米国防省「中国の軍事力」レポート2021年版が核増強を [中国要人・軍事]
2020年版予想は2030年までに400弾頭
2021年の予想は2030年までに1000弾頭以上
11月3日に米国防省が公表した2021年版「中国の軍事力」レポートで、中国の核戦力増強見積もりが、昨年のレポートの2.5倍になっていると話題ですので簡単にご紹介しておきます
このレポートは「Military and Security Developments Involving the People’s Republic of China」とのタイトルの議会報告用のレポートで、過去記事にあるよう毎年公表されており、既に日本のメディアでも様々に取り上げられていますが、特に今回は核戦力増強に焦点が当たっています
米国防予算が「良くて横ばい」と言われる中、老朽化したICBMミニットマンⅢの後継(GBSD)開発や極超音速兵器開発、更にはミサイル防衛用の予算確保に迫られている米国防省として、その必要性をアピールするため、核の脅威はロシアの核戦力だけでなく、中国も含めて考えるべきと世論に再考を促す狙いも感じられます
いずれにしても、昨年の同レポートで2030年時点での中国核弾頭数を400弾頭と見積もっていたものを、今年は1000弾頭以上と大きく上方修正しており、その中身を概観しておきましょう
3日付Defense-News記事によれば
●(昨年の同レポートでは、中国軍の核弾頭数を現状200弾頭で、2030年までに400弾頭に増強と見積もっていたが、)2021年版レポートでは、中国は2027年までに700弾頭、2030年までに少なくとも1000弾頭の保有を目指していると記している
●米国はロシアとの戦略兵器削減条約の縛りもあり、2003年には1万発の核弾頭を保有していたが、現時点で3750弾頭まで削減しており、今後増強する計画はない
●2021年版レポートは2020年12月までの状況をまとめたもので、2021年8月に中国が試験し、最近Milley統合参謀本部議長が強い懸念を示した低高度軌道飛翔する極超音速核兵器FOBSと言われる兵器の試験については言及しておらず、中国がDF-17との米国のミサイル防衛網を回避する極超音速兵器を配備したとのみ記載している
●2021年版レポートは、中国版「核の3本柱」が急速に増強発展している分野だと紹介し、空中発射型、地上発射型、潜水艦発射型の開発増強について言及している
●空中発射型については、空中発射核弾道ミサイルを機体外部に搭載可能とする改修をH-6K大型爆撃機に施した「H-6N」の2020年部隊配備を通じて紹介し、H-6Nが空中受油能力を付与されて核ミサイルの攻撃可能範囲拡大を狙っている点や、各種戦術開発に取り組んでいると記載している
●地上発射型ICBMについては中国核戦力の柱であり、3つの場所で固体燃料ICBM用のサイロ群を建設開始しており、合計で数百のICBMサイロ増設になると見積もっている
●また、新たなICBMとして射程5000~8000㎞のDF-27が開発中としているが、以前から報道されていた「“intercontinental” glider system」との関係は不明である
●潜水艦発射型については、現在配備されている6隻のType094型戦略原潜(晋級(Jin Class))に加え、開発中のType096型戦略原潜(唐級(Tang Class))を合わせ、203年には8隻体制になると予想している。なお、096型のミサイル搭載数は、094型の2倍の24基になると言われている
●またType096型に搭載の潜水艦搭載核ミサイルも、現在の094型が搭載のJL-2(射程7200㎞)から、中国沿岸から米本土を攻撃可能な開発中のJL-3(射程12000㎞)になると分析している。なお潜水艦発射型ミサイルは、発射後に目標情報を受信して攻撃目標を変更可能で、それら目標情報は約200個の偵察衛星群から提供される(昨年時点の見積もりは衛星数80個)
●一方で2021年版レポートは、中国の西側潜水艦への対処能力(anti-submarine warfare)が依然としてレベルが低くアキレス腱となっていると表現し、中国がこの欠点を改善するために中国空母や潜水艦防御のため水上艦艇を2030年までに460隻に増強する計画だとレポートしている
///////////////////////////////////////////
とりあえず「核戦力」について、3本柱の近代化&増強の視点からご紹介しておきます。
ちらっと中身を見ましたが、図や表が少なく、文字がびっしりの印象です。余力があれば、その他の分野も追記するかもしれません・・・気力があれば・・・
現物:2021年版「中国の軍事力」レポート192ページ
9-18ページが「EXECUTIVE SUMMARY」です
→https://www.airforcemag.com/app/uploads/2021/11/2020-China-Report.pdf
米国防省「中国の軍事力」レポート関連
「2020年版」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-09-02
「2019年版」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-05-06
「2018年版」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-08-18
「2016年版」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-05-15
「2015年版」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-06-17
「2014年版」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-06-06
「2013年版」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-05-08
「2012年版」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-05-19
「2011年版」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-08-25-1
中国空軍のH-6大型爆撃機
「中国空軍H-6Nが極超音速兵器試験?」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-10-20
「H-6Kのグアム島ミサイル攻撃模擬映像」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-09-23
応援お願いします!ブログ「東京の郊外より」支援の会
→https://community.camp-fire.jp/projects/view/258997
ブログサポーターご紹介ページ
→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-04-16-1
2021年の予想は2030年までに1000弾頭以上
11月3日に米国防省が公表した2021年版「中国の軍事力」レポートで、中国の核戦力増強見積もりが、昨年のレポートの2.5倍になっていると話題ですので簡単にご紹介しておきます
このレポートは「Military and Security Developments Involving the People’s Republic of China」とのタイトルの議会報告用のレポートで、過去記事にあるよう毎年公表されており、既に日本のメディアでも様々に取り上げられていますが、特に今回は核戦力増強に焦点が当たっています
米国防予算が「良くて横ばい」と言われる中、老朽化したICBMミニットマンⅢの後継(GBSD)開発や極超音速兵器開発、更にはミサイル防衛用の予算確保に迫られている米国防省として、その必要性をアピールするため、核の脅威はロシアの核戦力だけでなく、中国も含めて考えるべきと世論に再考を促す狙いも感じられます
いずれにしても、昨年の同レポートで2030年時点での中国核弾頭数を400弾頭と見積もっていたものを、今年は1000弾頭以上と大きく上方修正しており、その中身を概観しておきましょう
3日付Defense-News記事によれば
●(昨年の同レポートでは、中国軍の核弾頭数を現状200弾頭で、2030年までに400弾頭に増強と見積もっていたが、)2021年版レポートでは、中国は2027年までに700弾頭、2030年までに少なくとも1000弾頭の保有を目指していると記している
●米国はロシアとの戦略兵器削減条約の縛りもあり、2003年には1万発の核弾頭を保有していたが、現時点で3750弾頭まで削減しており、今後増強する計画はない
●2021年版レポートは2020年12月までの状況をまとめたもので、2021年8月に中国が試験し、最近Milley統合参謀本部議長が強い懸念を示した低高度軌道飛翔する極超音速核兵器FOBSと言われる兵器の試験については言及しておらず、中国がDF-17との米国のミサイル防衛網を回避する極超音速兵器を配備したとのみ記載している
●2021年版レポートは、中国版「核の3本柱」が急速に増強発展している分野だと紹介し、空中発射型、地上発射型、潜水艦発射型の開発増強について言及している
●空中発射型については、空中発射核弾道ミサイルを機体外部に搭載可能とする改修をH-6K大型爆撃機に施した「H-6N」の2020年部隊配備を通じて紹介し、H-6Nが空中受油能力を付与されて核ミサイルの攻撃可能範囲拡大を狙っている点や、各種戦術開発に取り組んでいると記載している
●地上発射型ICBMについては中国核戦力の柱であり、3つの場所で固体燃料ICBM用のサイロ群を建設開始しており、合計で数百のICBMサイロ増設になると見積もっている
●また、新たなICBMとして射程5000~8000㎞のDF-27が開発中としているが、以前から報道されていた「“intercontinental” glider system」との関係は不明である
●潜水艦発射型については、現在配備されている6隻のType094型戦略原潜(晋級(Jin Class))に加え、開発中のType096型戦略原潜(唐級(Tang Class))を合わせ、203年には8隻体制になると予想している。なお、096型のミサイル搭載数は、094型の2倍の24基になると言われている
●またType096型に搭載の潜水艦搭載核ミサイルも、現在の094型が搭載のJL-2(射程7200㎞)から、中国沿岸から米本土を攻撃可能な開発中のJL-3(射程12000㎞)になると分析している。なお潜水艦発射型ミサイルは、発射後に目標情報を受信して攻撃目標を変更可能で、それら目標情報は約200個の偵察衛星群から提供される(昨年時点の見積もりは衛星数80個)
●一方で2021年版レポートは、中国の西側潜水艦への対処能力(anti-submarine warfare)が依然としてレベルが低くアキレス腱となっていると表現し、中国がこの欠点を改善するために中国空母や潜水艦防御のため水上艦艇を2030年までに460隻に増強する計画だとレポートしている
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とりあえず「核戦力」について、3本柱の近代化&増強の視点からご紹介しておきます。
ちらっと中身を見ましたが、図や表が少なく、文字がびっしりの印象です。余力があれば、その他の分野も追記するかもしれません・・・気力があれば・・・
現物:2021年版「中国の軍事力」レポート192ページ
9-18ページが「EXECUTIVE SUMMARY」です
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米国防省「中国の軍事力」レポート関連
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中国空軍のH-6大型爆撃機
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中国ステルス機J-20の新型と新型艦載機写真か? [中国要人・軍事]
J-20新型は2人乗りで無人僚機操作かNetWork管理機か
J-31改良型には空母艦載機の特徴が・・・
10月29日付Defense-Newsは、中国で撮影された2つの写真を取り上げ、以前から噂されていた「J-20ステルス戦闘機」の2人乗り改良型と、空母艦載用に改良されたJ-31(Shenyang FC-31)だと紹介しています
Defense-Newsは最近、「中国軍がステルス機の大増産を計画中で、2025年までに650機を超え米国を上回る可能性あり」や、「中国軍需産業や海軍関係者が、新型空母艦載機を年内に披露予定と発言」と相次いで報じており、これら報道をフォローする内容となっています(過去記事も参照ください)
2つの新型機をとらえた写真は鮮明ではなく、それぞれ1枚限りで細部までは確認できませんが、J-20改良型は軍需産業の開発拠点で撮影され、J-31改良型は撮影場所不明となっており、塗装も仮塗装状態で「開発中」の雰囲気が伺える写真です
J-20ステルス攻撃機の2人乗り型?
●10月26日に四川省成都市の成都飛機工業公司(Chengdu Aircraft factory) で撮影された写真は、以前から改良型の開発が噂されていたJ-20ステルス戦闘機の「2人乗り」バージョンが地上走行中のもので、まだ仮塗装状態の機体である
●追加された「後席」搭乗員の役割は不明だが、(米国のF-4やF-15Eがそうであるように、)後席搭乗員はセンサーや搭載兵器の運用を担当する兵器システム操作員WSO(weapons system officer)の可能性がある
●また、西側各国が開発を進める無人ウイングマン機を中国も開発しているであろうから、J-20複座型が無人ウイングマン機を束ねる有人母機の役割を果たす可能性もあり、その場合、後席搭乗員が無人機を操作する要員の可能性もある
●更に可能性としては、中国航空産業関係者が以前言及していた、J-20をステルス型早期警戒機&センサーNetwork管理機として活用する可能性も考えられる
空母艦載型のJ-31改良機?
●10月上旬のZhuhai航空ショーで航空産業や海軍関係者が示唆していた、2021年末までに新型空母艦載機を披露するとの発言を裏付けるような写真が、29日に現れた
●空母艦載用に改良されたJ-31(Shenyang FC-31)と思われる機体が飛行している様子を撮影した、初めての写真である
●写真は、飛行中の機体が空母艦載機特有の特徴を有していることを示している。一つは前方の車輪部分にカタパルトと結び付けるバーが確認できることで、もう一つは翼が折りたためるように改造されている様子がうかがえる点である
●中国の就航済みの2隻の空母はカタパルトを装備していないが、現在上海で建造中の第3の空母は、米海軍の新型空母フォード級と同サイズで、カタパルトを3基搭載すると見られており、艦載機がカタパルト用装備を備えている点と一致する
●また空母艦載機は、狭い空母艦内スペースを効率的に活用するため、翼を折りたたんで格納することが一般的であり、この点でも写真が出回った機体は空母艦載機の特徴を備えている
/////////////////////////////////////////////
中国による軍備強化のための猛烈な投資の成果と考えられます。米国をはじめとする西側関係者は一般に、自国の国防予算を確保するため、敵の脅威をアピールしますが、中国の軍備増強は強調しても強調しきれないくらい「猛烈」です
「話し合い」や「対話」で解決レベルではなく、協議の場に臨む前に相手を威圧する体制の整備が着実に進んでいると見るべきです
最近の中国航空戦力記事
「中国軍ステルス機数が2025年までに米軍越え!?」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-10-10
「中国版EA-18Gが中国航空ショーに」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-09-29
J-20関連の記事
「2018年航空ショーでの評価」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2018-11-10-1
「報道官が戦闘能力発言」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-02-17-1
「中国国防省が運用開始と」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-09-30-1
「中国報道:J-20が運用開始?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-03-14
「大局を見誤るな:J-20初公開に思う」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-11-02
J-31関連記事
「新しい艦載機をまもなく披露する」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-10-05
「中国海軍の新型艦載機開発?」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-06-10
「輸出用の中国製ステルス機J-31改良型初飛行」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2016-12-27
単発で初:中国国産エンジン搭載
「単発J-10CにWS-10B搭載」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-05-12
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J-31改良型には空母艦載機の特徴が・・・
10月29日付Defense-Newsは、中国で撮影された2つの写真を取り上げ、以前から噂されていた「J-20ステルス戦闘機」の2人乗り改良型と、空母艦載用に改良されたJ-31(Shenyang FC-31)だと紹介しています
Defense-Newsは最近、「中国軍がステルス機の大増産を計画中で、2025年までに650機を超え米国を上回る可能性あり」や、「中国軍需産業や海軍関係者が、新型空母艦載機を年内に披露予定と発言」と相次いで報じており、これら報道をフォローする内容となっています(過去記事も参照ください)
2つの新型機をとらえた写真は鮮明ではなく、それぞれ1枚限りで細部までは確認できませんが、J-20改良型は軍需産業の開発拠点で撮影され、J-31改良型は撮影場所不明となっており、塗装も仮塗装状態で「開発中」の雰囲気が伺える写真です
J-20ステルス攻撃機の2人乗り型?
●10月26日に四川省成都市の成都飛機工業公司(Chengdu Aircraft factory) で撮影された写真は、以前から改良型の開発が噂されていたJ-20ステルス戦闘機の「2人乗り」バージョンが地上走行中のもので、まだ仮塗装状態の機体である
●追加された「後席」搭乗員の役割は不明だが、(米国のF-4やF-15Eがそうであるように、)後席搭乗員はセンサーや搭載兵器の運用を担当する兵器システム操作員WSO(weapons system officer)の可能性がある
●また、西側各国が開発を進める無人ウイングマン機を中国も開発しているであろうから、J-20複座型が無人ウイングマン機を束ねる有人母機の役割を果たす可能性もあり、その場合、後席搭乗員が無人機を操作する要員の可能性もある
●更に可能性としては、中国航空産業関係者が以前言及していた、J-20をステルス型早期警戒機&センサーNetwork管理機として活用する可能性も考えられる
空母艦載型のJ-31改良機?
