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国防副長官にRobert Work氏承認 [米国防省高官]

work1.jpg4月30日夜、次期国防副長官に現CNASのCEOで、約1年前まで海軍省次官だったRobert Work氏が承認されました。オバマ大統領が候補者にノミネートしてから、約3ヶ月が経過していますが・・

Robert Work氏は、以前CSBAの研究員としても活躍し、海兵隊士官であった知見も生かし、海軍や海兵隊への改革案も提示していたところです。

一方で海軍省次官時(09年から13年)には、沿岸戦闘艦LCSの調達隻数維持を強く主張していましたが、今年2月にはヘーゲル長官が52隻から32隻まで削減する方向を決定しています。今後副長官として、政財界から評価の高くないヘーゲル長官をどのように支えていくのかに注目です

Robert Workの経歴等
work2.jpg1953年1月生まれの61歳。イリノイ大学のROTC卒業で、1974年9月に海兵隊入り。2001年に海軍長官の軍事補佐官・副官として退役(階級は大佐)。SAISで国際政策の修士号
●海兵隊では砲兵士官で、日本の「Camp Fuji」で基地司令官を務めている。また海兵隊司令官直属の初代「海兵隊戦略検討グループ長」も勤めている

海兵隊退役後、CSBAに海軍や海兵隊を中心とした海洋問題の上級研究員として加入。後に戦略研究部門の副責任者となる。GW大学で教鞭も執る
●この間、国防長官室やネットアセスメント室と協力し、各種のウォーゲームを取り仕切り、国防省や海軍海兵隊の再編を提案する。2006年QDR作成にも関与する。
オバマ政権誕生時の政権以降チームに海軍省や国防政策や国防予算等担当として参画、政権では海軍省次官として2009年5月から2013年3月まで勤務する。2013年4月からCNASのCEO

次官や研究者としての主張
work3.jpg●ラムズフェルド国防長官が主張していた、米国は精密誘導兵器で優位にあるから、いかなる敵も迅速に破砕できるとの主張を厳しく批判
海軍次官だった2011年6月米海軍のF-35C購入計画に疑問を呈し、F-35購入機数を削減し、より多くの無人機を導入すべきではないかと主張した
●2012年春に2013年度予算案で潜水艦調達数削減案を提出後、台湾海峡で中国との紛争に至った場合、潜水艦のみが当該地域で作戦出来るのに(仕方なく削減で残念)と語った
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うろ覚えで恐縮→CSBA時代のレポートでは
CSBA UCAS.jpg空母艦載無人機は、A2AD突破可能なステルスで、ISRと攻撃が可能で、空中給油を受けて(中国)大陸奥深くまで進出可能で・・といった構想を描いていた
●西太平洋地域に米海軍艦艇や潜水艦への補給拠点が少ないことを問題視し、敵の攻撃に強い補給拠点を複数設置すると主に、弾薬や物資の補給が洋上でも出来るような「浮きドック」のような装備の開発や、艦艇や潜水艦側の改修の必要性を訴えていた

要するに、強制削減や軍種間や軍種内の争いで対中国構想が「ねじ曲がる」以前の、純粋な作戦構想を描いていた人物です。

もちろん国防副長官ともなれば、軍需産業とのやりとりや業界団体との折衝、オバマ政権の方針とのすりあわせ等々、理論だけでは突っ走れませんが、大いにRobert Work氏には期待したいと思います

でも米国防省に優秀な人材が来ると、日本は米国防省からの圧力に苦しむかもしれませんが・・・。

Robert Work氏関連の記事
「国防副長官候補にRobert Work氏」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-02-09
「嘉手納から有事早々撤退?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-05-13

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