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現ステルス機は10年で中露軍の餌食!? [安全保障全般]

F-22Hawaii2.jpg29日付米海軍協会web記事が元米海軍高官の話として、中国やロシア軍を含むレーダー技術の急速な進歩により、米軍のステルス戦闘機も「2020年代から30年代には、生き残れないと考えられる」との見解を紹介しています

米海軍協会webサイトがDave Majumdar氏の執筆で継続フォローしている話題で、より長い波長(L, UHF and VHF)のレーダーに対するステルス性が不十分な現ステルス戦闘機(F-22やF-35)の特性と、その弱点につけ込む技術が成熟しつつある現状に対する警告です

29日付米海軍協会web記事によれば
7月28日に元米海軍高官が証言
●中国やロシア軍のレーダー技術の向上により、米軍のステルス戦闘機が発見され、更に重大なことには、敵により目標追随され兵器で攻撃可能になる
米軍のF-22やF-35ステルス戦闘機は、高周波数レーダー(Ku, X, C and parts of the S bands)に対してステルス性を最適化しているので、低周波数レーダーには弱点がある

●しかしこれまでは、低周波数の弱点は問題にならなかった。なぜなら低周波数帯レーダーでは目標を発見できても、兵器を誘導できる「質」の情報が得られなかったからだ
●中国軍やロシア軍は、ボンヤリとはステルス機の位置を把握できたが、迎撃ミサイルを誘導できなかったのだ

Luyang III 052D.jpgしかし状況は変わりつつある情報処理技術の発達により、次第に徐々に、低周波レーダーでも目標をより正確に見分けることが出来るようになってきた。2020年代から30年代には、低周波レーダーに対応できていないモノは長く生き残れないだろう
●変化を見通した敵は、現在の高周波数レーダーに加え、低周波数レーダーの装備を始めている。中国海軍の「Type 52C Luyang II」や「Type 52D Luyang III」は既に、両方のレーダーを装備している

低周波数レーダーでまず発見し、高周波数レーダーを発見した目標に振り向けることが出来るようになれば、我々のアセットは生き残れない。
●このような低周波数レーダーと情報処理技術の発達により、まず第一に、F-35戦闘機の有効性に大きな疑問が生じる。特に強固に防御されたA2AD環境下での有効性に対し。

●米軍の作戦構想全体に対して言えば、敵のサイバー能力や電波妨害技術が進歩する中で、NIFC-CAのように高度なネットワークに依存する構想が成立するかも大きな疑問である
F-35canada.jpg●更に、中国やロシアはNIFC-CAの中核となるE-2Dを撃墜する為、長射程の対レーダーミサイルを開発しており、NIFC-CA実施を困難にしている

米海軍の空母艦載機は元々ステルス性が欠如しており、低周波数レーダーの発達は大きな脅威となるはずだ。この状況は、空母艦載無人ISR攻撃機UCLASSを「high-end」な装備にすべきと主張するモノ達の助けとなるだろう


米国防省も公式文書で警戒
米国防省は敵対国の防空システムが高度化していることに認識しており、議会に報告したレポート「中国の軍事力」にも、中国はステルス機やステルス無人機対処を「優先課題」と見なして継続的に取り組んでいる、と記されている
●同レポートは、中国が米国のような情報依存国を麻痺させるため、情報流通を支配する「情報戦」を重要視していると指摘している。
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これまでもご紹介してきた「ステルス機も将来はステルスではない」との主張です。
今回は「元米海軍高官の証言」でご紹介しました

もっと話題になってよい論点だと思うのですが、恐らく、ステルス機を「飯の種」にしている軍・企業・各種団体に配慮し、自由な議論が出来ないモノと推察いたします

関連の記事
「E-2Dはステルス機が見える?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-06-12
「ステルス機VS電子戦機」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-04-22
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