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(補足)海軍海兵隊とも全面対決へ [ゲーツ前国防長官]

注意!! → Holylandを防衛研究所の菊池茂雄氏や高橋杉雄氏と勘違いしている人がいますが、他人です。大変迷惑しています。「はてなアンテナのvon-mansteinさん」には訂正をお願いし、修正していただきましたが・・・。

gatesSOMARIA.jpgゲーツ国防長官による3日のNavy League’s annual Sea-Air-Space Conventionでのスピーチを、先日海軍海兵隊とも全面対決へとのタイトルでご紹介しましたが、Transcriptが公表されましたので内容を補足説明いたします。

前回の記事は→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-05-04-1
国防省記事は →http://www.defense.gov/news/newsarticle.aspx?id=59000
Transcriptは →http://www.defense.gov/speeches/speech.aspx?speechid=1460

●前回記事の概要は・・・
対艦ミサイルなどの出現で、高価な空母や艦艇の脆弱性が一段と増している中で、また相手が米国にとって圧倒的に有利な空母対空母の戦いなど挑んでくるとは考えにくいのに、静粛性の優れたステルス潜水艦の脅威が増しているのに、対艦兵器が発達する中で大規模な着上陸作戦など想定しがたい中で、空母の11隻体制や着上陸用EFV(Expeditionary Fighting Vehicle)のような装備が必要なのだろうか。・・でした。
EFV-Swimming.jpg●また求められるリーダー像について・・・
世界や技術がどのように変化し、どのような影響を与えるのかを見極めるビジョンと、組織的な抵抗にあっても変化の示唆するモノに対応する力、そして極めて広範で多様なシナリオに対応できる柔軟性が求められる。

それでは本日は・・・・
対中国を考える上でも、日本への影響の点でも重要な「何をどのように買うか」についての部分をご紹介します。
n-ucas.jpg●「Joint air-sea battle Concept」の検討着手には勇気付けられるが、フルスペクトラムの戦いに備え、より遠方を監視し攻撃できるシステムに投資をシフトしなければならない。
●海軍が戦い、給油し、攻撃する範囲を拡大し、より資源を長距離無人機やISR能力につぎ込むべき
●新たな海上配備のミサイル防衛能力
●より多くの役割を担う潜水艦、つまり敵戦力網の奥深くで活動できるモノ。同時に潜水艦の攻撃能力やより小型で無人の水中プラットフォームの増加

また、海軍がいかなるローエンドの、対海賊、対反乱分子、治安支援に就こうとも、下記のような新たな兵器が求められよう。
数量があり、スピードがあり、水深の浅いエリアで活動する能力を求められる。それはより小型な艦艇で、多様なネットワークを利用する多様な兵器を備えたモノに向かうだろう。
●昨年我々は、AK-47やRPGを装備した10代の海賊に対して、数千億円するミサイル巡洋艦必ずしも必要ないことを学んだ。
●海軍が考える小型沿岸警備艇、河川対処部隊、統合高速艇、更に沿岸戦闘艦(LCS:Littoral Combat Ship)等は、大型水上艦が危険で活動できないエリアに適している。また適正な価格で適当な数量が購入でき、継続的に予算内で調達可能でもある。

●装備品の高騰が大きな問題である・・・
DDG-1000.jpgSSBN.jpg今日の艦艇や潜水艦は80年代と比較し3倍高価になっている。計画を中断したDDG-1000は典型である。建造費が2倍以上になり、当初32隻建造予定が7隻になり、現時点では3隻にまでなっている。
次期戦略ミサイル潜水艦SSBN-Xにも注意が必要だ。6千億円のモノを12隻装備する計画になっているが、このままで行けば7,8年後には海軍の艦艇建造予算のほとんどをSSBNが占めることになる。海軍長官や作戦部長がこれらに対応し、作戦に支障がないよう、リセットのため頑張ってくれているところである。
注:Next-War-Itis(次の戦争狂:写真左)とは、イラク・アフガンが終わったら湾岸戦争(大規模通常戦)のような戦いがやってくると夢見る軍幹部を皮肉るゲーツ長官の決まり文句。ちなみに「治療不能な病気」とも言及している。

●私も全ての問題に答えられない・・・
gatesasc.jpg本日は多くの問題に言及した。海軍と海兵隊は、進歩する技術、新たな脅威、予算の現実を踏まえ、基本的な前提について疑問を持ち再評価しなければならない。我々は単に、益々少数しか配備できない、ますます高価な装備品が無駄な装備(Wasting Assets)になることを甘受できないのである。変わってはならないモノ、保ち続けなければならないのは海軍と海兵隊兵士の質(だけ)である。

空軍が不要と判断しているF-35の第2エンジンやC-17輸送機を、議会が予算に復活させようとしたことがある。このような国防省予算を巡る諸問題については8日土曜日にカンサスで話をする予定だ

国防省予算の縮減に関し、8日午後1時からカンサスでどのような発言が飛び出すのか・・・引き続き注目です。

(付録)
「CSBA中国対処構想」
  → http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-05-18

「嘉手納から有事早々撤退?」
  → http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-05-13
「ゲーツ長官が国防省と議会にも宣戦布告」
  → http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-05-09

(空軍との対決宣言)「ゲーツ長官が空軍へ最後通牒」
  → http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2009-09-17
「米が武器輸出・共同開発の方針転換へ」
  → http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-04-22
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こかげ

中国の空母を見て、日本にも・・・ という人もまだ多いようですが
精密誘導兵器(電子機器)が現在のスピードで進化をつづけたら

かつて戦艦が滅んだように
近い将来、空母が沈む日が訪れるでしょう。
by こかげ (2010-05-08 10:53) 

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