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CAS能力対決:来年F-35対A-10 [米空軍]

Pleus.jpg発言日時場所が不明ですが、25日頃、米空軍F-35導入準備室長のScott Pleus准将が、2017年度予算関連法で求められているA-10攻撃機とF-35戦闘機のCAS(close air support:地上部隊支援攻撃)能力比較テストを、2018年早々に実施する方向で具体的検討を進めていると語りました

A-10攻撃機は冷戦期の対ソ連戦線で戦車阻止を狙いとして設計された航空機で、対空脅威の高い地域での使用は想定されていませんが、対ISILや対アルカイダ等、中東戦線で大活躍しており、A-10を早期退役させて運用経費や整備員等をF-35に振り向けたい米空軍の意向に反し、2022年までの運用継続が決定されています

A-10退役開始時期の判断については、F-35の運用態勢が確立した後に、A-10対F-35のCAS能力比較試験を行ってから判断する事となっており、2017年度を規定する国防権授法が「対決試験」の実施を空軍に命じています

Pleus准将は、CAS能力からすればA-10の能力が優れているだろうが、敵の対空脅威があるエリアでの活動能力はA-10にはなく、その差は決定的だと空軍側の主張を繰り返していますが、色々お騒がせのF-35ですので、議会の理解が得られるか不透明です

25日付DODBuzz記事によれば
A-10 4.jpg●Pleus准将は、法律により求められている一連の試験を「as early as next year」に実施することで計画を進めていると語った
試験内容や方法は、国防省の作戦運用試験&評価室が検討作成する事になっており、現在中身を検討してもらっていると説明した

A-10攻撃機は強力な対戦車を想定した7砲身からなる30mm機関砲を装備し、弾丸も約1200発搭載できる。一方でF-35は25mm機関砲で弾丸も約200発しか搭載できない。
F-16操縦者であるPleus准将も経験から、CAS用アセットとしてはA-10が優れているとの結果になると予想するが、あくまで敵の脅威がない環境での比較である

Pleus3.jpg●F-16能力の延長線上のあるF-35は、A-10が20nm以内に進入できないような脅威環境を想定して設計されており、F-35だけが同環境では飛行作戦を継続できることを念頭に置いてほしいと語った
●更に同准将は、この試験は単に両機種のCAS能力比較だけに止まってはならず、空軍指導層や議会による、今後の本分野への投資配分をどうするかの判断に資するものであるべきだとの考えを述べた
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A-10運用停止に強硬に反対している議員は対ISILを重視しすぎる傾向があり、Pleus准将ら米空軍幹部は湾岸戦争のような「空軍が主役だった頃よ再び」との思いが、又は熟練整備員をA-10からF-35へ早急に配置転換してF-35体勢を確立したいとの思いが強すぎるのでしょう。

Pleus2.jpgやっと最近になって中間を探る動きも見られ、対テロや不正規戦用に軽攻撃機を導入する検討が本格化し、春には米空軍が候補機首のデモ飛行を計画するようです。
A-10のような特殊な力強さを既存の軽攻撃機に求めるのは無理ですが、それなりの道が開けるかもしれません。

まぁ・・空軍戦闘機操縦者の「選民意識」が改まれば・・・の話ですが。

A-10攻撃機関連
「F-35整備員確保の苦悩」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-02-14
「A-10全廃は延期へ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-01-22
「シリアへ派遣」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-10-21
「米陸軍は全廃容認」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-05-29

軽攻撃機のデモ確認を春に
http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-01-21

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