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第3弾「噂」ゲーツ国防長官の後任 [ゲーツ前国防長官]

後任者を巡る「噂」の第3弾です

2月1日付「DOD buzz」の記事によると、ゲーツ国防長官の後任者候補の中で、メイバス海軍長官(Ray Mabus)への注目が高まってきたようです。
昨年10月の記事(下の記事です)でも同海軍長官の名前は上がっていましたが、当時はペンタゴンウォッチャーの多くが「泡沫候補」又は「当て馬」程度に見ていたようです。

しかし最近になって・・・
Mabusnavy2.jpg●メイバス海軍長官は、昨年発生したメキシコ湾での油田事故対策を統括してその危機管理能力を示すと共に、知事の経験を生かしてメキシコ湾岸諸州との難しい協議を前進させたことで高くく評価されている。同時に事故対処を通じて大統領やその側近との接触を多く持ち、顔を売った事が大きい。

対抗馬であったシンクタンクCSIS理事長のJohn Hamreは依然有力な候補者であるが、CSIC内部の改革に取り組みたい意向を本人が持っている模様であること、またクリントン政権以後、政権に関与していない状態が続いていることがマイナスの要因に見られている。

●最後に、クリントン国務長官が女性初の国防長官に就任する可能性ですが、これについては可能性は低いと一般に見られている様です。
●依然候補であることに変わりないようですが、目の前にある国防予算を巡る政府や議会との複雑な戦い、更に予断を許さないアフガン情勢など、普通に考えて国務長官から国防長官への転身を希望する人はいないとの見方が有力なようです

ゲーツ長官はかつて雑誌Transformerでのインタビューで、「11年2月のタイミングを逃すと、(翌年に大統領選挙があることを踏まえれば)良い人材を見つけることが難しくなる」と語っています。
ゲーツ長官自身は、どんな人物を考えているのでしょうか・・・・

「Transformerゲーツ長官」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-08-17-1
「ゲーツ改革のまとめ」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-06-17
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ゲーツ長官は2011年中には退任すると雑誌のインタビュー記事で述べています。
「ゲーツ長官11年中に退任?」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-08-17
「Transformerゲーツ長官」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-08-17-1

これを受け27日付「DOD Buzz」が後任の国防長官について推測記事を掲載しました。同記事は来年2月にゲーツ長官が辞任するとの風評を元に、政権関係者が後任探しに動き始めたと報じています。

まず後任話を断った(と言われている)人
Jack Reed上院議員
ReedSAS.jpg1949年生まれ。陸軍士官学校を卒業後、空挺及びレンジャー隊員として勤務。大尉で現役引退後も91年まで予備役として登録していた人物
91-97年 ロードアイランド州選出の下院議員
97年-現在 同州選出の上院議員(この間、02年と08年の選挙に勝利)

政権関係者が最も期待を寄せていた人物だそうです。
上院の軍事委員会の上級メンバーで、軍事委員会の委員長を狙っているために国防長官のポストを辞退した、と記事は伝えています。

現在の候補者として上がっている人
John Hamre シンクタンクCSIS理事長
HamreCSIS.jpg1950年生まれ ハーバード大卒 SAISで博士号取得後は議会の予算や上院軍事委員会で10年以上勤務
93-97年 国防次官(監査担当)
97-99年 国防副長官
00年からCSIS理事長 国防省の政策諮問委員会メンバーで、オバマ政権誕生時は政権移行チームの主要メンバー
冷静な各種政策分析には定評があり、そのジョークもよく知られている。政財界に広く顔が知られた人物

Ray Mabus海軍長官
MabusNV.jpg1948年生まれ ミシシッピ出身で同大学卒業後、2年間海軍士官として勤務。その後ジョンズホプキンスやハーバードで学位 ミシシッピ州の監査役を務める
88-92年 ミシシッピ州知事 教育改革で全米の注目浴びる
94-96年 サウジアラビア大使(クリントン政権)
06-07年 民間会社の再建に当たる
09年6月から海軍長官
オバマ大統領の命で「メキシコ湾油田事故による原油流出事故の長期対策」をまとめ上げ評価を高める

Paul Kaminski General Dynamics社 航空宇宙部長
Kaminski.jpg1943年生まれ 空軍士官学校卒業後、約20年間空軍士官として勤務 ステルス技術の開発分野で功績を挙げる
94-97年 国防次官(取得兵站技術担当)
その後、国防省の政策諮問委員会メンバーや同科学政策諮問委員会のメンバーを歴任
オバマ政権には情報関連のアドバイスを継続的に行っている。

Hillary Clinton国務長官
言わずと知れたヒラリーです。
上院議員時代は軍事委員会のメンバーで国防関連の知見は豊富。これまでもしばしば国防長官候補に挙がっている。
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Holylandはコメントできるほど後任候補者について知りませんが、Reed上院議員のよい噂を高名な国際政治学者の先生から聞いたことがあり、かつその経歴からも何となく時期的に相応しいのかな・・・と感じています。
逃がした魚は大きい・・ということでしょうか

DOD Buzzが予想するゲーツ長官退任の来年2月までは、本ページも続けたいと思います。
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米とカナダが国防協議 [ゲーツ前国防長官]

gatesCanada.jpg27日、カナダを訪問したゲーツ国防長官一行が、マッケイ・カナダ国防相(Peter MacKay)等と国防協議を行いました。
しかし元々はこの協議、メキシコのガルバン国防相(Gen. Guillermo Galvan)も交えた3カ国協議の予定だったようですが、ガルバン将軍が急病で参加できなくなった結果の2国間協議だったようです。国防省HP記事より

2国間協議後の会見で米とカナダの国防トップは、なるべく早期に3カ国での協議を再設定したいと述べています。しかし・・・メキシコの国防大臣は昨年夏にも災害対応とかで3カ国協議をドタキャンしたそうです。(米加とメキシコ・・合うのかな・・)

会見でゲーツ長官は・・・
カナダはアフガンにおいて、派遣兵士当たりの犠牲者割合が最も高い国であり、その貢献に感謝し、犠牲者のご家族に哀悼の意を表したい。(なお、カナダはアフガン南部での戦闘任務から撤収を開始しており、今後は約950名がアフガン軍や警察の訓練を支援する
●両国は地域の関係国と協力し、多様な国際的脅威、つまり海賊、テロ、麻薬流通、人身売買などに対峙する
両国は北極海での協力関係を拡大強化する。

カリブ海地域の国々への海洋安全確保に関する助言を両国が協力しながら行う。

●北米航空宇宙防衛コマンド(North American Aerospace Defense Command)の任務で、新たに付加した海洋における状況掌握(new maritime domain awareness mission)について特に議論した
gatesCanada2.jpgサイバー防衛に関し、軍用ネットワークの進んだ防御策を、いかにして重要な民間インフラにも適応していくかについて議論した。
●カナダも共同開発国になっているF-35の開発について、計画に修正はあるものの、今後も米国が強くコミットしていくことを再確認した。(なおカナダは、比較的試験が順調に進んでいるF-35の米空軍用バージョンの導入を予定している)
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「北極海での協力関係を拡大強化」は、温暖化により北極海の氷が減少して各国の資源開発競争の激化していることや船舶活動が活発化していること、更にはロシア空軍の活動活発化が背景にあると思います。

