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空中給油機を通信中継アセットとして [米空軍]

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長く構想はあれど、なぜか実現していない不思議
ハード面では容易も、全体構想まとまらず?

KC-135.jpg6日付C4ISRnetが、米空軍輸送コマンドや米空軍空中戦闘マネジメントシステムABMS関係者への聞き取りを踏まえ米空軍が統合戦力発揮の鍵として取り組む「統合戦力の連接強化」のオプションとして、空中給油機を通信中継ハブとして活用するアイディアについて紹介しつつ、全体構想不在のためか、強力な推進役がいないためか、なぜか盛り上がっていない状況も示唆しています

陸海空の様々な戦力をネットワークで繋ぎ、情報をリアルタイムで共有してマルチドメイン指揮統制MDC2を迅速円滑に遂行することが将来戦の鍵だと米軍は認識し、米空軍はその中核との自負から先端戦闘管理システムABMSの構築を重点として取り組み、その一環として、昨年12月から4カ月毎に統合戦力の連接演習を実施する通称「連接演習マラソン:connect-a-thons」(正式には統合全ドメイン包括指揮統制演習(JADC2))に取り組んでいます

KC-46A.jpgちなみに昨年12月の演習テーマは「米本土への巡航ミサイル対処」で、F-22やF-35、イージス艦や地上ミサイル部隊も絡め、演習指揮官の北米コマンド司令官がフロリダの陸軍テントで指揮を執るとの気合の入った設定で行われた模様です

そんな米軍内における統合戦力「連接強化」の流れの中、また中露から攻撃で被害を受けた時のバックアップとして、空中給油機を通信中継ハブとして活用する案が盛り上がりを見せているようで、煮詰まらない状況にもあるような、微妙な記事のご紹介です

6日付C4ISRnet記事によれば
米空軍輸送コマンド副司令官のJon Thomas中将は、統合戦力のマルチドメイン連接における米空軍のABMS取り組みについてアピールしつつ、空中給油機がこの実現に大きく貢献可能だと語った
KC-135 2.jpg空中給油機の連接ノードとしての利点は、まず空中給油機は一般に大型機であるため、追加で通信装置を搭載するスペースや電力供給能力を備えていること、更に作戦運用時に戦闘エリア近くで給油支援を行うことから、作戦情報の中継に適した位置で在空するアセットである点である

●同副司令官は「戦闘エリアの近くで在空する空中給油機は、適した通信装置さえ搭載していれば、戦闘エリアの多様な統合アセットと通信可能な位置にあり、更にその情報を衛星であったり、作戦エリアから離れた後方に位置するアセットや地上指揮所に中継可能である」と給油機の利点を説明した

例えば次期主力空中給油機のKC-46Aは、既に相当の通信と自己防御装置を搭載していることから、大きな改修をすることなしに通信中継アセットして活用できる可能性があると同中将はコメントしている。
●また、旧式のKC-135給油機にも、「Realtime Information to the Cockpit」と呼ばれる「Link-16」や秘匿情報を通信する機能や衛星通信機能を付加する改修予算が50億円ほどつけられ、50機ほどが同改修の対象になっているが、同副司令官は対象機数を増やすべきだと主張している

KC-46 2.jpg●空軍輸送コマンドと連携しつつ空中給油機の活用を検討している空軍省米空軍空中戦闘マネジメントシステムABMS責任者のPreston Dunlap氏は、SpaceX社が進める数百の低高度軌道衛星を繋いで広帯域商用インターネットを実現する「Starlink」と、KC-135を連接する「Global Lightning実験」にも既に取り組んでいると語った
一方でDunlap氏は、「実験することは良いことだが、その前に良く考えるべきことがある。どんな周波数で、どんな追加手法で宇宙空間と通信するかなどだ」と述べ、要検討事項も存在にも言及した

●また同氏は過去を振り返りつつ、「搭載スペースに余裕がある空軍航空機に穴を開けてアンテナを装着し、関連機材を搭載することは容易で、過去から様々なアイディアが出されて試されてきた。しかし我々にはそれ以上先へ進める力はない扱う情報にはそれぞれ持ち主があり、結果的に良さそうなアイディアも、大規模に導入されることはなかった」と述べ、空中アセットの利用に関する大きな構想の必要性を示唆した
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最後のDunlap氏の発言の意味するところが良く理解できないのですが、「全体構想」の必要性を訴えたものとして、意訳してご紹介しています

輸送コマンドThomas副司令官の話からすると「大いに乗り気」なようですから、次回は3月に実施の「連接演習マラソン:connect-a-thons」などを通じて、構想が煮詰まることを期待いたします

連接演習マラソン:connect-a-thons関連の記事
「全ドメイン包括指揮統制演習(JADC2)」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-12-10

昨年12月の演習に関するメディア報道
https://www.c4isrnet.com/air/2019/11/12/us-air-force-to-link-f-35-with-f-22-in-connect-a-thon-experiment/

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