ウクライナ軍のレジスタンス戦は功を奏するか? [安全保障全般]
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戦況は予断を許しませんが・・・
プーチンのあまりの暴挙に欧米がSWIFT制裁に早々合意の中で
2月26日付Defense-Newsが、RAND研究所専門家の寄稿を取り上げ、圧倒的な軍事力差によって劣勢に立たされているウクライナ軍の態勢と動員状況を紹介しつつ、ウクライナ側が重きを置くであろうレジスタンス組織による不正規戦の可能性と難しさを考察しています
ロシア軍が米国など西側の予想をはるかに上回る大規模本格侵攻を開始し、2月27日時点で首都キエフ陥落間近と言われる状況で、予想以上にウクライナ軍が抵抗し、ロシア軍の侵略スピードが鈍っているとの報道もありますが、基礎となる軍事力で圧倒的にロシアに有利であり、その点で「不正規戦・レジスタンツ活動」はウクライナ軍の主要戦術となる可能性が高く、一般論に近い寄稿ですがご紹介いたします
2月26日付Defense-News記事によれば
●ウクライナ軍は約21万名の正規軍を保有し、2014年以降は西側の訓練支援や軍事援助を受け、能力は上がっている。加えて2月22日にウクライナ大統領は予備役招集を開始ししている
●WW2時にウクライナ人はナチに抵抗し、2014年以降はロシア軍とウクライナ東部地域で志願兵力による抵抗を行っており、歴史的な経験を保有している
●ウクライナは2022年1月に法律で「国家レジスタンス戦略:national resistance strategy」を制定したが、まだ動き出したばかりである
●同戦略は、ウクライナをいくつかの地域に区分した地域防衛軍TDF(Territorial Defense Forces)と、レジスタンス活動を総括する特殊作戦軍(Special Operations Forces)で戦略を推進する体制を規定している
●2015年以降、米国や西側諸国は、ウクライナ西部の「Yavoriv Combat Training Center」でウクライナ軍の訓練支援を行ってきた。ウクライナ正規軍や予備役兵、レジスタンスを担う特殊作戦軍もその対象であった
●ウクライナ大統領が2月22日に発令した90日間の予備役招集に、何名が応じるかは不透明であるが、世論調査は国民の1/3が応じると回答している状況にある
●ただ、実際のレジスタンス活動遂行は様々なリスクや課題を抱えている。例えば、レジスタンス活動の情報漏洩や内部かく乱を防止するための参加者の慎重な選定、一般国民からのレジスタンス活動への継続的な賛同と支援の確保、レジスタンス要員への継続的なしっかりとした教育訓練の提供などなどである
●ロシア側はウクライナ側のレジスタンス抵抗を当然予想しており、レジスタンス活動組織への浸透と内部からのかく乱&妨害を図るであろう。またウクライナ国民間に内部通報を促進して国民の分断を図ったり、レジスタンス支援者の処分を行うなどレジスタンス封じを徹底的に動くであろう
●別の視点で、レジスタンス活動をウクライナとして組織化して統制することも容易ではない。実際、ウクライナ東部における2015年以降の活動においては、極端な政治姿勢を持った団体や極右ナショナリスト団体がレジスタンス活動を行い、米国から支援停止対象に指定されるなど足並みの乱れも見られる
●戦争の今後の展開は予測困難だが、RAND研究所の歴史的なレジスタンス活動の評価は、圧倒的に戦力優位な敵に対しては限定的な効果しか生まないとの結論になっている。
●ウクライナは特に2014年以降、対ロシアの様々な経験と能力構築を行ってきた、しかし外部からの支援なしにレジスタンス活動を効果的に継続することは不可能である。政治的、経済的、そして兵器やISR情報や通信インフラな提供等による軍事的支援がウクライナには不可欠である
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まだ日本のメディアは、今回のプーチンの歴史的な暴挙を、米国やNATO側にも問題があるとの姿勢で報じ、世界の常識から外れた「左旋回」状態です。
しかし日本時間の27日には、ロシアへのエネルギー依存度等から欧州諸国の足並が揃わないのでは・・・と言われていた、SWIFT(国際銀行間通信協会)からのロシア排除であっさりと米英加と欧州が合意しました。
あまりにひどいロシアの姿勢に、ドイツに代表されるロシアより姿勢を示していた欧州諸国も、ロシアへの厳しい姿勢に舵を切ったことを肝の銘じるべきです
ウクライナに関する軍事的な視点
「ウクライナ紛争の最初の一撃は宇宙で!?」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2022-02-17
「ウクライナで戦闘機による制空の時代は終わる?」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2022-02-08
小泉悠氏によるウクライナ情勢分析
2月2日→https://holylandtokyo.com/2022/02/07/2698/
12月中旬→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-12-22
