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中国経済と指導者交代 [経済情勢]

rounduwnow.jpg13日放送(配信)の伊藤洋一のRound Up World Now」が恒例の中国特集を行い、お馴染み富士通総研主席研究員の柯隆さんが登場しました。
伊藤洋一氏との対談形式で行われる恒例の中国特集ですが、今回は本年最初の中国特集でもあり、秋に指導層の交代が控えていることから、将来を展望する内容となっています。

冒頭、薄熙来失脚や江沢民の上海閥と太子党の紐帯、共産党青年団との対立の話もありましたが、何となく着いていけないので省きましたご興味のある方はPodcastでどうぞ

温家宝首相の反省会見
●温家宝が自戒の念を込めて語りたかったのは、国有企業の改革や国有銀行の民有化が進まず、逆に民間企業にとっての環境改善も進めることが出来なかった反省である
●首相は強い指導力が個人の資質として不足しており、人脈ネットワークも不十分で、更に国家主席との関係も万全ではなくサポートが得られなかったことが政策を進められなかった原因である
●しかし、残りの任期で何かをやり遂げたいとの意欲を失っておらず、今後動くかもしれない

国有銀行の問題
●国有銀行が中小企業へお金を貸し渋っている。しかし担保が不十分な企業に貸せないのは道理であり、中小企業向けの特別な融資機関を設けないと、首相らが強制しても変化は難しい
●一方で、中国の中小企業の平均寿命は3年半。あまりにも短く、日本の中小企業の様に、独自の技術を蓄えたり人材を育てる役割を果たしていない。短期的な利益追求指向になっている

7.5%成長目標をどう見る?
RoundUpWorld.jpg●継続してきた高成長のゆがみを修正し、産業構造改革を進める狙いの目標下方修正だが、政権最後の数字を飾りたいとの思惑から最終的には公共事業が乱発され、8~9%の成長になると思う
●中国は全産業を55分類しているが、主要な全ての省が55全ての産業を保持しており、国全体での効率的な生産分担が行われていない。非効率な生産が分散して行われている。

●しかし、国があまりにも大きくて分担の話は進まない。地方政府の意地もある。例えば南部沿岸地域内での分担・効率化を考えることが可能な方向か
●人民銀行による金利の引き下げは難しい。何らかの形でのQE2の様な政策の可能性が高い

習近平の長所は?
癖のない穏健な性格と言われている。長老達に好まれやすい性格である。一方で強力な個性で改革を牽引するタイプではない
●今後10年に大きな改革は期待できないのでは・・・との見方が強い

「クーデター」デマとネット規制
●ネット上で「クーデター発生」のデマを流した犯人6人が逮捕され、その後数日間、中国版ツイッターでの「返信」や「リツイート」が使用不能
●当局による情報拡散制御の実験的処置であった。

軍によるクーデターの可能性は
ChinaMil.jpg●軍の近代化は引き続き進んでいるが、人事を中央軍事委員会の国家主席が握っており、軍による行動は考えにくい
軍よりも国内治安担当部署への予算配分が大きい。対外的な脅威より、中国にとっては国内の暴動やデモへの対処が非常な重要な問題である。
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西側諸国はどこも政治的停滞が目立つようになっていますが、中国も同様の傾向にあるようです。
薄熙来の失脚は、一昔前の中国で見られたイデオロギー抗争ではなく、9つの席を争う勢力争いであり、どちらも決め手を欠く・・・との話がありました。

またアップルを訴えている中国企業(倒産済み)は金目当てであるが、アップルは中国進出前に「中国内の掃除」を済ませておくべきだったかもしれない

「中国を多様な視点で」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-12-31
「中国製にせ部品との戦い」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-11-10
「中国を見る視点:経済」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-11-06-1
「バイデン訪中と密約」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-09-12

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