SSブログ

米本土を横断した中国気球は米商用ネット利用 [中国要人・軍事]

細部は引き続き非公開も主に進路指示入手か
米商用ネットを通じ短時間に高密度情報やり取りか
米政府は早期撃墜より監視から情報入手選択か

spy balloon5.jpg12月29日付米NBC放送web記事は、2023年2月初旬に米大陸を横断し、2月4日に米空軍F-22戦闘機によりサウスカロライナ州沖の大西洋上で撃墜され、海上に落下した中国製のバルーンを米当局が回収&分析した結果の一端について、複数の現役及び元米政府関係者の証言を基に、中国製バルーンが中国との通信のため、米国企業が提供する商用インターネット回線を利用していたと報じています

匿名の2名の現役米政府関係者と元関係者によれば、当時バイデン政権は非公開で司法当局に、当該企業提供のネット通信のモニター権限を請求して許可され、あえて中国製バルーンを早期に撃墜することなく、米本土を西海岸側から東海岸まで横断させてバルーンの行動や中国との情報のやり取りを監視&情報収集することを選択したとのことです。

spy balloon2.jpgそして当該バルーンは、多数のアンテナと搭載機器を積み、更にそれら機器を駆動させるに必要な電力を確保するに十分な太陽光発電パネルを具備していたが、バルーンが米本土横断中に直接中国と通信をする能力はなかったと、匿名証言者は語ったとしています

ただし、情報通信や自身の位置情報を得るためバルーンが装備していた多数のアンテナ活用し、短時間で大量の情報を送信するための高周波通信が可能な能力を保有し、主に中国から飛行進路に関する指示信号を入手していた模様だが、気球が収集した電子信号には基地職員間の通信や兵器システムからの信号が含まれていた可能性があるとも語った模様です

spy balloon3.jpgまた同バルーンが米本土を横断する間の米軍の対応について、NBCは2023年12月に米空軍北米防空司令部NORAD司令官のGlen VanHerck大将にインタビューし、「米軍核戦力の運用を担う米戦略コマンドと連携し、核兵器の運用に関する重要事項を世界各地の核兵器担任部隊に指示する等の、秘匿度の極めて高い情報を含むEAM(Emergency action messages)の発信を、バルーン飛行中は制限して傍受されることを避けるよう関係部署に徹底した」との情報を得ています

本件に関し、在ワシントン中国大使館の報道官は、以前からの中国の立場を繰り返し、「当該バルーンは気象観測用であり、偏西風と自力航法能力の限界から、意図せず米本土を飛行することになったものだ」との主張をNBC放送や米メディアに繰り返している模様です

spy balloon4.jpgまた複数の米政府関係者によれば、過去に中国情報機関関係者が様々な国での活動において、隠れて商用インターネット回線をバックアップ回線として使用したことが確認されているが、中国関係者は一般的には、暗号により秘匿化された情報漏洩の可能性の低い回線の利用を指向している模様です
///////////////////////////////////////////

NBC放送は当該記事において、中国製バルーンが利用したネット回線提供の米企業名を明らかにしていませんが、当該企業の「わが社の調査や米当局者との協議から、我が社提供の回線が同バルーンによってに使用された事実はない」との主張を紹介しています

spy balloon6.jpg別報道機関は、2023年夏に情報漏洩で逮捕された21歳の州空軍兵士によってリークされた米国防省文書も元に、同バルーンが電磁データを使用して高解像度画像を作成する合成開口レーダーを搭載していた可能性がある、と報じた模様です

2023年2月4日に撃墜された同バルーンに関しては、FBIを中心とした調査チームが非公開の調査報告書を出していますが、中身は秘匿され、限定された人にしか公開されていないようです。

中国の経済崩壊が、中国共産党支配の中国体制を崩壊させるのでは・・・との憶測も飛び交い始めた今日この頃ですが、2023年2月の奇妙なバルーン事件が、後世においてどのように位置づけられるのか興味深いところです

防衛研究所の対中国姿勢がわかる公刊物
「中国の台湾への接触型「情報化戦争」」→https://holylandtokyo.com/2024/01/05/5398/
「「中国の影響工作」概要解説」→https://holylandtokyo.com/2023/12/21/5362/
「異様な中国安全保障レポート2024」→https://holylandtokyo.com/2023/11/28/5299/

応援お願いします!ブログ「東京の郊外より」支援の会
https://community.camp-fire.jp/projects/view/258997

ブログサポーターご紹介ページ
https://holylandtokyo.com/2020/04/15/727/

nice!(2)  コメント(0) 
共通テーマ:ニュース

グアムにシンガポール空軍受け入れ施設増設へ [安全保障全般]

2019年の両国間覚書に基づくとか・・・
東京ドーム18個分の土地を新たに開拓して
何故グアムに今?覚書から5年経過し・・

F-15SG 2.jpg1月3日付米空軍協会web記事は、2019年に米シンガポール間で結ばれた覚書(MOU)に基づき、米空軍が12機のシンガポール空軍版F-15EやF-16等を受け入れて長期訓練可能な施設の建設を今後3-7年間かけて計画しており、そのための事前準備として環境影響調査報告(EIS:Environmental Impact Statement)を2024年中旬に中間報告、2025年初旬に最終報告の予定で進めると報じています

グアム島は対中国の最前線基地として重視され、米ミサイル防衛庁が中国からの弾道&巡航ミサイル防衛体制確立を最優先課題と取り組み中の拠点で、サンゴで形成された施設建設が困難な限られた地籍と原住民にとっての宗教的聖地への配慮等から、ミサイル防衛施設の配置や確保が大きな課題となっている難しい場所ですが、そこに空軍機受け入れ用に追加で200エーカー(東京ドーム18個分)のスペースを新たに確保する施設の建設計画です

Andersen AFB5.jpg両国間の2019年覚書では、シンガポール空軍版F-15Eストライクイーグルの最新型であるF-15SGのほか、同空軍F-16とE-2C早期警戒機も受け入れ可能な施設をアンダーセン空軍基地内に設けることが合意されており、新たな格納庫、機体整備施設、燃料施設、駐機場、道路や駐車場や関係者の施設等が建設計画に含まれているようです

シンガポール空軍は同国周辺空域が非常に混雑して大規模な飛行訓練が難しいことから、これまでにも同様の展開施設が設けられ、F-16用施設がアリゾナ州Luke空軍基地に、 F-15用がアイダホ州Mountain Home空軍基地に、AH-64 Apacheヘリ用はアリゾナ州Marana基地に、それぞれ設けられているようですが、今回はF-15SGを主対象とした受け入れ施設です。

