Northrop-Gも世代間&5世代機間リンクに名乗り [米空軍]

また、この通信中継装置を用いて、もう一つの懸案である第4世代機と第5世代機との間の情報共有も可能だと売り込んでいるようです
これまで何回かご紹介してきたように、第4世代機は「Link 16」とのデータリンクを、F-22はより高度に迅速に秘匿状態でリンク可能な「IFDL:Intra-Flight Data Link」、F-35は高度で秘匿通信が可能だがF-22とは異なる「MADL:Multifunction Advanced Data Link」を使用しており、相互に情報共有ができないと言う問題を抱えています

共に、結局は下のレベルの「Link 16」を活用する情報共有策で、第5世代機が搭載する「IFDL」や「MADL」の良さを最大限生かすことは出来ず、通信の秘匿性も不十分なようですが、緊要なデータをリンクで共有することが可能なようです
8月23日付Defense-Newsによれば
●Northrop Grumman社が提案したのは「Freedom 550」との通信中継装置で、これを30時間以上連続して飛行可能なRQ-4グローバルホークに搭載して使用する方式である。

●例えば米空母艦載機のFA-18は、空母や艦艇との通信を維持する必要があるが、低空を飛行したり地形の関係で通信を直接維持することが難しいことがあり、その際この「E-Q4」が大いに活躍している。そして「E-Q4」には、まだ「Freedom 550」を搭載するスペースが残されている
●「Freedom 550」は、マルチ周波数でソフト管理式の無線中継装置で、F-22やF-35が搭載する「IFDL」や「MADL」のデータ共有を「J-series messages via Link 16」で実現する装置である
●また同装置は、第4世代機(F-15やF-16)と第5世代機(F-22やF-35)のデータ共有を可能にする装置でもある。

●しかし同社は今年年初、英国空軍と協力し、2週間にわたり「Babel Fish III」と呼ばれる検証デモ試験を行い、F-35Bとユーロファイター間を「Link-16」でデータ共有させた実績がある。ただしその際もF-35BのMADLデータは共有できていない
●米空軍は今後F-35が戦力の中心になる事を見据え、2010年代当初にF-22のIFDLをMADLに交換しようと試みたが、予算上の制約等々から結局実施されなかった。そしてF-35開発の遅れと調達の遅れを受け、第4世代機の延命が具体化する中、多数の第4世代機と5世代機のリンク問題もクローズアップされるようになった
●米空軍がNorthrop Grumman社の提案を採用するか、ボーイングの「Talon HATE」など他社の提案を採用するかはまだ決定されていない。
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いずれにしても思います。第4世代も第5世代機も、この航空機さえあれば完璧だ・・・みたいな過剰宣伝&過剰広告でキャンペーンして開発と調達にこぎつけたものの、実際の脅威は異なる方向に進化していて、どの世代の戦闘機も機種も、みんなが協力して戦いえるようにしないと敵と戦えない時代に入っていると言うことです。
今や、「a family of system」として戦うは米空軍内の共通認識になっていますが、ほんの数年前までは違ったんですよねぇ・・・
世代間や機種間リンクの記事
「Red-FlagでF-22リンク問題」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-08-02
「世代間リンクに対策」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-05-10
「世代間リンクが鍵」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-07-18-1
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