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さよならゲーツ長官特設ページ [ゲーツ前国防長官]

bkg2.jpg24日、米国防省webサイトに「さよならゲーツ長官の足跡」なる特設ページが解説されました・・・30日までの1週間あまりの開設でしょうが、在任間4年半を振り返る4つの記事と40枚ほどの写真がスライドショーで公開されています。

いきなりの猛暑に襲われた都内から帰宅し、一缶108円の焼酎ハイボールをぐいと口に含み、家電量販店のうちわで涼を取りつつ写真を眺め、一つ目の記事をクリックして目を記事に落とすと・・・

海外ツアーの最後にアフガニスタンを選んだゲーツ長官は、3日間の滞在の最後もいつものように現場の兵士の前にたち、彼らの働きに感謝する言葉を述べはじめた・・・
●「最前線で戦闘服に身を包んで我が国の安全確保のために頑張ってくれている諸君や本国で我慢してくれているみんなの家族に感謝する。大統領以外では、君たちをこの地に送り込むよう命じた書類に署名するのはこの私だけであり、その責任を忘れたことはない・・・」

afuganlast2.jpg●ここまで語り始めた長官は、こみ上げてくるモノを抑えられずマイクから一端席を外した。集まった第4歩兵師団の兵士は皆立ち上がり、しばらく拍手が鳴り止まなかった。長官はその後兵士の中に入り、溢れる涙を隠すこと無く、いつものように記念のコインを手渡し写真撮影にも応じた
●ゲーツ長官は最近語ってくれた。「この仕事に関し残したいモノがあるとしたら、それは・・現場を守る若者達のことをいつも考え、何かを成そうとする人達が常に存在することをその若者達に知って置いてほしい・・」(もう既にtakaraの焼酎ハイボールがしょっぱくなってきました・・)

3つ目の記事に目を落とすと・・
●私は大きなホールに兵士を集め、彼らをステージの上に飾りのように配置し、兵士を背景に(写真映りを気にしながら)話をすることだけは避けてきた
●また、そのような姿を見ることがつらかった(nervous)。そのようにされたら彼らは言いたいことが言えないだろし、質問も出来ない。
●前線で大勢の兵士を集めること避けたかった・・・。そんなことをしたら私が到着するまでに彼らは長時間待たされるだろうし・・休息や睡眠時間が減るだけだ
(汗と涙が混じって・・ティッシュが必要に・・・)

記事の続きは鼻水をすすりながら・・・
afuganlast.jpg前線を訪れた際は、なるべく一般兵士とランチテーブルを囲み、指揮官の同席が無い場所で直に話を聞くことを楽しみにしていた。完全なオフレコを約束して・・・。
●そこで耳にすることは、ペンタゴンで決してブリーフィングされないことが多かった。兵士の戦闘服がアフガンの土壁をよじ登るとすぐ破れてしまい、特に冬は寒さが身にしみるとか、若年兵士が結婚している場合、奥さんが本国でけがをしても多くが軍医療保険に入っていないことから軍病院に行かないことなど等々・・・

●記者の皆さんから良く質問されたが、本当の話として、数多くそのような場を持ったが、一度として彼らの口から直属上司や指揮官の悪口を聞くことはなかった私は誰に接するよりも率直に話をしたし、彼らを信じていたからそうしたまでである。

本ブログのゲーツ長官記事ばかりを集めたマイカテゴリー←ここクリック
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Dr.Gates.jpgここでまた特設ページの回顧写真ビューに戻り、焼酎ハイボール(プリン体ゼロ)を流し込みながら窓の外に目をやり・・・(遠目涙涙・・・)
自分の純粋さ・ウブさに感心しながらも・・・昔中高生の頃、熱血青春ドラマを見て流した涙を思いだし恥ずかしくなる・・。
(写真左は使用前のゲーツ博士です)
こんな週末がいつか訪れるとは判っておりましたが・・・さみしいですね・・・焼酎ハイボール2本で出来上がって寝るしかないですね。


ちなみに・・兵士をステージの飾りにするとはこんな感じ↓↓↓
Stageprops2.jpgStageprops.jpg
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2+2は震災モラトリアム [ゲーツ前国防長官]

2p2big.jpg21日、ワシントンで2007年以来となる日米安全保障協議委員会(「2+2」)が開催され、共同発表のほか、在日米軍再編、震災対処、駐留米軍経費にかかわる文書が発表されています。
読売新聞が「震災モラトリアム」との言葉を使って「2+2」を論評していますが、「震災で今大変ですから、米国さん少し時間的余裕を下さい」との日本側の基本的スタンスを反映したものとなっているようです。そんなところなのでしょう。

上の写真は米国防省HPのトップページに掲載された2+2関連の写真ですが、2国間関係に関する写真で、これほど不機嫌なゲーツ長官の写真が掲載されるのを見たことがありません。憮然とした表情・・とはこんな表情なのでしょう。クリントン国務長官は少しは外交向けの表情ですが・・・。

共同文書の最後のフレーズに・・・「閣僚は,日米同盟がかつてないほど重要であり,また,かつてないほど重要な課題に直面していることを認識した」との一文が含まれていますが、正にその通りでしょう。モラトリアムがいつまで通用するか・・・パネッタ次期長官はクリントン政権時、情け容赦のない「コストカッター」であり、政策推進者であったようですから・・・。
共同文書の興味ある部分を過去記事と絡めてご紹介します

☆共通の目標
2p2us2.jpg脅威認識
「安全保障環境によってもたらされる課題に継続して取り組む必要性を認識した。これには,地域における軍事能力及び活動の拡大,北朝鮮の核・ミサイル計画及び挑発的行動,非伝統的な安全保障上の懸念の顕在化並びに宇宙,公海及びサイバー空間などに対するその他の変化する脅威が含まれる」
周辺国との関係の共通目標
「豪州及び韓国の双方のそれぞれとの間で,三か国間の安全保障及び防衛協力を強化する。」
日本,米国及び中国の間の信頼関係を構築しつつ,地域の安定及び繁栄における中国の責任ある建設的な役割,グローバルな課題における中国の協力並びに中国による国際的な行動規範の遵守を促す」
「(アジア諸国と)開放的かつ多層的な地域のネットワーク及びルール作りのメカニズムを通じた効果的な協力を促進する。」
サイバーとResiliency(抗たん性)向上の共通目標
「我々が利益を共有する宇宙及びサイバー空間の保護並びにそれらへのアクセスに関する日米の協力を維持する。情報及び宇宙のシステムの安全を含む,死活的に重要なインフラの抗堪性を促進する」

「米国の姿勢シャングリラ」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-06-01
「フロノイのアジア政策授業」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-04-30
「中国の南シナ海進出を如何に防ぐか」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-02-07

☆日米同盟の強化
2p2.jpg米国の日米同盟への姿勢
QDRにあるコミットメントを再確認し,また,核技術及び戦域弾道ミサイルの拡散,アクセス拒否/エリア拒否能力並びに宇宙,公海及びサイバー空間などに対するその他の変化する脅威といった課題に対処するよう地域の防衛態勢を適合させる意図を確認した。」
抑止及び緊急対処の強化
「共同訓練・演習を拡大し,施設の共同使用を更に検討し,情報共有や共同の情報収集・警戒監視・偵察(ISR)活動の拡大といった協力を促進することを決定」
SM-3ブロックⅡAの第三国への移転は,・・国際の平和及び安定に資する場合であって,かつ,当該第三国が更なる移転を防ぐための十分な政策を有しているときには,・・・認められ得る
「日米宇宙協議及び宇宙状況監視,測位衛星システム,宇宙を利用した海洋監視,デュアルユースのセンサーの活用といった諸分野におけるあり得べき将来の協力」
サイバー空間における増大する脅威によってもたらされる課題に日本及び米国が立ち向かうための新たな方法について協議することを決意」

「地域の人道支援・災害救援分野の後方支援の拠点を日本に設置することの重要性につき一致」
「先進諸国が国際共同開発・生産を通じて,装備品の高性能化を実現しつつ,コストの高騰に対応している中,日本政府はそのような流れに対応するために現在行っている検討を促進」
情報保全についての日米協議で議論されてきたとおり,政府横断的なセキュリティ・クリアランスの導入やカウンター・インテリジェンスに関する措置の向上を含む,情報保全制度の更なる改善」

「QDRから日本は何を読む」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-02-07
「2QDRから日本は何を読む」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-04-01-1
「新防衛大綱とAir-Sea Battle」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-12-19

「CSBA中国対処構想」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-05-18

「米が共同開発の方針転換へ」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-04-22  
「武器輸出管理システム改善」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-03-09

「前サイバーと宇宙演習の教訓」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-02-01
「後サイバーと宇宙演習の教訓」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-02-02
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2+2gatesface.jpgまんぐーすがプレスの皆様に申し上げたいのは、今回の2+2に関し、在日米軍基地の再編(普天間移設)は「刺身のツマ」ぐらいの意味合いしか持っていないと言うことです。つまり刺身はISRであり、サイバーや宇宙であり、初耳ですが「人道支援・災害救援分野の後方支援の拠点設置」であり、武器輸出3原則にアリの一穴であり、アジアのネットワーク作りであり、アクセス拒否対応等々なのだと言うことです。(写真左はトップページ非掲載の写真。まだまし

先日読売の小川聡ワシントン特派員がRAND研究所の「中国は沖縄を先制攻撃」レポートを紹介してくれましたが、その辺りを突っ込んで本ブログも見ていただいて、正しい知識を日本国民に提供願いたいものです。

