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米空軍初:ムスリム兵士にあごひげ許可 [米空軍]

当該兵士は中東派遣を経てイスラム教に改宗
部隊内での嫌がらせを乗り越えたと米空軍が公表

Gaitan.jpg11月20日付Military.comは、2014年に米国防省が示した新たな指針に基づき、米空軍初のケースとしてある軍曹が「あごひげ」を禁止する規則の免除を認められ、上官からの理解を得て、周囲からの心無い言葉や嫌がらせにめげずに頑張っているとの米空軍発表を紹介しています

2014年に米国防省が示した新指針では、ターバン、頭のスカーフ、あごひげなどを禁止する規則に関し、誠実な信仰心の表明などと認められる場合は、禁止規定の免除を申請することができ、ケースバイケースの判断で認めるというもので、誠実な信仰の期間が4年以上との基準も示されているようです

ただし、誠実な信仰心からの規則免除申請であっても、制服の着用やヘルメット等の装具の着用に影響の出る場合や 業務や健康に影響が出る場合は申請を許可しない点も指針に明記されているようです

basic-training2.jpg当該軍曹は、加州トラビス空軍基地で緊急対応部隊のロードマスターとして勤務しており、今年8月に規則免除が認められたようですが、11月後半の現在までには様々な同僚等との軋轢があったようで、それらも含め、米空軍として多様性に配慮した対応をして同軍曹の権利を守っている・・・との米空軍発表となっています

この件では米陸軍が先行し、ケースバイケースで同様の規則免除をすでに出しているようですが、同性愛者といい、トランスジェンダーといい、宗教上の配慮といい、米軍の指揮官は大変です・・

20日付Military.com記事によれば
●第821緊急事態対処支援隊の空輸支援要員であるAbdul Rahman Gaitan軍曹は、カトリック教徒として生まれ育ったが、2011年にトルコに派遣された際にイスラム教に接して関心を持ち、その後ハワイへ転属したのちにイスラム教に改宗することを決心した
●ただ、今年8月1日にあごひげを認められ、徐々にひげを伸ばし始めた過程で、同軍曹は様々な嫌がらせを受けている

basic-training4.jpg●例えば、同軍曹がイスラム教徒であることを口にしながら追い払うような仕草をされたり、丁寧な言葉ながら他人の前で「君はISISに入ったのか?」とか「君はテロリストか?」尋ねられたり・・・といったことを同軍曹は何度も経験した
●しかし同軍曹は、そんなことがあるたびに同僚や上司が毅然として同軍曹を守ってくれたと語り、「そのような嫌がらせをお受けた事実は、稲妻のような速さで司令官に報告された」、またあるケースでは翌朝すぐに司令官室へ呼ばれ、司令官が同軍曹を見据えて「心配するな。私は君を守る」と毅然と話しかけてくれたと証言している

●米空軍参謀総長は就任前の上院軍事委員会での2016年の質疑で本件に関し、「これまで行われてきたように、このような申請は慎重に審査され、部隊の即応性や任務遂行に支障がない場合に限って許可される」と証言し、同時に現在の規則免除の範囲を拡大する計画はないと明言している
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urban warfare.jpgケースバイケースで判断するとは都合のよい表現ですが、各部隊の指揮官は大変です。

Gaitan軍曹の強い精神力にも恐れ入りますが、これをプレスリリースしている米空軍の皆さんのこれまでのご苦労と、今後予期されるご苦労にも頭が下がります

トランプ大統領との対面など実現すればもっと良いのに・・・と勝手なことを考える・・・・です

話は変わってジェンダー関連と米軍
「同性愛者の陸軍長官」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-09-01
「大統領、米軍でトランスジェンダー認めない発言」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-07-28-2
「同性愛者対応の変更に関するゲーツ国防長官メッセージ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-06-01

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