しかし・・・メキシコとの3カ国協議とは・・・何事も米国一国では対応できなくなってきたんですねぇ・・。又は負担の分散でしょうか。

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ゲーツ長官の慶応大学講演とQ&A [ゲーツ前国防長官]

gatesKeio.jpg14日午前、ゲーツ長官は慶応大学で日米同盟に関する講演を行い、続いて質疑応答を行いました。
講演と質疑のトランスクリプトは公開されていませんので、講演と質疑に関する米国防省HP記事からその概要をご紹介します。
ちなみに・・指3本は、北朝鮮問題には米韓日3カ国の協力が必要だと説明した時のものと思います。

米国防省HP掲載→ 講演関連記事 と 質疑関連記事 と 講演原稿(追加)
しかし・・・・首相と外務大臣と防衛大臣との会談終了後の記事がわずか1本なのに対し、大学での講演が2本の記事で紹介されるとは・・・・
まあ・・・公に出来ない濃密な会談だったのでしょう・・公に出来ない緊密な連携が図られたと願いつつ。。。

講演の概要は・・・(まずい訳で失礼)
●1960年、米日同盟は経済や軍事的な必要性からだけではなく、共通の価値観に基づき締結された。そしてこれまで、侵略や抑止し、地域に安全の傘を提供した。
●多くの脅威の中には、自然災害や北朝鮮のように数十年前からあるモノもあるが、最近では世界的なテロやサイバー攻撃、核拡散などがある。そして全てに共通なのは、それへの対応に複数の国が協力しなければならない点である。そしてそこには地域のキープレイヤである米国と日本が常に必要である。

●国際平和維持維持活動や災害対処に安全の輸出者として参画し、より活動に参加する意志を示すことで、日本は他の偉大な民主主義国と肩を並べるに相応しい位置に着きつつあるこれが日本が国連安保理の常任理事国メンバーになる合理的な理由の一つである。
●地域や国際社会の枠組みで働くことが、我が同盟をアジアの最も困難な安保課題に対峙するに適当な位置に着かせてくれるのである。国際社会の希望や努力とは裏腹に、北朝鮮が態度が変化しない状況はこのことの重要性を思い出させてくれた。

gatesKeio2.jpg●(中国との軍事交流再開について)たとえ特別な合意を生み出さなくても、この対話は相互理解を促進し、誤解や誤認識の教訓を学ぶ機会を与え得てくれる。冷戦時のソ連との関係とは環境が大きく異なるが、それでも対話の重要は変わらない。
●複雑で危険な課題に直面し、これまで以上に我が同盟は重要で必要性が高い。そして同盟の活力と信頼性を維持するためには、脅威や現在の軍事動向に対応した、軍事態勢や取り決めを近代化する必要(requires modernizing our force posture and other defense arrangements)がある。ミサイル防衛分野での協力は一つの重要な分野である。
●相互の支援、先端技術協力及び情報共有が良い同盟関係を反映するモノである。

●新防衛大綱は2国間の協力関係を更に深化させるモノであり、南西方面の重視は我々の兵力配備(our force posture)の重要性を裏打ちするモノである。
●協力には米軍の前方展開基地が必要で、それがなければ、北朝鮮の挑発行為はより激しく悪化し、中国は近隣国により自己主張を強く行動する可能性がある。(その後、普天間の辺野古移設に理解を求めるフレーズ少し)

米国は、米軍の規模や必要経費と格闘しているが、同盟国と共に立ち向かう(America will stand by treaty allies)。このために、能力を備え同盟に関与する日本が必要である。そして米日同盟は、国際秩序の基礎として、また共通の価値普及を推進する道しるべや安定を確保する揺るぎない力であり続ける。

質問に対する回答(Qは不明ながら)・・・
●米日同盟により、日本はGDP1%以下のコストで、半世紀以上にわたって安全を確保した。経済的観点からすれば、同盟は日本にとってお得だと言える。
●(中国に関して・・・)日本と米国にとって懸念であり挑戦である。(中略)中国の文民と軍人の間には結節の兆候がある。数年前のインペカブルへの対応や3年前の衛星破壊実験を中国文民指導者は事前に知らなかったようだし、J-20の初飛行の件も承知していなかった明らかなサインがあった。
●これらは官僚組織におけるミスだろうが、私は懸念している。だからより深いシニアレベルの文民と軍人の両方を含む対話の場を強く求めたのである
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gatesKeio3.jpg噛み砕いて分かりやすく・・・日本国民の皆さん・・分かってください・・・。この努力には頭が下がります。
少なくとも、金曜日の朝に参集した学生さんには、日本のリーダーとの姿勢の違いを印象付けたものと思います。

今回の日本滞在間、ゲーツ長官は日本側関係者と夕食会を持っていません。防衛大臣との昼食会1回のみです。夕食会のチャンスが2回あったのに・・・。
前回訪日時は夕食会を突然キャンセルしたと聞きましたが・・・昼飯でも少しは進歩か・・・それも北朝鮮問題のお陰か・・・

ちょっと目的が異なりますが・・・講演シリーズ

士官候補生への講演
「海軍士官候補生には・・・」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-04-09
「士官候補生に語るシリーズ」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-04-10
「空軍士官候補生に厳しく語る」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-04-06

学生の卒業式や少年への講演
「CIAでの失敗を高校で」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-05-25
「大学で「公への奉仕を」」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2009-12-22
「ボーイスカウトの精神を」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-07-29
「ROTC学生へ 4軍が抵抗」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-07
「空軍は単に飛んでいたいのか」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-10-02
「特殊部隊にもっと女性が」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-10-02-1

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訪日の記事、たったこれだけ・・・ [ゲーツ前国防長官]

gatesKan.jpg13日、ゲーツ国防長官が管総理、前原外相、北澤防衛大臣と会談し、北澤大臣と共同記者会見を行いました。

しかし・・・米国防省HP記事に登場したのは、「長官はNK挑発行為の防止の必要性を強調」とのタイトルの記事1本だけ(13日21時現在)。

しかも・・・その記事の約6割がNKに関するゲーツ長官の会見発言で、中身も中国での記者会見で述べたのと同じです。言葉遣いまで・・・

そして付け足し程度に・・・
●日本の首相等と会談し中国訪問について説明した。
●日本側とミサイル防衛や各種共同施策(海賊対処、災害対処、人道復興支援、アフガニスタン支援)等の更なる発展について議論したこと。
●日本側から新防衛大綱について説明があり、ゲーツ長官が「米軍のプレゼンスを含む同盟の重要性を再確認するforward-thinkingな document」と評価したこと。
●前回作成から5年が経過した同盟の「vision statement」をアップデイトする必要があること。
●沖縄駐留の米軍の移転についても話し合ったこと
●14日に慶応大学で日米同盟に関するmake a major speechをすること

以上についてメモのように箇条書きしてました・・・さみしい・・・
NKの件は何か差し迫った兆しでもあるのでしょうか・・・直前に北澤防衛大臣が韓国を訪問して準備までしているし・・・。当然と言えば当然でしょうが・・・・。

