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次の米空軍参謀総長は7歳若返り [米空軍]

噂通り、David Goldfein大将が正式候補に

Goldfein6.jpg26日米国防省は、7月1日から就任予定の次の米空軍参謀総長候補者に、現副参謀総長(昨年夏に就任したばかり)であるDavid Goldfein大将を推薦すると発表しました

先日「噂」段階でご紹介していましたが、現在のWelsh参謀総長より空軍士官学校の期別で「7期」も若返り、昨年8月に大将に昇任したばかりの人物いろいろ言われてきた候補者を「飛び越える」それなりにサプライズな人事です。

日本で言うと防衛大学校27期相当の若さですが、今後は上院軍事委員会での質疑等を経て議会承認を得る手続きに進みます。
報道によれば、米空軍幹部としばしば衝突する上院軍事委員会のメンバーも「まあいいんじゃないの」程度の反応で、議会承認獲得に大きな問題はなさそうです

26日付Defense-Newsから関連あれこれ
Goldfein4.jpgF-16C/D型、ステルス機F-117、無人機MQ-9等の操縦で4200時間以上の飛行時間。作戦行動でイラク、バルカン半島、アフガンを飛行。海外での勤務はイタリアとドイツ、更に中央軍空軍司令官としての勤務で、日本や韓国はない
●コソボ作戦に参加した際、1999年セルビア上空でSAMに撃墜され、敵の攻撃の中を空軍ヘリによる救出作戦で生還。当該救難ヘリは敵銃弾を「5発」受け、危機一髪の救出劇だった。Goldfein大将は今でも、救助ヘリのクルーに「毎年一本スコッチ(本人談:single malt, good quality)」を贈呈している

●Goldfein大将の推薦の背景には、対ISIL航空作戦を強化している最中、カーター国防長官が関連経験豊富な人材を要望していることがあると言われている
議会との間で対立が続いたA-10全廃問題に関し同大将は、「A-10全廃を米空軍が決定したのは、ISIL問題が表面化する以前であり、アフガンからの撤退を進めている最中であり、ロシアの活動活発化の前であった。このような前提に変化があったならば、我々は機敏に変化に対応する」と語り、議会のA-10当面維持姿勢を受け入れる考えを示している

●このA-10問題やF-35問題で米空軍幹部に批判的である上院軍事委員会のマケイン委員長であるが、マケイン氏自身もベトナム戦時に撃墜され捕虜になった経験を持つこともあり、少しは良い関係構築につながるのではないか
Goldfein7.jpg●同大将が候補者になった事に対しマケイン議員は、「優れた経歴で評判も良い」「私がいろいろ聞く限り、印象的な人物だ」と述べており、上院での承認手続きに関しても、大きな問題や遅れにつながるようなことは想定していないとも語っている

●同大将の父親も空軍人で、兄弟のStephen Goldfein氏も空軍少将として退役している。娘の一人も空軍で勤務している
●2001年に「Sharing Success, Owning Failure: Preparing to Command in the 21st Century Air Force」との本を発表している

Goldfein大将の公式経歴
http://www.af.mil/AboutUs/Biographies/Display/tabid/225/Article/108013/general-david-l-goldfein.aspx
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15日の「噂」に関する過去記事より抜粋
●これまで、現在の米空軍宇宙コマンド司令官である非パイロットのJohn Hyten大将が最有力の候補者と考えられてきたが、ここに来てこれまで名前が話題にならなかった候補が急浮上している

Goldfein2.jpg●同情報筋によれば、カーター国防長官が、対ISIL作戦をリードするための経験を持つ人材を望んでいる模様
Goldfein大将は1983年に空軍士官学校を卒業(防衛大学27期相当で55~56歳)し、副参謀総長に就任する2015年8月までの2年間は統合参謀本部議長の筆頭補佐役(Director, Joint Staff)、2013年8月までの2年間は米中央軍空軍司令官を務めていた

今年2月にWelsh空軍参謀総長は米空軍協会総会の「大将パネル討論」で、自身の後任者は「non-pilot」であるべきだと強く主張し、宇宙作戦の進展と重要性を強調した後に、同パネル討論に参加していたHyten宇宙コマンド司令官に「後任問題」と「宇宙作戦」に関するコメントを求める一幕もあり、Hyten後任説の根拠とされていた
●そのHyten大将に関し同情報筋は、米戦略コマンド司令官(現在はCecil Haney海軍大将)の後任者の最有力候補だと語った

Goldfein3.jpgGoldfein大将の前職「Director, Joint Staff」は、軍人トップの統合参謀本部議長の筆頭補佐役として、ホワイトハウスや国防長官や軍主要コマンド等との調整に奔走する役回りと考えられ、そのあたりの働きぶりが目に留まったのかも知れません

F-16操縦者ながら三沢や韓国勤務はなく、アジア太平洋経験は「ゼロ」です。
やはり今一番米国防省にとっての懸案は、正に燃えさかっている「対ISIL」作戦と言うことなのでしょうか・・・

従来の噂候補3名
「次の空軍参謀総長候補3名」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-01-09

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