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対中国作戦の指揮官交代式 [パネッタ国防長官]

panettaPACOM.jpg9日、ハワイでパネッタ国防長官列席の元、太平洋軍司令官の交代式が行われました。
欧州米海軍司令官を務めているロックリア海軍大将(Samuel Locklear)が、09年10月から同ポストに就いているウィラード海軍大将(Robert F. Willard)の後任に就任しました。

太平洋軍はハワイから極東、アジア、豪州、インド洋までの広大な範囲を担当する部隊で、実戦の際、その司令官は大統領に直属して米軍戦力を指揮します。つまり対中国軍事作戦の指揮官になります

パネッタ長官は交代式で
●当地域は極めて重要な地域であり、米国の将来が種々の意味で、極めて緊要な当地域の平和と繁栄によるところ大であるという歴史的転換点(pivotal moment)に我々は立っている
●我々が世界で直面する課題や挑戦を思う時、今ほど真にベストな軍経験と指導力と助言力を備えた人材が求められたことはない

デンプシー議長は続いて
LocklearPacom.jpg●この交代式は普通の交代式ではない。世界のほぼ半分を担当する部隊の司令官交代式である。また最近公表された新国防戦略が明確にしたように、21世紀の我が国が深く関わっていく地域でもある
ロックリア大将(左写真)は、そのリーダーシップで、NATO諸国との協力により、リビアの人々に新たな歴史の一ページを開いて見せた人物である

●太平洋軍司令官には、当地域が焦点が移る今、新たな約束された時代が待っている。恐れおののいてしまいそうになるが、太平洋軍の兵士達は直面するいかなる挑戦にも準備が出来ている
ロックリア大将夫妻ほどの適任者を私は思いつかない。あなた達は私の完全な信頼と自信と支援を得ている

以下は、年初にロックリア大将をご紹介した際の記事です。
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Locklear.jpg昨年12月28日、パネッタ国防長官は、オバマ大統領が現在欧州米海軍司令官を務めているロックリア海軍大将(Samuel Locklear)を太平洋軍司令官(U.S. Pacific Command)候補者に指名した、と発表しました。

上院で承認されれば、09年10月から同ポストに就いているウィラード海軍大将(Robert F. Willard)の後任として、ハワイから極東、南シナ海、インド洋にまで及ぶ世界で最大の地域を担当する地域コマンド司令官に就任します。
ロックリア大将は、1977年海軍士官学校卒の水上艦艇乗りで、空母艦載機パイロットだったウイラード大将とはまた違った考え方の持ち主かもしれません。

ロックリア大将の経歴は・・・
Locklear2.jpg海軍士官としての勤務は水上艦艇で始まり
USS William V. Pratt (DDG 44), USS Carl Vinson (CVN 70), USS Callaghan (DDG 994) 、USS Truxtun (CG 35)で水上艦艇勤務を経験
艦長としてはUSS Leftwich (DD 984)を指揮
●その後は、第2駆逐隊司令、ニミッツ空母打撃群司令官、第3艦隊司令官などを歴任、2010年10月から欧州海軍司令官
●地上勤務では、海軍副作戦部長補佐官、海軍士官学校長、海軍司令部分析部長、同防衛計画部長を経験し、欧州海軍司令官直前は海軍司令部参謀長を経験

対リビア作戦で同大将は・・・
●NATOによる対リビア作戦(Unified Protector作戦)の米軍パートであるOdyssey Dawn作戦を指揮
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Locklear3.jpg主要な指揮官やスタッフとして、極東や日本での勤務経験がないのが気になりましたが、ゲーツ前国防長官時代に海軍司令部参謀長として「脅威の変化」や「戦い方の変化」をたたき込まれた方とお見受けいたしました。

米軍内で最大の地域統合軍である太平洋軍は、約31万の陸海空軍、海兵隊の兵士及び沿岸警備隊員と約2千機の航空機、6個の空母打撃軍を含む180隻の艦船が所属しており、対中国作戦の中核です。

ロックリア大将のBio
http://www.pacom.mil/web/site_pages/Staff%20Directory/J0/J00-Biography-locklear.shtml

「新戦略とOffshore Balancing」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-02-27
「パネッタ長官初のアジアツアー」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-10-22
「マレン議長がアジア政策を」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-07-27
「米国の姿勢シャングリラ」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-06-01

「1/2米中衝突シナリオを基礎に」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-12-28
「2/2米中衝突シナリオを基礎に」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-12-28-1

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