F-15SG 3.jpgもちろん米空軍省はこの受け入れ施設が、重要な同盟国であり、毎年様々な形で共同訓練を行っているシンガポール空軍だけでなく、米空軍機のほか、米軍他軍種の航空機や同盟国等のグアム島での受け入れ施設としても将来に渡り利用可能で、対中国の態勢整備を進める米軍全体にとっても重要な意味を持つと説明しているところです

米空軍協会ミッチェル研究所のMichael Dahm研究員も、「対中国のカウンターバランス面でも意味深く、シンガポール空軍が米空軍戦闘機と継続的に訓練でき、同時に機体の維持整備施設にもアクセス可能となる点でも利点が多い」と、シンガポールから遠くないグアム島での新拠点確保の意義を強調しています
///////////////////////////////////////

Andersen AFB6.jpg2019年のMOU締結から5年越しでの200エーカー施設建設の動きです。上でもご紹介したように、グアムの限られた地籍を考えると、諸調整が今後も大変だと思いますが、シンガポール空軍は40機のF-15SGと70機のF-16を擁し、F-35A型購入も進める一大戦力ですので、有事には中国に近いシンガポールから避難し、グアム島からの作戦遂行を考えているのかもしれません。

同空軍は西側(日米を除く)スタンダードであるA330MRTT空中給油機の導入を進めており、グアム島からの遠距離作戦にも対応可能な体制整備を進めつつあり、そんな「思惑」のアンダーセン基地におけるF-15SG受け入れ施設計画だと理解しました

シンガポール空軍関連記事
「シンガポール空軍との演習を利用し」→https://holylandtokyo.com/2023/11/16/5245/
「F-35A型にも興味」→https://holylandtokyo.com/2022/09/15/3638/
「F-35B売却許可」→https://holylandtokyo.com/2020/01/15/866/

グアムのミサイル防衛関連
「本格試験を2024年開始」→https://holylandtokyo.com/2023/08/22/4937/
「グアムMDを再び語る」→https://holylandtokyo.com/2022/06/07/3295/
「整備の状況と困難」→https://holylandtokyo.com/2022/04/05/3082/
「分散&機動展開可能型へ」→https://holylandtokyo.com/2021/08/23/2146/

応援お願いします!ブログ「東京の郊外より」支援の会
https://community.camp-fire.jp/projects/view/258997

ブログサポーターご紹介ページ
https://holylandtokyo.com/2020/04/15/727/

nice!(2)  コメント(0) 
共通テーマ:ニュース

中国による台湾への非接触型「情報化戦争」 [安全保障全般]

防衛研究所が日本台湾交流協会と共同研究
ペロシ下院議長の台湾訪問時を分析し「失敗」と
台湾は中国にとっての「試験場」

AnpoReport2312.jpg防衛研究所が、所属研究者による論文集である安全保障戦略研究(2023年12月号)を発表し、日本台湾交流協会との共同研究事業としてまとめられた論文『中国が目指す非接触型「情報化戦争」 ―物理領域・サイバー領域・認知領域を横断した「戦わずして勝つ」戦い―』を掲載しています

防衛研究所の中国研究室・五十嵐隆幸研究員と日本台湾交流協会・荊元宙氏による同論文は、「サイバー領域と認知領域の定義を確認し、中国の活動を整理したうえで、それに物理領域を加えた全ての領域で横断的に繰り広げられる非接触型の「情報化戦争」について、台湾を事例にその実態を理解する手がかりを考察」することを狙いとし、

Pelosi taiwan.jpg事例として、2022年8月2日から3日のペロシ米下院議長による台湾電撃訪問時に、台湾社会が見舞われたサイバー攻撃と、ペロシ離台後の人民解放軍による軍事演習を取り上げ、

「中国は台湾に対して領域横断的な非接触型「情報化戦争」を仕掛けたのだが、それは失敗に終わった。現時点で中国が台湾に対して繰り広げる領域横断的な非接触型「情報化戦争」の形態を見る限り、平素より対策を講じ、過剰に反応しなければ、その効果を無効化もしくは低減可能であることを台湾は証明した」と結んでいます

AnpoRepo2312.jpg更に同論文は、「また、2014 年から始まったロシアとウクライナの間の紛争を見ても、サイバー領域や認知領域での戦いが戦争全体の帰趨を左右したとは言い難く、むしろその限界が示され、それだけでは戦争に勝てないことが証明されている」と分析しています

同論文は、ペロシ米下院議長の台湾訪問から8月10日の中国による台湾周辺での軍事演習終了までの間の、中国による猛烈な「サイバー領域と認知領域」での非接触型「情報化戦争」の事例を細かく紹介し、4日以降の軍事演習についても概要をフォロー&紹介していますが、

Pelosi taiwan2.jpg『日本や欧米などのメディアは「第四次台湾海峡危機」として動向を注視したが、中国による台湾対岸で軍事演習に台湾の人々は「慣れ」てしまっており、「強要」の効果を失いつつあった。実際、台湾の人々は、圧倒的多数がその軍事演習を「怖くなかった」と語り、軍事演習下でも普通の生活を送っていた。台湾がパニックになっていたら中国の思うつぼだったが、威嚇で屈服させようとする中国の思惑は台湾に通じなかった』と結んでいます

AnpoRepo2312-4.jpgただし論文は、『「人海戦術」で自国民の命を顧みなかった中国でも、今は少子高齢化で軍隊は募集難に苦しみ、「兵士の命」の重要性が増している。ゆえに中国は「戦わずして勝つ」との究極の目標を目指し、領域横断的な非接触型「情報化戦争」の能力構築に努力を継続する』とし、『中国にとって台湾は、中国が領域横断的な非接触型「情報化戦争」の能力を国家総動員で構築していくための「試験場」になっている』と記し、西側の油断を戒めています

また、今後の本分野へのAI技術の活用の可能性に注目し、『最先端の AI 技術で言語や文化の壁を克服し、認知領域での優勢を獲得することで、物理領域と情報領域における優勢をより確保することへと繋がり、それが領域横断的な非接触型「情報化戦争」の到達点になる』とコメントしています
/////////////////////////////////////

AnpoRepo2312-5.jpgなお、中国の「情報化局地戦争」の範囲に関して同論文は、以下のように説明しています。

『「領域」についての認識は、米国や NATO 諸国のみならず、中国でもほぼ共通しており、本稿では(米国防省が示している) CDS(領域横断的な相乗作用(Cross Domain Synergy) の区分を準用し、物理次元に存在する陸、海、空、宇宙の 4 領域は「物理領域」、情報次元は Information と Intelligence との混同を避け、かつ、実態にそぐわせて「サイバー領域」、人間の心の中を「認知領域」として議論を進めていく』

