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FA-18の「Block III Upgrades」がチョイ明らかに [Joint・統合参謀本部]

トランプ大統領が言及した改良型FA-18とはこれ???

FA-18 Inherent Resolve.jpg3日から5日に行われた米海軍協会「Sea-Air-Space会議」の場で、記者会見を行ったボーイング社FA-18&EA-18G責任者のDan Gillian氏がトランプ大統領がF-35Cの代替として大量購入を示唆していたFA-18の「Block III upgrades」改修型機についてボンヤリながら言及しました。

この「upgrades」版が、トランプ氏が国防省に対しF-35と比較せよと命じたモノなのか、別の改良計画もあるのか不明ですが、Gillian氏は「この能力向上計画案により、他の空母アセットには無い能力を提供できる」との表現でF-35との差異を強く示唆する表現で語っており、注目を集めています

この他にGillian氏は、FA-18の「増産能力」や「延命措置」についても語っており、トランプ大統領が示唆した大量購入を強く意識した会見となっています。
国防省が行っているであろう比較検討分析の結果が待たれるところですが、とりあえず「前振り」としてご紹介しておきます

Block III Upgradesについて
FA-18EF.jpgボーイング社は2013年に、よりステルス性を追求した改修計画を打ち出していたが、今回の「Block III Upgrades」構想は当時の案からシフトしている。
●そして今時提案の主眼は、FA-18E/Fの「tactical targeting技術」を向上させることに置かれ、米海軍のNIFC-CA構想における「smart node」として機能しうるように改修することなどが含まれる

●Gillian氏は「これまでFA-18E/Fは、情報を提供してもらうだけのシューターだったが、今後は全ての情報を融合し、作戦ネットワークへの貢献者である事がとても重要だ」と表現した
●ステルス性については諦めていないが、「ステルス性向上には少しだけ取り組む。シンプルで低コストの施策を考えている」とのみ同氏は言及し、細部を語らなかった

FA-18EF3.jpg●また2013年提案にも含まれた、燃料増装タンクを翼付け根上部に追加し、約3500ポンドの燃料追加で約120nm行動半径が増加する改修も含まれている
●更に、先進コックピットにするため大型ディスプレイを導入し、「smart node」に相応しいインターフェイスにすることや、「敵ステルス機の熱源を探知する空対空の長距離赤外線センサー」導入を構想している
●なお米海軍は、2015年にロッキード製のIRSTをFA-18E/F用に製造開始することを承認している

増産への備え
●2017年度補正予算には、FA-18を24機購入する関連予算が含まれており、ボーイング社は毎月2機製造可能な体制で臨んでいるが、米海軍や諸外国から追加注文があれば、増産可能な状態にある
●ちなみに2015年時点で、米海軍は545機のFA-18と114機のEA-18Gを保有しているが、将来的にはそれぞれ563機と153機になる予定である
●諸外国では、カナダがF-35開発の遅れの穴埋めとしてFA-18を18機購入すると発表し、クウェートも28機(追加で12機のオプション付き)を計画している

機体寿命の延長施策
FA-18EF2.jpg●ボーイング社は、現在の機体寿命6000飛行時間を9000時間に延長する延命改修案をまとめている
FA-18E/F型機は、F-35開発の遅れと対テロ戦争での想定以上の酷使により、機体寿命を想定以上の速度で消費しつつある。

●ボーイングの機体延命計画部長であるMark Sears氏は、ホーネットを2040年代まで活用するには、機体の補強などの整備事業が必要だと語り、米海軍が同延命改修を確認するため既に2機の機体をセントルイス工場に搬入していると明らかにした
●そしてボーイング社は米海軍が同延命施策を正式採用することに楽観的だと述べ、2018年早々には契約に至るだろうと語った
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EA-18G Clark3.jpg最初に述べたように、トランプ大統領がF-35との比較分析を求めた改良型FA-18なのか不明ですが、財政状況や米海軍の作戦構想等から判断すれば、ステルスはほどほどに、NIFC-CAに役立つ方向性で・・・との構想は理にかなっており、F-35と何処まで争えるのかはよく分かりませんが、ステルス機探知のIRSTが売りで一つの案にはなるのでしょう

NSCからバノン氏が追い出され、ますます軍人や軍人OBの存在感がましているトランプ政権ですが、中東での対テロ作戦が強化され、米軍の自由裁量が拡大する中、FA-18への負担は増すのでしょうから、価格が不明ですが、今後色々話題になる改修計画なのでしょう

トランプ大統領はFA-18とボーイング好き!?
「再びトランプがFA-18大量購入を示唆」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-02-18
「F-35の代替にF-18改良型を」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-12-23-1
「国防副長官候補にB社幹部」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-03-17

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