●10月上旬のZhuhai航空ショーで航空産業や海軍関係者が示唆していた、2021年末までに新型空母艦載機を披露するとの発言を裏付けるような写真が、29日に現れた
●空母艦載用に改良されたJ-31(Shenyang FC-31)と思われる機体が飛行している様子を撮影した、初めての写真である
●写真は、飛行中の機体が空母艦載機特有の特徴を有していることを示している。一つは前方の車輪部分にカタパルトと結び付けるバーが確認できることで、もう一つは翼が折りたためるように改造されている様子がうかがえる点である
●中国の就航済みの2隻の空母はカタパルトを装備していないが、現在上海で建造中の第3の空母は、米海軍の新型空母フォード級と同サイズで、カタパルトを3基搭載すると見られており、艦載機がカタパルト用装備を備えている点と一致する
●また空母艦載機は、狭い空母艦内スペースを効率的に活用するため、翼を折りたたんで格納することが一般的であり、この点でも写真が出回った機体は空母艦載機の特徴を備えている
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中国による軍備強化のための猛烈な投資の成果と考えられます。米国をはじめとする西側関係者は一般に、自国の国防予算を確保するため、敵の脅威をアピールしますが、中国の軍備増強は強調しても強調しきれないくらい「猛烈」です
「話し合い」や「対話」で解決レベルではなく、協議の場に臨む前に相手を威圧する体制の整備が着実に進んでいると見るべきです
最近の中国航空戦力記事
「中国軍ステルス機数が2025年までに米軍越え!?」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-10-10
「中国版EA-18Gが中国航空ショーに」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-09-29
J-20関連の記事
「2018年航空ショーでの評価」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2018-11-10-1
「報道官が戦闘能力発言」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-02-17-1
「中国国防省が運用開始と」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-09-30-1
「中国報道:J-20が運用開始?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-03-14
「大局を見誤るな:J-20初公開に思う」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-11-02
J-31関連記事
「新しい艦載機をまもなく披露する」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-10-05
「中国海軍の新型艦載機開発?」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-06-10
「輸出用の中国製ステルス機J-31改良型初飛行」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2016-12-27
単発で初:中国国産エンジン搭載
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中国空軍が超旧式J-6改良無人機部隊写真を公開 [中国要人・軍事]
中国はJ-6改良無人機の存在を認めていないようですが
かねてから噂の台湾から約400㎞の基地らしい
J-6改良無人機は台湾正面の2基地で以前から
10月20日付Defense-Newsは、中国軍東部軍管区アカウントの中国版ツイッター「Weibo」が、初めてJ-6戦闘機改良型の無人機とその部隊の写真を公開したと紹介しています。ただし中国軍は、J-6戦闘機を無人機に改良したとは公式に認めていないようです
中国空軍のJ-6戦闘機は、1950年代にソ連で開発製造されたMig-19の中国版で、初期型はレーダー装備もない初期のジェット戦闘機ですが、中国空軍では2021年になってやっと公式に退役が発表された機体です
しかしその後の2013年頃から、J-6の無人機改良型が台湾正面の2つの基地(共に台湾から270マイル・約400㎞の距離の福建省Liancheng基地、広東省Xingning基地)で確認されるようになりました。
福建省のLiancheng基地では、9月15日に撮影された西側商用画像で約50機のJ-6改良無人機が整然と並ぶ様子が確認されており、広東省Xingning基地でも2020年4月の衛星写真で約30機の同型機が確認されているようです
J-6改良型無人機が新たな脅威だとは考えにくく、恐らく敵防空組織を飽和させたり、初期的な無人機として特攻攻撃のように使用される程度だと考えられますが、朝鮮戦争時代の「化石」戦闘機が今なお現役で部隊編成されていることが今になって公式に表明された点が「?」で興味深く、話題となっていますので、とりあえずご紹介しておきます
10月20日付Defense-News記事によれば
●Weibo上で東部軍管区が公開した写真は、当該部隊が2021年後半の訓練最栗を開始する式典の様子で、2機のJ-6改良無人機がセレモニー用に配置されている
●ただし公開された写真は、基地名や部隊名や機体番号が明らかにならないよう関連表示部分が「ぼかし処理」されている。一方で、中国軍の情報公開の習わしとして、この処理がなされているということは、部隊や機体が実戦配備状態にあることを示す証拠でもある
●式典写真がどの基地で撮影されたかは不明で、式典で使用されている横断幕の表示も「ぼかし処理」されている。
●映っている2機のJ-6型無人機は塗装なしの状態だが、翼下には搭載物を装着可能なハードポイントが3か所準備されていることがわかる
●また、2013年以降に衛星写真等で確認された画像では、2つの基地の異なった複数の場所でJ-6が確認されており、実際に使用している証拠と考えられていた
●ただし中国は、J-6戦闘機を無人機に改良したとは公式に認めていない
///////////////////////////////////////////////////
Weiboの東部軍管区アカウントをまんぐーす自身が確認できておらず、公開された写真にどのような説明が付記されていたか不明ですが、Defense-NewsのMike Yeo記者は、以前から噂のJ-6無人機部隊のものだと疑いなく記事にしています。
日本時間21日には、Defense-Newsの記事別アクセストップにYeo記者の本記事がランキングされており、様々な過去からの情報を基礎に、本記事が読者に受け入れられているものと思います。
アリがちなのは、多量に退役したJ-6戦闘機を、さほど役立ちそうもないのに、当時の中国軍幹部の「鶴の一声」で無人機に改修する羽目になり、維持せざるを得ない状況で、士気高揚のためSNSで取り上げてみた・・・とのストーリーです。完全なまんぐーすの邪推ですが・・・
最近の中国軍記事
「中国軍ステルス機数が2025年までに米軍越え!?」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-10-10
「中国が年内に新型空母艦載機披露へ」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-10-05
「中国版EA-18Gが中国航空ショーに」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-09-29
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かねてから噂の台湾から約400㎞の基地らしい
J-6改良無人機は台湾正面の2基地で以前から
10月20日付Defense-Newsは、中国軍東部軍管区アカウントの中国版ツイッター「Weibo」が、初めてJ-6戦闘機改良型の無人機とその部隊の写真を公開したと紹介しています。ただし中国軍は、J-6戦闘機を無人機に改良したとは公式に認めていないようです
中国空軍のJ-6戦闘機は、1950年代にソ連で開発製造されたMig-19の中国版で、初期型はレーダー装備もない初期のジェット戦闘機ですが、中国空軍では2021年になってやっと公式に退役が発表された機体です
しかしその後の2013年頃から、J-6の無人機改良型が台湾正面の2つの基地(共に台湾から270マイル・約400㎞の距離の福建省Liancheng基地、広東省Xingning基地)で確認されるようになりました。
福建省のLiancheng基地では、9月15日に撮影された西側商用画像で約50機のJ-6改良無人機が整然と並ぶ様子が確認されており、広東省Xingning基地でも2020年4月の衛星写真で約30機の同型機が確認されているようです
J-6改良型無人機が新たな脅威だとは考えにくく、恐らく敵防空組織を飽和させたり、初期的な無人機として特攻攻撃のように使用される程度だと考えられますが、朝鮮戦争時代の「化石」戦闘機が今なお現役で部隊編成されていることが今になって公式に表明された点が「?」で興味深く、話題となっていますので、とりあえずご紹介しておきます
10月20日付Defense-News記事によれば
●Weibo上で東部軍管区が公開した写真は、当該部隊が2021年後半の訓練最栗を開始する式典の様子で、2機のJ-6改良無人機がセレモニー用に配置されている
●ただし公開された写真は、基地名や部隊名や機体番号が明らかにならないよう関連表示部分が「ぼかし処理」されている。一方で、中国軍の情報公開の習わしとして、この処理がなされているということは、部隊や機体が実戦配備状態にあることを示す証拠でもある
●式典写真がどの基地で撮影されたかは不明で、式典で使用されている横断幕の表示も「ぼかし処理」されている。
●映っている2機のJ-6型無人機は塗装なしの状態だが、翼下には搭載物を装着可能なハードポイントが3か所準備されていることがわかる
●また、2013年以降に衛星写真等で確認された画像では、2つの基地の異なった複数の場所でJ-6が確認されており、実際に使用している証拠と考えられていた
●ただし中国は、J-6戦闘機を無人機に改良したとは公式に認めていない
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Weiboの東部軍管区アカウントをまんぐーす自身が確認できておらず、公開された写真にどのような説明が付記されていたか不明ですが、Defense-NewsのMike Yeo記者は、以前から噂のJ-6無人機部隊のものだと疑いなく記事にしています。
日本時間21日には、Defense-Newsの記事別アクセストップにYeo記者の本記事がランキングされており、様々な過去からの情報を基礎に、本記事が読者に受け入れられているものと思います。
アリがちなのは、多量に退役したJ-6戦闘機を、さほど役立ちそうもないのに、当時の中国軍幹部の「鶴の一声」で無人機に改修する羽目になり、維持せざるを得ない状況で、士気高揚のためSNSで取り上げてみた・・・とのストーリーです。完全なまんぐーすの邪推ですが・・・
最近の中国軍記事
「中国軍ステルス機数が2025年までに米軍越え!?」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-10-10
「中国が年内に新型空母艦載機披露へ」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-10-05
「中国版EA-18Gが中国航空ショーに」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-09-29
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中国軍ステルス機数が2025年までに米軍越え!? [中国要人・軍事]
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中国関係者がステルス機増産を示唆し
3月の米太平洋軍が2025年までに・・・の見積りとか!?
8日付米空軍協会web記事は、中国関係者や上院軍事委員会での委員の発言等から、2025年までに中国軍のステルス機保有数が米軍(米空軍?)の数を上回る可能性があると報じています。
中国関係者の発言も米国の上院軍事委員の発言も非常に曖昧で、中国軍にステルス機増産の意志があるのか、何と何を比較して米軍の保有機数を中国軍機数が上回るのかもはっきりしない内容に感じるのですが、米空軍協会機関紙編集長による記事は「China Likely Stepping Up Stealth Fighter Production」とのタイトルになっており、今後の関連情報を理解する上での基礎情報としてご紹介しておきます
まず記事から、中国側関係者の発言
●中国の国営英字紙「環球時報」によれば、10月初旬まで中国で開催されていたZhuhai航空ショーでのインタビューで、J-20戦闘爆撃機(中国はステルス機と主張)の副設計責任者であるWang Haitao氏が、「中国軍需産業は、J-20に関する中国空軍からの如何なるレベルの要求にも応じることができる状態にある」、
●更に、このような最先端航空機の開発製造には通常時間を要し、「特にJ-20のような装備の場合、我々は全ての側面で物事を早く進める必要があり、その側面は設計、製造、試験、組み立て等、多方面に及ぶ」述べると同時に、「J-20は、そのステルス性、センサー能力、攻撃能力面で素晴らしい性能が明らかになっている」と語った
次に米上院軍事委員会での委員発言
●5日の国防省政治任用高官の承認検討ヒヤリングで、James Inhofe議員は「わが軍の司令官は本委員会に、2025年までに中国軍が保有する(have on the front line)第5世代ステルス戦闘機数は、わが軍の数より多くなるとの見積もりを報告している」と発言した。
●この情報源について同議員に問い合わせしたところ、同議員の報道官から、今年3月の議会におけるヒアリングで、当時のDavidson太平洋軍司令官が証言した内容に基づくものである、との回答があった
8日付米空軍協会web記事の補足説明
●Zhuhai航空ショーで中国空軍は、15機のJ-20による編隊飛行(Some 15 J-20s flew in formation)を披露し、予備機と思われる機体も会場の飛行場内で目撃されていた
●J-20は開発当初、ロシア製のエンジンに依存していたが、今回の航空ショーで披露された中には、中国製WS-10Cを搭載していると紹介された機体もあった
●中国メディアのこれまでの報道によれば、中国空軍はJ-20を内陸に位置する4つの部隊で計約150機保有しており、戦術開発や訓練に取り組んでいる模様である
●一方で米空軍の保有する第5世代機数は、現時点でF-35が約300機、F-22が約180機の計約480機で、現時点で明らかにされているF-35調達計画によれば、2025年までに両機の合計は652機になる見込みである
●中国軍の部隊配備(on the front line)ステルス機数を、現在の約150機から652機レベルまで引き上げるには、J-20と艦載ステルス機と想定されているJ-31改良艦載機を2025年までの4年間で計500機製造する必要がある。
●ちなみに、米空軍や海兵隊が保有するF-35の機数は含めて考えていない
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2021 Zhuhai航空ショーでのJ-20デモ飛行
これまでのJ-20経緯
---2011年に初飛行
---2016年11月、Zhuhai航空ショーで初公開
---2017年7月、人民解放軍90周年記念日に軍事パレード初参加
---2017年11月、中国空軍演習「Red Sword 2017」で重要な任務を果たす
---2018年2月、中国空軍報道官が「戦闘任務に入った」発言
記事で紹介された内容だけだと「?」な感じですが、記事はこの分野で経験豊富で著名な米空軍協会機関紙「Air Force Magazine」のJohn A. Tirpak編集長によるものですので、方向性は間違っていないと思います
中国製ステルス機のステルス性やその能力については、西側専門家による懐疑的な見方が一般的ですし、中国内陸の開発や試験用の基地や部隊で飛行している様子しか伝えられていないのも事実ですが、Zhuhai航空ショーでアピールしていた無人機の分野と同じく、着実に前進していることは間違いないのでしょう
J-20関連の記事
「2018年航空ショーでの評価」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2018-11-10-1
「報道官が戦闘能力発言」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-02-17-1
「中国国防省が運用開始と」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-09-30-1
「中国報道:J-20が運用開始?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-03-14
「大局を見誤るな:J-20初公開に思う」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-11-02
J-31関連記事
「新しい艦載機をまもなく披露する」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-10-05
「中国海軍の新型艦載機開発?」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-06-10
「輸出用の中国製ステルス機J-31改良型初飛行」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2016-12-27
単発で初:中国国産エンジン搭載
「単発J-10CにWS-10B搭載」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-05-12
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中国関係者がステルス機増産を示唆し
3月の米太平洋軍が2025年までに・・・の見積りとか!?
