F-35システム試験はまだ6割残置 [亡国のF-35]

F-35事業を担当するF-35計画室は現時点で同レポートに何もコメントしていませんが、これまでF-35計画室が試験評価局の指摘に反論しつつ、結局は試験評価室の見積もりや評価が正しかったことが大半です。
今回の初期作戦運用試験(IOT&E:initial operational test and evaluation)の開始時期についても、F-35計画室は数ヶ月遅れる可能性があるがまだ不確定と言い続けていましたが、試験評価室は継続して1年以上の遅れを指摘しており、評価室の正しさが今回も証明されるのは時間の問題でしょう
中でも問題は、F-35計画室が試験の遅れを批判されることを避けるため、リスクを承知で試験項目を削減して試験期間を短縮しようとしているとの指摘です。

トランプ氏は11日の最初の記者会見でも、F-35の代替としてFA-18改良型を競わせることで価格低下を進める旨の冒頭発言を行っており、F-35計画室は開発の順調さをアピールしたい思いでいっぱいですが、「ソフトの塊」であるF-35のシステム試験は今後が山であり、先が見通せる状況にはありません。
米空軍協会web記事によれば
●Gilmore局長は同レポートで、2017年8月までに開始する予定となっている初期作戦運用試験(IOT&E)は、早くとも16ヶ月開始が遅れ、2018年12月から2019年当初の開始となるだろうと報告している
●同局長は、未だ対策が採られていないか、対策が不十分で遅れにつながっている16分野を指摘しており、その大部分が当面の完成版ソフトである「3F」ソフト開発に関係している

●またレポートは、初期に製造された機体は信頼性が低く、試験のペースに対応できていないと指摘し、また引き続き自動兵站情報システムALIS開発が遅れている点や、他のデータを流用して開発試験を省略する姿勢を後に続く試験のリスクにつながるものと批判している
●具体的には、F-35の3つのタイプに共通する試験である「mission systems試験」は、「3F」ソフトの開発遅延に伴い、9702試験項目の内、まだ5800項目を残している状態で、進捗率は41%である
●しかし試験項目は試験が進むにつれ増加しており、9702個は当初計画より25%増加した現時点での数字である
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そんな中途半端な状態でも、F-35開発試験と製造の同時進行は「淡々と」行われており、11日には製造200機目の機体が訓練基地であるLuke空軍基地に到着したとの報道がありました。
なんと200機目は、航空自衛隊用の2番機らしいです・・・手戻り満載の機体です・・・ご愁傷様です。
海兵隊F-35の火災原因は
試験と訓練を急ぐあまり安全を犠牲にした結果・・
→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-12-22-1
空軍機火災はエンジンではないと強調→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-01-09
最初のトランプ記者会見とF-35→http://www.defensenews.com/articles/trump-again-hints-at-f-35-f-18-competition
試験評価局レポート現物
→http://www.dote.osd.mil/pub/reports/FY2016/
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