慶応大でのmajor speechに期待しましょう。
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gatesMODJ.jpg日本のマスコミによると、ゲーツ長官は日本のF-Xに、F-35とF/A-18とF-15の3機種を推薦したそうです。

全くポリシーを感じないメニューですね・・・

ゲーツ長官の胸の内を推測すると・・
●戦闘機・・戦闘機・・と、日本人が猛烈に欲しいと言うから、米国軍需産業も喜ぶので、松竹梅の3種類を用意しました。資金援助のつもりで買って頂戴。
●それにしても・・・戦闘機ばかりにお金使って大丈夫なの?? もっとしっかり考えた方が良いんじゃない? まあ、僕は米国のことを中心に考えるから、あんまり突っ込まないけど・・・
●CSBAによる「日本の戦闘機を増強する」との提案は、資金援助を受けてる軍需産業の要請を組み込んだモノじゃないかな・・・たぶん・・・
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続4ゲーツ長官の中国訪問 [ゲーツ前国防長官]

11日ゲーツ国防長官は、胡錦濤主席、Yang Jiechi外交部長、徐才厚(Gen. Xu Caihou)中央軍事委員会副主席と会談しています。

11日の会談後の記者会見でゲーツ長官は・・・(米国防省HP記事より
トランスクリプトはこちら

J-20の初飛行と戦略対話
J-20の初飛行を私の訪問に併せて行ったのか、と胡錦濤主席との会談の中で直接質問したが、主席は関係ない偶然だと答えた
●胡錦濤主席を含め、同席の中国側文民関係者は誰一人初飛行の件について知らないようだった(この部分は、会談に同席した米関係者の匿名での説明)。
●現代社会において、純粋に軍事と政治を切り分けることは難しい。このような時代に中国内部で軍と政府の間の意思疎通が不足しているのではとの懸念を以前から持っていた
●これが今回の訪問で、軍人と政府の両方と会談した一つの理由である。軍人と文民が共にテーブルを囲む戦略対話の必要性が高い。
戦略対話の焦点は、核兵器、ミサイル防衛、宇宙、サイバーの4分野であるべき。

gatesPress.jpg胡錦濤主席は、米側の対話への提案を真摯に受け止めると述べた。中国側とのこれまでの会談は、全て大変丁寧で親しみやすい(very cordial and friendly)ものであった。
しかし、関係構築には時間が掛かる(we have to play the long game)。この分野はドラマチックな展開や大きな見出し期待するような分野ではない。むしろ徐々に進化成長(evolutionary growth)する種類のモノである。

北朝鮮関連
北朝鮮は米国に対する喫緊(immediate)な脅威ではない。しかし一方で、今後5年間に関しては、と言うことである(I don’t think it is a five-year threat)。正確に言うならば、その程度の時間で、北朝鮮はICBMを開発するだろう。
●朝鮮半島情勢の現状を変化させる要素には2つあるひとつは北朝鮮指導者による核兵器とICBM開発の継続である。二つ目は韓国国民の持つ北朝鮮の挑発への忍耐の変化である。

●(北朝鮮からの対話再開の呼びかけに関し、)現時点では、北朝鮮は対話に真に取り組む姿勢を見せなければならない。真剣さを見せる手段にはいくつかやり方があろうが・・。(国防省HP記事では、ゲーツ長官はミサイルテストと核実験の停止がその手段であることを示唆した、と表現しています。)

日本のF-X選定に関し
●この後の日本訪問で、いくつかの提案をする予定だ。(I might have a few suggestions for them.)

12日の第2砲兵部隊視察に関し
●09年秋に徐才厚(Gen. Xu Caihou)中央軍事委員会副主席が訪米した際、米戦略コマンドを訪問し、同副主席には大変満足していただいた。
●確か05年にラムズフェルド長官が訪れた同じ場所だと思うが、我々が提供したと同様の対応を中国側に期待したい。

今回の訪中の評価
●北京に到着した際、私は大きなブレークスルーは期待していないと話した。私が望んでいたのは、関係の拡大であり深化であった。
●私は中国滞在中になしえたことに大変満足している。関係の拡大を図れたし、09年秋の徐才厚将軍訪米時に合意した対話を再スタートすることに合意できたからである。

昨日10日の儀仗風景も含め・・(中国側は厚着、ゲーツ長官は気を使ってコート無し
gatesHuJintao.jpggatesFM YangJiechi.jpg








gatesXu.JPGgatesOGC.jpg








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gatesVPre.jpg10日、ゲーツ長官は招待者である梁光烈(Gen.Liang Guanglie)国防相との会談後、胡錦濤主席の後継者に事実上決定している習近平副主席(Xi Jinping)とも人民大会堂で会談しました。
米国防省HP記事によれば

ゲーツ長官は習近平副主席に対し・・・
「米中両国は、地域や世界を危機にさらす問題にこれまで共に取り組んできた。我々が共に取り組もうとするとき、その見本・前例がある」と語りかけました。副主席の反応は記載なしです
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梁光烈国防相との会談に関し、国防省HPは・・・
●ゲーツ長官は・・
良いときも悪いときも両軍間の関係を続けるべきである。誤解・誤認識・誤理解をさけるため、両軍関係は政治の風に関係なく継続的で一定で強固でなければならない

梁光烈国防相は・・・
gatesOG.jpg同意したように見えるLiang seemed to agree)。
「両国は健全な軍事関係を望んでいる。両国は対話と交流を全てのレベルで維持推進することが大変重要なことを認識している。」
「両国は、相互信頼を構築する責任を共有している

つまり・・・ゲーツ長官が呼びかけた、オン・オフの繰り返しのない継続的な対話について中国側が明確に同意したわけではありません。
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10日の会談結果を見る限り、中国側は来週の胡錦濤主席訪米の雰囲気作りのため、退任間近のゲーツ長官にお愛想を振りまく気配だけ見せてその場を取り繕った・・・といた状況でしょうか・・・

9日の空港での出迎えで、花束贈呈までは良かったのですが・・・。正体見たり!
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ChinaGen. Liang Guanglie.jpg091026_gen_xu_aud.jpgGen. Jing Zhiyuan.jpg9日、ゲーツ国防長官の極東アジアツアーの最初の訪問国である中国(9-12日)に到着しました。

(ご参考:日本は12-13日 韓国14日)


国防省HPの特集ページは
http://www.defense.gov/home/features/2011/0111_gates1/

中国での主要予定は・・・・、
●招待者である梁光烈(Gen.Liang Guanglie)国防相との会談
中央軍事委員会副主席の徐才厚(Gen. Xu Caihou 09年に訪米)との会談
弾道ミサイル部隊・第2砲兵司令部訪問と司令官(靖志遠Gen. Jing Zhiyuan)との会談

17日の週に、胡錦濤主席が米国を訪問することになっており、その環境整備とも見られます。何と言っても、米中関係の中で、軍事分野だけが大きく取り残されている、状況にあるとの認識を米国防省は持っていますから・・・。

gatesChina.jpgモレル報道官は移動の機中で・・
We will use this trip to confirm recent progress in advancing the defense component of the U.S.-China relationship, expand upon those areas where we can cooperate, and sustain a dialogue aimed at improving mutual understanding and reducing the risk of miscalculation・・・
上の写真は機内での同行記者団とのやりとりです。

今後、この記事に追記する形でフォローしたいと思います。

米国防政策と日本の対応
「新防衛大綱とAir-Sea Battle」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-12-19
「ゲーツ長官来日を読む」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-12-21-1

「ついに経費負担増要求」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-07-05
「2QDRから日本は何を読む」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-04-01-1
「米次官補代理が防衛費増額要求」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-03-19

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14兆円精査案で米政府議会と戦う [ゲーツ前国防長官]

In recent weeks, there have been calls from various quarters for major reductions in defense spending, to include substantial cuts in modernization, force structure, troop levels and overseas bases. I consider such proposals risky at best, and potentially calamitous.(中略)

I look forward to working through this next phase of the president's defense reform effort with Congress in the weeks and months ahead, to do what's right for our armed forces and to do what's right for our country.

