ある特殊部隊女性中尉の死 [Joint・統合参謀本部]
"Women have a voice. They can influence the men in their society."
先週末、アフガン南部の村で活動していた24歳のオハイオ州出身の女性中尉が、仕掛け爆弾によりレンジャー部隊の同僚男性兵士と共に死亡しました。
この事案は、女性兵士の最前線部隊での勤務の是非を巡る議論を再燃させると共に、反対にこの女性兵士が属していたCST（Cultural Support Teams）の存在の重要性を改めて知らしめることになりました。この中尉はCST初の犠牲者だったのです。26日付「military.com」の記事より
CST設立の背景
●アフガンでの戦いが始まって以来、多国籍軍男性兵士によるアフガン女性への接触の難しさが問題となってきた。地方の村では人口の7割を占める女性と子供は、男性兵士が近づけない室内に隔離され、無理な捜索による村民との対立も頻発
●男性テロリストが女性に変装したり、女性が服の下に爆弾や武器を隠して輸送することを防止するにも、男性兵士が身体検査をすることは非常に困難で、無理な行為は文化的摩擦を引き起こしていた。
●2009年以降の戦略変更で、アフガン国民と友好関係を重視した以降は、特にアフガンの地域住民との関係改善が大きな課題となっており、人口の半分を占める女性へのアプローチには女性の役割が欠かせないとの判断が下された
CSTの設立
●CST以前にも女性兵士は、MISO（military information support operations）など多用な分野で前線活動をしていた。しかし特殊部隊やレンジャー部隊には配属はなかった。またヘルモンド州など古い風習が残る特殊部隊主要作戦地域では、住民との関係確立に女性の必要性が軍上層部へ訴えられた
●昨年11月、見込まれた女性兵士が5日間にわたる軍事、身体、心理、言語等々のチェックを受け、合格した者だけが6週間の特別訓練を受けた。そして本年1月、第1弾のCST要員である女性兵士28名がアフガニスタン展開中のレンジャーや特殊部隊に配属された。
●今回死亡した24歳の中尉は、第2弾として34名の同僚女性兵士と共に前線に配備され、レンジャー部隊に配属された。現在は第3グループが間もなく訓練に入る予定で、米軍は2016年までにとりあえず、2人一組の25個CSTを（前線に）維持出来る体制を目指している
CSTの効果
●ある程度は予想されてはいたが、CST配属の効果は目を見張るモノがあった。女性に対するボディーチャックや変装者の発見の他、地方の集落では7割を占める女性からの情報量が圧倒的に増え、状況把握が格段に進んだ。
●アフガン女性だけでなく、アフガン男性の米兵への態度も、女性兵士と男性兵士で多く場合異なった。特に集落の経済的復興支援や職業教育などの場面では、ヘルメットの代わりにイスラム風のベールをまとった女性兵士の持つ安心感は、男性兵士には決してまねできないモノであった。
●女性兵士も工夫を凝らした。タリバンからの仕返しを恐れる村民の申し出を受け入れ、地元の聖職者やアフガン人の医者の家で、隠れて裁縫等の職業教育を行ったり、医療行為を支援したりした
●頑なだった男性部族長との関係を切り開いたCSTの例も多く報告されている。
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軍隊の役割の変化を感じさせる話です。女性の柔らかな仕草や笑顔が戦局を切り開く・・・
それにしても２４歳の女性中尉で最前線の特殊部隊を希望する・・・。到底まねが出来ません。
多くの男性兵士の気持ちを引き締めたAshley White中尉の訃報でした。
「軍事力使用の３原則」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-03-07
「米外交の軍事化を警告」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-06-15-1
「特殊部隊にもっと女性が」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-10-02-1
「空軍No2の美人女性頑張る」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-05-13
「サイバー戦の指揮も女性」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-05-06
「宇宙戦争の指揮は女性が」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-01-30
「日系女性が国防省IT戦略を」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-10-27
先週末、アフガン南部の村で活動していた24歳のオハイオ州出身の女性中尉が、仕掛け爆弾によりレンジャー部隊の同僚男性兵士と共に死亡しました。この事案は、女性兵士の最前線部隊での勤務の是非を巡る議論を再燃させると共に、反対にこの女性兵士が属していたCST（Cultural Support Teams）の存在の重要性を改めて知らしめることになりました。この中尉はCST初の犠牲者だったのです。26日付「military.com」の記事より
CST設立の背景
●アフガンでの戦いが始まって以来、多国籍軍男性兵士によるアフガン女性への接触の難しさが問題となってきた。地方の村では人口の7割を占める女性と子供は、男性兵士が近づけない室内に隔離され、無理な捜索による村民との対立も頻発
●男性テロリストが女性に変装したり、女性が服の下に爆弾や武器を隠して輸送することを防止するにも、男性兵士が身体検査をすることは非常に困難で、無理な行為は文化的摩擦を引き起こしていた。
●2009年以降の戦略変更で、アフガン国民と友好関係を重視した以降は、特にアフガンの地域住民との関係改善が大きな課題となっており、人口の半分を占める女性へのアプローチには女性の役割が欠かせないとの判断が下された
CSTの設立
●CST以前にも女性兵士は、MISO（military information support operations）など多用な分野で前線活動をしていた。しかし特殊部隊やレンジャー部隊には配属はなかった。またヘルモンド州など古い風習が残る特殊部隊主要作戦地域では、住民との関係確立に女性の必要性が軍上層部へ訴えられた●昨年11月、見込まれた女性兵士が5日間にわたる軍事、身体、心理、言語等々のチェックを受け、合格した者だけが6週間の特別訓練を受けた。そして本年1月、第1弾のCST要員である女性兵士28名がアフガニスタン展開中のレンジャーや特殊部隊に配属された。
●今回死亡した24歳の中尉は、第2弾として34名の同僚女性兵士と共に前線に配備され、レンジャー部隊に配属された。現在は第3グループが間もなく訓練に入る予定で、米軍は2016年までにとりあえず、2人一組の25個CSTを（前線に）維持出来る体制を目指している
CSTの効果
●ある程度は予想されてはいたが、CST配属の効果は目を見張るモノがあった。女性に対するボディーチャックや変装者の発見の他、地方の集落では7割を占める女性からの情報量が圧倒的に増え、状況把握が格段に進んだ。●アフガン女性だけでなく、アフガン男性の米兵への態度も、女性兵士と男性兵士で多く場合異なった。特に集落の経済的復興支援や職業教育などの場面では、ヘルメットの代わりにイスラム風のベールをまとった女性兵士の持つ安心感は、男性兵士には決してまねできないモノであった。
●女性兵士も工夫を凝らした。タリバンからの仕返しを恐れる村民の申し出を受け入れ、地元の聖職者やアフガン人の医者の家で、隠れて裁縫等の職業教育を行ったり、医療行為を支援したりした
●頑なだった男性部族長との関係を切り開いたCSTの例も多く報告されている。
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軍隊の役割の変化を感じさせる話です。女性の柔らかな仕草や笑顔が戦局を切り開く・・・それにしても２４歳の女性中尉で最前線の特殊部隊を希望する・・・。到底まねが出来ません。
多くの男性兵士の気持ちを引き締めたAshley White中尉の訃報でした。
「軍事力使用の３原則」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-03-07
「米外交の軍事化を警告」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-06-15-1
「特殊部隊にもっと女性が」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-10-02-1
「空軍No2の美人女性頑張る」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-05-13
「サイバー戦の指揮も女性」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-05-06
「宇宙戦争の指揮は女性が」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-01-30
「日系女性が国防省IT戦略を」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-10-27
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