これはまだ禁句かも知れませんが、東日本大震災は神様が日本に与えた「最後のモラトリアム」かも知れませんね・・・対米関係しかり、社会の雰囲気一変しかり、節電しかり、日本人を見直すしかり、航空自衛隊松島でF-2大量喪失(操縦者の損失なく)、陸上自衛隊の最後のご奉公(恐らく、これだけ実戦的な任務の後、埋めがたい空虚感がこの組織を包むと思います)

それにしてもゲーツ長官の顔が怖い! 漏れ聞こえてくる米側担当者の言葉も辛辣!
追加、それにしてもシンガポールとの間でも取り決めが出来た「人道支援・災害救援分野の後方支援の拠点を日本に設置」とは何でしょうね・・・震災の時は空母も助けてくれましたからね・・
「米国の姿勢シャングリラ」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-06-01

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アフガン撤収計画発表を受けて [ゲーツ前国防長官]

afgancerelast.jpg22日、オバマ米大統領が発表した、本年末までに1万人、2012年9月までに3.3万人のアフガニスタン駐留米軍を撤退させる計画は、低迷する経済を背景に厭戦ムードが広がる米世論に配慮し、アフガンの治安より12年11月の大統領選を視野に国内世論を重視した内容・・・との下馬評です。

オバマ政権はこれまでバイデン副大統領らを中心とする早期の大規模撤退を主張するグループと、治安維持への懸念から初期の撤退を最小限に抑えたいゲーツ国防長官や米軍高官に分かれ、つばぜり合いを演じていたと伝えられているところ、ゲーツ長官の退任もこの辺りが背景にありそうです。

ゲーツ長官は、大統領の発表を受け、短いコメントを発表しています。

Over the past 18 months our troops have made tremendous progress degrading the capability of the Taliban while enhancing the Afghan security forces. It is critical that we continue to aggressively prosecute that strategy. I support the President’s decision because it provides our commanders with enough resources, time and, perhaps most importantly, flexibility to bring the surge to a successful conclusion.

finalpress2.jpg過去18ヶ月にわたり、我々はタリバンの能力を減殺させることに多大な成果を収め、アフガン治安機関の能力育成を加速させた。今後ともこの戦略をどん欲に継続追求することが極めて重要である。

私は大統領の決断を支持する。なぜならそれは、各指揮官に十分な資源と時間、そして恐らく最も重要な、成功に満ちた結末に導く柔軟性を備えているからである。
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parademari2.jpg短いコメントだけに意味深です。
ゲーツ長官が肖像画を掲げるマーシャル将軍(戦後復興のマーシャルプランでお馴染みのマーシャル国務長官でもある)の姿勢に習い、上司の指示には、率直な意見は述べるが、決断には粛々と従う・・・との美学の追究でしょうか。
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法遵守とアルカイダとの決別が条件 [ゲーツ前国防長官]

号外情報です! 21日米議会上院は、次期国防長官候補であるパネッタCIA長官を、全会一致で承認しました。
全会一致はなかなか無いようです。

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parademari.jpg19日、ゲーツ国防長官は米テレビ局の週末政治番組に相次いで出演し、アフガンとの和解交渉やリビア戦略等々について語りました。
そして夕刻には、なぜか不明ですが海兵隊の観閲式に出席しています。もう離任行事が始まっているのでしょうか・・・夕暮れ時だけに寂しさ倍増です・・・。

タリバンとの和解交渉についてCNN: State of the Union
数週間前から、米国と多国籍軍国の外交官が、タリバンとの準備交渉を行っている。しかし私は、交渉が実質的なものになるとしてもこの冬ぐらいからであろう。
●真剣な交渉を行いたいのであれば、タリバンは彼らが圧力下に置かれ、もう勝利できないことを悟らなければならない。そして、アルカイダとの決別、及びアフガン憲法を遵守することが和解の前提条件となる。
●過去18ヶ月間に、多国籍軍は、かつてタリバンが拠点としていたカンダハルやヘルマンド州周辺から彼らを追い出すなど、着実に成果を収めている。

米国内の厭戦気分に関し
●米国民が戦争に嫌気がさしている事は承知している。しかし真実として知っておいて欲しいのは、米国がアフガンに本格的に関与を始めたのは2008年になってからで、それ以前は限定的な資源しか投入していない。
●また所用の戦力がそろったのは、やっと2010年の夏以降である。2001-02年の初期の作戦終了後、米国はイラクに集中し、実質的にアフガンを何年も無視していた。フルスケールでアフガンに関与したのは昨年夏以降なのである。

parademari3.jpg戦争経費や負担を懸念する声があるのは承知している。しかし、安全保障に失敗したときのコストはどれほどになると思うか尋ねてみたい1982年以降アフガンを放置したが為、911事案以降どれほどの資源を投入しなければならなかったか、を思い返して欲しい。
●45年にわたる公務の経験から言えるのは、国の健全な外交と安全保障が維持されたのは、2大政党の協力態勢が維持された期間である点である。基本的な国家安全保障に関する考え方が共有されていたときにのみ成功が約束されていた。
●9人の大統領と冷戦を通じて、主要な外交や安保問題が、一人の大統領だけで解決した事などなかった。ゆえに、超党派の協力が一定期間継続しないと、失敗のリスクが高まるのである。

リビア作戦についてFox News Sunday
●対リビア作戦が開始した時点で、米軍はイラクに5万人、アフガンに10万人、災害対処のため日本に2.5万人を展開していた。
●この状況で大統領が決断し、同盟国等と交わした合意では、作戦初動で米軍は強く作戦に加わるが、飛行禁止空域を設定した後はNATOに主導権を渡し、米国は支援任務を行う事になっており、大統領はこの方針に厳格に沿っている。
●米軍は極めて限定された物理的攻撃任務を遂行しているのみで、カダフィー宮殿にいても戦争状態にあると感じるのは難しい程度である。
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parademari2.jpgタリバンとの交渉が実際どれほどのものかは不明ですが、交渉に臨む際の鉄則として、強い態度を示し、相手に隙を与えないのが鉄則でしょう。
リビアもなんか先が見えなくなってきましたし・・・ギリシャ、ポルトガル、スペイン等の経済問題も泥沼兆候ですし、西側諸国は暗い話題ばっかりですね・・・

そういえば中国もインフレ加速、特に食料品のインフレが10%以上で暴動やデモが頻発しているようですし、震災対処もまだまだですが、世界を見渡して方向を見定めないといけませんね・・・。

軍事力のあり方・適用法
「軍事と外交が一丸となって」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-02-03
「軍事力使用の3原則」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-03-07
「米外交の軍事化を警告」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-06-15-1

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後半:ゲーツ長官最後のインタビュー [ゲーツ前国防長官]

gatesKansas.jpg12日付「DefenseNews」が掲載のゲーツ長官へのインタビューご紹介の後半です。本ブログでご紹介してきたゲーツ長官の主張が、新たな事例を含めて述べられており、非常に興味深いですし、参考になります。
今日の後半は、「35兆円削減要求への対応」と「調達装備品開発改革の処方箋」についてです。

概要をまんぐーす的意訳でご紹介します。是非原文をご覧になって、プレス対応の巧みさもあわせてお楽しみ下さい。ゲーツ長官はプレスにとっても評判が良いのです。

更なる35兆円の予算削減要求には?
●4月13日の大統領による更なる35兆円の安全保障費削減宣言は驚きだった。しかし、50兆円案もあったことを思えばましな方かも知れない。
私は、議会や国民や大統領に、これこれのメニューがあり、それぞれに伴うリスクはこれこれだと示し、その上で熟慮の上判断してもらいたい。みんながリスクを理解して共有しなければならない

finalpress2.jpg●これへの対応には4つの対応項目がある一つ目はこれまでの効率背追求の継続。二つ目は必要性や重要度が低い(marginal)任務や能力の削減であり、これには複数の軍種間に重複して存在する装備も含まれる。
●陸軍と空軍に重複する高等無人機などは、これ以前の業務管理の問題である。難しいのはは、どの分野が経費を削減してよいmarginalな分野か見極めることである。しかしこれら2つでは到底大統領の額には到達しない

三つ目は政治的に最も難しい分野である。医療費、保障費、退役後の給付等であり、リタイア後の件は最も悩ましい。20年間勤務し、いよいよ脂がのっている中佐クラスがリタイアした際の手当を厚くすると、それまでの投資が無駄になるし等々、退役軍人団体との関係もある。
医療保険については負担を増やす件であるがこれも一筋縄ではない。(この第3分野はまんぐーすに基礎知識がなく正確かどうか不明。これ以上説明できません)

4つ目は、我々の戦略に関わる困難が伴う。どの部分でリスクを甘受し、戦力構成を削減するかの問題である。陸軍の戦闘旅団か、空軍の航空団か、艦艇数か・・等の課題である。全分野に渡る一律Xパーセントの削減は、部隊や装備があっても訓練不足や整備不足や弾薬不足を招き、部隊に破滅的結果をもたらす。70年代や90年代と同じになる。

将来を無視との批判には?
gatesSING.jpg●(あなたは米軍幹部を「次の戦争狂」と非難しているが)私が着任後最初の2年間、今現在の戦いに注目するものはおらず、将来の戦いにのみ投資していた。
最初の2年間でみんなの意識を変え、アフガン等の今の戦いに少しずつ目が向いてきた。それでも今現在の戦いへの投資は10%程度である。
40%はC-17のように今と将来の両方への投資であり、残りの50%は全て将来への投資である。今の戦いへの投資を強調した時期があったが、それだけを実施しているのではない。バランスのとれた投資の必要性を訴えたのだ。