ここ数週間、各所から国防費の大幅削減を求める声が聞こえている。軍の近代化、兵力組成、兵力数、海外基地等の大幅削減案で、よくて危険に満ち、潜在的に破滅的な案である。(中略)・・・

私は、我が軍と我が国にとって正しいことを成すため、今後数週間から数ヶ月の間、議会と共に次のフェーズである大統領の国防見直に取り組むことを楽しみにしている。
以上は、1時間にわたる会見の最後の部分
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gatesEFF.jpg6日、ゲーツ国防長官はマレン統合参謀本部議長と共に会見(国防省HP記事発表原稿)に臨み、今後5年間で約14兆円の無駄経費削減案と削減分14兆円の中から約9兆円を必要な分野に再投資する計画案を発表しました。
昨年6月に議会で説明した約9兆円の無駄削減に約5兆円を上乗せし、最近ホワイトハウス周辺から聞こえる「7兆円を純減せよ」等の声に答える(対抗する?)姿勢を見せています。

米国防省HPの特集面
http://www.defense.gov/home/features/2011/0810_effinit/

基本的には、長年積み上げられた無駄な経費、組織、研究開発計画を精査し、真にあり得そうなシナリオに必要な能力向上に再投資する計画案になっています。
(※基本的な考え方については、記事末尾の経費削減関連過去記事や数日前の記事http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-01-05でご確認下さい。どの新聞報道もピントがずれていますから・・・。)

申し訳ありませんが、会見の中で、削減の基準をどこに置くかによって種々な削減額が使用されており、holylandが十分理解できていないモノもありますのでご容赦下さい。また読み込みが足らない部分もあり、不正確な解釈もあると思います。なお、過去の流れから1ドルを90円と換算(端数は無視)しています。

冒頭のジョークは・・・「私の説明が長引く予定なので、マレン議長は待ち時間に読む本を持参している」でした。
ゲーツ長官の冒頭説明(25分間(A4×7枚))の概要は・・・

そろばん勘定の概要は・・・
gatesEFF2.jpg4軍種が9兆円(空軍3兆円、陸軍2.5兆円、海海兵隊3兆円)、更に国防省の全体施策でとして5兆円を、合計で14兆円を今後5年間で削減する案。

●昨年提出した国防費の5カ年計画と比較すれば、7兆円(日本メディア報道の純減額 780億ドル=約6.5兆円)の純減である。その内訳は、国防省の全体施策で5兆円、インフレ率や給与上昇率の見直しで1兆円、2015年開始の陸軍と海兵隊兵員削減で5千億、F-35計画の修正で5千億である。

4軍種削減分9兆円の再投資について
●4軍が削減した9兆円の内、2.5兆円は当初予期していなかったがどうしても必要な機能維持経費(住宅、医療、兵器維持、補給所の維持整備、基地機能維持、飛行時間、訓練費用)に使用せざるを得ない。
残りの6.5兆円は各軍種が再投資する。その主要分野は・・
空軍
リーパー無人機や無人攻撃偵察能力、宇宙とのアクセス装置(expendable launch vehicle)、F-15のレーダー近代化、新長距離突破爆撃機
陸軍
自殺防止施策、戦車・装甲車の近代化、戦術通信装置、無人機(無人ヘリを含む)
海軍海兵隊
電子妨害装置、海兵隊装備の更新、海上発の無人攻撃偵察機、F-18の追加購入、艦艇の追加購入(イージス、LCS、給油艦等)
BMD関連
長距離迎撃ミサイルと監視レーダー

では、どこを削減するか
大型調達案件の見直し
F-35
空軍及び海軍用F-35は計画通り。遅延が著しい海兵隊用は、2年以内に当初コスト・性能・スケジュールに戻れなければ中止。海兵隊用の調達は後回しにするため、FA-18を追加購入
陸軍
SLAMRAAM地対空ミサイルと次世代ミサイル発射装置の中止
海兵隊
海兵隊の着上陸任務を否定するわけではないが、蓋然性と予算の配分優先を考慮しEFV(expeditionary fighting vehicle)は中止。

国防省全体の施策・業務見直し
IT関連予算 → 各組織や組織機関が別々に独立したシステムを維持管理している無駄を廃し、統合する等してコストと脆弱性を克服する。この分野は検討不十分なので来月まで更に検討追加
部外契約役務 → 部外委託に頼りすぎている現状見直し。業務の見直し削減や正規職員での実施により、毎年1割削減を3年継続する。
職務ポスト数の固定削減 → 今後3年間職員ポスト数凍結 増加要求があった場合は、他を減らして充当
情報分析の重複削減 → 特に911事案以後、各地域に重複して配置されている対テロ分析員の精査と集中管理

高官ポストの格下・廃止 → 将官ポスト約100の廃止格下げ(総数約900)、文官高官ポスト約200廃止格下げ(総数1400)。狙いはよりフラットで機動的で効率的な組織作り
組織の見直し廃止 → 国防省内組織(IT関連と変革関連)やJFCOMの廃止(JFCOM業務の5割は近傍の他組織へ移管)
欧州コマンドの削減 → 関係同盟国との協議のため2015年までは具体的に削減等しないが、明らかに過剰戦力である。各軍種の司令官大将配置の格下げや司令部スタッフの削減を含む。
各種報告書の削減 → 約1/3の部内報告書(400種類)が無駄。4月からは2006年以前に命ぜられたレポートは中止。2月から全ての報告書は使用経費額を明示

その他4軍種の削減案
空軍
空軍作戦指揮所の統合(米国内2カ所を1カ所に、欧州の2カ所を1カ所に)、3つの空軍スタッフの統合(consolidating three numbered Air Force staffs)、輸送コマンドの燃料消費削減、補給所業務の改善、通信施設の運営コスト
陸軍
組織の統廃合等により千名の削減、現施設維持による新規建設コスト削減、メールシステムの整理統合による経費節減
海軍海兵隊
陸上勤務者の削減と海上勤務への再配分、戦闘機・電子妨害機・偵察機の複数年調達による経費削減、各種艦艇等の配置人員見直し(disestablishing staffs)
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weeks and months ahead・・・政府や議会とやり合うと言うことは・・・2月退任は延期でしょうか・・・
(追伸)・・記者から同様の質問が出ていました。残念ながらゲーツ長官の回答は、短節に「NO!」でした。会見場内は爆笑・・・

gatesPressC.jpg辻褄の合っていない部分もありますが、全体の雰囲気をご理解下さい。ちょっと気になるのは、3つの空軍スタッフの統合(consolidating three numbered Air Force staffs)で、脆弱な日本の第5空軍も含まれるかも・・です。
空軍の長距離攻撃能力や海軍の空母艦載無人攻撃機が優先されているところも見ていただけるかと思います。

