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予算削減の影響分析は9月末 [Joint・統合参謀本部]

9月末か10月初旬までに、35兆円削減の影響に関するレビューを完了する

dempsey5.jpg26日、9月末退任予定のマレン統合参謀本部議長後の、次の同議長への承認を得るため、デンプシー陸軍参謀総長が上院軍事委員会で証言を行っています。

同議長としての多様な職務に関する質問に答えていますが、パキスタン関係、サイバー、調達改革、予算削減に関する発言部分を、米国防省HP記事からご紹介します。

パキスタンとの関係について
パキスタンとの間には「知的な不一致事項」があり、それは脅威の認識に起因する部分が大きい。パキスタンは、その生存に関わる脅威としてインドを一番の脅威とし、アフガン国境の部族地域からのテロ脅威を低く見積もっている。
●一方で米国は、インドの脅威より西部部族地域の脅威が遙かに大きいと主張しており、この部分で考え方に相違がある
●(質問に答え)仮にパキスタン経由のアフガン物資移送が滞った場合、ロシアやコーカサス、中央アジアを通るnorthern supply routeへの依存を高めることになるが、輸送コストが上昇することになる。

「北部補給ルートNDN」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-04-15
「人命直結の燃料節約」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-05-02

調達改革について
dempsey.jpg我々は真に調達改革を進めなければならないと考えている。1996年以来、開発計画の中断により多くを無駄にし、部隊が必要な装備を届けられなかった反省がある
2009年のWeapon Systems Acquisition Reform Actは調達プロセスを改善した。一方で今後考えなければならないこともある。それは各軍種チーフの調達における役割の見直しである。
●現在は軍種のチーフは要求取りまとめを行うが、その後は調達部署が行っている。この仕組みは機能していないのではないか。再検討する意味があると思う。
●5世代戦闘機は必要で要求していくが、国家として適切な経費内であることも重要である。これも調達改革の一分野である。

サイバー戦略について
●私自身が今、14日発表の同戦略を勉強中である。
サイバー攻撃を受けた際に、戦争行為だと認定するのは政治の判断である。私の役目は、攻撃を受けた際、どのように対応するかについてのオプションを提案することである。

約35兆円の予算削減について
dempsey3.jpg国防省は9月末か10月初旬までに、35兆円削減の影響がどのようなインパクトを与えるかの検討を完了する予定。35兆円でなく、70兆円削減との声も上がっているが、それは途方もなく困難でリスクと伴うものになる。
●戦力組成や訓練、装備品調達だけでなく、給与、保障、医療費と言った分野に手を付けなければならない状況で、すで手が検討の対象となっている。

●現役、修平、予備役、家族等々、全ての関連する人々の意見を聞きながら進めるべきであると考えている。
●例えば陸軍のケースだと、現在給与の総予算に占める割合は42%だが、2017年には48%になる見積もりである。これは維持可能とは言えない。
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dempsey4.jpg本格的に予算削減に向けたつばぜり合いが始まったようです。しかし35兆円から70兆円に削減幅拡大ですか・・・。
与野党の協議が一次決裂し、8月2日の一部デフォルトが話題になっていますが、影響は小さくなさそうです。

「陸軍参謀長に与える課題」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-04-13

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