調達や装備開発の処方箋は?
調達分野の統合が不十分。海兵隊と陸軍が無人機の分野で協力関係にあり、他にも例が有るが、例えば空軍が要求していて私が09年に切った新型捜索救助ヘリがある。
パイロットが撃墜されたのはもうだいぶ前のことだ。今や重要なのは医療救出搬送(medevac)である。昨年アフガンで9700ケースの対応をしているのに、なぜ空軍の捜索救助のためだけに新型ヘリが必要なのだ。

gatesarmyBD3.jpg●(国防省に経費や無駄管理責任者chief management officerが必要では?)この点では議会や民間部門が進んでいると思う。国防省の多くの組織や付属機関が勝手にやっていることを、一括してチェックする番犬が必要である。
●装備品の開発や価格については2点が重要。まず、特別なものは除き、もっと既存の実証済みの技術に焦点を当てることがコスト膨張防止に必要。更に開発途中で新たな要求や機能等を付加しないことが重要。この点に関しては、要求側も企業側も節度を持つ必要がある。

●(軍需産業基盤の維持問題について)例えばC-17の生産を止めると軍需産業基盤が失われるとの話か?今やどれだけの人が巨大な民航機を製造していると思うか? もちろん特別な造船所のように、民間需要がない真に心配な部門もあるが、どこが危機的状況にあるかを良く見極める必要がある。
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このブログは、オバマ政権誕生直後の2009年4月末からスタートしたため、ゲーツ長官任期の最初の2年間をカバーできていません。そこにも戦いがあったんでですねぇ・・・
2回にわたってご紹介しましたが、おそらく世界の軍事組織が共通に抱える問題を集約したような中身でした。
繰り返し、反芻して味わいましょう

経費縮減関連
「政治家よ目をそらすな議論を」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-05-26
「4段階で経費削減に臨む」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-05-20
「更なる予算削減に備えて」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-04-23
「オバマ35兆円削減宣言」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-05-05

「14兆円精査案で政府議会と」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-01-07
「兵士と将来に9兆円捻出」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-06-29
「国防省コストカット」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-06-30-1

「Transformerゲーツ長官」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-08-17-1
「ゲーツの取得開発改革指針」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-09-15-1
「ゲーツ改革のまとめ」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-06-17

「ゲーツ長官が議会にも宣戦布告」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-05-09
「アイゼンハワーライブラリ演説」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-05-11

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前半:ゲーツ長官最後のインタビュー [ゲーツ前国防長官]

gatesSING.jpg12日付「DefenseNews」が、ゲーツ長官へのインタビュー(長いです)を掲載しています。いつ実施されたものかが不明ですが、延々と本ブログでご紹介してきたゲーツ長官の主張が、新たな事例を含めて述べられており、非常に興味深いですし、参考になります。前後半の2回に分けてご紹介します。

概要をまんぐーす的意訳でご紹介します。是非原文をご覧になって、プレス対応の巧みさもあわせてお楽しみ下さい。ゲーツ長官はプレスにとっても評判が良いのです。

着任時の意気込みは?
●私が国防長官に着任したとき、特段これと言って何かを変えようとは思っていなかった。ただイラクとアフガンの件は、2年間の任期に取り組まなければと考えていた。特にイラクに関してである。2年間では、国防省の文化や官僚組織を変える時間などないと思っていた
しかしその2年間で、私は私を困らせる国防省の仕組みを強烈に学ぶことになった。例えば、陸軍病院のイラク負傷者の扱い、装甲人員車両の件、医療緊急搬送の検討等である。

●調達システムに大きな問題があることを知った。10--20年以前に作成した要求性能のまま、今現在の現場を無視した装備が膨大な金をつぎ込んで調達されている状況を知らされたのである。

gatesKansas3.jpg●例えば陸軍のFuture Combat Systemsは完璧な例である。アフガン等で仕掛け爆弾で死傷する兵士が激増しているにもかかわらず、莫大な経費を投入したその車両は、そこが平らで装甲が薄く、仕掛け爆弾の被害を完全に無視していた。怒りを覚える価格は言うまでもなく
B-747にレーザー兵器を搭載し、弾道ミサイルの発射段階を70マイルの距離から撃墜しようとするシステムも悪い見本である。27機も要求されていたこの巨大な航空機は、敵の防空網が強化されつつあるのに、その任務が果たせると考えられていた。

オバマ政権で留任した後に変化?
●それでも当時は「私の後任の国防長官が対応する」と発言していたものだ。オバマ大統領に留任するように言われ、これらの問題の幾つかに取り組むことを決意した。
●最初2年間は、ラムズフェルド前長官が行っていた年2回の4軍参謀総長会議で種々の課題を議論していたが、以後定期的に各参謀総長に加え戦闘コマンド司令官も交え、予算、資源、諸計画について議論することにした。
●いろいろ言われるが、2年半の間の議論は一丸となって行われていた。参加者は皆、予算が厳しいことを認識しており、それなら自分たちの意見を生かした対応を考えたいとの思いがあったのだ。

gatessmile.jpg●国家の財政状況に鑑み、国防省として自発的に取り組む必要があり、私はこの18ヶ月間ほど種々の効率化策に取り組んできた。大統領にも説明してきたが、国防省は今後も毎年2-3%の実質予算の伸びが必要である。
●その伸びを確保するため、無駄部分を削って真に必要な部分に回す取り組みを国防省内で行った。4軍にとっては新鮮な取り組みであったようで、約14兆円の削減分野と約9兆円の再投資分野を明らかにできた。
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後半は、「35兆円削減要求への対応」と「調達装備品開発改革の処方箋」についてです。

経費縮減関連
「政治家よ目をそらすな議論を」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-05-26
「4段階で経費削減に臨む」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-05-20
「更なる予算削減に備えて」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-04-23
「オバマ35兆円削減宣言」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-05-05

「14兆円精査案で政府議会と」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-01-07
「兵士と将来に9兆円捻出」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-06-29
「国防省コストカット」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-06-30-1

「Transformerゲーツ長官」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-08-17-1
「ゲーツの取得開発改革指針」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-09-15-1
「ゲーツ改革のまとめ」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-06-17

「ゲーツ長官が議会にも宣戦布告」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-05-09
「アイゼンハワーライブラリ演説」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-05-11

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最後の記者会見でプレスを語る [ゲーツ前国防長官]

Q:ビンラディン死亡から、なぜ7週間もZawahiri選定までに必要だったのか? 内部紛争か?
A:洞窟の中で開票するには時間が必要なのでしょう(爆笑)

finalpress2.jpg16日、ゲーツ長官は最後の記者会見にマレン統合参謀本部議長とともに臨み、冒頭で自分を「クビにする」ことをまず発表しました(場内爆笑)。
そしてこの秋、海軍作戦部長のラヘッド大将が退役し、現在副作戦部長のグリーナート大将(Greenert)が後任候補として大統領に推薦されたことを明らかにしました。

本日の主題は
質疑に入る前のプレス団への一言挨拶です。

●質疑に入る前に、最後の記者会見に当たりプレス団の皆さんに一言ご挨拶を申し上げる。
●政府の主要な職を勤め、大きな大学の学長の経験もした私だが、このように定期的に「オンーレコ」の会見を持ったのは国防長官になってからが初めてである。

●就任した際、いつも複雑なペンタゴン、軍、プレスの関係を懸念していた。大部分が相互の疑念と怒りに満ちた関係であろうと・・・・。
●そこで私は、軍幹部に話す時、士官候補生から将軍まで、野心的で疑い深く謎の多いプレスは、それでも米国憲法が規定する報道の自由の保障人であり、決して敵として対応するなと言い聞かせてきた。

finalpress4.jpg●私は特に在任間初期に、プレスが国民への説明責任を果たし、官僚組織の至らぬ部分を暴露してくれたお陰で得るモノがあったことを感謝してる。Walter Reed病院での負傷兵対応の不手際、また地雷対応装甲車MRAPsへの反対抵抗意見である。
●私はこれらの重要な問題をメディアを通して初めて知ったが、私の最優先課題となり、初期の最大の意志決定事項となった。(写真は最後の質問者を指名したところ)

●過去4年半に渡り、私がプレスで目にするモノは、必ずしも私の好むモノではなかった。他の政府関係者がそうであったように。私はリークを最も嫌う。嫌気がさす。その意味で、プレスが国民に代わって番犬として伝え、私にとってはペンタゴンが教えてくれない問題を学ぶ手段であった。
●皆さんにとってペンタゴンは仕事がやりやすい場所ではなかったかもしれない。タイムリーで役に立つ情報を官僚組織から得ることはいつも困難を伴ったと思う。時に私だってそうだったから。
●皆さんのこれまでのプロ意識と厳しい質問とハードワークに感謝する。
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質疑では、いつものように、アルカイダ、パキスタン、リビア、シリア、35兆円削減等々の質問が飛び、冒頭の応対もありました。そう言えば「アフガンで勝利しつつあると言えるか?」との質問に「4年半で学んだのは、winningやlosingとの重い言葉を軽々に用いないことである」とのやりとりもありました。

finalpress3.jpg質疑応答の冒頭で、記者団代表が
記者団の代表し、長官が約束を守り、我々の前で4年半の間、定期的に会見してくださったことに感謝します
と述べています。

