施されたF-35購入11ヶ国の代表者会議で、2018年から2020年の間に、440機のF-35をまとめ買い(block buy)する件が協議され、複数年に渡る多数機同時契約で、1機当たりの価格が「88~80 millionドル」(97~88億円)程度のまで低下すると報じています

現在交渉は継続中で、協議参加者は内容について対外的に語ることが出来ないらしく、NYT紙に交渉の様子を語ったのも匿名の「事情に詳しい2名」です。正式な発表は米国政府関係者が行う約束になっているようですが、18日時点ではコメントも得られなかった模様です

同紙によれば、2018年発注で2020年納入機が135機、2019年と2020年発注がそれぞれ150機以上になる計画で、合計が440機程度になるようです

F-35 block 2.jpgちなみに、今年2月の米軍契約価格は「$95 million:105億円」で、その前は「$102 million:112億円」でしたから、まとめ買いで部品等を大量に同時発注することによるメリットは相当大きいと言えます。

なお、協議に参加した11ヶ国は、「Australia, Denmark, Israel, Italy, Japan, Netherlands, Norway, Turkey, South Korea, Britain and USA」で、個々の国の発注数を同紙は伝えていません。

日本も「まとめ買い」による単価削減メリットを享受可能な「長期契約法」を制定し、平成27年度にP-1哨戒機を、28年度にはSH-60哨戒ヘリ、EC-225LP輸送ヘリ、TH135練習ヘリの契約に適応して経費削減に取り組んでおり、これをF-35にも適用するモノと思われます(平成28年版防衛白書360ページ参照


でも騙されるな!F-35価格は上昇する!
(国防省F-35計画室長(当時)が5月末に激白)
Bogdan 9.jpgF-35の価格は過去5年間下がり続けており、今後3年間で1機90億円以下になるだろう。しかしその2~3年後には再び上昇に向かうだろう
●あくまでも今後3年間期待される90億円以下との価格は、機体とソフトとセンサーからなるあくまで基礎価格(baseline)である。2020年時点までに製造された機体は不十分な機体で、それらには今後開発され検証される追加機能を付加するため、2022-2028年の間に能力向上改修を行う必要があり、追加経費が必要だ

●また今後、製造機数が落ち込む(caveat)事があれば、最適な製造効率を保てずに価格に影響が出るという但し書き付(there’s a caveat)である。製造機数が減れば、最適価格になるのが遅れる(delay the most efficient rate)
●「ソフト3F投入」に続く「Block IV近代化」は現在検討中だが、全ての側面でF-35の能力を向上させる。多くの現有兵器と使用可能にし、将来の兵器にも対応させる。試験を通じてF-35のセンサーが素晴らしいことが判明しており、これを兵器と結びつける必要がある(つまりこの改修も価格上昇に貢献

F-35 block 3.jpgF135エンジンの能力向上も保障したい新たな部品を投入するか完全交換かは、米空軍研究所AFRLが取り組む研究成果次第だが、将来決定することになる
●F-35搭載の幾つかのセンサーについても、交換や改良が将来行われる。その中で確実なのが電子戦関連で、上空で予期しない新たな環境に対応できるような「see new threats and react」を目指す装備である

F-35は膨大な「mission data files」に支えられているが、作戦対象地域の潜在的脅威を常にアップデートしておく必要がある。
自動兵站支援システムALISの更新にも終わりは無い。ALISに関しては構成全体の変更を追求しており、いつか「クラウド」を活用し、中央集約型で飛行隊レベルの操作員のALIS維持やソフト更新業務を軽減・解放するような方向を目指している
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18日付NYT紙が報じた価格は、全て米軍用の価格です。共同開発国では無い日本用の価格は、当然この価格より高くなります。

F-35 Sun-Set.jpgBogdan前F-35計画室長の発言では、特に後半部分で価格との関係が不明確ですが、ソフト改修も、エンジンも、MDFもセンサーもALISも、開発経費を負担していない日本には大きくふっかけてくること間違い無しです。

まとめ買い(block buy)で喜んではいけませんし、軽々しくトランプ大統領に対して「100億円値引きしてくれて有難う」等と言って喜んではいけません

関連の記事
「安倍首相がトランプにF-35でお礼」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-05-13
「FMSグローバーホークの悲劇」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-05-22
「F-35エンジンの改修話」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-06-01-2

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ででっぽ

日本とイタリアは自国組み立てなので、他国向けF-35の組み立てが集中する米フォートワース工場の規模メリットを享受できませんが、部品が安くなること自体は日本とイタリアにも恩恵がありそうです。
ただ、日本・イタリア組み立てF-35と、他国向けF-35の価格比はさらに開くかもしれませんね。

※自サイトやブログをやっていませんのでURLはダミーです
by ででっぽ (2017-06-22 14:26) 

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