露海軍の反応は?:黒海でNATO海軍共同演習 [Joint・統合参謀本部]

黒海では最近、5月に1回、7月にも2回、米海軍が中心となる演習が行われているようですが、米海軍指揮官が「ロシアの対応や反応には何時も強い印象を受けている」と語るように、ロシア海軍もしっかり対処しているようです。
2日付Defense-News記事によれば

●演習では、海上阻止、対潜水艦作戦、艦隊防空、小型船舶からの艦艇防御等が訓練されている
●黒海での演習は頻繁になってきており、5月には「Trident Poseidon」演習」、7月には「Breeze」演習と「Sea Shield」演習が行われたところである
●黒海以外の欧州周辺でのNATO海軍演習としては、17カ国が参加した6月のバルト海での「BALTOPS」演習、4月に15カ国12000名が約60隻の艦艇と共に参加した北大西洋での「Joint Warrior」があり、ロシアの侵略を抑止するためと言われている
ロシア海軍の反応とその評価

●同司令官は、第6艦隊の艦艇が最近黒海に入ったケースで「10回のうち9回はロシア艦艇が待ち受けていた」と語り、今回駆逐艦Donald Cookが黒海に入った際には、ロシア艦艇の艦長名で我が駆逐艦の到着を歓迎する挨拶までよこしてきたと明らかにした
●また同中将は「我が艦艇が黒海に存在する間は、ロシア艦艇が近接して監視しており、我々もそうしている」、「これまでの所、ロシア海軍プロの対応をしており、我が方もその様に対応している」とも語った

●この「Snap-Ex:即応演習」について同中将は、「常々ロシア軍の対応には強い印象を受けている」と語り、ロシア海軍が短期間の準備で相当な規模の艦隊を動員する様子に警戒感を示した。
●今時のNATO演習にロシア軍が「Snap-Ex」で対応してくるかは不明だが、対応の準備は出来ており、演習関係国も同様だと語った
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先日、欧州米陸軍司令官が「ロシア陸軍の電子戦能力」を大きな脅威と感じている様子をご紹介しましたが、米海軍の前線指揮官も「ロシア海軍の実力」を肌身で感じているようです。
これが予算獲得を意識した「意図的なロシア軍脅威のアピール」なのか、本心からの警戒心なのかは不明です。
でもアジア太平洋地域では聞くことが無い、具体的な描写なので、ロシア軍の能力や装備は米軍にかなりの圧迫感を与えているのだろうと推察します。
演習がこれまで通り、双方の「プロの対応」で無事に終了することを願いつつ・・・
欧州関連の米軍の動き等
「次の米軍トップ:露が最大の脅威」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-07-10
「電子戦で米陸軍は露に劣る」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-08-03-1
「米軍がロシア最新軍事技術分析」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-04-02
「対露で欧州へF-22派遣」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-08-29-2
「欧州で冷戦後最大の空挺演習」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-08-21-1
「米国防長官:対ロシアはVJTFで」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-06-26
「米陸軍:欧州への重装備集積を」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-07-16
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