5月の巨大台風で一等兵3名がグアム基地通信死守 [米空軍]
米空軍協会総会に招待され全米軍の賞賛浴びる
丸3日530リットルの漏水からハイテク通信機材守る
そんなに「柔な」施設だったの?との突っ込みは置いておき
10月13日付米空軍協会web記事が、5月24日から26日にかけ、グアム島を米国基準5段階で2番目に大きい「Category 4 hurricane」状態で直撃し、気圧900HP・風速70m・降水量650㎜の暴風雨で同島やアンダーセン米空軍基地等に甚大な被害を与えた台風「Mawar」の中、アンダーセン基地通信の中核施設である「Mawar」を、上等兵3名が72時間にわたり漏水や浸水等から死守して賞賛されている様子を紹介しています
「data center」は、同基地内と島内関係施設、アジア太平洋軍担当エリアの各拠点、更に米本土国防省中枢や米国の気象庁に相当するNOAA等との通信を担う緊要な施設であり、「巨大台風の直撃とは言え、そんな重要な施設が簡単に台風の影響を受ける施設だったのか?」との素朴な疑問が一番に浮かびますが、とりあえずは上等兵3名の72時間にわたる格闘をご紹介しておきます
●ともに上等兵(Airman 1st Class)のReynold Boateng MirekuとUzziel ToroとNhat Kは、前日5月24日から接近していた台風「Mawar」が25日午前2時ごろに最接近時、暴風雨により基地「data center」の屋根の一部がはがれ雨漏りが始まり、雷鳴が鳴り響く中、各種通信やインターネットを支える電子機器やケーブルが「冷却され」「ぬれずに乾燥状態を保ち」「電源が落ちないように」懸命に取り組んでいた
●3名が担当箇所を決め土嚢やガムテープ等でドア等からの浸水防止対策を行い、屋根が損害を受けた箇所からの雨漏り水には、バケツやモップや最後は着用していたシャツまで用いて排水に努めた、その量は台風通過の26日までにドラム缶3杯分の530リットルにも達した
●予期せぬ出来事として、台風による強風に火災報知器が反応して警報ベルが鳴り続けたが、火災が発生していないことを確認後、意思疎通維持や耳の鼓膜保護の観点から警報スイッチをオフにし、30分毎に皆で施設内の火災チェックを行うことで警報装置の代替を行うこととした
●「data center」を死守するとの使命感が生み出したアドレナリンにより、3名は最初の48時間は一睡もせずに精密機器の状態をモニターし、排水に汗を流した。その後は交代で数時間の睡眠をとり、計72時間に及ぶ台風との戦いに勝利した
3名は9月に開催された米空軍幹部が勢ぞろいする米空軍協会の航空宇宙サーバー会議に招待され、JoAnne Bass米空軍最先任軍曹(アジア系女性)から会場でその奮闘ぶりを紹介され万雷の拍手を浴びたとのことですが、その一人であるMireku上等兵は当時を振り返り、「我々が学んだのはチームワークの重要性です」と語ったとのことです
13日付同web記事によると被害復旧状況は
●民航機用のグアム国際空港が1週間余り閉鎖された中、アンダーセン基地は台風の影響が収まった26日中には滑走路を使用可能な状態に普及させ、支援物資や人員の空輸機受け入れを可能にした。また基地内に甚大な被害が出た中でも、島内一般市民向けに水や食料等を数十万食分米軍兵士の手によって配分している
●台風通過から5が月経過し、アンダーセン基地内は電気も水も問題なく供給されているが、グアム島内全体では依然として一時的な停電や断水が断続的に発生しており、生活インフラで500か所が被害を受け、依然100か所以上で大規模修理が必要な状態が続いている
●同基地の普及には約5500億円が必要との試算が提出されているが、国防省の「気候変動対処戦略:Climate Campaign Plan」の方針に沿い、単なる被害復旧だけでなく、将来の同種災害に備えたより強靭な基地づくりの方向性を具体的に検討している最中である。案の中には基地建物のドアや屋根の暴風雨対処能力の強化や電源ケーブルの地下化等々が出ているが、予算枠の話もあり、すんなりと全てが採用されるかは未知数である
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記事はアンダーセン基地や米海軍基地の被害状況について一切具体的に触れていませんが、基地内の運用態勢を表面上問題ないようにとりあえず整えたとしても、島内の生活インフラに甚大な被害が多数残っている段階では、例えばMDAが最優先課題として取り組む「2026年までにミサイル防衛体制整備」等にも大きな負の影響が出ていると認識すべきでしょう
そういえば、グアム島に爆撃機部隊が展開したとか、グアム島で大規模演習が行われたとの話を最近聞きませんねぇ・・・。そういえば米韓同盟70周年を記念する大規模なエアショーが10月17日から22日にソウル空軍基地で行われ、史上初めてB-52が韓国に「着陸」するほか、F-22, F-16, A-10, U-2, E-3, C-17, C-5, KC-135が地上展示されるとか、グアム島やアンダーセン基地は大丈夫なのでしょうか?
