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KC-46納期遅延の弁償は物納や役務で!? [米空軍]

KC-46-4.jpg15日付米空軍協会web記事によれば、KC-46の開発トラブルで2017年8月の納期が守れない状況になっている件に関し、米空軍がボーイング社へのペナルティーとして、現存空中給油機KC-135の無料延命措置などを要求している模様です

ボーイング社の報道官は、交渉中のことでありコメントできないとしているようですが、過去にも金銭でなく「物納」や「役務納入」があったようですのでご紹介します。
体面や組織の体裁ではなく、「実」を採る事態収拾の手法として面白いなぁ・・・と感じた次第です。もちろん、納期遅延がないのが一番ですが・・・

15日付米空軍協会web記事によれば
KC-46-3.jpg●ボーイング社と米空軍は、2017年8月までに18機のKC-46空中給油機を納入する契約を履行できない事を明らかにしたボーイングとの補償交渉で、老朽化が進み維持費も高騰しているKC-135空中給油機の延命費用の肩代わりも議論している模様
●KC-135は、KC-46の遅れによりより長期間の運用が予期されており、これに伴う関連の維持整備経費や部品代をボーイング社が無料で行う事が想定されている

ボーイング社の報道官は交渉中である事から細部に言及しなかったが、遅延ペナルティーの一環として、空中給油機関連以外のボーイング社の製品であるJDAMやF-15などにも範囲が広がる可能性を否定しなかった
●似たようなケースでは、2年前、ボーイングとGeneral Dynamics社が「A-12」を巡る訴訟で、金銭ではなく、米海軍に対し3機のEA-18GやDDG-1002を格安に提供する事で和解したケースがある

米空軍参謀総長は「がっかり」と
KC-46-2.jpg●13日、インタビューに答えたWelsh米空軍参謀総長(7月1日に退役予定)は、最初の18機の納期が守れない結果になっていることには「disappointed」だが、問題解決には自信を持っていると語った
●遅延を引き起こしている給油ブームへの過剰荷重の問題は、対処可能で有り、どのように対処すべきかも判っているとも語った

●ボーイング社に何らかの補償を求めるかの質問に対して同参謀総長は、「それは当然で、細部についてボーイング社と協議することになる」と語り、「どのような方向に向かうかは承知していない」と説明した
●いずれにしてもKC-46全体の設計には問題は無く、素晴らしい航空機である事を証明してくれるだろうと表現した
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Welsh-CSIS.jpgWelsh参謀総長は強気の発言ですが、C-17輸送機への給油試験で判明したブーム強度の問題は「対処可能で有り、どのように対処すべきかも判っている・・」であっても、ブームを改良すれば重心や重量も変化し、それなりに試験やり直しが必要になる可能性もあります

更に、既に組み立てが完了して試験フェーズにある機体に関しては、そのままでは使用できない可能性も考えられます。
つまり、対処が可能でも、とてつもなく時間と手間が必要な「対処」が必要な可能性もありましょう・・・。

KC-46関連の記事
「納期守れないと認める」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-06-01
「Boom強度に問題発覚」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-04-03
「KC-46は更に遅延?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-03-27

「初の給油試験に成功」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-01-26-1
「初飛行試験に成功」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-11-18
「予定経費を大幅超過」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-07-21

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