ほぉ:ロシアが戦略核魚雷と搭載潜水艦開発か? [安全保障全般]

ロシアは、欧米がイランのミサイル脅威に対処するため東欧に配備を進めているBMDシステムに、ロシアの戦略核抑止力を殺ぐものだと強く反対していますが、空中を飛翔するICBMやSLBMに比して探知が極めて困難な戦略核魚雷で西側に対抗するのかも・・・と憶測を呼んでいます
技術的に実現可能性があるのか、軍事的に脅威なのか、意図的リークなのか・・等々の疑問は尽きず、よく分からない点も多いのですが、実現すれば核抑止やBMDの世界をひっくり返しそうな新兵器ですのでご紹介します
4日付米海軍協会web記事によれば

●同核魚雷の「概要資料」の中身を英国BBCは、「沿岸地域に存在する敵の政経中枢を破壊し、放射性物質によって広大なエリアを確実に壊滅的打撃を与え、敵国の軍事や政経活動を長期間にわたって不可能にする」と翻訳して紹介している
●リークされた「Status-6」資料の画像によると、戦略核魚雷は長さ約25mの原子炉推進魚雷で、射程距離は数千マイル、100メガトンの弾頭が搭載可能だ
●戦略核魚雷のリーク資料は、昨年明らかになったロシアのSevmash造船所で建造されていた謎の潜水艦「Project 09851 nuclear submarine Khabarovsk」の「謎」を解明するのではと考えられている

●Sutton氏は、2007年に現れた試験潜水艦「Sarov」は1発の核魚雷を搭載できたであろうが、それを発展させたのが「Project 09851」だと考えている
なぜ戦略核魚雷や搭載潜水艦が
●プーチン大統領は、欧米がポーランドやルーマニアに配備を進めるBMD「Aegis Ashore」を、核抑止のバランスを損なうモノだと非難しているが、そんな中で戦略核魚雷の情報が出回った
●米国務省の軍備管理担当Rose Gottemoeller次官補は、「懸念を持ってみている。ただし同システムが運用可能な状態になるならばだが。問題を引き起こすシステムだと思う」とのみ述べている

●米海軍協会のEric Wertheim氏は、「ロシア経済にとって、兵器や艦艇や潜水艦は依然として主要な収入源であり、実用化されるかは別として、新型魚雷や潜水艦の情報はロシア軍需産業の名声を高める効果を持っている」と見ている
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魚雷や潜水艦については基礎知識が不足しており、どれほどの実現可能性とインパクトがあるのかよく分かりません
核抑止理論への影響等々・・・どのような整理になるのでしょうか・・とりあえず情報提供まで
BMD「Aegis Ashore」関連の記事
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