廃物利用のロケット打ち上げ [サイバーと宇宙]

搭載していたのは、地球を回る軌道上の物体を監視・追尾する初の衛星(SBSS:Space-Based Space Surveillance satellite)で、発射を担当した第30宇宙航空団の大佐は「この衛星は我々の宇宙における状況認識を著しく向上させてくれるだろう。同時にここ1週間あまりの間に3つの衛星打ち上げを担当した我が部隊の隊員の労をねぎらいたい」とコメントしています。
本日の注目点はこの「Minotaur」ロケットです
●このロケットは、戦略削減交渉の結果により廃棄することになったICBMのエンジンモーター部分を利活用したロケットです。弾頭(搭載部分)にも商用の既存部品を活用し、コストパフォーマンスを追求したもので、民間企業Orbital Sciences Corporation社が製造を担当しています。

●「Ⅲ」~「Ⅴ」型はピースキーパーICBMを利活用しており、Ⅲは同じく大気圏内飛翔用、ⅣはLEO(Low Earth Orbit)へのペイロード1800kg衛星打ち上げを目的に開発が行われてきた直径92インチのロケットです。
●Ⅳは4段式ですが、Ⅴは5段式構造になっており、Ⅴは小型衛星等を高々度軌道(high energy trajectories for geosynchronous Earth orbit)や衛星探査目的(lunar missions)に打ち上げることを目的としています。。
●Minotaurシリーズは、政府の様々な用途の衛星に対応できるよう設計されており、また米国内の様々な発射台に適応するよう造られています。
今回打ち上げの「Minotaur IV」は・・・
●初めてのⅣ型使用は、本年4月22日、PGS構想を担うCSM候補の基礎飛翔体HTV(Hypersonic Test Vehicle)のテストの際で、無事役割を果たしています。
(参考記事)
「核抑止の代替?CSMについて」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-04-25
「PGSのHTV-2試験失敗」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-04-27
●そして25日は初めての宇宙ミッションである衛星打ち上げに成功したわけです。
本打ち上げに関する米空軍HP記事は、打ち上げ費用がどの程度なのか触れていませんが、米国の法律により米国の財産であるICBMを活用したロケットであることから、米政府関連の衛星打ち上げのみに使用され、商用での使用は認められないとのことです。
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打ち上げられた軌道監視衛星SBSSは、今後の宇宙アセット防衛の基盤をなす重要装備ですが、本日は知識不足のためこの辺でご勘弁を・・・
(参考記事)
「宇宙態勢見直し作成中」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-04-15-1
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