ちょっと疲れたので、9日からの訪中関連まではゆるい話題になりそうです。

長距離攻撃(LRS)システム構想
「序論:長距離攻撃システム構想」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-10-25
「本論1:長距離攻撃システム構想」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-10-26
「本論2長距離攻撃システム構想」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-10-26-1

「どんな兵器:Anti-Access対応」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-03-04

「もう爆撃機とは呼ばない」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-06-26
「空軍協会の航空宇宙会議」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-09-16-1

経費縮減関連
「ゲーツの取得開発改革指針」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-09-15-1
「ゲーツ改革のまとめ」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-06-17
「アイゼンハワー・ライブラリ演説」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-05-09
「続アイゼンハワー・ライブラリ演説」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-05-11
「11万人削減案を長官へ」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-07-26
「国防省コストカット」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-06-30-1
「兵士と将来に9兆円捻出」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-06-29
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6日付「Defense Tech」のサマリー
→ http://defensetech.org/2011/01/06/gates-gets-out-the-knife-a-quick-look/

F-35B will go on a “two year probation” and move to the “back of the line” on development behind the “C” and “A” model. More F/A-18EF Super Hornets will be purchased and older F/A-18 Hornets will have their service lives extended for the Marine Corps to make up for the “B” delay or cut.

EFV is gone. Savings will be used to upgrade the AAV with more armor, better electronics and weaponry.
Army SLAMRAAM canceled.
The Non-Line of Sight Launch System gone.
Drawdown by 27K Soldiers and up to 20K Marines from end strength in 2015

Air Force:
More Air Force Reapers.
More EELVs.
Modernize F-15 radars.
New long range nuclear strike bomber — that can be “optionally piloted.”

Army:
More money for Army suicide prevention.
Modernize the Abrams, Bradley and Stryker vehicle.
More MC-12 surveillance aircraft.
Quicker development of Grey Eagle UAV.
Quicker development of vertical UAS.

Navy:
More money for jammers.
More money to upgrade and refit Marine Corps equipment used up in war.
More money and accelerated development of an unmanned strike capability.
Life extension for 150 F-18s.
New ship classes, including a destroyer, LCS, oilers and ocean surveillance craft.

Missile Defense:
More long range interceptors.
More radar sites in Asia, Europe and the Middle East.

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ゲーツ9兆円削減案公表へ [ゲーツ前国防長官]

3日付ロイター通信電子版によれば、米国時間6日(日本時間7日)にゲーツ国防長官が「5年間で約9兆円」の経費節減策を発表する予定です。

発表されました!
http://www.defense.gov/home/features/2011/0810_effinit/

ゲーツ長官が、昨年5月のアイゼンハワー・ライブラリ演説でその決意と構想を明らかにし、具体的な数値目標と考え方を昨年6月16日に議会で説明した検討結果が公開されることになります。

ゲーツ長官が昨年明らかにした構想では・・・
gatesSENATE.jpgオバマ大統領の了解を得て、戦時下の国防予算は厳しい国家財政状況の中でも、1-2%の伸びを確保される。
●しかし、国から配分される伸びだけでは必要な国防力を維持・向上することが出来ない
●そこで国防省内の無駄を削減し、削減分を国防省内で再配分して真に必要な分野に再投資する。
●国防費の無駄とは、成果の上がらない研究開発中止見直し、無駄な人件費削減(将官や文民ポストの廃止等、JFCOM等組織のリストラ等)、部外委託経費の見直し、その他各軍種にノルマを課しての経費削

しかし、国家財政は更に厳しく・・・
Office of Management and Budget.jpg●昨年12月、ホワイトハウスのOffice of Management and Budgetは、国防省に対し、今後5年間で7兆円の予算削減を要求した模様
●取りあえず国防省の2012年度予算案には、1兆円の削減ノルマが示された模様。ホワイトハウスは2月中旬に2012年予算案を提出する予定。
●ゲーツ長官イニシアティブで5年間9兆円削減が出来たとして、その9兆円が当初のもくろみ通り国防省内で再配分できるかは不明。ホワイトハウス要求の7兆円との関係が注目されるところ。

ロイターによると、ゲーツ長官の削減案には・・
f351.jpg●海兵隊の着上陸用装甲車両EFV(Expeditionary Fighting Vehicle 重さ40トン 既に開発費に2800億円を使用済)の中止。当初計画は573両を調達予定
●レイセオン社が担当のground-launched missile systemの開発中止(何のことかよく分かりません。サイドワインダーを地上発射型に使用する研究のことか?)
●国防省最大の調達案件・F-35開発計画の再見直し。2年程度の再度開発遅延。ロッキード社は、昨年はかなり頑張った、12月30日には10機目の機体がテスト飛行に入った、等とコメントするにとどまる。

●軍事アナリストは「ゲーツ長官の取捨選択基準を満たすプログラムは見つけるのが困難になりつつある」と語った。国防省の報道官は、計画発表時期についての言及を避けた。
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オバマに裏切られた・・との思いをゲーツ長官は抱いているのでしょうか・・・
でも・・・最終的には大統領の指示に従い、敬礼してその場を立ち去り、その指示実現に全力をつくすのがマーシャル将軍譲りのゲーツ長官の信念ですから・・・

ゲーツ長官経費削減関連
「ゲーツの取得開発改革指針」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-09-15-1
「ゲーツ改革のまとめ」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-06-17
「アイゼンハワー・ライブラリ演説」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-05-09
「続アイゼンハワー・ライブラリ演説」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-05-11
「11万人削減案を長官へ」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-07-26
「国防省コストカット」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-06-30-1
「兵士と将来に9兆円捻出」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-06-29

日本への要求関連
「ついに経費負担増要求」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-07-05
「国防省が日本に防衛費増額要求」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-03-19

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音楽TV局がゲーツ長官を表彰 [ゲーツ前国防長官]

MTVUgates.JPG22日、全米750以上の大学と900万人以上の学生にミュージックVIDEOを配信している「mtvU」、つまりMusic TV Universityが、ゲーツ国防長官を「2010 Man of the Year」に選出しました。

「mtvU」の性格上、ポップやロックスター、映画俳優がこの賞を受賞するのが通例で、本年も女性部門は写真右側のNicki Minajなるヒップ・ホップの新星が受賞しています。

MTVの責任者であるStephen Friedman氏は・・・

大学生は、自分たちが社会システムを変革する力や能力を持つと信じる者たちである。その彼らが「true role model(真の生きた模範)」として選んだのがゲーツ国防長官である。