AnpoRepo2312-3.jpgその他にも同論文は、学術的論文として、中国の「情報化局地戦争」概念をその経緯も含めて詳しく説明しており、ご興味のある方は論文をご覧ください

日本に対する中国の「情報化局地戦争」について、防衛研究所が分析&対外発信しない徹底した姿勢は、「中国安全保障レポート2024」や「NIDSコメンタリー」や今回の「安全保障戦略研究(2023年12月号)」から、よぉーーーーく理解できました

安全保障戦略研究(2023年12月号)の全体
https://www.nids.mod.go.jp/publication/security/security_202312.html

論文「中国が目指す非接触型「情報化戦争」」
https://www.nids.mod.go.jp/publication/security/pdf/2023/202312_02.pdf 

防衛研究所の対中国姿勢がわかる公刊物
「「中国の影響工作」概要解説」→https://holylandtokyo.com/2023/12/21/5362/
「異様な中国安全保障レポート2024」→https://holylandtokyo.com/2023/11/28/5299/

防衛研究所による各種論考紹介記事
「サイバー傭兵の世界」→https://holylandtokyo.com/2020/08/05/515/
「量子技術の軍事への応用」→https://holylandtokyo.com/2022/01/14/2577/
「先の大戦・あの戦争の呼称は」→https://holylandtokyo.com/2021/08/13/2103/

応援お願いします!ブログ「東京の郊外より」支援の会
https://community.camp-fire.jp/projects/view/258997

ブログサポーターご紹介ページ
https://holylandtokyo.com/2020/04/15/727/

nice!(2)  コメント(0) 
共通テーマ:ニュース

米陸軍は2024年に部隊の大幅削減含む改編不可避 [Joint・統合参謀本部]

陸軍長官と制服軍人上層部との対立表面化
対テロで2倍に膨らんだ特殊作戦部隊等が対象か
新兵募集難で既にWW2以降の最小規模にある陸軍
「空虚な部隊」か「大幅組織削減」かの決断を迫られる

BCT3.jpg12月28日付Defense-Newsは、米軍2024年の課題を取り上げる記事で、新兵募集難に直面し、現時点で正規兵数がWW2以降で史上最低の45.2万名規模にまで縮小している米陸軍が、対テロ戦から本格紛争対処に備えた組織改編検討を行う中で、その方向性を巡ってChristine Wormuth陸軍長官と制服陸軍人の間の対立が先鋭化しているが、2024年は決断が避けられないと紹介しています

米陸軍の組織改革は内部検討中の流動的状態で詳細は不明ですが、「2024年は大変だ」と紹介している同記事と、Wormuth陸軍長官にインタビューした2023年6月28日付記事「Exclusive: Army secretary talks force structure cuts, SOF ‘reform’」の内容から、ベトナム戦後の米陸軍削減と同様の難しい削減を伴う改編に向かう米陸軍の様子を取り上げたいと思います

Wormuth陸軍長官の基本的考え方
Wormuth7.jpg●対テロから本格紛争対処への体制変革を追求する大方針の基、新たに「short-range air defense部隊」や「indirect fires protection部隊」や「multidomain operations対応部隊」などの新たな能力部隊の編制&増強要求に対応する必要があるが、兵士募集が困難に直面している中、即応態勢を維持できない「空虚な部隊:hollow formations(人員充足率が低い中身の伴わない書類上の部隊)」を維持することはできない
●我々は現在、31個BCT(brigade combat teams:戦闘旅団)体制を基本体制とし、その維持には48.5万名が必要だが、募集難の中、2023予算年度末で米陸軍はWW2以降で最小規模の45.2万人にまで正規兵数が落ち込んでおり、今後も募集目標達成に全力で取り組むものの、現体制の維持は難しいと認めざるを得ない

BCT.jpg●態勢見直しに当たっては、部隊のどの部分を維持して「緊急即応部隊(Immediate Response Force)」として引き続き即応態勢を高く維持させるか、どの部分部隊に手を加える必要かに関し、過去の前線派遣頻度や期間、最近の活動状況なども元に評価して基準(guidance)を明確にしたい。
●特殊作戦部隊は911同時多発テロ以降に約2倍規模となっているが、そのいくつかの部分は対テロや対反乱作戦専用の部隊編成となっており、現時点ではそれほどニーズがあるわけではない

陸軍OBのシンクタンク研究員
BCT2.jpg●最近においても、陸軍の中で最も頻繁に作戦投入されている部隊は、特殊作戦部隊内の部隊である
●ベトナム戦争後、米陸軍は「このような戦いを2度と遂行することはない」との前提に立ち、ベトナム戦で活躍した対反乱作戦部隊やそのノウハウを持つ部署を削減し、(911以降の戦いを通じて、)その失敗を繰り返さないと言い聞かせ来たはずではないか
/////////////////////////////////////////////

2023年10月にWSJ紙が、米陸軍特殊作戦部隊から約3000名削減しようとの案が米陸軍省内で検討されているが、特殊作戦部隊や陸軍制服組からの反対で議論が紛糾しており、オースチン国防長官が仲介に入って対立の鎮静化を行っていると報じ、23年夏ごろから議論が停滞している様子が伺えますが、2024年にはどのような方向性が打ち出されるのでしょうか

Wormuth6.jpgChristine Wormuth陸軍長官はベトナム戦後に使用された「空虚な部隊:hollow formations」との言葉をあえて多用し、募集難の現実を踏まえ、本格紛争に適した部隊編成への改革を強く打ち出し、特殊作戦部隊の任務の一部は通常の陸軍部隊でも担うことが可能だとの認識を示しており、ウクライナでの教訓も踏まえた米陸軍の動向が注目されます

米陸軍ウクライナの教訓
「米陸軍が評価中の様々な教訓」→https://holylandtokyo.com/2023/10/13/5129/
「22年6月:米陸軍首脳が教訓を」→https://holylandtokyo.com/2022/06/01/3245

応援お願いします!ブログ「東京の郊外より」支援の会
https://community.camp-fire.jp/projects/view/258997

ブログサポーターご紹介ページ
https://holylandtokyo.com/2020/04/15/727/

nice!(2)  コメント(0) 
共通テーマ:ニュース

米陸軍が来年新ライフルM7と新機関銃M250導入 [Joint・統合参謀本部]

少なくとも、来年1月4日までは定期更新は行いません。
皆さま、良いお年をお迎えください!

