続報:シリア巡航ミサイル攻撃の裏側 [マティス長官]
10日、米軍によるシリア空軍基地への巡航ミサイル攻撃について、マティス国防長官と中央軍報道官がそれぞれ作戦の狙いと効果について、声明または会見で語りました。
同攻撃については、7日、匿名の米国防省高官2名が記者団にブリーフィングを行っており、その内容を速報した9日アップ記事「シリア巡航ミサイル攻撃の裏側」は大変ご好評頂いております
「シリア巡航ミサイル攻撃の裏側」
→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-04-08
特に9日(日)、日本のメディアで専門家や研究者が「いい加減な推測」で同攻撃に言及し、攻撃の狙いや効果への「誤解」を振りまく一方で、発端となった化学兵器攻撃と証拠隠滅を図る病院への攻撃を紹介し、更に「何を攻撃し、何を攻撃しなかったか」と「ロシアへの配慮と疑念」の視点で攻撃計画をご紹介したことに対し、「地道な公開情報フォローの勝利」だと多くの賛辞を頂戴致しました
手前味噌はここまでとし、本日は、匿名ではなく、国防長官や軍報道官が同攻撃を説明した内容をご紹介します。
驚きの新事実があるわけではありませんが、日本のメディア報道と自称専門家の「いい加減さ」や「フェイクニュースぶり」を感じて頂くため、重複になる事を恐れずご紹介します
11日付米空軍協会web記事によれば
●10日、マティス国防長官や米中央軍報道官のJohn Thomas陸軍大佐は、6日のシリア軍Shayrat空軍基地への巡航ミサイル攻撃が、同飛行場補破壊することが目的ではなく、「短期的に」シリア政府の空爆作戦能力を減殺する事だったと説明した。なお同基地は、シリア軍機がシリア市民への化学兵器攻撃を発起した基地である
●マティス国防長官は10日の声明で、攻撃は将来の化学兵器使用を抑止する目的で、「measured response:管理された効果を狙った対応」であったと述べ、シリア軍作戦機の20%を破壊したと表現した。
●そして「シリア政府は同基地で給油や弾薬搭載を行う能力を失った。滑走路使用の可否に我々の関心は低かった」とも表現している。
●(注目すべきは、)最後に声明は「シリア政府には再び化学兵器を使用しないようメッセージが与えられた:The Syrian government would be ill-advised ever again to use chemical weapons」と結んでいる
参考:国防長官声明→https://www.defense.gov/News/News-Releases/News-Release-View/Article/1146758/statement-by-secretary-of-defense-jim-mattis-on-the-us-military-response-to-the
●米中央軍のJohn Thomas報道官は、燃料庫と給油施設、格納庫、兵器庫等を破壊したと語り、本作戦は「一度限り:one off」で、繰り返し行う事は考えていないと述べた
●巡航ミサイル攻撃後もあまり時間を置かず、シリア軍機は空爆作戦を再開している。米軍側はシリア内での活動を低下させ、多国籍軍司令官は自軍の防御態勢確認を重点に行い、攻撃任務はそれほど行っていない
●また攻撃後ロシアは、シリア領内でのロシア軍と多国籍軍との不意遭遇や摩擦を避けるための意思疎通ラインの中断を発表した。しかし攻撃翌日、米露間ではこれまで通り、スケジュール調整の対話が同ラインで行われている
●しかし米中央軍は、今後も同ラインでやりとりが行われるかどうかには言及しなかった。しかし、ロシアとの意思疎通は、例えば上空で操縦者同士が無線通信する等の方法があると同報道官は語った
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「一度限り:one off」は米国連大使の発言とトーンが真逆で、政権内の意思統一に疑問符が付く発言です
給油や弾薬供給能力は、現場の実態を知る軍人が選ぶプロの目標です。滑走路には被害復旧部隊がアリ、復旧機材がありますが、給油や弾薬は代替が無く復旧に時間が必要なウィークポイントでしょう。
当然、我が空軍は・・・戦闘機数と戦闘機機数にしか興味がありませんから・・・・
攻撃の成果は評価できませんし、今回の攻撃前提となるはずの戦略が米国のシリア政策や中東政策にあるのかとの問いは、当然議論されるべきでしょう。しかし何が計画されたのかは、米側の考え方を把握するためきちんとフォローする必要があります。議論の大前提です
特にひどかったのは、9日朝のNHK日曜討論に出席していた東京外国語大学で中東を専門にする青山弘之教授で、堂々と今回の攻撃でシリアの化学兵器がどれだけ破壊されたかを見極めないと評価できないとか、米軍の軍事的狙いが不明とか、左より発言で自らを守りつつ、偉そうな態度で批評する様子が際立っていました。
7日既に報道されていた米側作戦の背景や狙い(化学兵器庫や滑走路やロシア軍施設は攻撃対象外)を全く把握していない「無知&馬鹿丸出し」発言で、軍事問題から逃避して中東研究を進めている様子を自ら暴露していました
日本に身近な北朝鮮問題でも、今後(今までも)この様ないい加減報道やコメントが為される可能性がありますので、注意していきたいと思います
アクセス多数
「シリア巡航ミサイル攻撃の裏側」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-04-08
