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細部不明も米海軍FA-18は稼働率8割達成 [Joint・統合参謀本部]

中東で酷使のFA-18:にわかに信じがたいが
昨年10月には5割だったのに・・・
外部アドバイザー招き民間機の手法導入とか

FA-18.jpg24日、米海軍が当時のマティス国防長官が昨年指示した「主要な戦闘機稼働率を2019年度末までに8割にせよ」に関し期限の9月30日を前にしてFA-18E/FとEA-18Gが達成したと発表しました

米海軍が公式声明で「稼働率8割」と発表するのですから嘘はないのでしょうが、2018年10月時点で「稼働率5割」だったものが、そんなに簡単に本当に8割を達成できるのか???との疑念たっぷりにmilitary.com記事を読んだのですが、その理由が良くわかりません

米海軍幹部は「Naval Sustainment System(NSS)-Aviation program」を導入し、「軍需産業外から専門家:expertise of the outside industry」を招聘し、米海軍が一丸となって取り組んだと説明していますが、疑い深いまんぐーすは「老朽化機体を早期破棄して計算の母数を減らしたのでは疑惑」を払しょくできていません

とりあえず24日付military.com記事によれば
Miller.jpg米海軍航空戦力チーフのDeWolfe H. Miller中将米海軍発表で、「FA-18E/FとEA-18Gはそれぞれ稼働率8割以上の基準を満たし、本声明発表時点で、それぞれ343機と95機が即時実戦展開可能なPMAI(primary mission aircraft inventory)としてカウントできる状態にある」と述べている
●そして「この状態は、一年にわたる米海軍航空関係者の取り組みの結果であり、Naval Sustainment System-Aviation programに関係者が真摯に取り組んだ成果である」と説明し、「米海軍兵士と文民職員、そして軍需産業関係者の信じがたいほどの努力を誇りに思う」と述べている

●また「過去約10年間に渡り、FA-18稼働機数は250-260機だったが、今ではFA-18を320機を稼働態勢で維持できるまでに改善し、目標であったFA-18を341機とEA-18Gを93機を達成できるまでになった」と述べ、FA-18を電子戦機に改良したEA-18Gも本プログラムの対象で改善されたと説明した
●「Naval Sustainment Systemの開発と遂行で、過去10年間見ることが出来なかったような稼働機数の数字を目にすることが出来るようになった」、「この数字は信じがたいもので、関係者の改善への情熱が湧きあがった結果である」とまで表現している

●「Naval Sustainment System-Aviation program」が従来と異なる点について同中将は、「国防省高官レベルのサポートの基、軍需産業以外から専門家を招いてNSSプログラムに投入したこと」を挙げ、「これにより国防省の政策や規則の変更要求も可能だとの信じることが出来た」、「民間航空業界で証明済みのbest practicesシステムを、国防省の完全な支援を得て導入推進できた」と説明した

Miller2.jpg●Miller中将は、投入された専門家はFA-18関連の「fleet readiness centers」をまず訪れ、米海軍関係者と共に維持整備システムの非効率を洗い出していった
大西洋地域米海軍航空司令官であるRoy Kelley少将は、最近は機体の稼働率が低いことから訓練演習を含めた飛行が十分でなかったが、2019年度はここ数年で初めて予算で割り当てられた飛行時間を完全に使用することが出来たと、現場部隊の即応体制向上に稼働率アップが大きく寄与していると説明した

2015年時点で米海軍は545機のFA-18E/F型機を保有していたが、その当時の稼働機数(PMAI)は記録がない
2018年10月のCSISでの討議でMiller中将は、FA-18の稼働率は約5割で約260機が稼働機数だと述べ、稼働率達成には少なくとも341機の稼働機数が必要だと説明していた

米海軍関係者は、この維持整備施策NSSを今後も推進し、高い即応態勢維持に努めると語ったが、マティス前長官が求めていたF-35の稼働率8割については触れなかった
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EA-18G.jpg2018年10月にFA-18の稼働率5割で稼働機数約260機だとすると、保有機数約520機で、2015年の保有機545機から老朽減耗で減少したと理解できますが、「稼働率8割達成には少なくとも341機の稼働機数が必要」と言われると、保有機が約463機となり、母数が良くわかりません

それにしても、「国防省高官レベルのサポートの基、軍需産業以外から専門家を招いてNSSプログラムに投入したこと」で稼働率が劇的に改善したなら、米空軍でも考えるべきでしょう。

米空軍はF-22はステルス塗装維持のために維持整備に時間が必要F-35は任務所用が多くて維持整備に時間が掛けられない・・・などの理由で稼働率8割が達成できないと言い訳していましたが、米海軍方式は導入できないのでしょうか? 

また、民間航空会社の手法とはどのような手法でしょうか? とっても気になります

主要戦闘機の稼働率を8割にせよ関連記事
「米空軍はF-16のみ達成可能」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-09-06
「戦闘機稼働率8割への課題」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-12-09
「マティス国防長官が指示」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-10-11

「B-1爆撃機の稼働機一桁の衝撃」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-06-05
「2Bソフト機は稼働率4割台」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-03-10-1
「2/3が飛行不能FA-18の惨状」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-02-07
「世界中のF-35稼働率は5割」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-03-03-3
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