近接戦闘職種の歩兵や特殊部隊等にのみ提供
M4ライフルとM249機関銃の後継として
弾薬もM4とM249の5.56㎜から6.8㎜へ大型化

M7 2.jpg12月20日付Defense-Newsは、米陸軍が近接戦闘職種である「歩兵」「特殊部隊」「combat engineers」部隊用に、5.58㎜弾薬使用のM4ライフルとM249機関銃に代わり、より威力を強化した新開発の6.8㎜弾薬を使用するM7ライフルとM250機関銃を9月から米海兵隊も関与して101空挺部隊で試験中で、2024年早々にも上記職種部隊へ提供を開始すると伝えています。

またほぼ全ての陸軍小火器に装着可能で、装着した小火器の機種に応じ、自動的に弾道計算を調整して最適な目標照準を可能とする新型照準スコープM157も併せて導入開始されると紹介しています

M7.jpgなお、広く米陸軍で現在使用されているM4ライフルとM249機関銃は、引き続き上記の近接戦闘部隊「以外」で引き続き使用されるとのことです。

米陸軍は2017年から、将来小火器の在り方を検討する「2017 Small Arms Ammunition Configuration Study」を開始し、近接戦闘職種部隊が保有すべき小銃や機関銃の具備すべき破壊力や射程について再評価を行い、最新の防弾チョッキを貫通可能で、5.56㎜弾薬では対処できない簡易陣地を構築するレンガブロックを破壊可能な威力、更に遠距離での威力や照準性能向上を狙った検討&開発を行い、

M250 2.jpgプロトタイプが製造されてからは、米海兵隊も積極的に関与し、様々なシナリオでの実射テストや評価検討会を重ね、従来の5.56㎜弾が跳ね返されていた標的を貫通可能な威力を持つ、新たな6.8㎜弾を使用可能なM7ライフルとM250機関銃の導入を決定したとのことです

2023年9月に記者団に公開されたデモ射撃では、新型のM250機関銃が連射でレンガブロックを突き破って人型標的に命中させる様子も公開され、従来の5.56㎜弾では不可能だったブロック対処が可能なことを示し、更に旧式の7.62㎜弾薬使用のM240機関銃よりも軽量で強い貫通力や破壊力を持っていると紹介された模様です

M157 2.jpgM7とM250導入のタイミングに併せ、新たに導入されるVortex Optics/Sheltered Wings 製のM157光学照準スコープ(M157 fire control)は、米陸軍が保有するほぼすべての小火器に装着可能で、ミニコンピュータ導入により、装着小火器と使用弾薬のマッチングを素早く自動計算して目標距離等に応じた弾道予測を行い、スコープ表示を瞬時に行って射手が素早く射撃可能な状態になると説明されています
///////////////////////////////////////////

M250.jpg2017年から検討を開始したということは、アフガンやシリアやイラクなど中東での戦いの教訓を主に反映した小火器再検討が行われたものと推察しますが、ドローンが飛び交うウクライナ戦場での教訓も少しは反映されているのでしょうか。5.56㎜から6.8㎜弾への変更は、吉と出るのでしょうか?

確か、ドローン撃退のための特別なレーザーや電磁パルスや電波妨害や弾薬や捕獲網の様な新たな手法を用いた対処兵器も悪くわないが、現有の小銃に簡易に装着可能な「人工知能活用の手振れ補正機能(YouTube撮影用やスマホカメラに広く普及)」付の照準スコープをすぐに送ってくれ・・・とのウクライナ側からの要請があったと耳にしていますが・・・。

米陸軍ウクライナの教訓
「米陸軍が評価中の様々な教訓」→https://holylandtokyo.com/2023/10/13/5129/
「22年6月:米陸軍首脳が教訓を」→https://holylandtokyo.com/2022/06/01/3245/

応援お願いします!ブログ「東京の郊外より」支援の会
https://community.camp-fire.jp/projects/view/258997

ブログサポーターご紹介ページ
https://holylandtokyo.com/2020/04/15/727/

nice!(2)  コメント(0) 
共通テーマ:ニュース

1年ぶりに米中軍事レベル対話再開 [Joint・統合参謀本部]

Brown統合参謀本部議長が中央軍事委員会統合参謀長と
成果を生む可能性低いも、接触から相手を読む機会

Brown Gen. Liu Zhenli.jpg12月21日、Brown統合参謀本部議長と劉振麗・中央軍事委員会統合参謀部参謀長(彼は中国共産党第 19 期中央委員会メンバー)が米中軍事高官レベル対話をTV会議方式で実施し、前年11月にオースチン国防長官が中国国防相(先日更迭され、今は空席)と会談して以来初めてとなる軍事交流が行われました

ご承知のように米中関係は悪化傾向にありますが、今年11月にサンフランシスコ郊外でバイデン大統領と習近平主席の会談が久々に行われ、軍事レベル対話の再開に合意したを受け実施されたものですが、今後、共に2021年から開始された、米国防省の中国担当次官補代理レベルが行う「Defense Policy Coordination talks」や、米太平洋軍の海空軍トップと中国軍東部&南部軍管区トップが行う「MMCA:Military Maritime Consultative Agreement talks」も再開されるとのことです

Brown Gen. Liu Zhenli2.jpg21日のTV協議を受け米統合豪参謀本部は、「Brown議長は、両国軍関係者がオープンで率直な対話を維持することで誤解や誤算を避け、互いの関係を双方が責任感を持って管理する必要があることを強調した」と声明を出しており、例えば11月には夜間飛行中のB-52爆撃機に中国戦闘機が3mにまで接近する等、過去2年間で180回以上の中国軍機による米軍機への危険で乱暴な嫌がらせ接近飛行事案が発生していることへの対応を協議した模様です

また米統合参謀本部報道官は、「(ほかにも)2名のリーダーは多くの世界及び地域情勢に関わる安全保障上の課題について議論した」とコメントを出しています
///////////////////////////////////////////

gates-china.jpgこのような軍事レベル対話の再開については、米軍現場レベルでも継続的に中国サイドに呼びかけがなされてきており、例えばJohn Aquilino太平洋軍司令官は11月に、過去2年間に渡り、中国軍東部&南部軍管区トップと行う「MMCA」実施を中国側に要請してきたが、中国側が受け入れることはなかったと明らかにしていました

gates-china2.jpg中国国防相が音信不通の後に逮捕解任され、ロケット軍司令官以下幹部が大量に同時更迭される等の習近平による軍への監視&締め付け強化の中、中国軍幹部が米軍との対話での振る舞いで「内部からの監視」に引っかかることを恐れていた可能性があり、当然、今回の軍事レベル協議再開でも大きな成果は期待できないと考えられます。(まぁ、中国経済崩壊を受け、中国が米国への支援を求める過程で、国として米軍への対応を緩和する可能性はありますが・・・)