8日付米空軍協会web記事は、中国関係者や上院軍事委員会での委員の発言等から、2025年までに中国軍のステルス機保有数が米軍(米空軍?)の数を上回る可能性があると報じています。
中国関係者の発言も米国の上院軍事委員の発言も非常に曖昧で、中国軍にステルス機増産の意志があるのか、何と何を比較して米軍の保有機数を中国軍機数が上回るのかもはっきりしない内容に感じるのですが、米空軍協会機関紙編集長による記事は「China Likely Stepping Up Stealth Fighter Production」とのタイトルになっており、今後の関連情報を理解する上での基礎情報としてご紹介しておきます
まず記事から、中国側関係者の発言
●中国の国営英字紙「環球時報」によれば、10月初旬まで中国で開催されていたZhuhai航空ショーでのインタビューで、J-20戦闘爆撃機(中国はステルス機と主張)の副設計責任者であるWang Haitao氏が、「中国軍需産業は、J-20に関する中国空軍からの如何なるレベルの要求にも応じることができる状態にある」、
●更に、このような最先端航空機の開発製造には通常時間を要し、「特にJ-20のような装備の場合、我々は全ての側面で物事を早く進める必要があり、その側面は設計、製造、試験、組み立て等、多方面に及ぶ」述べると同時に、「J-20は、そのステルス性、センサー能力、攻撃能力面で素晴らしい性能が明らかになっている」と語った
次に米上院軍事委員会での委員発言
●5日の国防省政治任用高官の承認検討ヒヤリングで、James Inhofe議員は「わが軍の司令官は本委員会に、2025年までに中国軍が保有する(have on the front line)第5世代ステルス戦闘機数は、わが軍の数より多くなるとの見積もりを報告している」と発言した。
●この情報源について同議員に問い合わせしたところ、同議員の報道官から、今年3月の議会におけるヒアリングで、当時のDavidson太平洋軍司令官が証言した内容に基づくものである、との回答があった
8日付米空軍協会web記事の補足説明
●Zhuhai航空ショーで中国空軍は、15機のJ-20による編隊飛行(Some 15 J-20s flew in formation)を披露し、予備機と思われる機体も会場の飛行場内で目撃されていた
●J-20は開発当初、ロシア製のエンジンに依存していたが、今回の航空ショーで披露された中には、中国製WS-10Cを搭載していると紹介された機体もあった
●中国メディアのこれまでの報道によれば、中国空軍はJ-20を内陸に位置する4つの部隊で計約150機保有しており、戦術開発や訓練に取り組んでいる模様である
●一方で米空軍の保有する第5世代機数は、現時点でF-35が約300機、F-22が約180機の計約480機で、現時点で明らかにされているF-35調達計画によれば、2025年までに両機の合計は652機になる見込みである
●中国軍の部隊配備(on the front line)ステルス機数を、現在の約150機から652機レベルまで引き上げるには、J-20と艦載ステルス機と想定されているJ-31改良艦載機を2025年までの4年間で計500機製造する必要がある。
●ちなみに、米空軍や海兵隊が保有するF-35の機数は含めて考えていない
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2021 Zhuhai航空ショーでのJ-20デモ飛行
これまでのJ-20経緯
---2011年に初飛行
---2016年11月、Zhuhai航空ショーで初公開
---2017年7月、人民解放軍90周年記念日に軍事パレード初参加
---2017年11月、中国空軍演習「Red Sword 2017」で重要な任務を果たす
---2018年2月、中国空軍報道官が「戦闘任務に入った」発言
記事で紹介された内容だけだと「?」な感じですが、記事はこの分野で経験豊富で著名な米空軍協会機関紙「Air Force Magazine」のJohn A. Tirpak編集長によるものですので、方向性は間違っていないと思います
中国製ステルス機のステルス性やその能力については、西側専門家による懐疑的な見方が一般的ですし、中国内陸の開発や試験用の基地や部隊で飛行している様子しか伝えられていないのも事実ですが、Zhuhai航空ショーでアピールしていた無人機の分野と同じく、着実に前進していることは間違いないのでしょう
J-20関連の記事
「2018年航空ショーでの評価」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2018-11-10-1
「報道官が戦闘能力発言」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-02-17-1
「中国国防省が運用開始と」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-09-30-1
「中国報道:J-20が運用開始?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-03-14
「大局を見誤るな:J-20初公開に思う」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-11-02
J-31関連記事
「新しい艦載機をまもなく披露する」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-10-05
「中国海軍の新型艦載機開発?」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-06-10
「輸出用の中国製ステルス機J-31改良型初飛行」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2016-12-27
単発で初:中国国産エンジン搭載
「単発J-10CにWS-10B搭載」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-05-12
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中国が年内に新型空母艦載機披露へ [中国要人・軍事]
中国軍企業AVICと中国空軍が時同じくして発表
武漢で姿が確認されているJ-31改造版か
9月29日付Defense-Newsは、中国海軍幹部がZhuhai航空ショーでの記者会見で、今年中に新型の空母艦載機を披露すると明らかにし、同じタイミングで中国航空産業AVIC(Aviation Industry Corporation of China)が同社アカウントのSNS上で同様の発信を行ったと報じました。
両者の発表が同じ中身を示すものかは確認できていないようですが、AVIC(中国航空工業集団)の子会社であるSAIC(瀋陽飛機航空集団)の工場で、輸出に成功しなかった中国版F-35とも呼ばれる戦闘機J-31を艦載機に改修する様子らしい状況が最近確認されており、西側の憶測を呼んでいるところでしたので、それとの関係が指摘されています
6月にご紹介したJ-31改良新型艦載機?
「中国海軍の新型艦載機開発?」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-06-10
9月29日付Defense-News記事によれば
●中国国営の「環球時報」によれば、中国海軍が使用中の艦載戦闘機J-15の設計チームを率いた中国海軍戦闘機設計チーム長であるSun Cong氏は、Zhuhai航空ショーでの記者会見で、「中国人民は今年後半に、次世代の空母艦載戦闘機を目にすることになるだろう」と語った
●またCong氏は、適当なタイミングで新艦載戦闘機のより細部について明らかにすることになろうとも述べた
●同様に、AVIC(中国航空工業集団:Aviation Industry Corporation of China)は自社の中国版ツイッター(Weibo)アカウントで、2021年末までに、新型の空母艦載機を披露すると発信した
●Sun氏もAVIC社も細部については全く触れていないが、AVIC社のSNS上には、2つの垂直尾翼を備えたステルス形状の機体シルエット画像が添付されていた
●なお、今年のZhuhai航空ショーでは、ステルス攻撃機と言われるJ-20が、国産エンジンWS-10C搭載して披露され、2機編隊での飛行展示を連日行って注目を集めた
●最近中国航空産業の国産エンジン開発が進展し、従来はロシア製エンジンを搭載していた双発機のJ-11やJ-16が、中国製WS-10を10年ほど前から搭載をはじめ、単発のJ-10が今年中国製WS-10を搭載し始めていることが確認されている
●ただしJ-31は、現有艦載機のJ-15と同様に、これまでのところロシア製エンジンでのみで飛行している
J-31関連:今年 6月9日付Defense-News記事によれば
●武漢にある中国海軍の開発試験拠点で改良型のJ-31(FC-31)が目撃され、未確認だが、空母艦載機への使用可能性が出てきた
●同機は輸出用を目指して2012年に初飛行したが、輸出には結びつかず、その後は空母艦載用に改修されるとのうわさが流れていたが、2016年にステルス性を向上させた新たな姿を見せて初飛行し、話題となった
●ステルス形状がより追及され、エンジンの空気取り入れ口のステルス化が進み、機体内兵器搭載庫が追加された。
●依然として完成間近な段階ではないが、モックアップが中国海軍の開発拠点武漢の模擬空母上で確認されたことから、空母艦載可能性が高まったと話題になっている
////////////////////////////////////////////
有事のことを考えると、中国が空母に多額の投資をし、西側潜水艦や航空攻撃や艦艇からのミサイル攻撃の「格好の餌食」になってくれれば良いのですが、グレーゾーンまでのことを考えると事は単純ではありません
南や東シナ海、台湾周辺などに中国空母がウロチョロするようなことが常態化すれば、威圧感を感じざるを得ませんし、偶発的な事案の可能性も高まり、厄介な話になると思います
仮にお披露目になる新型艦載機がJ-31改良型とすると、行動半径が500㎞程度(とても短い)との報道もあり、その能力のほどは未知数です
中国版F-35とも呼ばれ輸出に失敗したJ-31関連記事
「中国海軍の新型艦載機開発?」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-06-10
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武漢で姿が確認されているJ-31改造版か
9月29日付Defense-Newsは、中国海軍幹部がZhuhai航空ショーでの記者会見で、今年中に新型の空母艦載機を披露すると明らかにし、同じタイミングで中国航空産業AVIC(Aviation Industry Corporation of China)が同社アカウントのSNS上で同様の発信を行ったと報じました。
両者の発表が同じ中身を示すものかは確認できていないようですが、AVIC(中国航空工業集団)の子会社であるSAIC(瀋陽飛機航空集団)の工場で、輸出に成功しなかった中国版F-35とも呼ばれる戦闘機J-31を艦載機に改修する様子らしい状況が最近確認されており、西側の憶測を呼んでいるところでしたので、それとの関係が指摘されています
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9月29日付Defense-News記事によれば
●中国国営の「環球時報」によれば、中国海軍が使用中の艦載戦闘機J-15の設計チームを率いた中国海軍戦闘機設計チーム長であるSun Cong氏は、Zhuhai航空ショーでの記者会見で、「中国人民は今年後半に、次世代の空母艦載戦闘機を目にすることになるだろう」と語った
●またCong氏は、適当なタイミングで新艦載戦闘機のより細部について明らかにすることになろうとも述べた
●同様に、AVIC(中国航空工業集団:Aviation Industry Corporation of China)は自社の中国版ツイッター(Weibo)アカウントで、2021年末までに、新型の空母艦載機を披露すると発信した
●Sun氏もAVIC社も細部については全く触れていないが、AVIC社のSNS上には、2つの垂直尾翼を備えたステルス形状の機体シルエット画像が添付されていた
●なお、今年のZhuhai航空ショーでは、ステルス攻撃機と言われるJ-20が、国産エンジンWS-10C搭載して披露され、2機編隊での飛行展示を連日行って注目を集めた
●最近中国航空産業の国産エンジン開発が進展し、従来はロシア製エンジンを搭載していた双発機のJ-11やJ-16が、中国製WS-10を10年ほど前から搭載をはじめ、単発のJ-10が今年中国製WS-10を搭載し始めていることが確認されている
●ただしJ-31は、現有艦載機のJ-15と同様に、これまでのところロシア製エンジンでのみで飛行している
J-31関連:今年 6月9日付Defense-News記事によれば
●武漢にある中国海軍の開発試験拠点で改良型のJ-31(FC-31)が目撃され、未確認だが、空母艦載機への使用可能性が出てきた
●同機は輸出用を目指して2012年に初飛行したが、輸出には結びつかず、その後は空母艦載用に改修されるとのうわさが流れていたが、2016年にステルス性を向上させた新たな姿を見せて初飛行し、話題となった
●ステルス形状がより追及され、エンジンの空気取り入れ口のステルス化が進み、機体内兵器搭載庫が追加された。
●依然として完成間近な段階ではないが、モックアップが中国海軍の開発拠点武漢の模擬空母上で確認されたことから、空母艦載可能性が高まったと話題になっている
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有事のことを考えると、中国が空母に多額の投資をし、西側潜水艦や航空攻撃や艦艇からのミサイル攻撃の「格好の餌食」になってくれれば良いのですが、グレーゾーンまでのことを考えると事は単純ではありません
南や東シナ海、台湾周辺などに中国空母がウロチョロするようなことが常態化すれば、威圧感を感じざるを得ませんし、偶発的な事案の可能性も高まり、厄介な話になると思います
仮にお披露目になる新型艦載機がJ-31改良型とすると、行動半径が500㎞程度(とても短い)との報道もあり、その能力のほどは未知数です
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中国版EA-18Gが中国航空ショーに地上展示 [中国要人・軍事]
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中国版SU-27であるJ-16戦闘機を改良したJ-16D
米軍の電子戦機体系と同等の方向目指すとの推測アリ
複数の異なるポッドを搭載する模様
24日付 Thedrive.com/が、中国Zhuhai航空ショー(9月28日から10月3日開催)に、中国空軍の新型電子戦専用機J-16Dが展示されると紹介し、その外観から細部不明の性能等を推測しています。
Zhuhai航空ショーは、1996年から隔年で開催される中国航空産業の一大イベントですが、開催年であった昨年2020年はコロナのため延期され、1年遅れで2021年開催になったところです
外観から見たJ-16Dの特徴等は
●J-16戦闘機と比較して、
・ 両翼端に電子戦用POD搭載(EA-18GのAN/ALQ-218と同様に、高性能のパッシヴセンサーと推測)
・ 翼下2か所と胴体下部側方2か所に計4つのPOD(少なくとも3つは異なる外観のPODで、EA-18Gと同様に対象周波数帯別に複数のPODを用意していると推測)
・ その他、機体外部に多数のアンテナ構造物付加
・ 機体先端のレドームが短く小型→おそらく新型AESAレーダーが搭載
・ キャノピー前方にあったIRST装置が無くなっている
・ Gunが無くなっており、同スペースに電子戦装備を搭載したと推定
・ 中国空軍機である標識がぼかして機体に描かれ、製造番号「1090」から第1機製造機体の9番機
現地取材Joseph Trevithick記者の所見
●米空軍の運用構想として、F-35やF-22が突破型ジャマーとして活動するのを、少し遠方からEA-18Gがサポートする運用を一つの形とし、側面からスタンドオフジャマーEC-130や、局所的な補完としてスタンドイン使い捨てジャマーMALD(Miniature Air-Launched Decoy)の投入が考えられるが、中国も同様の装備体系を目指していると推定される
●EA-18Gが高周波用と低周波用の2種類の外装POD(AN/ALQ-99)を保有し、更に中間周波用ポッドを開発中であることから推測すると、J-16Dも敵の火器管制用高周波を狙ったPODと、通信周波数用のPOD保有が考えられ、更には空中から防空や通信システムへのサイバー攻撃を狙ったPOD開発も考えられる
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今回の航空ショーの別の目玉として、RQ-4のようなジェット推進高高度無人機WZ-7や、J-20ステルス攻撃機の登場も予期されているようです
目玉として登場する新装備は、全てサイバー窃盗の「成果」の様な気がしてなりませんが、今後の西側の情報収集により、その実力のほどが明らかになることを期待いたします
EA-18G関連の記事
「ステルス機VS EA-18G」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-04-22
「米空軍電子戦を荒野から救出する」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-06-17-1
「ウクライナの教訓」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-05-08
「露軍の電子戦に驚く米軍」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-08-03-1
第16空軍の関連記事
「さわり国防省電子戦戦略」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-11-03
「新設第16空軍の重要任務は2020年大統領選挙対策」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-10-19
「遅延中、ISRとサイバー部隊の合併」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-08-24
「米空軍がサイバー軍とISR軍統合へ」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-04-06-3
米国防省EW関連の記事
「電子戦とサイバーと情報戦を融合目指す」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-11-03
「国防省EW責任者が辞任」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-12-19