5月巨大台風「Mawar」がグアム直撃
「巨大台風でグアム米空軍基地に被害」→https://holylandtokyo.com/2023/05/29/4688/
米空軍の最先任軍曹はアジア系女性
「米空軍下士官トップにアジア系女性」→https://holylandtokyo.com/2020/06/22/628/
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丸3日530リットルの漏水からハイテク通信機材守る
そんなに「柔な」施設だったの?との突っ込みは置いておき
10月13日付米空軍協会web記事が、5月24日から26日にかけ、グアム島を米国基準5段階で2番目に大きい「Category 4 hurricane」状態で直撃し、気圧900HP・風速70m・降水量650㎜の暴風雨で同島やアンダーセン米空軍基地等に甚大な被害を与えた台風「Mawar」の中、アンダーセン基地通信の中核施設である「Mawar」を、上等兵3名が72時間にわたり漏水や浸水等から死守して賞賛されている様子を紹介しています
「data center」は、同基地内と島内関係施設、アジア太平洋軍担当エリアの各拠点、更に米本土国防省中枢や米国の気象庁に相当するNOAA等との通信を担う緊要な施設であり、「巨大台風の直撃とは言え、そんな重要な施設が簡単に台風の影響を受ける施設だったのか?」との素朴な疑問が一番に浮かびますが、とりあえずは上等兵3名の72時間にわたる格闘をご紹介しておきます
●ともに上等兵(Airman 1st Class)のReynold Boateng MirekuとUzziel ToroとNhat Kは、前日5月24日から接近していた台風「Mawar」が25日午前2時ごろに最接近時、暴風雨により基地「data center」の屋根の一部がはがれ雨漏りが始まり、雷鳴が鳴り響く中、各種通信やインターネットを支える電子機器やケーブルが「冷却され」「ぬれずに乾燥状態を保ち」「電源が落ちないように」懸命に取り組んでいた
●3名が担当箇所を決め土嚢やガムテープ等でドア等からの浸水防止対策を行い、屋根が損害を受けた箇所からの雨漏り水には、バケツやモップや最後は着用していたシャツまで用いて排水に努めた、その量は台風通過の26日までにドラム缶3杯分の530リットルにも達した
●予期せぬ出来事として、台風による強風に火災報知器が反応して警報ベルが鳴り続けたが、火災が発生していないことを確認後、意思疎通維持や耳の鼓膜保護の観点から警報スイッチをオフにし、30分毎に皆で施設内の火災チェックを行うことで警報装置の代替を行うこととした
●「data center」を死守するとの使命感が生み出したアドレナリンにより、3名は最初の48時間は一睡もせずに精密機器の状態をモニターし、排水に汗を流した。その後は交代で数時間の睡眠をとり、計72時間に及ぶ台風との戦いに勝利した
3名は9月に開催された米空軍幹部が勢ぞろいする米空軍協会の航空宇宙サーバー会議に招待され、JoAnne Bass米空軍最先任軍曹(アジア系女性)から会場でその奮闘ぶりを紹介され万雷の拍手を浴びたとのことですが、その一人であるMireku上等兵は当時を振り返り、「我々が学んだのはチームワークの重要性です」と語ったとのことです
13日付同web記事によると被害復旧状況は
●民航機用のグアム国際空港が1週間余り閉鎖された中、アンダーセン基地は台風の影響が収まった26日中には滑走路を使用可能な状態に普及させ、支援物資や人員の空輸機受け入れを可能にした。また基地内に甚大な被害が出た中でも、島内一般市民向けに水や食料等を数十万食分米軍兵士の手によって配分している
●台風通過から5が月経過し、アンダーセン基地内は電気も水も問題なく供給されているが、グアム島内全体では依然として一時的な停電や断水が断続的に発生しており、生活インフラで500か所が被害を受け、依然100か所以上で大規模修理が必要な状態が続いている
●同基地の普及には約5500億円が必要との試算が提出されているが、国防省の「気候変動対処戦略:Climate Campaign Plan」の方針に沿い、単なる被害復旧だけでなく、将来の同種災害に備えたより強靭な基地づくりの方向性を具体的に検討している最中である。案の中には基地建物のドアや屋根の暴風雨対処能力の強化や電源ケーブルの地下化等々が出ているが、予算枠の話もあり、すんなりと全てが採用されるかは未知数である
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記事はアンダーセン基地や米海軍基地の被害状況について一切具体的に触れていませんが、基地内の運用態勢を表面上問題ないようにとりあえず整えたとしても、島内の生活インフラに甚大な被害が多数残っている段階では、例えばMDAが最優先課題として取り組む「2026年までにミサイル防衛体制整備」等にも大きな負の影響が出ていると認識すべきでしょう
そういえば、グアム島に爆撃機部隊が展開したとか、グアム島で大規模演習が行われたとの話を最近聞きませんねぇ・・・。そういえば米韓同盟70周年を記念する大規模なエアショーが10月17日から22日にソウル空軍基地で行われ、史上初めてB-52が韓国に「着陸」するほか、F-22, F-16, A-10, U-2, E-3, C-17, C-5, KC-135が地上展示されるとか、グアム島やアンダーセン基地は大丈夫なのでしょうか?
5月巨大台風「Mawar」がグアム直撃
「巨大台風でグアム米空軍基地に被害」→https://holylandtokyo.com/2023/05/29/4688/
米空軍の最先任軍曹はアジア系女性
「米空軍下士官トップにアジア系女性」→https://holylandtokyo.com/2020/06/22/628/
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→https://community.camp-fire.jp/projects/view/258997
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2023-10-27 05:00
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