でも、このような外国との対話は、直接的な成果は生まなくても、対話から感じ取れる相手の態度や発言内容の変化や反応から、相手国内の動きや変化を感じとる貴重な機会であり、協議への準備が負担にならない範囲で継続することは意義深いことだとまんぐーすは思います

gates-china4.jpgゲーツ国防長官(当時)はよく言ってました。冷戦下のCIA勤務時代に具体的成果は生まなかったがソ連と戦略対話を中断をはさみつつも継続的に行い、例えばソ連側のICBM増強を衛星写真を示して指摘すると、ソ連の政府代表がその事実を全く把握しておらず、どうやらソ連軍独断の可能性が浮上してソ連政府代表から細かな説明を求められた思い出や、

gates-china3.jpg2011年頃の中国訪問では、胡錦濤主席を含め、中国側文民指導層は誰一人として(ゲーツ長官訪中期間に行われた)J-20ステルス戦闘爆撃機の初飛行を事前に把握していなかった模様で、その数年前のインペカブルへの対応、3年前の衛星破壊実験を事前に中国文民リーダーが把握していなかったと同様の状態が続いていることが感じ取れた・・・等と振り返り、間接的な収穫も極めて重要な成果だと強調していたところです

関連のゲーツ長官関連の記事
「慶応大学での講演」→→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-01-14
「2011年1月の訪中」→→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-01-09-1

応援お願いします!ブログ「東京の郊外より」支援の会
https://community.camp-fire.jp/projects/view/258997

ブログサポーターご紹介ページ
https://holylandtokyo.com/2020/04/15/727/

nice!(2)  コメント(0) 
共通テーマ:ニュース

今年も恒例の米空軍NORADによるサンタ大追跡! [ちょっとお得な話]

NORADや応援企業やボランティアの尽力で、今年のイブもサンタ大追跡を敢行!

このサイトで子供心を取り戻そう!!!
http://www.noradsanta.org/

日本語での解説ページ
→ https://www.noradsanta.org/ja/noradhq

日本時間の24日午後6時頃からサンタが北極で活動開始! 日本列島通過は23時過ぎ頃かな? 約24時間で全世界にプレゼント配達の旅!

NORAD(北米防空司令部)からの予告映像
その1(NORADが準備中!)


その2(どのようにサンタを追跡?)


その3(サンタは何歳なのか?)


その4(サンタどのように家の中に?)


////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////

SantaVillage.jpg既に68年間の歴史を持つ行事ですが、ユーモアを解する世界の人々に9カ国語(日、中、韓、オランダ、スペイン、伊、英米、仏、ポルトガル)で提供されており、厳しい予算の中でも頑張ってくれています。

皆さん!お子さんのいらっしゃる方はもちろん、意中の方とご一緒の方も、はたまた西洋のしきたりを無視する方も、遊び心で一度サイト(記事の冒頭にアドレス記載)を覗いてみては如何ですか。


サンタ追跡の歴史と最新技術(?)映像で!

サンタ大追跡の歴史と最新技術?・・


なぜ米空軍NORADがサンタを追跡するのか?
NORAD(北米航空宇宙防衛司令部)とその前身である CONAD(中央防衛航空軍基地)は、70 年近くにわたりサンタの飛行を追跡してきました。

NORADsanta.jpgNORADshaup.jpgこの恒例行事は、1955 年にコロラド州に拠点を置くシアーズ ローバック社が、子供向けに「サンタへの直通電話」を開設した際に、なんと誤って CONAD司令長官への直通電話番号を掲載したポスターを全国に掲示した事に始まりました。

子供たちからの間違い電話を受けた当時の司令官シャウプ大佐(写真)が、ユーモアでサンタの行動を部下に米空軍のレーダーで確認させる振りをして、電話を掛けてきた子供たちにサンタの現在地の最新情報を随時伝えたことに始まりました。

1958 年、カナダと米国の両政府は「NORAD」として知られる両国が共同運営する北米防空組織を創設しましたが、NORADもサンタの追跡という伝統も引き継いだというわけです。

それ以来、NORAD の職員とその家族や友人の献身的なボランティアによって、世界中の子供たちからの電話やメールへの対応が続けられています。また、現在ではサンタの追跡にインターネットも利用しています。サンタの現在地を調べようと「NORAD Tracks Santa」ウェブサイトアクセスする人の数は、何百万人にものぼります。

そして今では、世界中のメディアもサンタの飛行経路に関する信頼できる情報源として、NORAD の情報を採用しているそうです。
////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////

どのようにサンタを追跡?
NORAD・Santaサイト情報。ジョークにご注意を。)

●NORAD は、レーダー、人工衛星、サンタ カメラ、ジェット戦闘機の 4 つの最新鋭システムでサンタを追跡します。

santa.jpgまず使用するのは、「北米警戒システム」と呼ばれる NORAD のレーダー システムです。この強力なレーダー システムは、北米の北部国境に張り巡らされた 47 の施設で構成されています。NORAD はクリスマス イブにこのレーダーを絶えず監視して、サンタクロースが北極を出発する瞬間をキャッチします。

●サンタが飛び立ったのをレーダーで確認したら、次の検知システムの出番です。地球の上空約 36,000 km の静止軌道上には、赤外線センサーが搭載され熱を感知することのできる人工衛星が複数配置されています。なんと、赤鼻のトナカイ「ルドルフ」の鼻からは赤外線信号が放出されているため、NORAD の人工衛星はルドルフとサンタの位置を検知できるのです。

3 番目の追跡システムは「サンタ カメラ」ネットワークです。「サンタ追跡プログラム」をインターネット上で展開し始めた 1998 年から使用しています。サンタ カメラは超クールなハイテクの高速デジタル カメラで、世界中にあらかじめ設置されています。NORAD では、これらのカメラをクリスマス イブの 1 日だけ使用します。これで世界中を飛び回るサンタとトナカイの画像と動画を捉えます。

santa-coat.jpg●追跡システムの 4 番手はジェット戦闘機です。CF-18 戦闘機を操縦するカナダ NORAD のパイロットがサンタに接近し、北米へと迎え入れます。米国内では、F-15 や F-16 戦闘機を操縦する米国 NORAD のパイロットが、サンタとその有名なトナカイたち(ダッシャー、ダンサー、プランサー、ヴィクゼン、コメット、キューピッド、ドナー、ブリッチェン、そしてもちろん、ルドルフ)とのスリル満点の共同飛行を実現します。
///////////////////////////////////////////////////////////////