同攻撃については、7日、匿名の米国防省高官2名が記者団にブリーフィングを行っており、その内容を速報した9日アップ記事「シリア巡航ミサイル攻撃の裏側」は大変ご好評頂いております
「シリア巡航ミサイル攻撃の裏側」
→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-04-08
特に9日(日)、日本のメディアで専門家や研究者が「いい加減な推測」で同攻撃に言及し、攻撃の狙いや効果への「誤解」を振りまく一方で、発端となった化学兵器攻撃と証拠隠滅を図る病院への攻撃を紹介し、更に「何を攻撃し、何を攻撃しなかったか」と「ロシアへの配慮と疑念」の視点で攻撃計画をご紹介したことに対し、「地道な公開情報フォローの勝利」だと多くの賛辞を頂戴致しました
手前味噌はここまでとし、本日は、匿名ではなく、国防長官や軍報道官が同攻撃を説明した内容をご紹介します。
驚きの新事実があるわけではありませんが、日本のメディア報道と自称専門家の「いい加減さ」や「フェイクニュースぶり」を感じて頂くため、重複になる事を恐れずご紹介します
11日付米空軍協会web記事によれば
●10日、マティス国防長官や米中央軍報道官のJohn Thomas陸軍大佐は、6日のシリア軍Shayrat空軍基地への巡航ミサイル攻撃が、同飛行場補破壊することが目的ではなく、「短期的に」シリア政府の空爆作戦能力を減殺する事だったと説明した。なお同基地は、シリア軍機がシリア市民への化学兵器攻撃を発起した基地である
●マティス国防長官は10日の声明で、攻撃は将来の化学兵器使用を抑止する目的で、「measured response:管理された効果を狙った対応」であったと述べ、シリア軍作戦機の20%を破壊したと表現した。
●そして「シリア政府は同基地で給油や弾薬搭載を行う能力を失った。滑走路使用の可否に我々の関心は低かった」とも表現している。
●(注目すべきは、)最後に声明は「シリア政府には再び化学兵器を使用しないようメッセージが与えられた:The Syrian government would be ill-advised ever again to use chemical weapons」と結んでいる
参考:国防長官声明→https://www.defense.gov/News/News-Releases/News-Release-View/Article/1146758/statement-by-secretary-of-defense-jim-mattis-on-the-us-military-response-to-the
●米中央軍のJohn Thomas報道官は、燃料庫と給油施設、格納庫、兵器庫等を破壊したと語り、本作戦は「一度限り:one off」で、繰り返し行う事は考えていないと述べた
●巡航ミサイル攻撃後もあまり時間を置かず、シリア軍機は空爆作戦を再開している。米軍側はシリア内での活動を低下させ、多国籍軍司令官は自軍の防御態勢確認を重点に行い、攻撃任務はそれほど行っていない
●また攻撃後ロシアは、シリア領内でのロシア軍と多国籍軍との不意遭遇や摩擦を避けるための意思疎通ラインの中断を発表した。しかし攻撃翌日、米露間ではこれまで通り、スケジュール調整の対話が同ラインで行われている
●しかし米中央軍は、今後も同ラインでやりとりが行われるかどうかには言及しなかった。しかし、ロシアとの意思疎通は、例えば上空で操縦者同士が無線通信する等の方法があると同報道官は語った
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「一度限り:one off」は米国連大使の発言とトーンが真逆で、政権内の意思統一に疑問符が付く発言です
給油や弾薬供給能力は、現場の実態を知る軍人が選ぶプロの目標です。滑走路には被害復旧部隊がアリ、復旧機材がありますが、給油や弾薬は代替が無く復旧に時間が必要なウィークポイントでしょう。
当然、我が空軍は・・・戦闘機数と戦闘機機数にしか興味がありませんから・・・・
攻撃の成果は評価できませんし、今回の攻撃前提となるはずの戦略が米国のシリア政策や中東政策にあるのかとの問いは、当然議論されるべきでしょう。しかし何が計画されたのかは、米側の考え方を把握するためきちんとフォローする必要があります。議論の大前提です
特にひどかったのは、9日朝のNHK日曜討論に出席していた東京外国語大学で中東を専門にする青山弘之教授で、堂々と今回の攻撃でシリアの化学兵器がどれだけ破壊されたかを見極めないと評価できないとか、米軍の軍事的狙いが不明とか、左より発言で自らを守りつつ、偉そうな態度で批評する様子が際立っていました。
7日既に報道されていた米側作戦の背景や狙い(化学兵器庫や滑走路やロシア軍施設は攻撃対象外)を全く把握していない「無知&馬鹿丸出し」発言で、軍事問題から逃避して中東研究を進めている様子を自ら暴露していました
日本に身近な北朝鮮問題でも、今後(今までも)この様ないい加減報道やコメントが為される可能性がありますので、注意していきたいと思います
アクセス多数
「シリア巡航ミサイル攻撃の裏側」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-04-08
2017-04-12 05:00
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