この緊張感と信頼感が大事なんでしょうね・・・。

ゲーツ長官の会見より
「他国はなぜ米国と付き合うか」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-12-02
「米外交の軍事化を警告」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-06-15-1

「兵士と将来に9兆円捻出」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-06-29
「国防省コストカット」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-06-30-1
「ゲーツの取得開発改革指針」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-09-15-1

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陸軍の将来のため(236歳の誕生日に) [ゲーツ前国防長官]

「長く退屈なオペラの最終シーンで、観客が早く死んで終わらせてくれと思っているテノール歌手が、再び立ち上がってもう一曲歌うようなものだが・・・」

gatesarmyBD2.jpg14日、陸軍の236歳を祝うセレモニーがペンタゴンの中庭で行われ、ゲーツ長官がケーキカットとお祝いのスピーチを行っています。冒頭のジョークは、NATO国防相会議でも使用したとご本人が供述されています。
先日の「D-DAY」記念日にあわせるように、ノルマンディー上陸作戦での現場の工夫を例に、陸軍は今後も「過去に備えることなく」柔軟な組織であって欲しい。そのために、前線で経験を積んだ若者の力を組織に取り込んで欲しいと語っています。

デンプシー総参謀長に勤務を短くしてごめんと言った後・・・
gatesArmyBD.jpg●先日、アフガン滞在中にD-day記念日を迎えたわけだが、当時着上陸した連合軍を苦しめたモノに、仏海岸地域の土手付き生け垣(hedgerows)があった。連合軍の装甲車や戦車は、これを突き破って進撃するはずが、強固であるため乗り上げることになり、ドイツ軍の格好の目標となった。
●しかしこの時、陸軍第1兵站部隊は独軍が障害物として海岸に設置した鉄棒を材料に、たった48時間で約300個の車両用生け垣カッターを作成し、部隊に配布した。これがコブラ作戦の成功を支えたのである。
hedgerow.jpghedgerow2.jpgCutter.jpg
●このような突然現れる苦難や新たな環境を、階級に関わりなく発揮される、類い希な知恵と工夫と柔軟性で乗り越えてきたのが米陸軍である。

●911事案以降の地上活動で、前線の若きリーダーには重い責任が課せられている。我が部隊は展開初日から、複雑で流動的な環境下、多様な任務遂行を求められている。その任務は、時に学者であり、教師であり、警察官であり、銀行員であり、農民であり、技術者であり、相談役であったりし、多くの場合同時に複数の役割を求められている。

●そして彼らは苦労を重ね、この未知の任務に挑戦し成し遂げてきた。これが2007年には危機的であったイラク情勢を立て直し、アフガンでタリバンをその拠点から追いやったのだ。
●今や陸軍の真の挑戦は、この10年から正しい教訓を学ぶことである。これは、よく起こりがちな間違いだが、次の戦いが今回と同じようだと仮定することではなく、多様な経験を積んで柔軟性に富む若者の能力をどのように組織として取り込み、未知なる次の戦いに備えるかである。次の陸軍リーダーであるオディエルノ大将がこれを実行してくれると思う。

gatesarmyBD3.jpg●この機に改めて前線の兵士、ご家族、そして兵士を支える社会の皆さんに感謝したい。皆さんから現場の声を聞くことが何よりも役だった。パワポのスライドなんかよりもずっと。
●国防長官として皆の先頭に立てたことを人生の誇りとし、私は残りの生涯をかけて、君たちのために祈ることを誓う。
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最後の最後まで気持ちが切れませんねぇ・・。
まんぐーすは、アンコールで3曲ぐらい歌って欲しいと思いますし、個人リサイタルなんかも希望します。回想録なんかも・・・。

「正しい教訓を学ぶこと・・これは次の戦いが今回と同じようだと仮定することではない」

陸軍の将来を考えるシリーズ
「陸軍参謀長に与える課題」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-04-13
「前:陸軍士官候補生へ最終講義」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-03-07-1
「後:陸軍士官候補生へ最終講義」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-03-07-2
「陸軍の明日を指揮幕僚大学で」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-05-08

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NATOの2極化を警告する(最後の政策スピーチ) [ゲーツ前国防長官]

「今からでも決して遅くない。欧州諸国は国防機関のあり方と同盟関係を正常に戻すことが出来るはずだ。これは大西洋の向こうから要求したり強制することではない。」

gatesNato.jpg10日、NATO国防総会議出席のためにブラッセル訪問中のゲーツ長官は、「国防長官としての最後の政策スピーチ」としてNATOの現状や課題について当地の有識者に向けて語りました。
中身は厳しく、NATOメンバーは安全保障を生産提供する国とそれを消費する国に分かれつつある、とゲーツ長官の懸念していたことが現実になりつつあり、厳しい財政状況にあっても国防投資の優先順位や組織の効率化を進め能力を維持改善すべきと警告しています。

最後の政策スピーチに相応しい強烈な内容です。トランスクリプト国防省HP記事

「two-tiered alliance」化は受け入れがたい。
gatesNato11-4.jpg●私はかねてより、NATOが2層化、つまり人道支援や平和維持や話し合いなど「ソフト」な役割に特化するメンバーと、「ハード」な戦闘任務に従事するメンバーの2層化を懸念してきた。
●また、NATOメンバーの利益のみを享受し本部施設を使用してリスクと負担を追わないメンバーと、同盟の経費と負担を引きうける国の2極化を懸念してきた。
●これらの懸念は、もはや想定上の懸念ではなくなりつつある。このような状態は受け入れがたい。

アフガンへの協力が不十分
●間もなくオバマ大統領が、7月開始のアフガン米兵力の移管について発表する。確認するが、どのような内容であっても出口に急ぐモノではない。アフガン治安機関へ任務を移管した部隊も、多くは他の重要な地域に再配置される。緊要な夏の戦闘シーズンに、大部分の増強兵力を残配置する。

gatesNato2.jpg●NATOは、それぞれの国の勝手な方針により本国に兵士を帰還させる国を許容できない。これまで多くの犠牲を払って確保したモノや他のNATO諸国を危険にさらすことになるからだ。
●アフガンでの戦いは「ともに出陣し、ともに撤退しよう」である。各国の兵士を名誉を持って迎え、高く評価することが求められている。NATO諸国が直面する21世紀最初の試験である。
●米国以外で約200万人存在するNATO加盟国の兵士が、僅か2万から4万人の展開兵士を支えるのに四苦八苦している。最前線の兵士でなく、多くの支援部門、ヘリ、輸送機、ISRや整備支援も含めである。

リビア作戦でのNATOの惨状
●NATOのリビア作戦は、より深刻な戦力不足状態に直面している。この作戦は欧州の裏庭で行われ、欧州の利害に直結し、しかも地上部隊を必要としない海軍と空軍の作戦にもかかわらず

gatesNato11.jpg●ほぼ全ての国が国連決議に賛成した。しかし1/3しか実作戦に参加していない。率直に言えば、参加したくないのでなく参加できる能力がない。イタリアの航空作戦センターは毎日300ソーティーを運用する機能があるが、僅か150行うのに苦労している。それも米軍が多数の要員を「緊急」支援してである。本当の危機に際して当てに出来ない支援である。ISRの不足も甚だしい。
●多くの先進国を含む最強の同盟が、貧しい軍事国家に対する僅か11週間の作戦で弾薬不足に陥っている。またも米国への支援要請だ。これはアフガンでの最初のNATO地上作戦が実施されている中でも10年間で15%も国防費を削減した結果である。

努力の余地があるはずだ
●本日、NATO加盟国28カ国の中で、僅か5カ国、米、英、仏、ギリシャ、アルバニアのみがGDP2%以上の国防支出を誓った。この国数は増えないだろう。この情勢で仕方ないのであっても、限られた資源を如何に有効活用するかに十分努力が成される余地があるのでは。

nato.jpg●厳しい財政の中でも努力している例もある。今回のリビア作戦でノルウェーとデンマークは全体の1/3の目標を12%のソーティーで攻撃してくれた。彼らは厳しい中でも訓練や装備に資源を配分し、その役割を果たしてくれた。
●しかし例外もある。多くの加盟国が彼らの優先順位や資源配分を変えようしていない。米国以外の加盟国は年間25兆円以上の軍事費を消費しているが、より考慮すればかなりの有効な能力獲得が出来るはずだ。真に時代求める必要な国防支出を再考すべきである。

今からでも遅くない
冷戦最盛期、米国はNATO支出の約50%を担った。しかし、ベルリンの壁崩壊後その割合は増加を続け、今や75%以上を占めている。
欧州諸国の皆さん、今からでも決して遅くない。国防機関のあり方と同盟との関係を正常に戻すことが出来るはずだ。これは大西洋の向こうから要求したり強制することではない
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アジア政策に関しては「忍耐」が必要だと同行記者に語っていたゲーツ長官ですが、さすがにNATO諸国には強烈です。
長いスピーチだったので十分雰囲気を伝えられたか自身がありませんが、NATOの惨状を知る意味で、またゲーツ長官の強烈な表現振りを確認する意味で、ぜひ原文の確認お奨めします。

これが最後の政策スピーチですか・・(遠目涙再び)。退任式でのスピーチ(たぶん)を最後の楽しみに・・・

NATO改革関連の過去記事
「NATOとのサイバー協力強化」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-01-26
「NATOリスボン会議」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-11-18
「NATO改革をPush」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-10-14
「NATO改革にも挑む」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-06-12