サンタに関する米空軍の公式解説

サンタ行動の科学的分析
●サンタは良い子にしていた子供達の長いリストを持っています。毎年子供たちのリストは増え続けています。結果としてサンタは、1 軒あたり 0.0002~0.0003 秒の速さで各家庭を回らなければいけないということになります!
サンタクロースが1600 歳以上だという事実を考えても、また、サンタは子供たちにプレゼントを届ける大切な仕事を慌ててしようとは思わない点からしても、彼が私達の知る「時空間」で作業しているわけではないことが想像できます。
●そう考えると、私達とは異なる時空間で活動しているらしいと考えるのが唯一合理的な結論となります。

サンタの存在と移動手段について
santa-book.jpg多くの歴史的データと 50 年以上に渡る NORAD の追跡資料から導き出される結論は、サンタクロースが世界中の子供達に心の中に実在し心から愛されているということです
●ライト兄弟による最初の飛行機より以前から、サンタは猛スピードで家から家へと飛び回る方法を見つけなければなりませんでした。サンタ・カメラの画像からサンタは素早く移動するために空飛ぶトナカイの群れを選択したことが分かっています。

●このトナカイたちの詳細はまだまだ不明ですが、分かっていることは、サンタが世界中にプレゼントを届けるという任務の手伝いをトナカイ達に要請したということです。その他の詳細は、素敵な謎のベールに包まれています。

イブの24日午後6時頃からサンタが北極で活動開始!
本年も気楽に楽しみましょう!

NORADのサンタ大追跡webサイト
http://www.noradsanta.org/

日本語での解説ページ
→ https://www.noradsanta.org/ja/noradhq

応援お願いします!ブログ「東京の郊外より」支援の会
https://community.camp-fire.jp/projects/view/258997

ブログサポーターご紹介ページ
https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-04-16-1

nice!(2)  コメント(0) 
共通テーマ:ニュース

手作り感アリアリの露軍前線無人輸送車が話題 [ふと考えること]

無人機監視の網をすり抜け塹壕兵士に物資供給
露前線部隊@ウクライナ撮影の映像公開で話題に
ドローン監視で補給輸送部隊が活動不能な現代戦場

Russian UGV4.jpg12月4日、ウクライナ南東部Avdiivka地域で活動中と思われるロシア軍部隊が撮影したと言われる映像がロシア御用メディア「Telegram」から公開され、手作り感満載の小型無人物資輸送車両が、最前線の塹壕を死守するロシア軍兵士に、ウクライナ側の攻撃をかいくぐりつつ補給物資を届ける様子が西側SNS上で話題となっています

手作り感満載の小型無人物資輸送車両は、長さ1.5m、幅1.2m、高さ40㎝程の大きさで、両端のキャタピラで前進する地を這うようなシンプルなもので、車両上面の平らな部分に補給物資を乗せて移動する構造ですが、映像からはロシア兵士がタブレット型端末で操作する様子も少し伺うことができます

Russian UGV2.jpg米国の複数の専門家は「明らかに兵器工場で量産されたものではなく、市販部品や部隊が保有するありあわせの部品を組み合わせた感が漂うシンプルな無人車両であるが、現場のニーズを反映して機能を絞り込んだシンプルな構造と操作性で大きな戦力となっていることが伺える」とコメントしています。

また、「常続的な無人機による上空からの監視と、無人偵察機からの情報を迅速に入手して目標照準に活用する火砲部隊との連携が洗練され、ウクライナの戦場では前線部隊に有人輸送部隊が補給物資を届けることが極めて困難になりつつ事を示している」ともコメントしています

Russian UGV3.jpg公開された映像は、複数のタイプの無人車両が、様々な場所で、様々な部隊と活動する様子を記録していますが、負傷兵を他の兵士が撤退させる映像も無人車両映像の合間に含まれていることから、負傷兵の輸送に活用した証拠映像はないものの、現場で負傷兵後送に活用されている可能性は十分にあると専門家は指摘しています
//////////////////////////////////////////////

第44ライフル旅団撮影と推測の無人輸送車両映像
https://twitter.com/i/status/1731374614071165077

例えば、ウクライナ軍前線部隊から西側への支援要望の中に、小型無人機対処用に、現在前線兵士が装備しているライフル銃に簡単に装着可能な、「人工知能活用の手振れ補正機能」付の照準用スコープが欲しいとの要望が多数上がってきているようで、スマホや家庭用ビデオ撮影カメラで「手振れ補正機能」を使い慣れた世代からの現場の声として注目されています

Russian UGV.jpg小型無人機対処は米国防省が最優先課題として取り組んでおり、レーザー兵器、電磁パルス兵器、機関銃タイプやレーダー照準タイプ、網で無効化する方式など様々な新兵器が企業から提案されていますが、やはり現場の声を聴くことも極めて重要だと考えさせられます。いつの時代にも、現場の様子は異なれど、手っ取り早い&効果的なアイディアは現場の声から生まれるような気がします。この「手作り感満載の」小型無人輸送車両を見て改めてそう感じました

米陸軍ウクライナの教訓
「米陸軍が評価中の様々な教訓」→https://holylandtokyo.com/2023/10/13/5129/
「22年6月:米陸軍首脳が教訓を」→https://holylandtokyo.com/2022/06/01/3245/

様々な視点からウの教訓
「世界初の対無人機等の防空兵器消耗戦」→https://holylandtokyo.com/2023/01/27/4220/
「イラン製無人機が猛威」→https://holylandtokyo.com/2022/10/20/3787/
「アジア太平洋への教訓は兵站」→https://holylandtokyo.com/2022/06/17/3358/
「SpaceXに学べ」→https://holylandtokyo.com/2022/04/22/3173/
「ウで戦闘機による制空の時代は終わる」→https://holylandtokyo.com/2022/02/09/2703/

応援お願いします!ブログ「東京の郊外より」支援の会
https://community.camp-fire.jp/projects/view/258997

ブログサポーターご紹介ページ
https://holylandtokyo.com/2020/04/15/727/

nice!(2)  コメント(0) 
共通テーマ:ニュース

防衛研究所が「中国の影響工作」概要解説 [安全保障全般]

情報を制御して自らに有利な状況生み出す工作
欧米民主主義の正当性を弱めるため習近平が強化指示
西側諸国向けは効果的ではないと分析

NIDS China.jpg防衛研究所webサイトが12月8日、山口信治・中国研究室主任研究官による「中国の影響工作概観——その目標・手段・組織・対象」との5ページの論考を「NIDSコメンタリー」として掲載し、習近平が強化している「情報を制御して自らに有利な状況生み出す行動である影響工作」について、タイトル通り「その目標・手段・組織・対象」との視点から紹介していますのでご紹介いたします