「ACC司令官が語る」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-04-19
「米空軍がサイバーとISRとEwを統合」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-04-06-3
「電子戦検討の状況は?」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-12-13
「エスコート方を早期導入へ」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-02-27
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中国版SU-27であるJ-16戦闘機を改良したJ-16D
米軍の電子戦機体系と同等の方向目指すとの推測アリ
複数の異なるポッドを搭載する模様
24日付 Thedrive.com/が、中国Zhuhai航空ショー(9月28日から10月3日開催)に、中国空軍の新型電子戦専用機J-16Dが展示されると紹介し、その外観から細部不明の性能等を推測しています。
Zhuhai航空ショーは、1996年から隔年で開催される中国航空産業の一大イベントですが、開催年であった昨年2020年はコロナのため延期され、1年遅れで2021年開催になったところです
外観から見たJ-16Dの特徴等は
●J-16戦闘機と比較して、
・ 両翼端に電子戦用POD搭載(EA-18GのAN/ALQ-218と同様に、高性能のパッシヴセンサーと推測)
・ 翼下2か所と胴体下部側方2か所に計4つのPOD(少なくとも3つは異なる外観のPODで、EA-18Gと同様に対象周波数帯別に複数のPODを用意していると推測)
・ その他、機体外部に多数のアンテナ構造物付加
・ 機体先端のレドームが短く小型→おそらく新型AESAレーダーが搭載
・ キャノピー前方にあったIRST装置が無くなっている
・ Gunが無くなっており、同スペースに電子戦装備を搭載したと推定
・ 中国空軍機である標識がぼかして機体に描かれ、製造番号「1090」から第1機製造機体の9番機
現地取材Joseph Trevithick記者の所見
●米空軍の運用構想として、F-35やF-22が突破型ジャマーとして活動するのを、少し遠方からEA-18Gがサポートする運用を一つの形とし、側面からスタンドオフジャマーEC-130や、局所的な補完としてスタンドイン使い捨てジャマーMALD(Miniature Air-Launched Decoy)の投入が考えられるが、中国も同様の装備体系を目指していると推定される
●EA-18Gが高周波用と低周波用の2種類の外装POD(AN/ALQ-99)を保有し、更に中間周波用ポッドを開発中であることから推測すると、J-16Dも敵の火器管制用高周波を狙ったPODと、通信周波数用のPOD保有が考えられ、更には空中から防空や通信システムへのサイバー攻撃を狙ったPOD開発も考えられる
///////////////////////////////////////////////////
今回の航空ショーの別の目玉として、RQ-4のようなジェット推進高高度無人機WZ-7や、J-20ステルス攻撃機の登場も予期されているようです
目玉として登場する新装備は、全てサイバー窃盗の「成果」の様な気がしてなりませんが、今後の西側の情報収集により、その実力のほどが明らかになることを期待いたします
EA-18G関連の記事
「ステルス機VS EA-18G」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-04-22
「米空軍電子戦を荒野から救出する」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-06-17-1
「ウクライナの教訓」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-05-08
「露軍の電子戦に驚く米軍」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-08-03-1
第16空軍の関連記事
「さわり国防省電子戦戦略」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-11-03
「新設第16空軍の重要任務は2020年大統領選挙対策」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-10-19
「遅延中、ISRとサイバー部隊の合併」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-08-24
「米空軍がサイバー軍とISR軍統合へ」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-04-06-3
米国防省EW関連の記事
「電子戦とサイバーと情報戦を融合目指す」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-11-03
「国防省EW責任者が辞任」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-12-19
「ACC司令官が語る」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-04-19
「米空軍がサイバーとISRとEwを統合」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-04-06-3
「電子戦検討の状況は?」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-12-13
「エスコート方を早期導入へ」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-02-27
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映像「習近平:台湾問題解決の決心・意志・能力を示す」 [中国要人・軍事]
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中国共産党100周年記念にタイミングを合わせたと推測される、中国版ツイッター上で公開された「習近平:台湾問題解決の決心・意志・能力を示す」と題された11分の映像です
習近平は、同式典で1時間を超える演説を行い、その中で台湾統一への強い意志を示したわけですが、タイミングがタイミングですので、その筋が準備したイメージ映像を考えられています
誰がどのような目的でこの映像をリリースしたかは想像の域を出ませんが、要するに台湾軍事侵攻のイメージを描いたアニメ映像で、中国が開発に力を入れている最新兵器や主力兵器が描かれていますので、ご紹介しておきます
映像で描写されているのは
●中国海軍艦艇の堂々の台湾侵攻
●中国空母からの攻撃機の離陸・侵攻
●中国の極超音速兵器(DF-17)や短距離弾道ミサイル(DF-15C)による、移動発射機からの攻撃
●中国の巡航ミサイルDH-10による攻撃
●台湾は米国支援で能力向上したF-16の同時多数離陸を試みるも、離陸準備中に中国ミサイル攻撃で撃破される
●台湾海軍部隊もイージス艦を中心としたミサイル防衛能力で中国ミサイルに対抗するも、中国の同時多数飽和ミサイル攻撃を受け、大損害を受ける
映像「習近平:台湾問題解決の決心・意志・能力を示す」
西側ツイッター上では、「中国による心理戦の一環」、「中国がこのようが行為に出れば、どのような反撃を受けるかを無視した宣伝映像だ」等のコメントが見られます
中国の優位性を誇示する心理戦映像か!?
「グアムの米空軍基地攻撃」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-09-23
「米空母キラーDF-21発射映像」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-01-31
「無人小型ボートの群れ行動」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2018-06-02
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習近平は、同式典で1時間を超える演説を行い、その中で台湾統一への強い意志を示したわけですが、タイミングがタイミングですので、その筋が準備したイメージ映像を考えられています
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映像で描写されているのは
●中国海軍艦艇の堂々の台湾侵攻
●中国空母からの攻撃機の離陸・侵攻
●中国の極超音速兵器(DF-17)や短距離弾道ミサイル(DF-15C)による、移動発射機からの攻撃
●中国の巡航ミサイルDH-10による攻撃
●台湾は米国支援で能力向上したF-16の同時多数離陸を試みるも、離陸準備中に中国ミサイル攻撃で撃破される
●台湾海軍部隊もイージス艦を中心としたミサイル防衛能力で中国ミサイルに対抗するも、中国の同時多数飽和ミサイル攻撃を受け、大損害を受ける
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中国ステルス艦載機や第3の空母建造状況 [中国要人・軍事]
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J-31は輸出に成功せずも、空母用に改造し配備へ!?
第3の空母にEMALSらしき上空写真
海南島の艦載機用基地の施設拡充中
9日付Defense-Newsが、中国海軍による艦載ステルス戦闘機開発らしき動向、第3の空母の建造状況、更に空母艦載機拠点の整備拡充が行われている海南島の様子を報じていますので、不確かな内容も含まれていますが、興味あるところですのでご紹介しておきます
第3の空母については、2020年9月に米国防省が発表したレポート「中国の軍事力」で、2023年に作戦可能体制になると見積もられていましたが、2021年の現段階でまだ甲板下部までの状態ですので、もう少し時間が必要な気がします。ただ、初のカタパルト搭載、しかもEMALS(電子カタパルト)搭載になりそうなので注目しております
J-31については、「廉価版F-35」と噂されるほど「F-35」と外観が似ている航空機で、輸出用に民間会社が製造しましたが輸出には成功せず、今回、中国海軍が自身の装備を開発試験する基地で確認されたことで中国空母艦載用に転換との見方が強まっているようです
J-31(FC-31)がステルス空母艦載機へ!?
●武漢にある中国海軍の開発試験拠点で改良型のJ-31(FC-31)が目撃され、未確認だが、空母艦載機への使用可能性が出てきた
●同機は輸出用を目指して2012年に初飛行したが、輸出には結びつかず、その後は空母艦載用に改修されるとのうわさが流れていたが、2016年にステルス性を向上させた新たな姿を見せて初飛行し、話題となった
●ステルス形状がより追及され、エンジンの空気取り入れ口のステルス化が進み、機体内兵器搭載庫が追加された。
●依然として完成間近な段階ではないが、モックアップが中国海軍の開発拠点武漢の模擬空母上で確認されたことから、空母艦載可能性が高まったと話題になっている
第3の空母の建造状況
●8.5から9万トンクラスと推定され、米空母(10万トン以上)より小型で、英仏の空母と同レベルと推定されている「第3の空母Shandong」であるが、上海近郊の造船所で建造中の模様が、上海浦東国際空港を離発着する民間旅客機から撮影された乗客の写真から分析されている
●写真からは、建造中の船体の脇に置かれている、赤枠で囲まれた電磁カタパルトEMALSらしきものが確認でき、これが搭載されることで中国空母の弱点であった機体重量の軽い航空機しか離陸できない点が解消される可能性がある。攻撃機なら燃料や弾薬の追加搭載が可能となり、早期警戒機や輸送機などの運用も可能性が広がる
●もう一つ緑枠で囲まれた部分は、航空機や機材を飛行甲板まで移動させるエレベータのスペースを意味し、船体の右舷だけに2台確保されている。米空母は3台以上の同種エレベーターを備えるが、同規模の英仏空母は2台であり、船体規模に応じたものとみられる。ただ、左舷側にはエレベータが確認できず、一つの特徴と捉えられている
艦載機用の海南島地上施設が拡張充実中
●5月に南シナ海北部の海南島Lingshuiにある無名の航空基地で、中国艦載機J-15が訓練するのが初確認され話題となったが、同海軍基地の施設拡充も確認されている
●同基地の滑走路の2か所に、空母への着艦をイメージできるマーキングがなされ、空母上のヘリポート位置などマーキングも含め、艦載機パイロット訓練を意識して準備されていることが明らかである
●また同基地南部には、艦載機が格納可能な24個の強化シェルターが2020年までに設置済で、追加で北部にも2機収納可能なシェルターが2か所で建設中である
●海南島では他にも海軍関連インフラの大規模増設が行われており、無名航空基地でのJ-15の初確認と合わせ、今後同島を拠点とした中国海軍の活動活発化が予期される
//////////////////////////////////////
いつもながら、世界からの批判にも聞く耳を持たず、淡々と粛々と軍備強化を続ける中国の勢いに唖然とするばかりです。
J-31(FC-31)の成熟度がどれほどか、第3の空母の建造や米海軍でもうまくいっていない電磁カタパルトを中国がものにできるか等、興味は尽きませんので、時々フォローしたいと思います
第3の空母Shandong関連の記事
「第3の空母は電磁カタパルト搭載か?」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-09-20
廉価版F-35とも言われたJ-31関連の2016年の記事
「輸出用の中国製ステルス機J-31改良型初飛行」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2016-12-27
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J-31は輸出に成功せずも、空母用に改造し配備へ!?
第3の空母にEMALSらしき上空写真
海南島の艦載機用基地の施設拡充中
9日付Defense-Newsが、中国海軍による艦載ステルス戦闘機開発らしき動向、第3の空母の建造状況、更に空母艦載機拠点の整備拡充が行われている海南島の様子を報じていますので、不確かな内容も含まれていますが、興味あるところですのでご紹介しておきます
第3の空母については、2020年9月に米国防省が発表したレポート「中国の軍事力」で、2023年に作戦可能体制になると見積もられていましたが、2021年の現段階でまだ甲板下部までの状態ですので、もう少し時間が必要な気がします。ただ、初のカタパルト搭載、しかもEMALS(電子カタパルト)搭載になりそうなので注目しております
J-31については、「廉価版F-35」と噂されるほど「F-35」と外観が似ている航空機で、輸出用に民間会社が製造しましたが輸出には成功せず、今回、中国海軍が自身の装備を開発試験する基地で確認されたことで中国空母艦載用に転換との見方が強まっているようです
J-31(FC-31)がステルス空母艦載機へ!?
●武漢にある中国海軍の開発試験拠点で改良型のJ-31(FC-31)が目撃され、未確認だが、空母艦載機への使用可能性が出てきた
●同機は輸出用を目指して2012年に初飛行したが、輸出には結びつかず、その後は空母艦載用に改修されるとのうわさが流れていたが、2016年にステルス性を向上させた新たな姿を見せて初飛行し、話題となった
●ステルス形状がより追及され、エンジンの空気取り入れ口のステルス化が進み、機体内兵器搭載庫が追加された。
●依然として完成間近な段階ではないが、モックアップが中国海軍の開発拠点武漢の模擬空母上で確認されたことから、空母艦載可能性が高まったと話題になっている
第3の空母の建造状況
●8.5から9万トンクラスと推定され、米空母(10万トン以上)より小型で、英仏の空母と同レベルと推定されている「第3の空母Shandong」であるが、上海近郊の造船所で建造中の模様が、上海浦東国際空港を離発着する民間旅客機から撮影された乗客の写真から分析されている
●写真からは、建造中の船体の脇に置かれている、赤枠で囲まれた電磁カタパルトEMALSらしきものが確認でき、これが搭載されることで中国空母の弱点であった機体重量の軽い航空機しか離陸できない点が解消される可能性がある。攻撃機なら燃料や弾薬の追加搭載が可能となり、早期警戒機や輸送機などの運用も可能性が広がる
●もう一つ緑枠で囲まれた部分は、航空機や機材を飛行甲板まで移動させるエレベータのスペースを意味し、船体の右舷だけに2台確保されている。米空母は3台以上の同種エレベーターを備えるが、同規模の英仏空母は2台であり、船体規模に応じたものとみられる。ただ、左舷側にはエレベータが確認できず、一つの特徴と捉えられている
艦載機用の海南島地上施設が拡張充実中
●5月に南シナ海北部の海南島Lingshuiにある無名の航空基地で、中国艦載機J-15が訓練するのが初確認され話題となったが、同海軍基地の施設拡充も確認されている
●同基地の滑走路の2か所に、空母への着艦をイメージできるマーキングがなされ、空母上のヘリポート位置などマーキングも含め、艦載機パイロット訓練を意識して準備されていることが明らかである
●また同基地南部には、艦載機が格納可能な24個の強化シェルターが2020年までに設置済で、追加で北部にも2機収納可能なシェルターが2か所で建設中である
●海南島では他にも海軍関連インフラの大規模増設が行われており、無名航空基地でのJ-15の初確認と合わせ、今後同島を拠点とした中国海軍の活動活発化が予期される
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いつもながら、世界からの批判にも聞く耳を持たず、淡々と粛々と軍備強化を続ける中国の勢いに唖然とするばかりです。
J-31(FC-31)の成熟度がどれほどか、第3の空母の建造や米海軍でもうまくいっていない電磁カタパルトを中国がものにできるか等、興味は尽きませんので、時々フォローしたいと思います
第3の空母Shandong関連の記事
「第3の空母は電磁カタパルト搭載か?」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-09-20
廉価版F-35とも言われたJ-31関連の2016年の記事
「輸出用の中国製ステルス機J-31改良型初飛行」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2016-12-27
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単発中国戦闘機が国産エンジン搭載で初部隊配備か [中国要人・軍事]
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単発J-10C戦闘機に国産WS-10B搭載が演習参加初確認
長年のロシア製エンジンへの依存を断ち切れるのか?