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戦況は予断を許しませんが・・・
プーチンのあまりの暴挙に欧米がSWIFT制裁に早々合意の中で
2月26日付Defense-Newsが、RAND研究所専門家の寄稿を取り上げ、圧倒的な軍事力差によって劣勢に立たされているウクライナ軍の態勢と動員状況を紹介しつつ、ウクライナ側が重きを置くであろうレジスタンス組織による不正規戦の可能性と難しさを考察しています
ロシア軍が米国など西側の予想をはるかに上回る大規模本格侵攻を開始し、2月27日時点で首都キエフ陥落間近と言われる状況で、予想以上にウクライナ軍が抵抗し、ロシア軍の侵略スピードが鈍っているとの報道もありますが、基礎となる軍事力で圧倒的にロシアに有利であり、その点で「不正規戦・レジスタンツ活動」はウクライナ軍の主要戦術となる可能性が高く、一般論に近い寄稿ですがご紹介いたします
2月26日付Defense-News記事によれば
●ウクライナ軍は約21万名の正規軍を保有し、2014年以降は西側の訓練支援や軍事援助を受け、能力は上がっている。加えて2月22日にウクライナ大統領は予備役招集を開始ししている
●WW2時にウクライナ人はナチに抵抗し、2014年以降はロシア軍とウクライナ東部地域で志願兵力による抵抗を行っており、歴史的な経験を保有している
●ウクライナは2022年1月に法律で「国家レジスタンス戦略:national resistance strategy」を制定したが、まだ動き出したばかりである
●同戦略は、ウクライナをいくつかの地域に区分した地域防衛軍TDF(Territorial Defense Forces)と、レジスタンス活動を総括する特殊作戦軍(Special Operations Forces)で戦略を推進する体制を規定している
●2015年以降、米国や西側諸国は、ウクライナ西部の「Yavoriv Combat Training Center」でウクライナ軍の訓練支援を行ってきた。ウクライナ正規軍や予備役兵、レジスタンスを担う特殊作戦軍もその対象であった
●ウクライナ大統領が2月22日に発令した90日間の予備役招集に、何名が応じるかは不透明であるが、世論調査は国民の1/3が応じると回答している状況にある
●ただ、実際のレジスタンス活動遂行は様々なリスクや課題を抱えている。例えば、レジスタンス活動の情報漏洩や内部かく乱を防止するための参加者の慎重な選定、一般国民からのレジスタンス活動への継続的な賛同と支援の確保、レジスタンス要員への継続的なしっかりとした教育訓練の提供などなどである
●ロシア側はウクライナ側のレジスタンス抵抗を当然予想しており、レジスタンス活動組織への浸透と内部からのかく乱&妨害を図るであろう。またウクライナ国民間に内部通報を促進して国民の分断を図ったり、レジスタンス支援者の処分を行うなどレジスタンス封じを徹底的に動くであろう
●別の視点で、レジスタンス活動をウクライナとして組織化して統制することも容易ではない。実際、ウクライナ東部における2015年以降の活動においては、極端な政治姿勢を持った団体や極右ナショナリスト団体がレジスタンス活動を行い、米国から支援停止対象に指定されるなど足並みの乱れも見られる
●戦争の今後の展開は予測困難だが、RAND研究所の歴史的なレジスタンス活動の評価は、圧倒的に戦力優位な敵に対しては限定的な効果しか生まないとの結論になっている。
●ウクライナは特に2014年以降、対ロシアの様々な経験と能力構築を行ってきた、しかし外部からの支援なしにレジスタンス活動を効果的に継続することは不可能である。政治的、経済的、そして兵器やISR情報や通信インフラな提供等による軍事的支援がウクライナには不可欠である
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まだ日本のメディアは、今回のプーチンの歴史的な暴挙を、米国やNATO側にも問題があるとの姿勢で報じ、世界の常識から外れた「左旋回」状態です。
しかし日本時間の27日には、ロシアへのエネルギー依存度等から欧州諸国の足並が揃わないのでは・・・と言われていた、SWIFT(国際銀行間通信協会)からのロシア排除であっさりと米英加と欧州が合意しました。
あまりにひどいロシアの姿勢に、ドイツに代表されるロシアより姿勢を示していた欧州諸国も、ロシアへの厳しい姿勢に舵を切ったことを肝の銘じるべきです
ウクライナに関する軍事的な視点
「ウクライナ紛争の最初の一撃は宇宙で!?」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2022-02-17
「ウクライナで戦闘機による制空の時代は終わる?」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2022-02-08
小泉悠氏によるウクライナ情勢分析
2月2日→https://holylandtokyo.com/2022/02/07/2698/
12月中旬→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-12-22
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