少々乱暴に結論から言うと、山口主任研究官は、中国による影響工作は主たる対象を「台湾、各国の華僑華人、グローバルサウスの国々」に置いており、「西側諸国に対する工作は、必ずしも大きな効果を上げているわけではない」と分析しており、日本のマスゴミが中国の経済崩壊について極めて消極的な報道姿勢を撮り続けていることや、日本の現状や将来に関して悲観論を強調する報道ばかりを垂れ流している現状との大きなギャップを感じる結論レポートとなっています

NIDS China2.jpgマスゴミだけでなく、防衛研究所も11月24日発表の「中国安全保障レポート」で、中国の経済崩壊について一切触れない異様とも言える研究姿勢を示していますが、これが日本政府の検閲のせいなのか、防衛研究所としての政府への「心遣い」なのか、中国軍事脅威の崩壊兆候を「隠したい」防衛省の姿勢を反映したものなのかは不明ですが、以下でご紹介する「NIDSコメンタリー:中国の影響工作概観」を見るにあたり、事前に注意喚起させていただきます

山口主任研究官による分析概要
●影響工作とは、情報を制御し、相手国の認識や判断を操作したり混乱させることで、自分たちに有利な状況を作り出す行動を指すが、本稿では中国の影響工作の背景や影響工作の手段と目標、実施に関わる組織、その対象、それがもたらす問題を概観
●習近平は、西側諸国が中国の軍事的封じ込めだけでなく、民主主義や人権イデオロギー浸透により、中国共産党を内部から変質させたり、政権を崩壊させようとしているとの認識を強く持っている。西側は中国におけるカラー革命を画策しているので、西側による中国を「妖魔化」する情報発信や、政権への信頼を揺るがせる言説を排撃し、さらに米欧の民主主義の国際的な正当性を弱め、中国の見方考え方を内外に拡散浸透させなければならないと、習近平は考えている

Hua Chunying4.jpg●上記認識を基に中国は、①中国のイメージを向上して中国政策に対する支持を広げ ②中国に不利な外国の主張や情報に反駁し、中国に不利な情報を遮断し、③相手国の社会の分断を拡大し、政治社会に混乱を生み出す・・・事を推進している

●具体的には、第一にプロパガンダ・宣伝分野で、中国国営メディア情報発信を拡大し、 外国メディアへの中国外交官の寄稿や新華社記事の配信で中国の主張を世界に伝え、外国のプロパガンダへ反駁する。第二のディスインフォメーションでは、偽情報をソーシャルメディアなどに流し、相手国の主張への信用を毀損し、相手の社会や政治に混乱をもたらす
●第三の統一戦線工作は習近平が特に重視して強化している手段であるが、主要敵を内部分裂させたり、友好勢力を増やそうとする策略を意味する。対象として重要なのが華僑・ 華人や外国における友好人士で、習近平は工作を統一的な指揮下で再活性化させようとしており、党の部門である中央統一戦線工作部のみに任せるのではなく、党全体の重要事業と位置付け、関連部門間の連携強化を推進している。

NIDS China3.jpg●ただし、これら中国の手法は、ロシアのような直接的に相手の政治・社会の混乱を狙うアプローチに比べてより間接的で、言説空間において優位に立ち、相手の掲げる価値を引き下げることを狙ったもので、中国は伝統的に相手国のエリート層への働きかけが得意な一方で、ディスインフォメーションは中国にとって比較的新しい手法である
●本工作実施に関連する組織は非常に多く、その指揮関係は非常に複雑。大方針に基づくとは言え、その実施が関係機関の緊密な調整下で実施されているというよりは、バラバラな行動の集合と見る方が適切

●中国の影響工作にかかわる組織は、大きく分けて、宣伝、統一戦線、人民解放軍の3つの系統。宣伝系統は、宣伝に関わる組織からなり、「中央宣伝思想工作領導小組 (組長)」が工作の全般的指導と調整実施。三つ目の人民解放軍は、軍の影響工作を実施する。新たに設立された戦略支援部隊は、 サイバー、電磁スペクトラム、宇宙という情報に関わる機能を統括しており、関連の深い心理・認知領域もその任務に含まれている模様
●二つ目の統一戦線工作系統は、習近平により組織的な強化が図られており、党内に中央統一戦線工作領導小組を設立し、中央統一戦線工作部の機能が大幅に強化され、政府内の独立部門だった国務院僑務弁公室、国務院国家民族事務委員会、国務院国家宗教 事務局が中共中央統一戦線部の指揮下に置かれるなど、一元的統制が強化されてきた

Wenbin2.jpg●主要な対象は、台湾、グローバルサウスの国々、そして各国の華僑華人である。西側諸国に対する中国の影響工作は、必ずしも大きな効果を上げているわけではない。
●まず、台湾の独立傾向を防ぎ、さらに統一を促進することは、中国共産党にとって長年の大目標。次のグローバルサウスの国々については、「一帯一路」等でグローバルサウスの国家と経済・政治・安全保障上の関係を深めようとの姿勢の表れ。世界中に拡大する華僑華人コミュニティを中国共産党の政策のためにまとめ上げ、動員することも狙いとしてるが、華僑華人は実際には多様で、すべてが中国共産党の影響下にあるわけではない

●何が問題か。中国の影響力工作が民主主義国にもたらす可能性があるのは、社会の分断と混乱、政策課題について中国有利な世論誘導、人権や民主との普遍的価値の相対化、選挙介入による政治体制への影響力行使、価値・イデオロギー面から現在の国際秩序を揺さぶり不安定化すること・・・などである
NIDS China4.jpg●中国の手法は、それほど洗練されているとは言えない部分がある。とくにディスインフォメーションはかなり粗い。工作を担当する組織間調整が綿密とは考えにくいく、洗練された連携が取れない状態かも

●影響工作の効果の検証は一般的に難しいが、中国のアプローチは間接的であることから更に難しくなっている。中国の限界、弱さを正しく把握することも重要。
●日本は、中国による様々なタイプの行動に対し、価値や原則を守るために全政府的アプローチで対処が必要。影響工作は技術発展と密接な関係にあり、特に人工知能の発展は、影響工作の実施側と対抗側の双方に今後欠かせないものとなる。グローバルサウスへの工作への対処には、広い国際的協調による対策が欠かせない
////////////////////////////////////////////////////