●MTVは、ゲーツ長官が正しい事のために敢然と立ち上がり、議論紛糾の困難な2つの戦争の最中にあっても、政党間の誤魔化しでなく、現実の問題に焦点を当てて歴史的なシステムの変革を成し遂げた事を讃えて本賞を贈ることとした。
●ゲーツ長官は、休むことなく今ある問題に挑み続け、課題が将来の問題として積み残されないよう、合理的で理性的な議論によって立ち向かった・・・・・と国防省のインタビューに答えています。

また「mtvU」のHPは・・

gatesDuke4.jpg●ゲーツ国防長官は、自身を「公務員の模範」にまで高めた。共和党支持(※本人は無党派と主張)でありながら、唯一民主党内閣のオバマ政権に残り、政党間の政治屋としてでなく、大胆で理性的な選択を成し遂げた。
財政的制約の克服、21世紀に向けた軍事力の変革、性差への偏見の除去、同性愛者への「聞かない、言わない」政策撤廃への取り組みなどがこれに当たる。

●大学生の意見が完全に2分されるような2つの戦争の中にあっても、彼とmtvUの視聴者は鍵となる原則、つまり何が兵士のためになるか、また何が新たな退役軍人のためになるかとの点において足並みが乱れることは無かった。・・・とその受賞理由を説明しています。
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「mtvU」は大学生に人気のある音楽映像を配信するTV局ですから、ゲーツ長官の映像がどれほど流れているのか分かりませんが、音楽番組の合間のニュース映像から学生の支持が集まったのでしょうか・・・。

受賞理由を見るにつけ、どこかの国にも本気になってやってくれるリーダーが現れないかなぁ・・・と考えてしまいます。

学生の卒業式や少年への講演
「CIAでの失敗を高校で」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-05-25
「大学で公への奉仕を」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2009-12-22
「ボーイスカウトの精神を」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-07-29
「空軍は単に飛んでいたいのか」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-10-02
「ROTC学生へ 4軍が抵抗」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-07-29


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9-12中国 13-14日本 14韓国訪問 [ゲーツ前国防長官]

22日モレル報道官が会見し、ゲーツ国防長官が来年1月9-12日に中国を、続いて13-14日に日本をそれぞれ訪問すると発表しました。
27日付米国防省記事によれば、韓国への短時間滞在が付加されました。

ChinaGen. Liang Guanglie.jpg同報道官は、中国訪問はLiang Guanglie国防相 (梁光烈)の招待に基づくもので、「相互理解の促進と誤解リスクの提言を目指すモノ」とし、朝鮮半島情勢も重要な話題となろう、と説明しました。

日本に関しては、「地域情勢と同盟の進化と強化のための長期的な課題」を議論すると述べています。

米国防政策と最近の日本
「新防衛大綱とAir-Sea Battle」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-12-19
「ゲーツ長官来日を読む」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-12-21-1

ゲーツ長官の中国側カウンターパートは非常に曖昧です。昨年秋には軍事委員会副主席の徐才厚(Gen. Xu Caihou)がカウンターパートとの扱いで訪米し、CSISでも講演しています。

091026_gen_xu_aud.jpgこの講演は、中国の主要軍人が最近米国で行った唯一の講演記録であり、四川大地震で人民のために活躍する様子や防衛のための軍であることを強調する点で、中国軍によるステレオタイプな自己主張をまとめたモノとして貴重な資料です。講演原稿のアドレスも記載

「徐才厚のCSIS講演」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2009-11-09

確か・・共産党中央軍事委員会の序列で、同委員会副主席の徐才厚(Gen. Xu Caihou)は梁光烈より遙かに上ですから、招待元のランクから判断すると中国側のロープロファイルな姿勢を示すものとも言えます。

米中の軍事交流再開へ関連記事
「フロノイ次官の会見」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-12-12
「米中軍事交流の今後」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-11-23
「米中軍事交流再開へ」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-09-10

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ゲーツ長官のクリスマスメッセージ [ゲーツ前国防長官]

ゲーツ国防長官から米軍兵士やその家族に向けた「2010 Holiday Message」が米国防省HPに掲載されました。

Holiday Messageの要旨は・・・
gates-holiday.jpg●この喜びと祝いの季節に、米軍に所属する勇敢な男性や女性とその家族に対し、忠心より深い感謝と祈りを捧げます。
●この季節が、家族や愛する人と過ごせない兵士や家族にとって、いかに辛い時期であるかは分かっています。部隊の犠牲があってこそ、米国民が安全にこの季節を祝うことが出来るのです。

1776年12月25日、ジョージ・ワシントン将軍は凍てつくデラウエア河を渡り、英軍及び独軍に勝利し、自由にむけた苦しい戦いに希望を与えました。
●そして、この著名な渡河作戦の約1年後、ニューヨークのサラトガで新大陸の議会は苦しかった戦いの勝利を祝い、国家の「感謝祭」とすることを宣言できました。

●200年以上が経過した今現在でも、絶える事なき自由を実現している米軍兵士の努力とたくましさには感謝しかありません。
●もちろん、何事も兵士から離れた家族の苦痛をいやすことは出来ませんが、兵士の滅私の姿勢と米国の安全への関与に対し、米国民が感謝していることが兵士にとってせめてもの慰めとなればと考えています。

gatesFP.jpg我が祖国を守る兵士諸君、君たちの働きに感謝し、君たちが無事帰還できるよう祈る。祖国防衛のために愛する人を捧げてくれているご家族へ、皆さんの犠牲と支援に感謝します。

●May God forever protect and bless you, your families, and our nation.

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「4年間・個人的な責任を感じている」 [ゲーツ前国防長官]

gatesAFG3.jpgオマーン沖の空母リンカーンで一晩ゆっくり過ごしたのかと思いきや、翌7日、ゲーツ長官はアフガニスタンの最前線部隊を2カ所訪れ、更にカブールでペトレイアス司令官等と情勢について議論した模様です。

アフガン東部の前線拠点を訪れたゲーツ長官は、特に最近6人の仲間を同時に失った小隊員と話す時間を設け、その苦しみの共有に努めました。
また2カ所それぞれで兵士を集め、この季節に故郷を遠く離れた最前線で困難の中を奮闘する兵士に感謝を述べ、併せてそれぞれの家族の払っている犠牲に対し感謝する旨を伝えるようお願いしています

そして最後に、自らを戒めるように・・・
●どうしても言わねばならないことがある。私は、君たちをこの場所に送ることを命令する書類に署名する男であり、4年間もそれを続けている。そして私の一番の任務は、君たちが仕事をして任務を果たすに必要な物を君たちに届け、そして安全に故郷に送り届けることだと考えている
私が君たちを派遣して以来、君たち一人一人全員に対し個人的な責任を感じている。私自身、君たちが想像する以上に、君たちの犠牲、苦難、喪失を感じている。君たちが君たちのなすべき事を行っていることが、私をして私の仕事に取り組ませるのである。君たちに感謝をしたい。
gatesAFG.jpggatesAFG2.jpg







ご参考まで:原文
I guess the last thing I'd tell you is that I'm actually the guy that signs the orders and sends you over here. I've been doing it now for four years. I consider it my highest priority to get you what you need to do the job to complete your mission and to come home safely.