退任間際・・怒濤の連続スピーチ
「政治家よ目をそらすな議論を」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-05-26
「米国がやらねば他はやらぬ」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-05-24-1
「米国の将来を悲観するな」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-05-09

「警告する、NATOの2極化を」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-06-12
「アジア各国へ:最後のシャングリラ」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-06-01

「リーダーたる者は:最後の卒業式」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-05-28
「空軍士官候補生へ最終講義」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-03-07
「前:陸軍士官候補生へ最終講義」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-03-07-1
「後:陸軍士官候補生へ最終講義」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-03-07-2

「4段階で経費削減に臨む」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-05-20
「更なる予算削減に備えて」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-04-23

「ゲーツ長官引用の名言」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-05-18-1
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最後のアフガン訪問で本音!? [ゲーツ前国防長官]

アジア安保の一大行事
2011シャングリラ・ダイアログを以下の記事でフォローしました
   ↓    ↓     ↓      ↓
「米の動向:シャングリラ2011」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-06-01

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4日朝一番でシャングリラ・ダイアログでの講演を終え、直ちにアフガンへ移動したゲーツ国防長官は、4日夕方にはカルザイ大統領からカブールで「国家名誉勲章」を授与されています。そしてその後、最後のアフガン前線部隊激励さよなら訪問を数日間かけておこなっています。
シャングリラ会同フォローで疲れたので、ゆるくアフガン訪問を見つめます。
afgnmedal.jpgafganpresscere.jpg








勲章授与式の後、プレスの前で・・
12回目のアフガン訪問となるが、これまでのカルザイ大統領等のもてなしに感謝。両国は決して全てにおいて同じ視点に立つことはなかったが、それでも我々は真のパートナーとしての基礎作りは出来たと信じている。

米国の過去を反省
20年前、米国はソ連がアフガンから撤退するのを見て同様にアフガンから撤収した。その後アフガンに何が起こっても、米国の安全には関係ないと信じてである。私は当時米国政府の一員としてその時の状況を記憶している。しかしその判断は間違っていた。見積もりの誤りを911事案で気づかされたのである。
●911後、タリバンによる支配を崩壊させた後、アフガンの状況や人々への配慮を欠いたまま、各機関等の連携が不十分な状況で対応した。2006年12月に国防長官に就任後、タリバンが盛り返す中で15万の45カ国からなる多国籍部隊で取り組み、過去1年半でタリバンを人口密集地域や彼らのかつての拠点から排除した。

●我々が誤ってアフガン国民を傷つけた攻撃を深く反省している。一方でアフガン国民は、タリバンによる意図的な攻撃で遙かに多くが被害を受けている。いまや、アフガン国民で1990年代の破壊的なタリバン支配の頃に戻りたいと思う人はほとんどいない

最後はアフガン自身がしっかりしないと
afgancerelast.jpg●この夏から多国籍軍は撤収を開始し、2014年までには戦闘部隊が展開を終了するが、決して我々は出口へ急がない。そして長期的にアフガンとのパートナー関係にコミットしていく。はこの国が過激な者たちに支配されることが招く結果を、アフガンも、この地域も、世界もが知ったからだ。
●一方で、多国籍国家に関与は今後も強力で継続するものの、それは時間的にも物質的にも永遠ではない。来たるアフガン政府への移管を成功させるには、アフガン政府と治安機関が意欲的により多くの責務を担っていこうとする意欲が欠かせない。世界の国々は強力なパートナーで有りたいと願っているが、究極的にはアフガン国民とその選んだ政府がアフガニスタンの運命を握っているのだ。
●皆さんの安全と来るべき変化の成功を祈念します。

また5日、ゲーツ長官はカンダハル周辺の部隊を訪問
本年まで現在の勢力地域を維持し拡大できれば、この戦いの新たな転換点を迎えることが出来るだろう。
●(7月から開始する予定の段階的撤収について、)この出張が終了したらワシントンで、ペトレイアス司令官が準備してくれた兵力削減の条件や段階について検討し、近く公表することになるだろう

率直なゲーツ長官が議会でアフガンを語ると・・・
「我々は、正しい戦略と適した指揮官を得た。しかしその道は険しく長く、その過程で大きな犠牲を強いられる」

カルザイへの不信・アフガン関連
「兵力削減には言葉を選んで」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-02-04
「カルザイに説教する!?」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-05-15
「カルザイにお灸を据える」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2009-12-09

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以下はアフガン各地を回るゲーツ長官の写真です。
Podcastで各部隊訪問時のスピーチ等聞くと、「ゲーツ長官が俺たちのために、こんな事もあんな事もやってくれた」等々の紹介後に長官が登場すると、兵士達の歓声がものすごく収まらない状況です。そんな場面を選んで配信しているかも知れませんが・・・
afganpostsp.jpgafganlastsp.jpg







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gatesafgmd.jpggatesagfqa.jpg

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ゲーツ長官講演と質疑も:米国の動向:シャングリラ・ダイアログ(第10回アジア安全保障会議) [ゲーツ前国防長官]

ShangriLa_2011.JPG


「我々は今後も米軍のプレゼンスを維持強化するために努力を続けるが、今後は展開兵力数(boots on the ground)のみをコミットメントの尺度とすべきではない。今後は艦隊訪問、海軍活動、多様な訓練の実施により、同盟国等との関係を強化し、同盟国等の能力を強化する」(講演より)

4日講演の後のゲーツ長官質疑応答
質疑応答の一部です。この他にもアフガンに関するかなり率直な回答もありましたが、ご興味のある方は国防省HPのトランスクリプト(スピーチも含む)をご覧下さい。
ところで、4日中にゲーツ長官は、もうアフガンに移動(写真下右)してました!! 忙しいですねぇ・・ カルザイから表彰されてました。
gatesShanla.jpggatesAfgan.jpg







スピーチの後、司会者のチップマンIISS所長が、ゲーツ長官の講演から3つのセンテンスに興味を持ったとコメントしています。その3つとは・・・
●1:米軍のアクセスルートや通信を阻害する、新たな妨害技術や装備が当地域に適応されうる
●2:当地域の米軍の目標は、政治的に維持可能で、地理的に分散し、作戦面でresilient
●3米軍のプレゼンスは、従来のような展開兵力数(boots on the ground)の尺度のみから計られるべきではない

以下、質疑応答の中でのやりとり(一部)
gatesShanSP.jpg●Q韓国や日本にどのような負担を期待するか
●Aこのように米国経済が厳しい状況では、議会は、米国民の視点で兵力の前方展開経費が適切であるべきと間違いなく主張するであろう。アジアの友人との間で継続的に協議が行われるであろう。これまでも進展を続けてきたが、今後は更なる精査が2国間で行われるであろう。

●Q朝日新聞:中国の接近拒否兵器の開発の中で、米国の戦力投射能力をどのように維持し、同盟国等に納得させるか(朝日新聞は公式スポンサーです。びっくり)
●Aご指摘のような中国の動きがあり懸念している。しかし差し迫った懸念ではない(not an imminent concern)。同時に我々は、何年も前から対処のためのプログラムを遂行中である。ただこれは当地域に限ったことではない。例えばヒズボラは、射程65マイルの対艦ミサイルを保有しており我々の艦船に脅威を与えている。非公開の計画等で、多くの資金を投入し真剣に対応を進めている。

●Qサイバー安全保障についてどう考えているか
●A国防長官に就任以来、このドメインをどのように守るか、何が戦争の要件になるのか、対応の基準になるのか、どのような手段で等々を考えてきた。
●Aまた私は、対話を通じて世界の国が、何らかのルールを共有し、事態がエスカレートするような行動に出ないようにする共通理解を設けることが重要だと考えている。世界が何が受け入れられて何が受け入れられないかを、早急に共有理解して緊張を下げ必要がある。
●A米国内では今議会とともにサイバー関連法政について議論している。これら正しい手順の始まりの位置にいると思う。

●Qインドとの関係強化は
●A私が2006年にこの職について政府の仕事に戻ってきた際に、(1992年頃のCIA長官時代と比べ)最も驚いたことが2つある。一つはインドとの関係改善であり、もう一つは日本との関係改善である。

●Q(川口順子元外相)北朝鮮に対する見方を
gatesShaCLMc.jpg●Aオバマ大統領が中国主席に、そして私が1月訪中の際にも話したのだが、北朝鮮の核ミサイル開発が続いていること、韓国の世論が変化し忍耐が限界に近づいていること、北朝鮮が挑発的な行動に出る可能性があることに留意し、懸念している。
●Aしかし同時に、北朝鮮が挑発し、6カ国協議が開催され、何らかの妥協案が提示されると言った過去に見られた繰り返しには飽き飽きした同じ手には乗らない。我々は政権交代や北の不安定かを意図していない。6カ国協議を通じ、国際社会のルールの中で関係が改善されることを希望している。
(写真:ゲーツ講演を見守る盟友クラッパーDNIとマケイン上院議員

●Q米国防費が削減され、中国が増やす中で、プレゼンスが維持できるのか?
●Aシンプルに答えよう。100ドルかけて良い。5年後にも米軍の当地域での影響力は変わることはない、強化されていないにしても。
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4日、ゲーツ長官はシャングリラ・ダイアログで講演を行い、アジアへの関与は変わらないと述べました。速攻早読み間違い御免の概要です。(6日朝・修正
gatesShan2.jpg先週シンクタンクAEIでの講演で語った国防投資の優先事項やワシントン州立大学の卒業式で語った「米国民よ自信を持て」のメッセージが形を変えてシャングリラでも登場しました。IISSサイトのスピーチ原稿より

