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冷戦でなくブリザード戦 [パネッタ国防長官]

「もはや冷戦ではない、ブリザード戦争の時代である」
「次の真珠湾攻撃は、サイバー空間で起こるだろう」

panettaSASC.jpg9日、次期国防長官としての議会承認を受けるため、パネッタCIA長官が上院外交委員会に出席しました。
DODBuzzやシンクタンクAEIからの質問状(後日紹介予定)への直接的な回答はもちろんありませんが、議員からは関連の質問が問われています。
全般には慎重に受け答えし、今後進む予算削減検討についても、検討チームの報告を待って考えたい等の対応でしたが、委員会の反応は「大人の対応で安心した」との雰囲気のようです

なお、公開された部分は朝0930から昼1300までの部分で、昼食をはさんで1430から非公開の質疑が行われています。公開部分で中国に関するやりとりがないので、恐らく刺激しないように「密室」で話が出たのでしょう。米国防省HP記事と9日付「DODBuzz」より  3時間半の全トランスクリプト59ページ(見にくい・・・読んでませんが)

まず国防省HPより興味ある部分だけつまみ食いです。
4軍のチーフと率直でオープンな関係を維持することが重要だと考えている。前線兵士をリードする彼らが、何が重要かを知っているからだ。
●頻繁な前線への派遣を余儀なくされている兵士やその家族と、彼らの肩にのし掛かるストレスを常に心にとどめておきたい。
●戦時に大きな改革に着手したゲーツ長官は、歴代国防長官の中でも最高の長官であり、私はその改革を引き継いでいきたい。「focused, hands-on」のマネイジメントスタイルでやっていきたい。

panettaleon.jpg●我々はもはや冷戦の時代にはいない。いまはブリザードの中の戦いのようであるブリザードのようにテロ、兵器技術の拡散、ライジングパワー、自然災害等々の課題が吹き付けてくる。
●サイバー戦に関し、私はかねてより次の真珠湾攻撃はサイバー空間で起こると発言してきた。これを防止するため全力であたりたい。

アフガンからの撤収要領については、現在の国防長官等が担当する事項であり、現時点で私が述べることはない。しかるべき時期が来たら私の判断を述べる必要があろう。
パキスタンでの成功がなければ、アフガンでの米国の成功はない。米とパキスタンの関係に緊張があることは認めるが、パキスタン国内のテロリストはパキスタンにとっての一番の脅威であり、共に進まなければならない。我々は協力関係強化のためあらゆる事に取り組まなければならない

●米国が、財政秩序の維持と強固な国防体制の2者択一を迫られるとは思わない。厳しい選択を迫られることは否定しないが、国民から負託を受けている財政秩序の維持と強固な国防体制維持の両方を達成したい
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次に9日付「DODBuzz」の推測批評
PanettaLeo.jpg●ゲーツ長官の優先装備(F-35、KC-46A、LRS、SSBN-X)等々に関して明確なコメントはなかったが、特にF-35について曖昧な表現が目立った。調達数の変更やコスト問題が絡んでいる可能性有り
●パネッタ氏の一番若い息子Jimは、陸軍士官としてアフガン勤務でブロンズ勲章を授与されている。

●なぜ議員達は、ゲーツ長官やマレン議長の警告、「人件費の高騰を抑えなければ装備品がしわ寄せを受ける」に関して触れなかったのだろう。議員にとって自身の首を絞める質問だからか?
●アフガンから米軍等が撤収した後、アフガンの電力や燃料は誰が確保するのか?との質問に対し、問題を認識しており、今後の課題と認めた。(こんな大きな問題があったのか・・・)

●全般にパネッタ氏は無難に乗り切った。オバマ政権も議会側も安心したことだろう。議員への姿勢も丁寧で、議員からの厳しい質問にも正面から答えていなくても「両者がウインクして」修めているような雰囲気を感じた。

「オバマ公式発表:次期国防長官」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-04-29

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nato.jpgnato2.jpgこの間、ゲーツ長官はNATO国防相会議に出席し、アフガン関連やサイバー強力、ミサイル防衛問題について意見交換したようです。

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