11日付Defense-Newsは、中国国営ラジオwebサイトが中国軍の実弾射撃演習を紹介した画像で、部隊配備された単発のJ-10C戦闘機に国産WS-10Bエンジンが搭載されているのを初めて確認したと紹介しています。
これまで中国は戦闘機のエンジンをロシア製に依存し、徐々に双発以上の戦闘機や輸送機に国産エンジンの搭載を試みていた中でしたが、ついに単発の戦闘機にも本格搭載を開始して部隊配備が開始されたのが真実であれば、中国の航空技術が大きな壁「エンジン開発」を乗り越えたことを示すこととなります
国の工業総合力レベルを示すバロメータと言われるジェットエンジン開発で中国は苦戦が続き、20年以上前から中国産エンジンエンジン開発に取り組んでいると記憶していますが、試験的な搭載機が確認されても実戦配備には至らないケースや、いったん中国製エンジンの搭載を始めても、再びロシア製エンジンに戻ったりしていた記憶があります
例えば、2010年ごろからWS-10型エンジンを双発戦闘機J-11やJ-16に試験搭載しましたが、その後開発が行われた初の中国産空母艦載機J-13や初期型J-10には、結局ロシア製AL-31エンジンが採用されました
一方でその後、2018年のZhuhai航空ショーで、J-10B試験機にステルス性の高いWS-10Bを搭載して披露したり、双発のステルス形状攻撃機J-20に国産WS-15エンジンを、また4発のY-20輸送機にWS-10ターボファンエンジンを搭載開始したことが確認されていたところです
エンジンを一つしか搭載せず、エンジントラブルが墜落に直結する単発のJ-10戦闘機に、国産エンジンを搭載して部隊配備が始まっている(らしい)との今回の話は、国産ジェットエンジンへの自信を中国が深めている表れと考えられ、部隊配備の程度が気になるところです
ちなみにJ-10戦闘機は、J-11戦闘機とハイローミックスを構成する第4世代軽戦闘機の位置づけで国産され、1998年初飛行、2005年から運用開始と言われており、中国は450機以上を生産して全土で運用されています。イスラエルのラビ戦闘機の技術導入だとか、様々な情報が乱れ飛んだ中国製戦闘機ですが、公式情報はほとんど公開されていません
11日付Defense-News記事によれば
●China National Radioが中国空軍の実弾射撃演習(実施場所不明)を紹介した画像に、J-10C戦闘機が国産WB-10Bエンジンを搭載したことが明確にわかる様子が写っており、部隊配備の単発戦闘機に初めて国産エンジン搭載が確認できたと話題になっている
●画像のJ-10C戦闘機の機体番号は画像処理して消されており、所属部隊が判明しないように配慮されているが、西側の中国軍用機専門家は、広東省汕頭市所在の中国空軍部隊のJ-10Cに国産エンジンが搭載され配備されたのだろうと分析している
●中国は成都飛機工業公司 (Chengdu Aircraft Industries)製造のJ-10戦闘機に、国産エンジン搭載を2011年頃から試験しており、J-10BやJ-10C試験用航空機への搭載が目撃されていたが、部隊配備用の量産型への搭載開始は明確ではなかった
●中国は新型機の部隊配備を公表することは普通ないので、いつから国産WS-10B搭載型のJ-10Cが配備開始されたのか不明である
///////////////////////////////////////////
先日ご紹介した国防情報長官(DIA長官)の中国軍事力に関する議会証言で、「中国は約6年後には基礎的な軍事近代化を達成し、15年以内に最も破壊的な新たな軍事能力導入を目指している」と延べ、「軍民融合体制」で「特定57分野に照準を定め」、米国を出し抜く決意だとの分析を披露していました
また、人工知能AI、高速計算機、量子計算機、バイオ技術、先進ロボットなど世界が注目する将来技術分野で世界をリードしているとも分析し危機感をあらわにしていたところです。このようなIT関連だけでなく、草の根の工業力全般が試されるジェットエンジン分野でも成熟している中国に恐ろしさを禁じえません
WS-10エンジンが登場する過去記事
「中国航空ショーでのJ-20を評価する」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2018-11-10-1
「J-20が初の海上行動」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2018-05-12-1
「報道官が戦闘能力発言」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-02-17-1
国防情報長官(DIA長官)の中国軍事力分析
→https://holylandtokyo.com/2021/05/02/212/
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単発J-10C戦闘機に国産WS-10B搭載が演習参加初確認
長年のロシア製エンジンへの依存を断ち切れるのか?
11日付Defense-Newsは、中国国営ラジオwebサイトが中国軍の実弾射撃演習を紹介した画像で、部隊配備された単発のJ-10C戦闘機に国産WS-10Bエンジンが搭載されているのを初めて確認したと紹介しています。
これまで中国は戦闘機のエンジンをロシア製に依存し、徐々に双発以上の戦闘機や輸送機に国産エンジンの搭載を試みていた中でしたが、ついに単発の戦闘機にも本格搭載を開始して部隊配備が開始されたのが真実であれば、中国の航空技術が大きな壁「エンジン開発」を乗り越えたことを示すこととなります
国の工業総合力レベルを示すバロメータと言われるジェットエンジン開発で中国は苦戦が続き、20年以上前から中国産エンジンエンジン開発に取り組んでいると記憶していますが、試験的な搭載機が確認されても実戦配備には至らないケースや、いったん中国製エンジンの搭載を始めても、再びロシア製エンジンに戻ったりしていた記憶があります
例えば、2010年ごろからWS-10型エンジンを双発戦闘機J-11やJ-16に試験搭載しましたが、その後開発が行われた初の中国産空母艦載機J-13や初期型J-10には、結局ロシア製AL-31エンジンが採用されました
一方でその後、2018年のZhuhai航空ショーで、J-10B試験機にステルス性の高いWS-10Bを搭載して披露したり、双発のステルス形状攻撃機J-20に国産WS-15エンジンを、また4発のY-20輸送機にWS-10ターボファンエンジンを搭載開始したことが確認されていたところです
エンジンを一つしか搭載せず、エンジントラブルが墜落に直結する単発のJ-10戦闘機に、国産エンジンを搭載して部隊配備が始まっている(らしい)との今回の話は、国産ジェットエンジンへの自信を中国が深めている表れと考えられ、部隊配備の程度が気になるところです
ちなみにJ-10戦闘機は、J-11戦闘機とハイローミックスを構成する第4世代軽戦闘機の位置づけで国産され、1998年初飛行、2005年から運用開始と言われており、中国は450機以上を生産して全土で運用されています。イスラエルのラビ戦闘機の技術導入だとか、様々な情報が乱れ飛んだ中国製戦闘機ですが、公式情報はほとんど公開されていません
11日付Defense-News記事によれば
●China National Radioが中国空軍の実弾射撃演習(実施場所不明)を紹介した画像に、J-10C戦闘機が国産WB-10Bエンジンを搭載したことが明確にわかる様子が写っており、部隊配備の単発戦闘機に初めて国産エンジン搭載が確認できたと話題になっている
●画像のJ-10C戦闘機の機体番号は画像処理して消されており、所属部隊が判明しないように配慮されているが、西側の中国軍用機専門家は、広東省汕頭市所在の中国空軍部隊のJ-10Cに国産エンジンが搭載され配備されたのだろうと分析している
●中国は成都飛機工業公司 (Chengdu Aircraft Industries)製造のJ-10戦闘機に、国産エンジン搭載を2011年頃から試験しており、J-10BやJ-10C試験用航空機への搭載が目撃されていたが、部隊配備用の量産型への搭載開始は明確ではなかった
●中国は新型機の部隊配備を公表することは普通ないので、いつから国産WS-10B搭載型のJ-10Cが配備開始されたのか不明である
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先日ご紹介した国防情報長官(DIA長官)の中国軍事力に関する議会証言で、「中国は約6年後には基礎的な軍事近代化を達成し、15年以内に最も破壊的な新たな軍事能力導入を目指している」と延べ、「軍民融合体制」で「特定57分野に照準を定め」、米国を出し抜く決意だとの分析を披露していました
また、人工知能AI、高速計算機、量子計算機、バイオ技術、先進ロボットなど世界が注目する将来技術分野で世界をリードしているとも分析し危機感をあらわにしていたところです。このようなIT関連だけでなく、草の根の工業力全般が試されるジェットエンジン分野でも成熟している中国に恐ろしさを禁じえません
WS-10エンジンが登場する過去記事
「中国航空ショーでのJ-20を評価する」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2018-11-10-1
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国防情報長官(DIA長官)の中国軍事力分析
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中国空軍がY-20U空中給油機を量産開始か? [中国要人・軍事]
2020年末、4機の機影が西安の飛行場で
中国軍の弱点だった空中給油に国産機量産か
18日付Defense-Newsは、昨年12月30日に撮影された西安飛機工業(集団)公司が所在する西安閻良飛行場の衛星写真を紹介し、2018年に初飛行が報じられたY-20U空中給油機が4機確認できると報じ、3機が量産機ではないかと推測しています
中国空軍にとって空中給油機は弱点・不足・ギャップ分野と呼ばれ、現在は1950年代設計のソ連製Tu-16の中国版H-6爆撃機を改良した給油量の少ないH-6U空中給油機20機余りと、ウクライナから2014年に輸入した3機のIl-78MP給油機(Il-76旅客機改良)を保有していますが、空中給油が確認されることはあまりありません
中国空軍は2016年に就航したY-20輸送機を空中給油機に改良して問題解決を狙い、2018年にY-20U空中給油機の試験機初飛行が伝えられていました。今回撮影された4機のY-20Uの内、1機はこの開発試験機だとDefense-Newsは報じています
Y-20輸送機もY-20U空中給油機も、共に4基のロシア製D-30KP-2ターボファンエンジンを搭載しており、中国国産WS-20ターボファンエンジンへの切り替えを狙って開発が続いているようですが、WS-20の投入は早くても2024年以降だと言われています
推測が多い記事ですが、中国軍の着実な能力アップの一環ですので、ご紹介しておきます
YouTube上のY-20とY-20U紹介映像
18日付Defense-News記事によれば
●2020年末に撮影され、Planet Labs社からDefense-Newsに提供された衛星写真は、両方の翼端下に空中給油用のポッドを装着した様子が「影」として確認できるY-20U空中給油機4機の存在をとらえている
●撮影された西安閻良(Xi’an-Yanliang)飛行場には、西安飛機工業(集団)公司(XAC:Xi’an Aircraft Company)の工場があり、4機の周辺には計16機のY-20輸送機が確認できる
●ちなみに西安閻良(Xi’an-Yanliang)飛行場は試験飛行の拠点となっており、中国製航空機の飛行試験を行う組織が所在している
●Y-20U空中給油機はhose and drogue方式の空中給油機で、撮影された4機の内、3機はグレーに塗装され、グレーの1機は試験開発用の1機と推測されている。
●中国軍にとって空中給油能力は弱点の一つと言われており、今後のY-20Uの製造状況や空中給油訓練の様子が注目されている
/////////////////////////////////////
最近、中国空軍の大型爆撃機H-6の最新型が、極超音速兵器の搭載試験らしき飛行を行っている様子が確認されたり、グアム島の米空軍アンダーセン基地を攻撃する模擬映像が中国空軍により公開されたりと、中国の大型爆撃機が注目を集めています
そんな中国航空アセットの能力を、行動半径延伸や飛行時間増強で支えるのが空中給油機で、太平洋の島々や海面に分散して被害を免れようとする米海空軍戦力への大きな脅威です。
じわじわとボディーブローのように効果を発揮し、西側の作戦計画の選択肢を狭める役割を果たす、中国空軍Y-20U空中給油機の今後に注目いたしましょう
中国空軍公開のアンダーセン米空軍基地攻撃デモ映像
「H-6Kのグアム島ミサイル攻撃模擬映像」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-09-23
中国の最新型大型爆撃機が極超音速兵器搭載試験か?
「中国空軍H-6Nが極超音速兵器試験?」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-10-20
軍事ブロガーJSFさんの極超音速兵器「DF-17」解説
→https://news.yahoo.co.jp/byline/obiekt/20191008-00145888/
応援お願いします!ブログ「東京の郊外より」支援の会
→https://community.camp-fire.jp/projects/view/258997
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→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-04-16-1
中国軍の弱点だった空中給油に国産機量産か
18日付Defense-Newsは、昨年12月30日に撮影された西安飛機工業(集団)公司が所在する西安閻良飛行場の衛星写真を紹介し、2018年に初飛行が報じられたY-20U空中給油機が4機確認できると報じ、3機が量産機ではないかと推測しています
中国空軍にとって空中給油機は弱点・不足・ギャップ分野と呼ばれ、現在は1950年代設計のソ連製Tu-16の中国版H-6爆撃機を改良した給油量の少ないH-6U空中給油機20機余りと、ウクライナから2014年に輸入した3機のIl-78MP給油機(Il-76旅客機改良)を保有していますが、空中給油が確認されることはあまりありません
中国空軍は2016年に就航したY-20輸送機を空中給油機に改良して問題解決を狙い、2018年にY-20U空中給油機の試験機初飛行が伝えられていました。今回撮影された4機のY-20Uの内、1機はこの開発試験機だとDefense-Newsは報じています
Y-20輸送機もY-20U空中給油機も、共に4基のロシア製D-30KP-2ターボファンエンジンを搭載しており、中国国産WS-20ターボファンエンジンへの切り替えを狙って開発が続いているようですが、WS-20の投入は早くても2024年以降だと言われています
推測が多い記事ですが、中国軍の着実な能力アップの一環ですので、ご紹介しておきます
YouTube上のY-20とY-20U紹介映像
18日付Defense-News記事によれば
●2020年末に撮影され、Planet Labs社からDefense-Newsに提供された衛星写真は、両方の翼端下に空中給油用のポッドを装着した様子が「影」として確認できるY-20U空中給油機4機の存在をとらえている
●撮影された西安閻良(Xi’an-Yanliang)飛行場には、西安飛機工業(集団)公司(XAC:Xi’an Aircraft Company)の工場があり、4機の周辺には計16機のY-20輸送機が確認できる
●ちなみに西安閻良(Xi’an-Yanliang)飛行場は試験飛行の拠点となっており、中国製航空機の飛行試験を行う組織が所在している
●Y-20U空中給油機はhose and drogue方式の空中給油機で、撮影された4機の内、3機はグレーに塗装され、グレーの1機は試験開発用の1機と推測されている。
●中国軍にとって空中給油能力は弱点の一つと言われており、今後のY-20Uの製造状況や空中給油訓練の様子が注目されている
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最近、中国空軍の大型爆撃機H-6の最新型が、極超音速兵器の搭載試験らしき飛行を行っている様子が確認されたり、グアム島の米空軍アンダーセン基地を攻撃する模擬映像が中国空軍により公開されたりと、中国の大型爆撃機が注目を集めています
そんな中国航空アセットの能力を、行動半径延伸や飛行時間増強で支えるのが空中給油機で、太平洋の島々や海面に分散して被害を免れようとする米海空軍戦力への大きな脅威です。
じわじわとボディーブローのように効果を発揮し、西側の作戦計画の選択肢を狭める役割を果たす、中国空軍Y-20U空中給油機の今後に注目いたしましょう
中国空軍公開のアンダーセン米空軍基地攻撃デモ映像
「H-6Kのグアム島ミサイル攻撃模擬映像」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-09-23
中国の最新型大型爆撃機が極超音速兵器搭載試験か?