冒頭でホテルと町の歓迎に感謝した後、「I want to discuss today: the enduring and consistent nature of America’s commitments in Asia, even in times of transition and change.」と述べスピーチを始めたゲーツ長官は・・・

困難な時だが米国の関与に変化なし
●2008年のこの集まりで、大統領選挙後に国防長官を交代するモノだと考えていたから、正直に政権が変わってもアジア政策や関与は変化無いと述べた。実際私が留任した様に米国政策に変化はなく、むしろ関係は強化発展してきた。同様のことが後任のパネッタ新国防長官の元で起こることを確信している。

●米国の経済や財政状況、2つの戦いや米国民の忍耐が切れてきたことを見て、米国のアジアへの関与の信頼性や継続性に疑問を持つのは自然なことである。しかし太平洋国家として、貿易等でアジアと関係が深い米国にとってアジアへの関与に変化はない。これは米国政府や議会の共通の認識である。これが私の14回目のアジア訪問であり、クリントン長官も近く8回目の訪問をすることからも明らかである。
●私が20年前に政権で働いていた頃よりも、より多くの国が米軍との関係を持ちたい強化したいとの希望を持っているように感じている。

当地域での2国間と多国間関係は・
●当地域での我々の基本原則は以下の4つである。
--Free and open commerce;
--A just international order that emphasizes rights and responsibilities of nations and fidelity to the rule of law;
--Open access by all to the global commons of sea, air, space, and now, cyberspace; and
--The principle of resolving conflict without the use of force.
●また変化の多い当地域にあって、米国のプレゼンスは変化しないほとんど「まれ」な存在であり続けている。
tomodachi2.jpg日本との関係はその好例である。第2次大戦で戦った国同士だが、先の地震と津波に際しては、24時間以内に米軍が対処を開始し、これまでの訓練や人的交流を基礎にしてピーク時には米軍人24000人が救援に駆けつけた。日米同盟はこの困難を乗り越えるだけでなく、更に強固なモノになるだろう
韓国との関係は、単に朝鮮半島の安保だけでなく、世界規模のための同盟となろう。中国との関係もここ数ヶ月継続的に改善している。インドとの関係は地域の安定から海賊対処や国際舞台での協力に発展している。
多国間関係も発展の兆しがある。これまでそのような枠組みが無く懸念していたが、昨年はASEAN国防相会議に特別参加の招待を頂き参加した。私はこのような枠組みの発展に楽観的である。

種々の課題が存在する・・・
海洋航行の安全が当地域の懸念であるが、我が国は航行の自由と商産業の発展の妨げにならないよう、国際法や国連憲章に基づいた行動がとられることが必要と考えている。
●また当地域における軍備の近代化や最新軍事技術の拡散により、当地域への米国のアクセスを拒否しようとの使用も想定される。

米軍プレゼンスと関与の方向性
gatesShan1.jpg安保は一国だけの責任ではない。だからパートナー関係の強化や多国間協力の役割強化を進めている。
報道機関は北東アジアの伝統的同盟国の基地関連近代化に焦点を当てて報じるが、我々はアジア太平洋地域で、地理的に分散し、作戦面でresilientで、政治的に持続可能な防衛体制の確立に向けて数多くの措置を執っている。
●この体制は、北東アジアでのプレゼンスを維持しつつ、南東アジアからインド洋に至るアジアでもプレゼンスを強化するものである。

例えば豪との間では、昨年11月、人道的災害に対処するための海軍プレゼンスや能力の強化、インド洋に面した施設の改善、他のアジア諸国を含む着上陸や陸上作戦の演習の拡大を検討する枠組みを作った。
シンガポールとの間でも戦略合意の枠組みを強化し、作戦面の教科を追究、特に新型の沿岸戦闘艦LCSを配備することになっている。また、両国軍が訓練し行動を共にする機会の増加を検討している。例えば、災害対処資材の前線備蓄、指揮統制能力の強化、両国軍が作戦上直面する事態に備えた準備のための訓練増加

●我々は今後も米軍のプレゼンスを維持強化するために努力を続けるが、今後は展開兵力数(boots on the ground)のみをコミットメントの尺度とすべきではない今後は艦隊訪問、海軍活動、多様な訓練を複数国参加で実施により、同盟国やパートナー国との関係を強化するだけでなく、相手国の能力強化を図っていく。
●これらのプレゼンスや関与を維持するには資金が必要。米国の経済や財政が困難な状況にある中、、米国防費のあり方の議論は避けられない。この問題は広くこの会議や地域で話題にされることであろう。

Air-Sea Battleが重要な軍事コンセプト
●私が先週講演(たぶんAEIのこと)したように、米国は国防予算を削減しようとしている。私もこれまで取り組んできたが、本当に重要なモノは残してある長距離攻撃、核抑止、海上優勢、サイバーや宇宙、ISR等であるが、これらは全てアジアと関係深いモノばかりである。
米海軍と空軍が接近拒否戦略に対応するためAir-Sea Battleを検討している。ここコンセプトは、引き続き米軍が機動展開し、遠方から攻撃して同盟国や重要な利害を守るために行動することを保障するコンセプトである。

米国は困難を克服し、アジアとともに発展
gatesRollTHu.jpg私は今、ベトナム戦争後の米国内の混乱と自信喪失時代を思い起こしている。あの当時米国民はもうだめかと考えたが、それでも努力して冷戦に勝利し、多くの人々を鉄のカーテンの向こうから解放した。
●私は、今ここで我々が行っていることが将来10から20年後のアジア地域の発展に繋がっていることを信じる者であり、そうだと確信している。また将来世代も米国の関与とパワーの存在について今の世代と同様に話をしていると信じている

ご参考:ワシントン州立大学とシンクタンクAEIでの講演
「米国の将来を悲観するな」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-05-09
「政治家よ目をそらすな」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-05-26

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まんぐーすの感想(ゲーツ長官講演)
おにぎりマングース.jpgゲーツ長官がシンガポールへの機内で述べていたように、「忍耐」が陰のテーマのような気がしました。
上の概要では細かく触れませんでしたが、例えば日本との関係でも「第2次大戦を戦った敵同士がここまでの関係を築いた」と言った表現振りや、中国に関しても1979年に米中国交回復に至った当時のゲーツ長官の思いにまで過去にさかのぼって現状を前向きに評価し、「関係の進歩」を表現する辺りに「究極の忍耐」が出ているように思います。

一方でアジア諸国の懸念を払拭するため、北東アジアだけでなく南東アジアからインド洋までをも含めて考えるとの明確な表現もありました。
豪とシンガポールでの拠点強化策Air-Sea Battleを検討中、さらにこれがアジアの同盟国と共通の利害を守るコンセプトだとの表現も飛び出し、アジア諸国の引き留めや懸念払拭に懸命な姿勢も見て取れました。
特に驚いたのは、最後の「米国は必ず復活する」とのメッセージです。これを海外のVIPを前に口にするとは・・・。率直すぎます。

それにしても、今回のシャングリラ・ダイアログに対する日本の報道は陳腐すぎます
gatesShanChi.jpgゲーツ長官の講演にしても、読売が「シンガポールに米海軍の新型艦艇「沿海域戦闘艦」LCS配備で中国牽制」と何となく冷戦思考の書きぶりで報ずる程度です。スポンサーの朝日も似たり寄ったりです。

チップマンも指摘していた「地理的に分散し、作戦面でresilientで、政治的にsustainable」の部分や「遠方から対処」の部分が重要であり、また日本のマスコミ的には質疑の部分の「応分の負担を今後精査協議する」」をしっかり伝えるべきと考えますがどうなっているんでしょう???
読売の記者は「比嘉清太」という沖縄ゆかりの方のようですが、嘉手納から有事米軍撤退とかのシナリオでも記事になるのに・・Air-Sea Battleも初耳だったんだろうな・・(遠目涙)・・

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ShangrilaDinner.jpg3日夜の夕食会兼開会セレモニーです。
メインの1番テーブルには、チップマンIISS所長やリークァンユー元首相と並び、梁光烈国防部長です!。そして先日紹介した中国軍の「美人通訳」も再び登場です。

「中国軍トップ訪米と美人士官」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-05-18
なお、夕食会の写真にゲーツ長官の姿が全くないので、欠席かもしれませんね・・・
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3日の日程終了後国防省web記事

米中会談直前にゲーツ長官は・・・
gatesChinaDM5.jpg●ここ数ヶ月、他の分野に比して関係発展が遅れている米中軍事関係は、協力の方向をともに確認した分野で進展を見せており、肯定的な軌跡を見せると信じている。
前進するためには、海賊対処、災害対処、北朝鮮等の共有する利益関連の問題にむけ、米中はともにより多くを成さねばならない
●両国は多くの点で一致を見ているが、特に重要なのは不同意の部分で継続的に協議を続けることである。それは双方が不同意点について双方の意志を明確にすることにより可能となる。
●我々は世界に対し、優れた両国が共通の利害について協力することが利益に繋がることを示すことがともに出来る。

会談後、モレル報道官は・・
morrell.jpg●会談は生産的で、礼儀正しいモノだった。
●ゲーツ長官が1月訪中した際の議題について更に進展させた。会談全体では、不同意部分より同意部分が多かったように感じた。より多くの時間が前進のため協力的に進める必要があるとの点で一致していた。
中国側は少なくとも数回、ゲーツ長官の米中軍事関係発展への努力を評価し、それなくして昨年来の関係発展は無かったとの言葉もあった。ゲーツ長官は、自身の引退後も両国関係の発展を見られることを希望していると伝えた。

