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特別チームで米軍核部隊の人的管理を総点検 [ヘーゲル国防長官]

James-ceremony.jpg23日、ヘーゲル国防長官は米空軍ICBM部隊で発生した能力確認筆記試験での不正行為や麻薬使用の疑い発覚を受け、海軍を含む戦略核抑止部隊の人的管理の問題点を調査・是正する「action plan」の作成を国防省と海空軍幹部に命じ、併せて特別チームに「action plan」の遂行状況を報告するよう命じました

作成された「action plan」は60日以内に、そして元国防省高官で構成される特別チームによる状況監査報告も含め、90日以内に国防長官への「action plan」実施報告を求めています

問題となっているのは、ICBM運用部隊の士官に対する実務能力確認試験に際して、34名もの士官が不正行為を行ったり、不正行為を見逃したりして停職処分を受けた事件です。
更に最近の報道によれば、試験での不正が発覚したモンタナ州の「341st Missile Wing」で、兵士による麻薬使用への捜査が行われている模様です

ヘーゲル長官は24日新空軍長官の就任式で
James-ceremony2.jpg●どのような要因、例えば歴史的、制度的、又は文化的な背景があるにせよ、国防省と米空軍は核兵器運用部隊の安全、保全、信頼、任務遂行能力を確保するため、必要なあらゆる手段を講ずる
James新空軍長官とウェルシュ空軍参謀総長も、我々の戦略部隊の規律とプロ意識の健全性を深く懸念しているが、新長官の直面する問題は「危機的状態:daunting」にある
12月20日から職務に就いているJames新空軍長官が、問題発生を受けて直ちにICBM部隊を訪問し、迅速に対応していることを支持する。しかし、核任務部隊への信頼を回復することは、我々の最優先課題である

James新空軍長官は・・・
ICBM部隊については言及せず
●我々の任務を支える米空軍のメンバーを守り思いを致しながら我が空軍がより偉大な能力獲得に向け、また血税のより効果的な活用に向けた進路を取るよう誓いを新たにする
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minittomann.jpgMinuteman3m.jpgヘーゲル長官が人的管理の総点検を命じたのは、海軍SLBM部隊と空軍ICBMと戦略爆撃部隊ですが、特に空軍の核運用部隊で「人の劣化」を示す事例が最近頻発しています。
規律引き締めを目的とした点検では不合格が頻発し、現場士官が大量に再教育を受けたり、「髪を切れ、テレビを消せ」レベルの指摘がなされる状態のようです。

2007年発生のB-52による核爆弾誤送事件の調査報告書は「核戦力運用に当たる部隊や人の士気は著しく低く、人事上も低い扱いを受け、離職者が相次いでいる」と問題を指摘しました。
当時のシュワルツ空軍参謀総長も「率直に言えば、無視され、放置されてきた我が核任務部隊」と部隊の現状を語り、「約4000億円を投資するが、我々の仕事は今後も続く」との表現で問題の根深さを認めていました

人のみならず、当時の戦略部隊司令官だった空軍大将が各部隊の装備を「使い古され、疲弊し、骨董品状態だ」と嘆いたような状態です。
予算が厳しくなる中、一朝一夕に状態が改善するとは思えず、James新空軍長官はいきなり試練に直面です。

「ICBM部隊が不合格判定」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-08-15
「ICBM部隊で士官17名処分」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-05-11

米軍核兵器の問題
「米核運用部隊の暗部」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-10-29
「米軍核戦力は大丈夫か」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2009-11-28-1
「米空軍核専用コマンド創設へ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2009-08-08

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