最近の地上波放送や新聞雑誌が、視聴率を下げ発行部数を減らしている原因は、「テレビ放送や新聞雑誌がつまらないだけでなく、目にすると気分が悪くなるからだ」とのSNS上での声が大きな賛同を集めています。

習近平 愛される国.jpg中国の影響力工作がもたらすものを、山口分析官は「社会の分断と混乱、政策課題について中国有利な世論誘導、人権や民主との普遍的価値の相対化、選挙介入による政治体制への影響力行使、価値・イデオロギー面から現在の国際秩序を揺さぶり不安定化」だと端的に指摘していますが、日本のマスゴミが日々垂れ流しているのは、これらを狙った操作された情報ばかりで、普通の日本国民が「目にすると気分が悪くなる」レベル情報のオンパレードです

それなのに山口分析官が「西側諸国に対する工作は、必ずしも大きな効果を上げているわけではない」と論評している評価の根拠が良くわかりませんし、日本への影響工作(日本の政治家や報道機関へのハニートラップ工作等々)に言及が一切ない点なども含め、論考全体を読んでみて話の流れに不自然さが感じられ、誰かによって初期原稿が大きく修正された可能性を強く感じました。

中国経済崩壊に言及ゼロ
「異様な中国安全保障レポート2024」→https://holylandtokyo.com/2023/11/28/5299/

防衛研究所による各種論考紹介記事
「サイバー傭兵の世界」→https://holylandtokyo.com/2020/08/05/515/
「ミャンマーと露の接近を恐れるASEAN」→https://holylandtokyo.com/2023/05/02/4545/
「量子技術の軍事への応用」→https://holylandtokyo.com/2022/01/14/2577/
「「先の大戦」「あの戦争」を何と呼ぶべきか」→https://holylandtokyo.com/2021/08/13/2103/

応援お願いします!ブログ「東京の郊外より」支援の会
https://community.camp-fire.jp/projects/view/258997

ブログサポーターご紹介ページ
https://holylandtokyo.com/2020/04/15/727/

nice!(2)  コメント(0) 
共通テーマ:ニュース

3機目の核実験監視用WC-135Rを受領 [米空軍]

1964年製造のKC-135を改造して
念願のWC-135R 3機体制で核兵器拡散に備え
「後継機は検討せず」のRC/WC-135だが2050年代まで

WC-135R2.jpg12月4日、米空軍Offutt空軍基地の第55航空団第45偵察飛行隊が、大気中の核物質を探知&検知するWC-135「R型」の3機目を受領し、2020年10月から始まった、旧式WC-135「C/W型」の2機体制から新型WC-135「R型」3機体制への転換が完了しました。

大気中の核物質を探知検知して核実験実施の有無を確認するWC-135は、核兵器保有を狙う潜在的国家が増加傾向にある中で非常に貴重で、2機体制から3機体制への移行は、航空機の定期整備や故障発生を考えると、同航空機運用の柔軟性や即応態勢維持に極めて大きな意味を持ち、運用部隊長が「史上初めて、任務遂行の質低下なく、同時に複数場所で活動が可能になる」と表現しているところです

WC-135R3.jpg旧式WC-135「C/W型」の2機体制から新型WC-135「R型」3機体制への転換は、まず2機の旧式WC-135「C/W型」を順次「R型」へ改修することで2機の「R型」を確保し、次に1964年にKC-135として導入され2019年まで空中給油機として運用されていた機体を、約4年かけ新しいWC-135「R型」に改修して3機目として受領し完結したとのことです。

ちなみに、2機の旧式WC-135「C/W型」を順次「R型」へ改修した2020年10月から2023年5月の31か月間には、1機しか運用可能なWC-135が存在しない期間が29か月間もあり、北朝鮮やイランがコロナ下のどさくさに紛れて核開発を進めた可能性があった中、監視の目が脆弱な状態を甘受していたことになります

WC-135R.jpg特殊情報収集機であるRC(各種電波情報収集機)やWC-135については9月の記事で取り上げた通り、機体は50歳以上で老朽化が進んでいるものの、搭載観測機器は様々な手法を用いて数年に1回「近代化改修や更新」が図られており、最新技術を反映した観測機材を操作する搭乗員は「勉強することが多数あり、飽きることが無い環境」に置かれているとのことです

今回受領した3機目は、KC-135を改修してWC-135として必要な観測装置を搭載し、核汚染されたエリアを飛行しても搭乗員に影響がない措置を施すだけでなく、WC-135用の最新型コックピットへの改修や、他のWC-135「R型」と同じCFM-56 turbofanエンジンへの換装を行って、機体維持整備の容易性にも配慮したとのことです

WC-135W.jpg米空軍は2019年頃に「RC,WC,OC-135の後継機は調達せず」、「空中・宇宙・地上に配備された多様なアセットに搭載されているセンサーをネットワーク化して活用し、そこから得られる情報全体で代替する」との方針を固めていますが、単純に見積もっても代替体制が確立しそうなのは2050年代以降であり、計28機保有のWCやRC-135はまだまだ活躍の機会が豊富にありそうです

【ご参考:Offutt基地所属RCやWC-135】
●RC-135U Combat Sent 2機 シグナル情報収集機
●RC-135V/W Rivet Joint 17機 U型を改良した同情報収集機
(敵のレーダー、ミサイル等のレーダー電波情報や位置等を収集分析し、敵の戦力分布や新兵器の配備を把握。また味方機の自己防御用警報装置に敵電波情報をアップデート)

●RC-135S Cobra Ball 3機 弾道ミサイル光学電子情報収集(北朝鮮の弾道ミサイル試験が迫ると日本周辺に飛来)
●WC-135 Constant Phoenik 2機 大気収集機(北朝鮮の核実験報道があると日本海で待機を収集し、核実験の真偽を判定)

※OC-135B Open Skies機 2機 米露のオープンスカイズ条約遂行のための機体だが、トランプ政権が露の姿勢に反発し、2020年に条約破棄を通告。2021年に機体も破棄

米空軍ISR関連の記事
「久々にRC,WC-135部隊ご紹介」→https://holylandtokyo.com/2023/09/27/5066/
「RC,WC,OC,NC-135は後継機なしの方向」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-05-28-1
「米空軍が新ISRロードマップ決定」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-08-04-3
「情報部長が中露のAI脅威を」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-07-28
「RC-135シリーズがピンチ」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-07-08-1

応援お願いします!ブログ「東京の郊外より」支援の会
https://community.camp-fire.jp/projects/view/258997

ブログサポーターご紹介ページ
https://holylandtokyo.com/2020/04/15/727/

nice!(2)  コメント(0) 
共通テーマ:ニュース