匿名の米側高官は・・・
●中国側からは、台湾への武器輸出、中国の軍事的脅威を声高に述べること、更に中国沿岸での海洋調査活動に関する懸念が示された。
●中国国防部長が5月10日に行われた初の米中戦略安保対話を有意義だと認識していることに勇気付けられた前回はサイバー分野と海上安全問題を議論したが、次の機会には、ミサイル防衛や宇宙を議題にしたい。
●今日は、より多く議論することに意味があるとの合意が得られたように感じている
その他、シンガポール国防相と日本の北澤大臣とマレーシア首相との会談も行われた、とのたった2行の付け足し説明がありました。
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3日午後マレーシアのMohamed Najib 首相に続き、北澤防衛大臣とも会談です。
ゲーツ長官は昨年11月マレーシアへ・・・「中国包囲網」です
「マレーシアと関係強化」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-11-10
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3日午前第2弾、ついに米中国防相会談です。
会談の中身はまだ不明ですが、ゲーツ長官は機中で「継続的で安定的で信頼感ある軍同士の対話が「なぜ」重要なのかを議論したい」と率直な態度を表明していました・・・。
しかし・・・梁光烈(General Liang Guanglie)国防部長迫力あるなぁ
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2011Singa.jpg3日午前中、ゲーツ長官はシャングリラ・ダイアログのホスト国シンガポールのNg Eng Hen国防相とまず最初に会談し、仁義を切りました。
ちなみにシャングリラ会合は英国のシンクタンクIISSの主催ですので、シンガポールは場所の提供だけですが、何せ20カ国以上の国防相級が集合しますので、警備だけでも大変な騒ぎになっているようです。

しかし、ゲーツ長官にとってシンガポールは単なる挨拶で済む国ではありません米海軍の重要な寄港地であり、空港も重要ですし、海賊対処にも重要な国です。「政治的に基地維持が安定し、地理的に分散し、作戦面で打たれ強い」米軍の態勢をアジアで目指すゲーツ長官と米軍にとって、インフラの整ったシンガポールは、中国が狙う南シナ海をにらむ重要拠点だからです。

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1日、ゲーツ長官はシンガポールへの移動の機中で・・・
●米国を巡って、アジアには「甲論乙駁」、様々な議論があるだろう。しかし同時にアジアの大部分の国にとって、米国との関係を強化し、より強力なパートナーシップを構築する広範な利益が存在している。
●この事実はアジアの国々に最も当てはまる真実である。

gatesOnBoard.jpg米国や米国民にしばしば欠乏しているのは「忍耐」である。国家関係構築には時間が必要であるから、米国は時間感覚が気短だから、忍耐強くなるべきである。
●国防長官になって改めて気づかされたのは、如何に多くの国が米国を必要欠くべからざる国と見なしているかと言う事実である。

同様の発言は、wikileaksから米の外交秘密が暴露された際にもありました。
   ↓   ↓    ↓   ↓
「他国はなぜ米と付合う」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-12-02
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31日米国防省高官が、ゲーツ長官のシャングリラ・ダイアログ参加に関してバックグランド説明を行いました。米国防省HP記事のタイトルは「ゲーツ長官米国のアジア関与を再確認」となっており、(以下想像・・)国防予算が削減になっても、国防長官が交代しても、中国が強くなってきても、米国は自由と国際協調に基づく平和を当地域で追求する、とのメッセージを発する雰囲気です。

ChinaGeneralLiangGuanglie.jpg●バイ会談予定国と相手は
スミス豪国防相、なんと中国の梁光烈(General Liang Guanglie)国防部長北澤防衛大臣マレーシア国防相、そしてホスト国シンガポール国防相

(今年は、中国の国防大臣に当たる国防部長が初参加です。中国は参加者のランクを上げてきました。これまでは筆頭政策担当者クラスでしたから。中身は期待できませんが・・・)

●ゲーツ長官のスピーチについて
gatesFlagUSA.jpg5回目で最後となるシャングリラホテルでのスピーチであり、ゲーツ長官は、彼がこれまで見てきたこと、この間に変化が生じたこと、この間も変わらなかったこと、についてカバーするだろう。(予想:アジア諸国も発展してきたので、米国だけが守るのではなく、各国が防衛能力を強化して自身の役割を強化する時が来た。との主張)

また過去のスピーチと比べ、より詳細に、米国防省が見える形で進めている当地域でのプレゼンスと関与、更には米国が持ち込む作戦と能力について語るであろう。

そして、米国は他地域の緊急な事態や対処のため、アジアを第一に見ていないように見えるが、アジアにも焦点を当てていることを説明する。かつ国防長官が変わっても、米国のアジア政策に一貫性があり、ゲーツ長官引退後も次期長官との間に継続性があることをアジア関係国に再確認する重要な機会である。

●梁光烈国防部長との会談
chinaLiangGuanglie.jpg5月10日にワシントンで終了した初の戦略安保対話(1月のゲーツ長官訪中時に道筋を付けた)の話のフォローアップをしたいと考えている。核兵器、ミサイル防衛、宇宙やサイバー問題を議論したいと考えている。

ゲーツ長官は両国軍当局間のポジティブな動きを生かし梁光烈国防部長との会談を楽しみにしている。特に継続的で安定的で信頼感ある軍同士の対話が「なぜ」重要なのかについて、引き続き「議論」したいと考えている。
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なぜ対話が重要かを議論する」・・とは道遠しですね。米上院が「台湾にF-16を早く売却せよ」と決議したこともあり、米中は波乱含みです。簡単に「off」状態に戻りますから。

米中関係時系列整理
「中国軍トップ訪米と美人士官」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-05-18
「米中戦略経済対話と台湾」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-05-11
「1月ゲーツ長官の中国訪問」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-01-09-1
「フロノイ次官の会見」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-12-12
「米中軍事交流の今後」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-11-23
「米中軍事交流再開へ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-09-10

昨日の記事「震災を隠れ蓑にするな」で触れた内容のラインが高官から語られていますが、ゲーツ長官がどのように「味付け」してスピーチするのかが楽しみです。
米国が持ち込む作戦」とはAir-Sea Battle Conceptの事になるのでしょう・・どのような表現でかな?
馬暁天2.jpg今後、この記事に付け足す形で3日夜から開催の「IISS第10回Shangri-La Dialogue」の様子を忘れた頃にお伝えします。
ただ・・昨年ゲーツ長官とバトルを繰り広げた馬暁天 人民解放軍副総参謀長(General Ma Xiaotian)の出席がないのが残念です。

昨年のバトルと米国のアジア政策
「質疑シャングリラ演説」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-06-10
「シャングリラ演説」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-06-05
「アジア政策補習授業」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-04-30

日本の姿勢
「シャングリラと武器輸出3原則」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-05-30
「災害を隠れ蓑にするな」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-05-31-1

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なお31日ゲーツ長官はハワイに移動し、日本が無条件降伏の署名をした戦艦ミズーリを訪れています。メッセージはメモリアルデーの翌日でもあり「祖国のために命を捧げた英霊に祈りを」ですが、ちょっと意味深です。以前に戦艦アリゾナ慰霊碑を訪れたことがあり、今回はミズーリだそうです。
それから・・奥さんのベッキーさんが昨年、新造の攻撃型原潜ミズーリ進水式でスポンサー(たぶんシャンパンを割る人)を務めた経緯もあり、オリジナルのミズーリを訪れたかったとのこと・・・。
短い会見では、「米国が国防費を削減しても、アジアへのコミットメントは変わらない、とのメッセージを伝えに行く」とゲーツ長官は語っています

ハワイ時間の6月1日朝にはシンガポールに向け出発するとのこと・・日本時間の2日には既にシンガポールの人か・・
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ShangriLa_2011.JPG

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政治家よ目をそらすな議論を [ゲーツ前国防長官]

これまでの分析では、政治家がこれまで避け続けてきた分野にも踏み込んで(予算削減を)行わなければならない結果になっている。

gatesAEI.jpg24日、ゲーツ長官は自ら依頼してシンクタンクAEI(American Enterprise Institute)で「DCでの最後の政策スピーチ」を行いました。このシンクタンクは共和党系のメジャーな組織で、基本的に軍事費削減はけしからんと主張をしている所です。

主題はもちろん4月13日にオバマ大統領が宣言した「安全保障関係予算を2025年までの間で約35兆円削減」への取り組みと影響についてです。公開されたスピーチ原稿はA4サイズに細かい字で5枚もあるので全部はご紹介できませんが、概要とランダムにエピソードをご紹介します。 
国防省改革へのゲーツ長官の取り組みを自ら整理して語っているところが、資料として貴重でもあります。

あらすじは・・・
●国防費が原因ではないと考えるが、米国は財政上の危機に直面している。私は着任以来、2つの戦いを勝ち抜くために、国防省の業務要領や装備品取得の優先順位を改めるように取り組んできた。また研究開発や単価の高騰、組織の無駄、人員や高官の無駄等々にも政府機関の一員として取り組んできた。
●同時に、世界情勢を考慮した上でこれだけは削減できないもモノのみを選択して残したつもりである。

gatesAEI2.jpgしかし今回の大統領要求は、これらの延長では対処できない。これまでの国防省内の検討では、人件費つまり、補償費、年金、定年制度、退職者の医療費等々、過去政治家が判断を避けてきた分野にも踏み込まざるを得ないとの方向性が明らかになってきている。