「中国空軍H-6Nが極超音速兵器試験?」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-10-20
軍事ブロガーJSFさんの極超音速兵器「DF-17」解説
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中国が対艦弾道ミサイル試験に成功か [中国要人・軍事]
昨年8月、周辺に展開の米軍機や米軍艦艇に見せつけるように
DF-26BとDF-21Dを時差発射で同時目標着弾か
13日付読売新聞が、関係筋情報として一面サブトップに、「【独自】中国の「空母キラー」ミサイル、航行中の船へ発射実験…2発が命中か」との記事を掲載し、2020年8月に中国軍が、「米空母キラー」と呼ばれる対艦弾道ミサイルの発射試験を行い、米軍が監視する目の前で「目標直撃」の成功を収めていたと報じています
中国軍は、射程約1500㎞の「DF-21D」と、射程4000㎞のDF-26Bとの移動する艦艇攻撃用の弾道ミサイルを保有し運用を開始していると報じられてきましたが、時速50㎞程度で海上を移動する艦艇位置をリアルタイムで把握して攻撃する能力が本当にあるのか、海上目標攻撃試験が未確認であったため、「半信半疑」な思いが西側関係者の間では交錯していました
そんな中、昨年11月にDavidson太平洋軍司令官が講演で、「中国軍は動く標的に向けて対艦弾道ミサイルをテストした」と認めていましたが、実際に目標艦艇に命中させていたか等の細部については言及していませんでした。
今回の読売の「関係筋情報」でも、移動する目標情報をどのようにミサイルに伝えて命中させたのか等については触れられておらず、課題と考えられてきた中国軍の「海上でのリアルタイムISR能力」については評価が難しいところですが、当該ミサイルの射程からすれば、米空母や主要な米海軍艦艇が第1列島線はおろか、第2列島線より中国大陸に近づくことのリスクが益々高くなったことに間違いはありません
なお本件は、8月26日に香港紙サウスチャイナ・モーニング・ポスト(電子版)が、中国軍が8月26日朝、内陸部の青海省と沿岸部の浙江省からそれぞれ中距離弾道ミサイルを1発ずつ、南シナ海に向けて発射し、中国軍が設定した演習海域に着弾したと中国軍に近い消息筋が明らかにした、と報じていたところでもあります。(産経web報道 https://www.sankeibiz.jp/macro/news/200827/mcb2008270826016-n1.htm)
13日付読売新聞1面記事によれば
●中国軍が南シナ海で2020年8月に行った対艦弾道ミサイルの発射実験の際、航行中の船を標的にしていたことを、中国軍の内情を知りうる関係筋が明らかにした。米軍高官もこの事実を認めている。「空母キラー」とも呼ばれるミサイル2発が船に命中したとの複数の証言もあり、事実とすれば、中国周辺に空母を展開する米軍の脅威となる。
●発射実験は8月26日、海南省とパラセル(西沙)諸島の中間の海域で行われた。関係筋によれば、無人で自動航行させていた古い商船を標的に、内陸部の青海省から「DF-26B:東風26B」(射程約4000㎞)1発を先に発射。数分後、東部の浙江省からも「DF-21D:東風21D」(射程1500㎞超)1発を発射した。ミサイル2発は「ほぼ同時に船を直撃し、沈没させた」という。
●別の関係筋も、ミサイル2発が商船に命中したと証言した上で、海域周辺に展開していた米軍の偵察機やイージス艦に「中国軍のミサイル能力を誇示した」と明かした。中国軍が南シナ海で動く標的に発射実験を行ったのは初めてとみられる。船の位置を捕捉する偵察衛星などの監視体制、ミサイルの精密度が着実に向上していることを示す。
/////////////////////////////////////////
記事によれば、DF-26とDF-21を別々の場所から時間差で発射し、海域周辺に展開していた米軍の偵察機やイージス艦の目の前で、海南省(島)と西沙諸島の中間の海域を自動航行する古い商船に「ほぼ同時に」命中させたとの事です。
目標の商船の位置を商船自身が発信していた可能性とか、海南島やパラセル諸島から艦艇の位置をミサイル部隊に通報していた可能性もありますが、5000名の乗員が乗り込み、数兆円の価値がある虎の子アセットを、米軍がリスクを冒して中国大陸に接近させる可能性がさらに低下したと言えましょう
また、コロナの話題ですっかり中国の南シナ海や尖閣周辺での乱暴な行動が目立たなくなっている中、中国軍事力増強に警鐘を鳴らす意味で、重要な読売の報道です
米国防省「中国の軍事力」レポート関連記事
「2020年版」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-09-02
「2019年版」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-05-06
「2018年版」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-08-18
「2016年版」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-05-15
「2015年版」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-06-17
「2014年版」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-06-06
「2013年版」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-05-08
「2012年版」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-05-19
「2011年版」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-08-25-1
防研の「中国安全保障レポート」紹介記事
1回:中国全般→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-05-19
2回:中国海軍→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-02-17-1
3回:軍は党の統制下か?→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-12-23-1
4回:中国の危機管理→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-02-01
5回:非伝統的軍事分野→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-04-22
6回:PLA活動範囲拡大→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-03-09
7回:中台関係→サボって取り上げてません
8回:米中関係→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-03-03-2
9回:一帯一路→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-02-11
10回:ユーラシア→サボって取り上げてません
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DF-26BとDF-21Dを時差発射で同時目標着弾か
13日付読売新聞が、関係筋情報として一面サブトップに、「【独自】中国の「空母キラー」ミサイル、航行中の船へ発射実験…2発が命中か」との記事を掲載し、2020年8月に中国軍が、「米空母キラー」と呼ばれる対艦弾道ミサイルの発射試験を行い、米軍が監視する目の前で「目標直撃」の成功を収めていたと報じています
中国軍は、射程約1500㎞の「DF-21D」と、射程4000㎞のDF-26Bとの移動する艦艇攻撃用の弾道ミサイルを保有し運用を開始していると報じられてきましたが、時速50㎞程度で海上を移動する艦艇位置をリアルタイムで把握して攻撃する能力が本当にあるのか、海上目標攻撃試験が未確認であったため、「半信半疑」な思いが西側関係者の間では交錯していました
そんな中、昨年11月にDavidson太平洋軍司令官が講演で、「中国軍は動く標的に向けて対艦弾道ミサイルをテストした」と認めていましたが、実際に目標艦艇に命中させていたか等の細部については言及していませんでした。
今回の読売の「関係筋情報」でも、移動する目標情報をどのようにミサイルに伝えて命中させたのか等については触れられておらず、課題と考えられてきた中国軍の「海上でのリアルタイムISR能力」については評価が難しいところですが、当該ミサイルの射程からすれば、米空母や主要な米海軍艦艇が第1列島線はおろか、第2列島線より中国大陸に近づくことのリスクが益々高くなったことに間違いはありません
なお本件は、8月26日に香港紙サウスチャイナ・モーニング・ポスト(電子版)が、中国軍が8月26日朝、内陸部の青海省と沿岸部の浙江省からそれぞれ中距離弾道ミサイルを1発ずつ、南シナ海に向けて発射し、中国軍が設定した演習海域に着弾したと中国軍に近い消息筋が明らかにした、と報じていたところでもあります。(産経web報道 https://www.sankeibiz.jp/macro/news/200827/mcb2008270826016-n1.htm)
13日付読売新聞1面記事によれば
●中国軍が南シナ海で2020年8月に行った対艦弾道ミサイルの発射実験の際、航行中の船を標的にしていたことを、中国軍の内情を知りうる関係筋が明らかにした。米軍高官もこの事実を認めている。「空母キラー」とも呼ばれるミサイル2発が船に命中したとの複数の証言もあり、事実とすれば、中国周辺に空母を展開する米軍の脅威となる。
●発射実験は8月26日、海南省とパラセル(西沙)諸島の中間の海域で行われた。関係筋によれば、無人で自動航行させていた古い商船を標的に、内陸部の青海省から「DF-26B:東風26B」(射程約4000㎞)1発を先に発射。数分後、東部の浙江省からも「DF-21D:東風21D」(射程1500㎞超)1発を発射した。ミサイル2発は「ほぼ同時に船を直撃し、沈没させた」という。
●別の関係筋も、ミサイル2発が商船に命中したと証言した上で、海域周辺に展開していた米軍の偵察機やイージス艦に「中国軍のミサイル能力を誇示した」と明かした。中国軍が南シナ海で動く標的に発射実験を行ったのは初めてとみられる。船の位置を捕捉する偵察衛星などの監視体制、ミサイルの精密度が着実に向上していることを示す。
/////////////////////////////////////////
記事によれば、DF-26とDF-21を別々の場所から時間差で発射し、海域周辺に展開していた米軍の偵察機やイージス艦の目の前で、海南省(島)と西沙諸島の中間の海域を自動航行する古い商船に「ほぼ同時に」命中させたとの事です。
目標の商船の位置を商船自身が発信していた可能性とか、海南島やパラセル諸島から艦艇の位置をミサイル部隊に通報していた可能性もありますが、5000名の乗員が乗り込み、数兆円の価値がある虎の子アセットを、米軍がリスクを冒して中国大陸に接近させる可能性がさらに低下したと言えましょう
また、コロナの話題ですっかり中国の南シナ海や尖閣周辺での乱暴な行動が目立たなくなっている中、中国軍事力増強に警鐘を鳴らす意味で、重要な読売の報道です
米国防省「中国の軍事力」レポート関連記事
「2020年版」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-09-02
「2019年版」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-05-06
「2018年版」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-08-18
「2016年版」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-05-15
「2015年版」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-06-17
「2014年版」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-06-06
「2013年版」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-05-08
「2012年版」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-05-19
「2011年版」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-08-25-1
防研の「中国安全保障レポート」紹介記事
1回:中国全般→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-05-19
2回:中国海軍→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-02-17-1
3回:軍は党の統制下か?→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-12-23-1
4回:中国の危機管理→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-02-01
5回:非伝統的軍事分野→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-04-22
6回:PLA活動範囲拡大→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-03-09
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民間研究者:中国核弾頭は国防省推計より多い [中国要人・軍事]
国防省は200発強、民間研究者は350発
米露の1550発上限(新START条約縛り)よりは少ないが
12月14日付Defense-Newsは、FAS(Federation of American Scientists)の研究者2名が、中国の核弾頭保有数を国防推計よりはるかに多い350発程度と見積もり、現在開発中と言われる空中発射型の極超音速兵器や巡航ミサイル、地上移動式最新ICBMなどへの将来搭載を弾頭を考慮すれば、その数はさらに増加するとの研究レポートを紹介しています
国防省発表の「中国の軍事力」レポート最新版では、「low 200s:200発代の低い数」との見積もりとなっているようですが、民間研究者Hans Kristensen氏とMatt Korda氏は、約350発に含まれるのは地上発射極超音速ミサイルやICBM、更に潜水艦搭載SLBMをカウントしたものだけだと説明しているようです
14日付Defense-News記事によれば
●350発の内、272発は運用可能体制にあると表現し、204発が地上配備ミサイル用、48発が潜水艦発射用、20発が爆撃機からの自由落下爆弾だとレポートしているが、爆撃機用の20発は事実上「冬眠状態」だと表現している。
●それでも中国では最近、H-6爆撃機に極超音速兵器のモックアップを搭載して飛行している様子が確認されており、開発中とはいえ、遠くない将来に爆撃機搭載弾頭が運用体制になる可能性がある
●ただし推定350発の中には、開発中と推測されている空中発射型極超音速ミサイルや弾道ミサイルは含まれておらず、同じく開発中(?)のDF-5C多弾頭ICBM用の核弾頭も含まれておらず、旧式弾頭が破棄されても核弾頭数が350発より増えるだろうと同レポートは推測
●それでも、中国が保有する核弾頭数は米露(1550発上限:新START条約縛り)と比較するとはるかに少なく、トランプ政権のMarshall Billingslea兵器管理交渉代表が訴えている「中国は米露と同数レベルの核弾頭保有を目指している」との主張には、ほとんど根拠がない・・・と同レポートは主張している
●同レポートはまた、中国の核ミサイル部隊の即応態勢は高くないと述べ、大部分の核弾頭は集中管理されており、一部が地方に保管されている程度だと分析。この点は国防省レポートも同じ見立てで、発射機、ミサイル、弾頭は別々に保管されているとしている
●一方で国防省側は、中国軍のミサイル旅団は即応体制訓練を行っており、訓練ではミサイル旅団が月単位で展開場所を変更しながら、交代で即応態勢を維持する様子をレポートしている
●中国側は核兵器部隊について「緩やかな即応態勢」にあると表現し、指定された部隊がミサイル保管施設の近傍に展開待機してしているとレポートしているが、当該部隊は中央軍事委員会の目の届く範囲に置かれ、不穏な動きがあればすぐに対応できる状態に置かれている模様
////////////////////////////////////////////////////////////
中国が様々な核弾頭運搬手段を、様々な射程で準備してくると、西側はどうするのか・・・との重い課題が突き付けられつつあります。
米潜水艦用に低出力核弾頭搭載兵器が開発され、F-35内装兵器庫に搭載可能なB61-12新型戦術核兵器の搭載飛行試験が終了したり、核兵器使用のハードルが低くなる方向にある中、日本は米軍の核兵器受け入れを求められる可能性があります
日本でも、研究者や専門家はその足音に気づいているのかもしれませんが、だれも口に出さない、出せないのが今の日本です
軍事ブロガーJSFさんの「DF-17」解説
→https://news.yahoo.co.jp/byline/obiekt/20191008-00145888/
中国の極超音速兵器開発
「中国空軍H-6Nが極超音速兵器試験?」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-10-20
「中国が超超音速兵器で優位」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-01-27-1
「中国が優位なのか?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-03-14
「SIPRIが核兵器の年次報告」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-06-17
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米露の1550発上限(新START条約縛り)よりは少ないが
12月14日付Defense-Newsは、FAS(Federation of American Scientists)の研究者2名が、中国の核弾頭保有数を国防推計よりはるかに多い350発程度と見積もり、現在開発中と言われる空中発射型の極超音速兵器や巡航ミサイル、地上移動式最新ICBMなどへの将来搭載を弾頭を考慮すれば、その数はさらに増加するとの研究レポートを紹介しています
国防省発表の「中国の軍事力」レポート最新版では、「low 200s:200発代の低い数」との見積もりとなっているようですが、民間研究者Hans Kristensen氏とMatt Korda氏は、約350発に含まれるのは地上発射極超音速ミサイルやICBM、更に潜水艦搭載SLBMをカウントしたものだけだと説明しているようです
14日付Defense-News記事によれば
●350発の内、272発は運用可能体制にあると表現し、204発が地上配備ミサイル用、48発が潜水艦発射用、20発が爆撃機からの自由落下爆弾だとレポートしているが、爆撃機用の20発は事実上「冬眠状態」だと表現している。
●それでも中国では最近、H-6爆撃機に極超音速兵器のモックアップを搭載して飛行している様子が確認されており、開発中とはいえ、遠くない将来に爆撃機搭載弾頭が運用体制になる可能性がある
●ただし推定350発の中には、開発中と推測されている空中発射型極超音速ミサイルや弾道ミサイルは含まれておらず、同じく開発中(?)のDF-5C多弾頭ICBM用の核弾頭も含まれておらず、旧式弾頭が破棄されても核弾頭数が350発より増えるだろうと同レポートは推測