I feel a personal responsibility for each and every one of you since I sent you here. I feel the sacrifice and hardship and losses more than you'll ever imagine. You doing what you do – is what keeps me doing what I do. I just want to thank you and tell you how much I love you.
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PearlHarbor.jpg
おまけ
12月7日にワシントンで真珠湾攻撃犠牲者慰霊祭が行われています。
海軍副参謀総長が慰霊碑に献花しています。

米軍事サイトが真珠湾攻撃の写真スライドを公開しています。歴史を振り返る一助として
          ↓
http://www.military.com/slideshows/pearlharbor.htm?wh=wh_lead

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空母リンカーンでNKとDADTを [ゲーツ前国防長官]

gatesLincoln.jpg6日、オマーン沖の空母リンカーンに到着したゲーツ国防長官は、甲板下の格納庫に溢れんばかりの空母勤務員を前に、「遠く家族や恋人から離れ、自身や家族を犠牲にしながら祖国の安全のために昼夜を分かたず勤務する君たちに、有り難うの言葉を贈りたい」と述べ、クリスマス休暇を故郷で過ごせない海軍兵士の労をねぎらいました。
また「空母から飛び立った航空機の爆音を聞くとき、我が地上軍は安らぎを覚え、敵は次に何が起こるかを恐れる」とその働きを称え、「全国民が君たちの安全と任務の成功を祈っている」と激励しました。国防省HP記事から

そしてスピーチだけで終わらずに、兵士からの質問に対応しました。

質問:朝鮮半島情勢の見込みについて
gatesLincoln4.jpg答え:
●空母リンカーンが極東に展開する可能性は少ない。私は、北朝鮮による挑発行為は北朝鮮における権力委譲の一部だと見ている。金正日が息子の為に準備しているのだ
●韓国海軍艦艇への攻撃、新たな核濃縮施設の発覚、そして今回の砲撃事案は、北朝鮮国民と特に軍部に対し、息子が権力を引き継ぐに相応しいタフで力強いリーダーである事を示すために仕組まれたモノと思われる。
●とても難しく潜在的に危険な時期にあると考えられる。北朝鮮は挑発的行動により驚かせ、そして自分から交渉の席に戻ってくるだろう。同じ事の繰り返しだ。
●我々は中国や周辺国と、より安定的な状態や北朝鮮の見通しが安定したモノに出来るのかを見極めることになる

質問:同性愛者への「言わない、聞かない(DADT)」施策の撤廃の見通し
gatesLincoln5.jpg答え:
●会期を2週間あまりとした今の議会が、今会期中に「言わない、聞かない」施策の撤廃を決定できるかについてそれほど楽観的ではない。しかし、議会の手によってそうして欲しいと願っている。
私が最も恐れるのは、裁判所によって現在のDADTが反故にされ、施策変更への教育やその他諸々の準備時間無しにこのような影響の大きい変更を強いられることである。
●先日各軍種の長が上院の軍事委員会で述べたように、いずれにせよDADTの撤廃は訪れるだろう。しかし部隊が大きなストレスを抱えている戦時に行うべきではないと考えている。議会もその方向にあると思っている。
●仮に議会がDADTを変更すれば、私は各軍にのリーダーに十分な準備時間を与えたいと思う。
////////////////////////////
ゲーツ長官はその夜一晩を空母内で過ごしたそうです(本当かな・の疑問はあれども・・)

北朝鮮に関するゲーツ長官の発言はいつもストレートです。プレス等を意識していないのか・・・あえて隠さず発言しているのか・・・。

obamaAFG.jpg3日、アフガンのバグラム飛行場をサプライズで訪問したオバマ大統領は、第101空挺師団を中心とした約3500人の兵士に対しねぎらいの言葉をかけていますが、さすがに質問は受けず、握手の時間を多めに取ったとのことでした。
あまり話題にしても仕方がないことなのですが・・・どうして今の時期に・・・の疑問は消えませんね。。。

おまけ
「他国はなぜ米国と付き合うか」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-12-02
gatesLincoln6.jpggatesLincoln3.jpg
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ゲーツ長官がイランとの仲介依頼? [ゲーツ前国防長官]

OmanSultan.jpg5日、2008年4月以来初めてオマーンを訪れたゲーツ国防長官は、40年にわたって同国を統治しているサイード国王(写真)及び国防を担当するアル・ブサイビ大臣と会談しました。
サイード国王は、イランに対する警戒感を持つ湾岸諸国とイランとの関係を、外交的に解決しようと精力的に活動している点で注目されており、同地域で洞察力ある指導者と見なされています

ゲーツ長官に同行した国防省幹部も・・・
OmanSultan2.jpg●我々がサイード国王との関係を重視している一つの理由は、同国王が地域における誠実な仲介役であり、全てのグループから敬意をもたれているからである。
●無論、我々は他者に自身の外交をゆだねることはないが、サイード国王がイランとの生産的な関係をある程度維持していることは、価値ある意義深いことだと考えている。
●会談では多様な事項が話題に上るが、イランが話題にならなかったら、それは驚きを持って受け止められるであろう。スルタンはアフガニスタンの状況や今後の見込みについて興味を示すだろう。

その他オマーンでは、ゲーツ長官は初めて洋上活動中の空母を訪問します。

現在は空母リンカーンがアフガン作戦用にアラビア海で活動中。空母艦載機はアフガン作戦の固定翼機の1/3を占めています。
ゲーツ長官は、約5千人が乗艦する空母にほぼ24時間滞在して空母の運用を視察し、各種グループと会談や懇談を行い、更に勲章授与式も行う予定です。
///////////////////////////////////////

外務省HPでオマーンについて調べてみると・・・

●オマーンは人口約290万人で、内3割の約90万人が外国人
●非同盟中立、善隣外交を国是とし、GCC諸国との関係強化をはかり、特にイランとGCCの関係改善にも尽力している点で注目されている。

Oman.JPG1971年に鎖国政策の転換を図り、国連加盟(1971年)。その後、石油収入を基盤とした経済建設、かつての反体制派からの人材登用による国内宥和を推進。
●国王は絶対君主制を維持しつつも、諮問議会設置や毎年の地方巡幸を通じて民心の掌握に努め、その政権の基盤は安定。
●2008年4月現在、閣僚級ポストに4名の女性が就任し、また、国家評議会(勅撰)に14名の女性が議席を得ている

石油や天然ガスの埋蔵量はそれほど無いが、生産量を管理し、その収入を国内産業の育成にも振り向ける等、湾岸諸国の中にあっては堅実な施策を推進している。
主要産業は、石油関連業、農漁業、観光業。なお輸出輸入とも日本が相手先の第2位である。(一位は輸出が中国、輸入はサウジ)

原油確認埋蔵量56億バーレル、可採年数18.9年
天然ガス確認埋蔵量0.98兆立方メートル、可採年数39.6年

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「他国はなぜ米国と付き合うか」 [ゲーツ前国防長官]

gatesdadt3.jpg11月30日に行われた記者会見で、記者からの「wikileaksによる外交電報の漏洩公開が、外国との情報共有に影響があるか」との質問に、ゲーツ国防長官が以下のように答えています
長い回答の一部分ですが、CIA叩き上げの職員そしてCIA長官として、また国防長官として、国益を賭けて外国と接してきた男の冷徹な「眼」がそこに感じられるのでご紹介します。記者会見のトランスクリプトは昨日と同じですが・・・

