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(補足)アイゼンハワー・ライブラリ演説 [ゲーツ前国防長官]

gatesIKE3.jpg昨日の記事でお伝えした8日のゲーツ国防長官による、いわゆる装備品・ポスト・コストの「仕分け開始宣言」演説ですが、Transcriptにざっと目を通して、昨日抜けていた部分をトピック的にランダムに補足紹介します。
ゲーツ長官の執務室にはマーシャル陸軍参謀総長(国防長官と国務長官も務める ノーベル平和賞)の肖像画と並んで、アイゼンハワー大統領の肖像画も掲げてあるようで、「揺るぐ事なき私のヒーローである」とゲーツ長官自身が演説の中で述べています。それだけ、8日の演説には賭けるものがあったのだと思います。(写真は、小学6年生の時以来、54年ぶりに同ライブラリーを見学するゲーツ長官です。)

ワシントンDCの住人を皮肉って
●あそこでは著名人が「恋人の道」を一人腕組みしながら歩いている。・・・・私の出身地カンサスに戻ることが嬉しい。虚栄やうぬぼれがほとんどなく、常識に満ちているから。・・・・・アイゼンハワーは嫌みがなく謙虚で、少数の側近しか置かなかった。ワシントンの権力者やエリート層とは全く逆である。

アイゼンハワーの言葉を引用して適切な予算編成を訴え・・
gatesIKE.jpg●「我々が外部からの攻撃から守ろうとしているモノを、内側から壊してはならない」、「今日の愛国者とは、より少ない経費で仕事を成し遂げる人物です」
●(有名な退任演説を引用し)「広範な状況を勘案し、国家の諸計画のバランスを図る必要がある」
→ゲーツ長官のForeign Affairs誌論文の「A Balanced Strategy」のバランスはアイゼンハワーの言葉から来ていたのです!

膨れあがった国防省官僚組織と経費を批判して
●ここ10年で、イラクやアフガン等の実戦の経費とは別の日常の訓練や整備経費、つまり演習や芝刈りなどの経費がほぼ2倍になっている。行政や維持経費の膨張からである。
●約10年前ラムズフェルド元国防長官は、自分と前線の担当官との間には17もの階層スタッフがいる、と嘆いている。国防業務検討会によると、ある場合では私と担当官との間には30階層があるそうである。民間セクターが組織のフラット化を進める中で、国防省は依然としてトップヘビーの20世紀型官僚組織を維持している。
●ラムズフェルド氏は、同じような業務を複数の組織がやっている状況を批判し「別の役人と同じ業務に重複して配置されている役人は、対テロや核拡散防止の仕事が出来たかもしれない人材である」と、911事案の前日に訴えていた。

gatesIKE2.jpg予算編成の方針について・・
●余分な「シッポ」を切り落とし、今の戦いと将来への備えに真に必要な「牙」の部分に実質2-3%の延びを確保したい。一律に一時的にカットするのではない。(葉っぱ部分ではなく)継続的であるべく、根っこや枝の部分から変えていく。

国防組織や予算に関しては、どこの国も多かれ少なかれ同じような状況でしょう・・・「人の振り見て我が振り直せ」です。
4~5月にかけての各種集会での演説は、非常に色々な言い回し、皮肉、ユーモアがあっておもしろかったと思います。本ページの過去記事もご覧下さい。

「ゲーツ長官が国防省と議会にも宣戦布告」
  → http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-05-09
「海軍海兵隊とも全面対決へ」
  → http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-05-04-1
「陸軍の明日を指揮幕僚大学で」
  → http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-05-08
「海軍士官候補生に・・・」
  → http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-04-09

記事(Transcriptも含め)→http://www.defense.gov/news/newsarticle.aspx?id=59082

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