●それでも、中国が保有する核弾頭数は米露(1550発上限:新START条約縛り)と比較するとはるかに少なく、トランプ政権のMarshall Billingslea兵器管理交渉代表が訴えている「中国は米露と同数レベルの核弾頭保有を目指している」との主張には、ほとんど根拠がない・・・と同レポートは主張している
●同レポートはまた、中国の核ミサイル部隊の即応態勢は高くないと述べ、大部分の核弾頭は集中管理されており、一部が地方に保管されている程度だと分析。この点は国防省レポートも同じ見立てで、発射機、ミサイル、弾頭は別々に保管されているとしている
●一方で国防省側は、中国軍のミサイル旅団は即応体制訓練を行っており、訓練ではミサイル旅団が月単位で展開場所を変更しながら、交代で即応態勢を維持する様子をレポートしている
●中国側は核兵器部隊について「緩やかな即応態勢」にあると表現し、指定された部隊がミサイル保管施設の近傍に展開待機してしているとレポートしているが、当該部隊は中央軍事委員会の目の届く範囲に置かれ、不穏な動きがあればすぐに対応できる状態に置かれている模様
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中国が様々な核弾頭運搬手段を、様々な射程で準備してくると、西側はどうするのか・・・との重い課題が突き付けられつつあります。
米潜水艦用に低出力核弾頭搭載兵器が開発され、F-35内装兵器庫に搭載可能なB61-12新型戦術核兵器の搭載飛行試験が終了したり、核兵器使用のハードルが低くなる方向にある中、日本は米軍の核兵器受け入れを求められる可能性があります
日本でも、研究者や専門家はその足音に気づいているのかもしれませんが、だれも口に出さない、出せないのが今の日本です
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中国の極超音速兵器開発
「中国空軍H-6Nが極超音速兵器試験?」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-10-20
「中国が超超音速兵器で優位」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-01-27-1
「中国が優位なのか?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-03-14
「SIPRIが核兵器の年次報告」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-06-17
応援お願いします!ブログ「東京の郊外より」支援の会
→https://community.camp-fire.jp/projects/view/258997
ブログサポーターご紹介ページ
→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-04-16-1
2021年版「中国安全保障レポート」はサイバー宇宙情報軍民 [中国要人・軍事]
新ドメインを扱い最若手を執筆責任者に抜擢
11月13日、防衛省の防衛研究所が毎年恒例第11回目となる「中国安全保障レポート2021」を発表しました。副題として「新時代における中国軍事戦略」を掲げ、情報、サイバー、宇宙、軍民協力といった関心の高い新ドメインを取り上げています。まだ本レポートは日英中3か国語で提供され、防衛研究所webサイトで無料公開されています。
このレポートは、世界に大きな影響を与えつつある中国の戦略的・軍事的動向を、中国専門家だけではなく、他地域の専門家の視点も交えて分析し、「あくまでも執筆者の個人的見解で、防衛省の公式見解ではない」との注釈付ながら、実質的には防衛省の見方を国内外に発信するためのものです
巻頭で「現在では本研究所を代表する出版物として各国・地域の研究機関やメディアなどから高い関心を集めるようになっている」と自ら記載しているように、中国を見る上での貴重な資料ですので、末尾の過去記事と合わせ、ぜひご活用ください
以下では手を抜いて、2ページにまとまられている「要約」部分の概要をつまみ食いでご紹介いたします
第1章 情報化戦争の準備を進める中国
●中国が現在まで一貫して採用している「積極防御」戦略は、毛沢東以降の共産党指導者による軍指導の過程で、徐々に先制攻撃重視に変化してきている。
●毛沢東時代のは、攻撃を受けた後に反撃する「後発制人」を前提とし、鄧小平時代には通常兵器使用の局地戦争が戦略レベルに引き上げられ、積極防御戦略は局地戦争の持つ先制攻撃概念も内包するようになった。
●江沢民時代は、「ハイテク条件下での局地戦争」における勝利を目指し、胡錦濤時代に差し掛かる頃には情報の重要性が認識され、「情報化条件下での局地戦争」の勝利を目指し、先制攻撃の重要性が高まった。
●習近平政権になると、宇宙・サイバー・電磁波といった新領域を効果的に運用した情報化戦争における勝利が志向されるようになる。軍種の境界を無くして統一指揮される軍隊が、人間の判断によって物理的対象を攻撃する。
●さらに、智能化戦争の段階に至ると、方針決定に人工知能やゲーム理論を利用し、相手意図を分析して指揮官に提供する指揮システムが構築され、攻撃対象もサイバー空間や認知空間など非実体的なものが含まれるようになる。
第2章 中国のサイバー戦略
●PLAは、情報支配を意味する「制情報権」が現代戦で核心的主導権が重要との認識を持ち、自身の情報化とともにサイバー戦略を発展させてきた。
●2015年末新設の戦略支援部隊は、「制情報権」掌握に加え、宇宙・サイバー・電磁波領域を含めた統合作戦の情報支援、先端技術の軍事力転化などを担うとみられる。またPLAは「制情報権」掌握のため、平時から情報窃取を目的とするサイバー作戦や、戦争初期の段階で機先を制するサイバー攻撃を重視している。
●他方で、PLAは情報化を進める中で情報システムへの依存を深め、情報産業で外資導入を進めた結果、脆弱性を抱える現状に危機感を強めている。このためPLAは、サイバー核心技術の国産化と専門人材の育成を図っている。
●また「制情報権」の観点から、自国主導のサイバー空間に係る国際規範と国際標準の拡大を目指しているが、中国の活発な取り組みは、米国からの厳しい警戒と対応を招いている。
第3章 中国における宇宙の軍事利用
●中国の宇宙活動は当初から密接に軍事と関わりながら展開してきた。他方で、PLAで宇宙の軍事価値が広く認識されるようになったのは、1990年代以降の湾岸戦争等を通じてであり、現代戦勝利の鍵は情報で、そのため宇宙を制する必要が強く認識されるに至った。来たる智能化戦争でも、宇宙は戦争遂行上、不可欠な領域として位置付けられている。
●PLAは陸海空作戦支援に宇宙を利用するとともに、他国の宇宙利用を妨げる能力も整備している。また中国では、政府や軍の支援を受け新興宇宙企業が急速に技術力を向上させており、将来的には軍が民間の技術を導入したりサービスを利用する時代が来ると見込まれる。
●米中は互いの宇宙活動に強い警戒感を有し、最近では月とその周辺の空間が新たな争点領域になり始めている。またインドが 2019年に衛星破壊実験を実施した背景には、対中国抑止力を獲得の狙いあるとみられている。
●一方で、中国との宇宙分野での協力に前向きな国家も少なくなく、中国は軍備管理や衛星測位、宇宙状況認識などの分野で熱心に協力を進めている。
第4章 中国の軍民融合発展戦略
●習近平政権の下、軍民融合を通じ軍事力強化が進められている。軍民融合発展戦略は、軍事と経済社会を結びつけ軍事力強化と国家振興を目指すものである。PLAは創設以来、生産活動に従事するなど人民との密接な関係を持ってきたが、市場経済化の過程で中国民間企業の技術水準が向上していることを背景として、PLA軍事力強化のために軍民融合が重視されてきている。
●習近平政権は、中央軍民融合発展委員会という強力な組織を新設し、軍民融合を進める施策を次々と打ち出し、新たな安全保障領域に係る国防科学技術工業の重点化、先端技術の積極的な軍事利用、そして核心技術の国産化などを進めている。
●しかし、中国が国内で軍民融合を進める一方で、積極的な投資活動・技術交流を通じ海外からの技術導入を図ることによって、欧米諸国内に安全保障観点の懸念をもたらしており、欧米諸国における貿易投資規制の強化などにつながっている
/////////////////////////////////////////////////
情報、サイバー、宇宙、官民協力は、西側先進国では左翼勢力の反対活動や妨害活動でなかなか前進が難しい分野ですが、中国やロシアなど専制国家が得意とする分野です。
一方で、レポートがサイバー分野で指摘する「PLAは情報化を進める中で情報システムへの依存を深め、情報産業で外資導入を進めた結果、脆弱性を抱える現状に危機感を強めている」との部分のように、急速に発展を遂げる分野では弱点を構成するケースも多いので注目したいものです
約100ページのレポート現物
→http://www.nids.mod.go.jp/publication/chinareport/pdf/china_report_JP_web_2021_A01.pdf
防研の「中国安全保障レポート」紹介記事
1回:中国全般→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-05-19
2回:中国海軍→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-02-17-1
3回:軍は党の統制下か?→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-12-23-1
4回:中国の危機管理→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-02-01
5回:非伝統的軍事分野→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-04-22
6回:PLA活動範囲拡大→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-03-09
7回:中台関係→サボって取り上げてません
8回:米中関係→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-03-03-2
9回:一帯一路→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-02-11
10回:ユーラシア→サボって取り上げてません
米国防省「中国の軍事力」レポート関連記事
「2020年版」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-09-02
「2019年版」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-05-06
「2018年版」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-08-18
「2016年版」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-05-15
「2015年版」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-06-17
「2014年版」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-06-06
「2013年版」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-05-08
「2012年版」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-05-19
「2011年版」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-08-25-1
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11月13日、防衛省の防衛研究所が毎年恒例第11回目となる「中国安全保障レポート2021」を発表しました。副題として「新時代における中国軍事戦略」を掲げ、情報、サイバー、宇宙、軍民協力といった関心の高い新ドメインを取り上げています。まだ本レポートは日英中3か国語で提供され、防衛研究所webサイトで無料公開されています。
このレポートは、世界に大きな影響を与えつつある中国の戦略的・軍事的動向を、中国専門家だけではなく、他地域の専門家の視点も交えて分析し、「あくまでも執筆者の個人的見解で、防衛省の公式見解ではない」との注釈付ながら、実質的には防衛省の見方を国内外に発信するためのものです
巻頭で「現在では本研究所を代表する出版物として各国・地域の研究機関やメディアなどから高い関心を集めるようになっている」と自ら記載しているように、中国を見る上での貴重な資料ですので、末尾の過去記事と合わせ、ぜひご活用ください
以下では手を抜いて、2ページにまとまられている「要約」部分の概要をつまみ食いでご紹介いたします
第1章 情報化戦争の準備を進める中国
●中国が現在まで一貫して採用している「積極防御」戦略は、毛沢東以降の共産党指導者による軍指導の過程で、徐々に先制攻撃重視に変化してきている。
●毛沢東時代のは、攻撃を受けた後に反撃する「後発制人」を前提とし、鄧小平時代には通常兵器使用の局地戦争が戦略レベルに引き上げられ、積極防御戦略は局地戦争の持つ先制攻撃概念も内包するようになった。
●江沢民時代は、「ハイテク条件下での局地戦争」における勝利を目指し、胡錦濤時代に差し掛かる頃には情報の重要性が認識され、「情報化条件下での局地戦争」の勝利を目指し、先制攻撃の重要性が高まった。
●習近平政権になると、宇宙・サイバー・電磁波といった新領域を効果的に運用した情報化戦争における勝利が志向されるようになる。軍種の境界を無くして統一指揮される軍隊が、人間の判断によって物理的対象を攻撃する。
●さらに、智能化戦争の段階に至ると、方針決定に人工知能やゲーム理論を利用し、相手意図を分析して指揮官に提供する指揮システムが構築され、攻撃対象もサイバー空間や認知空間など非実体的なものが含まれるようになる。
第2章 中国のサイバー戦略
●PLAは、情報支配を意味する「制情報権」が現代戦で核心的主導権が重要との認識を持ち、自身の情報化とともにサイバー戦略を発展させてきた。
●2015年末新設の戦略支援部隊は、「制情報権」掌握に加え、宇宙・サイバー・電磁波領域を含めた統合作戦の情報支援、先端技術の軍事力転化などを担うとみられる。またPLAは「制情報権」掌握のため、平時から情報窃取を目的とするサイバー作戦や、戦争初期の段階で機先を制するサイバー攻撃を重視している。
●他方で、PLAは情報化を進める中で情報システムへの依存を深め、情報産業で外資導入を進めた結果、脆弱性を抱える現状に危機感を強めている。このためPLAは、サイバー核心技術の国産化と専門人材の育成を図っている。
●また「制情報権」の観点から、自国主導のサイバー空間に係る国際規範と国際標準の拡大を目指しているが、中国の活発な取り組みは、米国からの厳しい警戒と対応を招いている。
第3章 中国における宇宙の軍事利用
●中国の宇宙活動は当初から密接に軍事と関わりながら展開してきた。他方で、PLAで宇宙の軍事価値が広く認識されるようになったのは、1990年代以降の湾岸戦争等を通じてであり、現代戦勝利の鍵は情報で、そのため宇宙を制する必要が強く認識されるに至った。来たる智能化戦争でも、宇宙は戦争遂行上、不可欠な領域として位置付けられている。
●PLAは陸海空作戦支援に宇宙を利用するとともに、他国の宇宙利用を妨げる能力も整備している。また中国では、政府や軍の支援を受け新興宇宙企業が急速に技術力を向上させており、将来的には軍が民間の技術を導入したりサービスを利用する時代が来ると見込まれる。
●米中は互いの宇宙活動に強い警戒感を有し、最近では月とその周辺の空間が新たな争点領域になり始めている。またインドが 2019年に衛星破壊実験を実施した背景には、対中国抑止力を獲得の狙いあるとみられている。
●一方で、中国との宇宙分野での協力に前向きな国家も少なくなく、中国は軍備管理や衛星測位、宇宙状況認識などの分野で熱心に協力を進めている。
第4章 中国の軍民融合発展戦略
●習近平政権の下、軍民融合を通じ軍事力強化が進められている。軍民融合発展戦略は、軍事と経済社会を結びつけ軍事力強化と国家振興を目指すものである。PLAは創設以来、生産活動に従事するなど人民との密接な関係を持ってきたが、市場経済化の過程で中国民間企業の技術水準が向上していることを背景として、PLA軍事力強化のために軍民融合が重視されてきている。
●習近平政権は、中央軍民融合発展委員会という強力な組織を新設し、軍民融合を進める施策を次々と打ち出し、新たな安全保障領域に係る国防科学技術工業の重点化、先端技術の積極的な軍事利用、そして核心技術の国産化などを進めている。
●しかし、中国が国内で軍民融合を進める一方で、積極的な投資活動・技術交流を通じ海外からの技術導入を図ることによって、欧米諸国内に安全保障観点の懸念をもたらしており、欧米諸国における貿易投資規制の強化などにつながっている
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情報、サイバー、宇宙、官民協力は、西側先進国では左翼勢力の反対活動や妨害活動でなかなか前進が難しい分野ですが、中国やロシアなど専制国家が得意とする分野です。
一方で、レポートがサイバー分野で指摘する「PLAは情報化を進める中で情報システムへの依存を深め、情報産業で外資導入を進めた結果、脆弱性を抱える現状に危機感を強めている」との部分のように、急速に発展を遂げる分野では弱点を構成するケースも多いので注目したいものです
約100ページのレポート現物
→http://www.nids.mod.go.jp/publication/chinareport/pdf/china_report_JP_web_2021_A01.pdf
防研の「中国安全保障レポート」紹介記事
1回:中国全般→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-05-19
2回:中国海軍→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-02-17-1
3回:軍は党の統制下か?→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-12-23-1
4回:中国の危機管理→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-02-01
5回:非伝統的軍事分野→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-04-22
6回:PLA活動範囲拡大→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-03-09
7回:中台関係→サボって取り上げてません
8回:米中関係→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-03-03-2
9回:一帯一路→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-02-11
10回:ユーラシア→サボって取り上げてません
米国防省「中国の軍事力」レポート関連記事
「2020年版」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-09-02
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「2015年版」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-06-17
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「2011年版」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-08-25-1
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中国空軍H-6Nに空中発射極超音速兵器搭載か? [中国要人・軍事]
ネット上に流布された8秒間の映像が話題
H-6N爆撃機の胴体下に試験用キャプティブ弾か?