ゲーツ長官はまず、国防省として情報漏洩がこれ以上起こらないように様々な対策を実施し、更に情報管理の強化に今後も努力すると述べた後で・・・・・

1970年代に、外国との情報交換で得た情報を米議会に提供することになれば、漏洩を恐れた諸外国が米国との情報交換を停止するのでは、との懸念が広く米国内にあった。しかしそれは間違った考えであったことが後に明らかになっている。米国との情報交換を停止した国はなかったのである

gatesDADT.jpg●現実はこうである。米国と関係を持つ国は、その国の国益のためにそうしているのであって、米国が好きだからではなく、米国を信用しているからでもなく、また米国が秘密を守ってくれると信じているからでもない
●いくつかの国は米国を恐れるが故に米国と関係を持っている。またいくつかの国は米国を尊敬しているからかも知れない。しかし大部分の国は米国が必要だから米国との関係を維持しているのだ
●我が米国は依然として、これまでもそういわれてきたように、欠くことが出来ない国家なのである

●故に、他国は今後も米国との関係を続けるだろるし、共に仕事に取り組むだろう。我々は我々で、今後も他国と機微な情報の交換を続けていくだろう。
////////////////////////////////

wikileaksによる漏洩は大問題で、決して無視は出来ません。米国は社会が危ない状況なのかも知れません。これに関してはブログ「国際情報センター」をご覧下さい
→ http://blogs.yahoo.co.jp/kokusaijoho_center/36604484.html

一方で・・・
「国際関係論」や「安全保障論」の教科書を書くなら、紹介したゲーツ長官の言葉を冒頭で引用したいモノです。そのくらい冷徹な真実で有りながら、日本のプレスが言わない事実だと思います。

また、当たり前のことですが、上記の内容を発言しても問題にならないところが、国家やプレスの成熟度を示しています。また同時に、ゲーツ国防長官への信頼感の表れとHolylandは考えます。
/////////////////////////////////

おまけです。
同記者会見で、「今回の情報漏洩が公になる前に、どこかの国へ事前に知らせたりお詫びをしたか?」との記者の質問に対し、

ゲーツ長官は「何もしていない」
マレン議長「私は連絡した。(どこへ?)パキスタンのカヤニ大将(軍のトップ)へである」

この辺りにも、米国が今どこに気を遣っているのかが現れています。

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同性愛者の米軍取り扱い変更問題 [ゲーツ前国防長官]

gatesDADT.jpg30日、ゲーツ国防長官とマレン統合参謀本部議長、並びに同性愛者の「言わない、聞かない政策(DADT)」の変更に伴う問題等を調査してきた調査委員会の2名が記者会見を行い、現在の「言わない、聞かない」政策変更により短期的な混乱はあるが、長期的には軍は政策変更のインパクトをハンドリングできる、と述べました同時に、必要な準備や施策の検討を十分行う必要があると強調しています。

Holylandは、ゲーツ長官やマレン議長がオバマ大統領の同性愛者の公開受け入れ方針を個人的に支持しているとは思いません。恐らく反対なのでしょう・・・。でも、そんな中でも兵士のことを考えて必要な意見を言い、議論し、しかし最後に大統領がその方針ならば粛々と従う・・・そんな姿勢と意見の述べ方を学びたいと考えています。

記者会見概要会見トランスクリプト

記者会見でゲーツ長官は
●この種の権利は、我々が最も尊重しなければ権利であろう。
●今米国軍は2つの大規模な紛争を戦っており、兵士や家族に大きな負担が掛かっている。私がほぼ4年前に国防長官に就任して以来、前線で戦う兵士とその家族の幸福が私が決断を下す上での第一の基準である。そして本件についても同様である。(DADT撤廃は)軍隊の能力に重大なリスクを与えないような方法で実施すべきであり、それは可能と考える。

もしDADTが撤廃されるなら、兵士の士気や団結、そして部隊の戦闘力への影響を最低限に抑える配慮の上で実施されるべきである、との結論を私は得た。私の見る限り、DADT撤廃に伴う部隊の懸念は乗り越えられないほどのモノではない。
●ただし、最前線で戦い兵士の能力発揮に危険で破滅的な結果を招かないように、十分に準備された豊富な施策が欠かせないと調査結果は示している

gatesDADT2.jpg●私は調査委員会に、DADT撤廃についての投票を行うのではなく、如何に変更をうまく行うかのアイデアを募るよう要望した。DADT撤廃に備えるには、兵士や家族の意見に耳を傾け、対処すべき問題や課題を明らかにしなければならないと考えたからだ。
調査の結果、軍の2/3以上が、同性愛者がオープンに勤務することに反対しないと回答している。そして大部分が短期的な混乱を予期しつつも、長期的には対応しうるとの印象を持っている。
陸軍と海兵隊の戦闘職種や海軍と空軍の特殊部隊の中に、DADT撤廃に大きな反対意見があることを調査結果が示しており、私と4軍の長はこの結果に依然として懸念と心配を抱いている。

●DADT撤廃により、異性間の夫婦や男女関係を規定してきた各種規則や福利厚生施策、例えば住宅供与などの扱いがどのように適応されるのかが大きな懸念になっているが、これについては現行の規則を適用を基本とすることで運用可能との調査結果を得ている。同性愛者に対しても、異性愛者と同様の扱いがなされなければならない。
もちろんいくつかの規則変更は必要であり、また重要なのは本件に関する教育と各指揮官のリーダーシップである。

●私は議会に対し、DADT撤廃が実行される前に、行政府や軍に対し、軍の有効性を損なうこと無しにDADT撤廃が出来ることを証明するように求めるよう要望する(議会が国防省と軍に対し、準備をする時間を正式に与えることを指すモノと推測)。今求められているのは、政策変更に対する十分な準備と熟慮された政策実行である。
●調査委員会がロードマップを示したように、軍には教育訓練と指揮官の意識改革のために十分な時間と準備を与え、DADT撤廃を実行する必要がある。

マレン議長はゲーツ長官に補足し
●調査委員会は賛成反対様々な兵士とその家族から意見を聴取した。その中には現役の同性愛者も含まれている。
●もし変更が行われても、我々は前進を続けなければならないし、兵士とその家族は国防長官や私にそれを望んでいる。米国民も同様だろう。
●これは紛れもなく、複雑で社会的で文化的な課題である。しかし我々は最終的に、国民の代表者が決めた命令に従う義務を負っている。//////////////////////////////////

いつか日本でもこの問題を議論すべき時が来るのでしょうか・・・。大変な世の中になりました。動物の世界にも同性愛ってあるんでしょうか・・・。

(おまけ)
「Wikileals」に外交公電が漏洩掲載された件についてのゲーツ長官の発言
「困ったことかと問われれば、イエスだ。不手際なことかと問われれば、イエスだ。しかし米国の国益への影響を問われれば、それほどでもない(fairly modest)と私は答える

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