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前半:米軍事2010年の10大ニュース [安全保障全般]

27日付「DoDBuzz」が2010年の米軍事関連10大ニュースを選定しています。

pentagon_aerial.jpg似たような試みとして、米国防省HPが「今年最もアクセスの多かった記事ベスト10」を紹介しています。国防省のベスト10には、同性愛者への「聞かない、言わない」政策変更を巡る記事、兵士への医療補助・保険制度改革関連記事、退役軍人への支援など兵士に身近な問題の記事がリストアップされているほか、Wikileaksへの対応を伝える記事も含まれています。

米国防省HPの官製ベスト10は「お役所寄り」な面がありますので、本日は2010年最後の記事として、本音の「DoDBuzz」記事から10大ニュースをご紹介します。

本日は第10位から第6位まで、大晦日の明日は第5位から第1位をご紹介します。

第10位:新START条約締結・批准
SSGNOhio3.jpgクリスマス直前に米露両国の議会で批准されたばかりの戦略兵器削減条約は、現在2000発以上の戦略核弾頭を1500にまで削減することや両国が査察官を相互に受け入れることなどを規定
核兵器の老朽化とその維持経費に苦労している両国にとって自然の成り行きとの見方もあるが、ロシア側の現保有数が多いことから、削減履行状況が注目される。

「ロシアの動きを見極めて」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-06-22

第9位:国家安全保障戦略の発表(National Security Strategy)
gatesSTART.jpg●5月に発表されたモノ。経済的国益やソフトパワーの重要性を訴え、財政の健全化を追求し、経済の再建を目指し、かつ問題解決のために軍事力へ過度に依存することを戒めた内容
●最近明らかになった今後5年間で約6兆5千億円もの国防費削減を求めるホワイトハウスの動きなどを見ると、今後の米国情勢を読む文書として重要度が増している様に見える。

「ゲーツ長官の本音:NSS」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-05-26-1

第8位:QDRの発表
airseaBC.jpg●今になってみると、この文書が本当に必要なのかと感じる人が多いのではないか
●本文書は、太平洋において遠距離からの戦いに備えるべきと指摘し、海軍と空軍の協力強化を訴えているが、依然として兵器システムや戦力組成面で何らの措置も見られない

「QDRから日本は何を読む」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-02-07
「2QDRから日本は何を読む」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-04-01-1

第7位:Iraqからの戦闘部隊撤退
ObamaIraqH.jpg●依然として、イラクには多数の米国兵が教育と支援任務のため配置されており、彼らのほとんどが戦闘部隊撤退前と同じ装備で同じ任務を行っている。引き続きイラクもアフガンも大きな転換点にある。
相対的に、まさに相対的に安定しているイラクから、アフガンに兵力を再配置することがタリバンとの戦いに極めて重要だと見られている。それが何を意味しようと・・・。

第6位:KC-X選定の混乱
A330-MRTT.jpg●本年年初段階で仕切り直しのKC-X選定は、ボーイング社がB-767改修型で、EADS-NorthropのA330改良型に勝利すると見られていた。しかし当初選定のボイコットまで示唆していたEADS側が米市場への参入のために必死の努力で提案にこぎ着けた。
●選定は最終的に円滑に進むと見られていたが、事もあろうに空軍が誤って両者の提案の一部を相手側に送付する事件が発生し、これが両者にどう影響するかで揉めている。上院がヒアリングを計画しているところ。(予定では本年9月に最終決定の筈が・・・)
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斜に構たところがある「DoDBuzz」の年末特集記事ですが、案外と本質をとらえているかも知れません
「National Security Strategy」にはあまり注目してませんでしたが、そんなことが書いてあったんですね・・・。3兆円プロジェクト、KC-Xも気になるところです。

大晦日の明日は第5位から第1位をご紹介します

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コメント 1

Awakko

こんばんは、ご無沙汰しております。

この中で、個人的に特に気になったのはQDRとKC-Xの話題でしょうか。。。
特にKC-Xは大プロジェクトですし、選定遅れも甚だしいところなので、注目したいところです。ボーイングが異議を申し立て、会計検査院が選定やり直しを求めてからもう2年半…EADS陣営がボイコットしかけた辺りまでは私もフォローしていたのですが、そんなトラブルがあったとは…ゲーツ長官の退任までにこの問題も処理されて欲しいところです。

そういえば、海軍の沿海域戦闘艦(LCS)についても動きがあったみたいで、新たに20隻の建造契約が結ばれたようです。ロッキードに10隻、オースタル(GD側)に10隻ずつの割り当てとなっているようで、この契約も以前HolylandさんがF-35の契約のところで紹介しておられた“fixed-price incentive fee contract”で合意したようです。
“fixed-price incentive fee contract”はなかなかの妙案だと思うので、今後日本でも検討・採用されて欲しいものですが…。
by Awakko (2010-12-31 03:44) 

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