19日付Defense-Newsは、河南省の中国空軍基地(Neixiang Ma’ao)で撮影されたと推定されるH-6N爆撃機の画像を掲載し、中国軍が開発する空中発射型の極超音速兵器の模擬弾(キャプティブ弾)を胴体下に搭載しているのではないか・・・と報じています
2018年版の米国防省レポート「中国の軍事力」は、中国軍が核弾頭搭載可能な空中発射弾道ミサイル「CH-AS-X-13」を開発中だと記載していましたが、今回撮影されたミサイルらしきものがそれに該当するのかは不明です
豪州在住で日本を含むアジアの話題をカバーしているMike Yeo記者による記事で、映像の出どころや撮影時期や場所などの情報は不明ながら、ロシアと異なり、公開情報として滅多に出てこない中国軍の極超音速兵器開発に関する記事ですのでご紹介します
19日付Defense-News記事によれば
●中国軍が開発中だと伝えられてきた空中発射弾道ミサイルが、極超音速兵器である可能性が出てきた
●中国空軍のH-6シリーズ大型爆撃機の最新型であるH-6N爆撃機が着陸する様子をとらえた映像がネット上にアップされ、映像の質が低くはっきりとはわからないが、胴体下に極超音速兵器を搭載している可能性がある
●映像では、H-6N爆撃機の胴体下部が少し凹型にへこんでミサイルらしきものが搭載しやすいような形状になっており、搭載ミサイルは、弾頭部分にDZ-ZF極超音速飛翔体を使用し、ブースター部分にDF-16中射程弾道ミサイルを使用したDF-17極超音速ミサイルに非常に似ている。
●中国軍の空中発射極超音速兵器開発がどの程度進んでいるのかは不明だが、映像からは、少なくともミサイルのモックアップを機体に搭載し、様々な飛行パターンで空力特性や機体への影響を確認するキャプティブ開発段階にあることを示唆しているように見える
●米国防省は、少なくとも中国が2014年から極超音速兵器の開発に取り組んでいると分析している。極超音速兵器は、飛翔コースが予測できる弾道ミサイルとは異なり、探知しにくい大気圏内を飛翔し、飛翔中に経路を変更可能であることから、これまでのミサイル防衛網では対処困難と言われている
●映像の撮影場所は不明だが、米空軍大学内の中国航空宇宙研究所は、短い映像から河南省の中国空軍「Neixiang Ma’ao」基地ではないかと推測している。H-6爆撃機部隊が所属している同基地には3600m級の滑走路とH-6を十分格納できるシェルター20個が確認できるが、衛星写真によれば最近、丘の側面から穴を掘った形の幅70mの出入り口を持つ地下施設工事が行われている
///////////////////////////////////////////////
2019年10月1日の中国建国70周年軍事パレートに初登場し、世界が注目した極超音速兵器「DF-17」ですが、航空機搭載型が開発されていても不思議ではありません。米軍も陸海軍が共同で3軍共通飛翔体を開発し、陸海空軍がそれぞれに発射機を開発していますから・・・
どなたが撮影したのか、いつどこで撮影されたのか不明の映像です。映像に白い車が移っていますが、大丈夫でしょうか・・・
Mike Yeo記者のツイッター関連投稿
→https://twitter.com/TheBaseLeg/status/1318161366276960259
軍事ブロガーJSFさんの「DF-17」解説
→https://news.yahoo.co.jp/byline/obiekt/20191008-00145888/
中国の極超音速兵器開発
「中国が超超音速兵器で優位」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-01-27-1
「中国が優位なのか?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-03-14
ロシアの極超音速兵器
「露が対艦極超音速兵器試験に成功か」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-10-08
「ロシア第3の超超音速兵器3M22 Zircon」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-01-21
「プーチンが超超音速兵器を大自慢」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-12-26
「ロシアが新型核兵器続々開発と」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-03-03-1
「ロシアも取り組み表明」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-09-11
米軍の極超音速兵器開発
「3月の極超音速兵器テストは誤差20㎝」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-10-14
「3軍協力で極超音速兵器開発」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-08-15-1
「ボディー試験に成功」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-03-22
「空軍開発本格化」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-06-16
「攻防両面で超超音速兵器話題」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2018-09-08-1
「防御手段無し」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2018-03-21-1
「宇宙センサー整備が急務」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-07-31
応援お願いします!ブログ「東京の郊外より」支援の会
→https://community.camp-fire.jp/projects/view/258997
ブログサポーターご紹介ページ
→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-04-16-1
H-6N爆撃機の胴体下に試験用キャプティブ弾か?
19日付Defense-Newsは、河南省の中国空軍基地(Neixiang Ma’ao)で撮影されたと推定されるH-6N爆撃機の画像を掲載し、中国軍が開発する空中発射型の極超音速兵器の模擬弾(キャプティブ弾)を胴体下に搭載しているのではないか・・・と報じています
2018年版の米国防省レポート「中国の軍事力」は、中国軍が核弾頭搭載可能な空中発射弾道ミサイル「CH-AS-X-13」を開発中だと記載していましたが、今回撮影されたミサイルらしきものがそれに該当するのかは不明です
豪州在住で日本を含むアジアの話題をカバーしているMike Yeo記者による記事で、映像の出どころや撮影時期や場所などの情報は不明ながら、ロシアと異なり、公開情報として滅多に出てこない中国軍の極超音速兵器開発に関する記事ですのでご紹介します
19日付Defense-News記事によれば
●中国軍が開発中だと伝えられてきた空中発射弾道ミサイルが、極超音速兵器である可能性が出てきた
●中国空軍のH-6シリーズ大型爆撃機の最新型であるH-6N爆撃機が着陸する様子をとらえた映像がネット上にアップされ、映像の質が低くはっきりとはわからないが、胴体下に極超音速兵器を搭載している可能性がある
●映像では、H-6N爆撃機の胴体下部が少し凹型にへこんでミサイルらしきものが搭載しやすいような形状になっており、搭載ミサイルは、弾頭部分にDZ-ZF極超音速飛翔体を使用し、ブースター部分にDF-16中射程弾道ミサイルを使用したDF-17極超音速ミサイルに非常に似ている。
●中国軍の空中発射極超音速兵器開発がどの程度進んでいるのかは不明だが、映像からは、少なくともミサイルのモックアップを機体に搭載し、様々な飛行パターンで空力特性や機体への影響を確認するキャプティブ開発段階にあることを示唆しているように見える
●米国防省は、少なくとも中国が2014年から極超音速兵器の開発に取り組んでいると分析している。極超音速兵器は、飛翔コースが予測できる弾道ミサイルとは異なり、探知しにくい大気圏内を飛翔し、飛翔中に経路を変更可能であることから、これまでのミサイル防衛網では対処困難と言われている
●映像の撮影場所は不明だが、米空軍大学内の中国航空宇宙研究所は、短い映像から河南省の中国空軍「Neixiang Ma’ao」基地ではないかと推測している。H-6爆撃機部隊が所属している同基地には3600m級の滑走路とH-6を十分格納できるシェルター20個が確認できるが、衛星写真によれば最近、丘の側面から穴を掘った形の幅70mの出入り口を持つ地下施設工事が行われている
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2019年10月1日の中国建国70周年軍事パレートに初登場し、世界が注目した極超音速兵器「DF-17」ですが、航空機搭載型が開発されていても不思議ではありません。米軍も陸海軍が共同で3軍共通飛翔体を開発し、陸海空軍がそれぞれに発射機を開発していますから・・・
どなたが撮影したのか、いつどこで撮影されたのか不明の映像です。映像に白い車が移っていますが、大丈夫でしょうか・・・
Mike Yeo記者のツイッター関連投稿
→https://twitter.com/TheBaseLeg/status/1318161366276960259
軍事ブロガーJSFさんの「DF-17」解説
→https://news.yahoo.co.jp/byline/obiekt/20191008-00145888/
中国の極超音速兵器開発
「中国が超超音速兵器で優位」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-01-27-1
「中国が優位なのか?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-03-14
ロシアの極超音速兵器
「露が対艦極超音速兵器試験に成功か」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-10-08
「ロシア第3の超超音速兵器3M22 Zircon」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-01-21
「プーチンが超超音速兵器を大自慢」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-12-26
「ロシアが新型核兵器続々開発と」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-03-03-1
「ロシアも取り組み表明」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-09-11
米軍の極超音速兵器開発
「3月の極超音速兵器テストは誤差20㎝」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-10-14
「3軍協力で極超音速兵器開発」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-08-15-1
「ボディー試験に成功」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-03-22
「空軍開発本格化」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-06-16
「攻防両面で超超音速兵器話題」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2018-09-08-1
「防御手段無し」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2018-03-21-1
「宇宙センサー整備が急務」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-07-31
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中国空軍がグアム島攻撃の模擬映像公開? [中国要人・軍事]
中国空軍H-6Kが搭載ミサイルで攻撃
攻撃対象基地がアンダーセン基地ソックリ
ハリウッド映画からの無断借用映像も?
18日、中国空軍政治工作部が作製した2分19秒の爆撃機プロモーション映像が中国版ツイッターと言われる「Weibo」上に公開され、爆撃機による模擬の飛行場攻撃映像を見た西側メディア等から、攻撃された飛行場がグアム島の米空軍アンダーセン基地ソックリだとの声が上がています
プロモーション映像は、中国内陸部の空軍基地を飛び立つ行動半径約4000㎞のH-6爆撃機の最新型「K型」(射程2000㎞以上の巡航ミサイルCJ-10やDJ-10を搭載可能)が、編隊を組んで、また戦闘機にエスコートされて行動する様子を描き、パイロット操作でミサイルを発射し、攻撃目標となった飛行場から大きな爆発に伴う火柱が上がる様子を紹介しています
最後は母機地に戻ったH-6K爆撃機から降り立った搭乗員が、任務の様子を笑顔を交えて語りながら、機体から歩いて戻ってくる様子で締めくくっています
映像にBGMはありますが、特にナレーション説明はなく、中国空軍爆撃機部隊をアピールする広報映像のようですが、2分余りの映像にはハリウッド映画の映像をそのまま「パクった」と思われる部分も見られ、中国らしい映像となっているようです
18日に中国SNS上に公開された映像
21日付Military.com記事によれば
●18日に「Weibo」上に公開された映像についてロイターは、映像の中で攻撃対象となった滑走路は、そのレイアウト等からグアム島の米空軍基地をイメージしたものだと指摘している
●香港の英字紙South China Morning Postも、「グアム島の米軍施設に似ているというより、そのものを表現している」と報じている
●ネット上では、中国空軍の映像にはハリウッド映画の映像をそのまま「パクった」部分があるとの指摘が行われており、ミサイルが攻撃目標の飛行場に向かうシーンが、ハリウッド映画「Transformers: Revenge of the Fallen」冒頭で、ミサイルがディエゴガルシア島に向かうシーンと同じだと指摘されている
●また攻撃された飛行場が爆発するシーンは、ニコラス・ケージが主演の映画「The Rock」で、サンフランシスコ湾のアルカトラズ刑務所が爆発するシーンの爆発映像が借用されていると指摘されている
●もちろんプロモーション映像を作成した中国空軍政治工作部は、攻撃映像がどこへの攻撃を表現したものかコメントしていない
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米国と中国の対立激化は多方面で進んでいますが、中国空軍政治工作部のクレジット入りの映像公開は、ちょっと大人げなく「中学生のような」行動に思えます
ハリウッド映画の映像そのまま「パクリ」に至っては、中国政府が著作権などまったく気にしていないことを大声で叫んでいるようなもので、その無神経さにも驚きです
2分19秒の何のひねりもない映像ですが、中国軍のそれなりの幹部が確認して公開していることを考えると、議論が通じない相手であることが伺えます
米国防省「中国の軍事力」レポート関連記事
「2020年版」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-09-02
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攻撃対象基地がアンダーセン基地ソックリ
ハリウッド映画からの無断借用映像も?
18日、中国空軍政治工作部が作製した2分19秒の爆撃機プロモーション映像が中国版ツイッターと言われる「Weibo」上に公開され、爆撃機による模擬の飛行場攻撃映像を見た西側メディア等から、攻撃された飛行場がグアム島の米空軍アンダーセン基地ソックリだとの声が上がています
プロモーション映像は、中国内陸部の空軍基地を飛び立つ行動半径約4000㎞のH-6爆撃機の最新型「K型」(射程2000㎞以上の巡航ミサイルCJ-10やDJ-10を搭載可能)が、編隊を組んで、また戦闘機にエスコートされて行動する様子を描き、パイロット操作でミサイルを発射し、攻撃目標となった飛行場から大きな爆発に伴う火柱が上がる様子を紹介しています
最後は母機地に戻ったH-6K爆撃機から降り立った搭乗員が、任務の様子を笑顔を交えて語りながら、機体から歩いて戻ってくる様子で締めくくっています
映像にBGMはありますが、特にナレーション説明はなく、中国空軍爆撃機部隊をアピールする広報映像のようですが、2分余りの映像にはハリウッド映画の映像をそのまま「パクった」と思われる部分も見られ、中国らしい映像となっているようです
18日に中国SNS上に公開された映像
21日付Military.com記事によれば
●18日に「Weibo」上に公開された映像についてロイターは、映像の中で攻撃対象となった滑走路は、そのレイアウト等からグアム島の米空軍基地をイメージしたものだと指摘している
●香港の英字紙South China Morning Postも、「グアム島の米軍施設に似ているというより、そのものを表現している」と報じている
●ネット上では、中国空軍の映像にはハリウッド映画の映像をそのまま「パクった」部分があるとの指摘が行われており、ミサイルが攻撃目標の飛行場に向かうシーンが、ハリウッド映画「Transformers: Revenge of the Fallen」冒頭で、ミサイルがディエゴガルシア島に向かうシーンと同じだと指摘されている
●また攻撃された飛行場が爆発するシーンは、ニコラス・ケージが主演の映画「The Rock」で、サンフランシスコ湾のアルカトラズ刑務所が爆発するシーンの爆発映像が借用されていると指摘されている
●もちろんプロモーション映像を作成した中国空軍政治工作部は、攻撃映像がどこへの攻撃を表現したものかコメントしていない
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米国と中国の対立激化は多方面で進んでいますが、中国空軍政治工作部のクレジット入りの映像公開は、ちょっと大人げなく「中学生のような」行動に思えます
ハリウッド映画の映像そのまま「パクリ」に至っては、中国政府が著作権などまったく気にしていないことを大声で叫んでいるようなもので、その無神経さにも驚きです
2分19秒の何のひねりもない映像ですが、中国軍のそれなりの幹部が確認して公開していることを考えると、議論が通じない相手であることが伺えます
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