●このほかにもまず、4軍の兵力構成をどうするのかも重要な課題である。1970年代や90年代に行ったような、政治的にありがちな全領域での一律予算カットが破滅的な結果をもたらすことは、過去の結果から明らかである。訓練や装備が不十分なまま、組織だけが残っている最悪の状態を生み出す。
●冷戦後継続してきた2つの大規模地域紛争を戦いうる戦力との前提を、情勢見積もりを操作して換えることはたやすいが、全ては敵が決めることであることに留意すべきである。

●この規模の予算削減を行うならば、オプションとそれぞれに付随する影響を提示するので、正面からきちんと議論しなければならない議論のための議論や臆病風に吹かれて議論を避けてはいけない。私はこの世界のリーダーシップを我が国が取るべきとの信念を変えるべきとは思わない。それが全ての同盟国やパートナーや他国の利益であり、なんと言っても最大の利益享受者が米国民だからである。
国民が10年に及ぶ戦争に飽き飽きしていることは理解できるが、米軍のパワーとその到達力を維持することが米国の平和を維持し侵略を防ぐ抑止力であることに変わりはない。

ランダムに細部を拾っていくと・
●レーガン大統領時代の1980年代に大量に調達した装備が依然として主力であることは確かである。幾つかは手をかけて延命措置をするが、他を全て新装備に更新しなければならない理由はない。大部分は世界的に見てまだまだ優位を保っており、制空戦闘機のような例を除けば、多額の経費をかけて改修等する必要はない。

将来も必要性が高いモノとしては、制空能力、空中輸送力、長距離攻撃力、核抑止、海洋アクセス、サイバーと宇宙戦争への備えである。
●具体的には例えば、次期空中給油機、制空攻撃戦闘機、減少を続ける艦船数を補う船、10年の戦いで疲弊した陸軍や海兵隊の装備、戦略ミサイル原潜などがある。ミサイル原潜は6000億円を1700億円削減したが、まだ4300億円もする。過去には20億円の野戦砲、400億円のヘリや1800億円の爆撃機などもあったが

gatesReagan.jpg●削減したモノの中には、25兆円もかけて延々と開発中で有りながら、前線兵士が被害に遭っている仕掛け爆弾対処に向いていない、平らな底面で薄い装甲の車両も含まれていた。また大型のB747に弾道ミサイル発射段階での迎撃を意図したレーザーを搭載し、敵の防空脅威下でのんびり在空しているような運用コンセプトのモノを大量に導入しようしていた。(写真左はレーガン大統領を偲ぶ会で)

●昨年8月から効率性追求のためJFCOMも閉鎖を検討した。その過程で国防省内の組織は「いくら予算を使い、いくら人を使っているのか」との質問に満足な回答を得ることが出来ないことが分かってきた。JFCOMのケースでは、最初は200億円ほどだったが、わずか4ヶ月間の間に400億円にまでなった。複雑に他組織の予算や人を誰も把握しないままに組み合わせて使っている結果がこのような状態を招いている。
この種の経費には年間5兆円以上が使用されているが、昨年からの見直しでも2%以下の経費節減しかなしえていない。国防省全体で、少しはこの種の見直しを行う機運が出てきたが、まだまだ必要性が曖昧な過剰な司令部、高官ポスト、関連機関、部外契約者等々が存在している。

経費縮減関連
「更なる予算削減に備えて」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-04-23
「オバマ35兆円削減宣言」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-05-05
「4段階で経費削減に臨む」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-05-20

「14兆円精査案で政府議会と」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-01-07
「兵士と将来に9兆円捻出」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-06-29
「ゲーツの取得開発改革指針」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-09-15-1
「ゲーツ改革のまとめ」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-06-17

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リーダーたる者は(最後の士官候補生卒業式で) [ゲーツ前国防長官]

信念は心の炎。人の心を温め、照らすもの。そして人が君たちに従おうとする力にもなる。
自信を持つリーダーは、日陰にあって他(部下が)が注目や称賛を浴びることを見つめ、他の成長を妨げる大きな陰を作らない。

gatesNavyac.jpg27日、ゲーツ長官は海軍士官学校の卒業式に臨み、この戦時にこの道を選択した士官候補生に敬意と祝意を表するとともに、卒業生にリーダーが備えるべき資質について述べました。いわば主催者側としての卒業式スピーチを、まんぐーすは初めて読んだ気がしますが、「直球ど真ん中ストレート」です。

今回の卒業生は、ゲーツ長官が就任後に入学した最初の学生であり、また国防大臣としての最後の士官学校卒業式でもあることから、その思いが原稿から伝わってくるような気がして目頭が・・・。30年前のCIAでの失敗から先日のビンラディン作戦成功まで・・こんな思いも抱えていたんですねぇ・・。

本当は、若者が「耳にたこ」ほど聞かされていても良い話(年寄りも)だと思いますが、最近日本であまり聞かないお話で・・ストレートにずしんと聞かせて(読ませて)いただきました。
うまくご紹介できるか自信がありませんが、挑戦する価値有りと思いますので・・・ぜひ原文で

卒業生諸君(Notre Dame大学に昨秋フットボールで勝った)へ
●2007年、イラクで死傷者が最悪になり成功への道が見えにくかった時期に入学し、海軍のリーダーとしての選択をしてくれた今回の卒業生諸君である。
gatesNavyac2.jpg●ルーズベルト大統領は言った「国家の正否は平均的な国民の働きに掛かっており、平均的な国民が良くなければならない。同時に、国家指導者のレベルが図抜けて高くなければ、その国民のレベルを高く保つことは出来ないのだ」と。君たちは平均的な国民ではない。単に平均的国民であることに満足することは許されない。全てに高いレベルの指導者でなければならない。
●私も46年前に大学を卒業して8人の大統領に仕える公務をスタートしたが、真のリーダーシップとは、希にしか出会えない貴重なものである。それは人が部分部分しか持ち合わせず、全体として発揮されることが滅多にない。

リーダーの資質(brief thoughts on those qualities)
Vision
日常やその日のことばかりでなく、将来を見通し可能性や潜在性に目を向けることである。そのためには他人がやらない又は出来ないことに目を向けることである。
深いConviction(信念)
それは心の中の炎であり、人の心を温め、照らすものである。それは人が君たちに従おうとする力にもなる。
Self-confidence(自信
世の中に広く見られるエゴや過信とは異なる。それは他人に責任と成功の両方を与えるものであり、日陰にあって他人が注目や称賛を浴びることを見つめる能力である。つまりこれを持つ指導者は他の成長を妨げる大きな陰を作らない。

gatesNavyac4.jpgCourage(勇気
単に前線で見せる肉体的な勇気だけではない。新たな道を歩む勇気であり、見栄えのすることだけでなく正しいことを行う勇気をである。最近では軍でもビジネスの世界でも、チームワークが求められ君たちも学んだろう。しかしリーダーとして君たちは必ず、一人で立ち向かい、これは間違いだ、皆さんに同意できない、こうあるべきだと言わねばならない場面に直面する。この時こそ真の勇気を発揮すべき時である。
Integrity(誠実さ
これなくして真のリーダーシップはあり得ない。最近ではこれが、奇妙な目で古めかしいもののように見られている。今日成功したと伝えられる人達の中には、この要素を感じない人が少なくない。しかし真の指導者にとって、自立心、自制心、ほこり、正直さと言ったものは絶対的な構成要素であり、基礎である。
Common Decency(上品さ・目下への誠実な態度)
君たちの周りの人、特に部下とどのように接するかである。公平さと敬意を持って接することである。トルーマン大統領は「君たちに反論できない人達とどのように接するか」と表現し、指導者のリトマス試験紙とも言われている。

失敗や成功にどう向き合うか
●人なら誰でも、成功も失敗も経験する。しかし失敗も成功も、君たちの信義に従い、正しく誇り高くあるべきことを知っていれば最終的な成功に導かれるだろう。大事なことは、どのように受け止め対応するかである。約40年前、ガソリン運搬船でブイに突っ込みエンジンをだめにしたような海軍士官がいた。私は今彼と毎日仕事をしている。マレン統合参謀本部議長のことである。

約30年前、今も忘れない1980年4月24日の夜。私がCIA長官の上級補佐官として、計画段階から携わったテヘランの米大使館人質救出作戦の夜である。危険のある作戦だったが、正直私は成功すると信じていた。しかし違った。焼けこげたヘリの映像と乗員の遺体写真が遺体写真が世界を駆けめぐり、米国の威信を大きく傷つけた

●しかし特殊作戦に当たる者たちは、米軍もともに、反省し改善し前を向き、ひたむきに訓練し批判にも耐えてきた。そして約1ヶ月前、私はホワイトハウスで同じように緊張の午後を迎えていた。ヘリ墜落の知らせに一瞬30年前がよみがえったが、作戦は別の結果を迎えた。大量殺人者は相応しい最後を迎え、世界は米国の軍事力に驚嘆した。国は正義の実現を目にし、政府が困難なことを正しく為し得ることを知った。民主的な文明に成り代わり、最も危険な恐れを知らぬ敵に一撃を与えたのだ。

私を支えてきた思いは・
gatesNavyac3.jpg●今朝この会場を訪れて思い出した。大学の学長から国防長官に着任した当時の思いだ。Texas A&M大学では18-25歳の学生がTシャツや半ズボンで楽しくやっていた。しかし就任後最初に訪れた前線では、全く同じ年代の若者が、防弾チョッキに身を包みライフルを手に、米国民のために命をかけて戦っていた。彼らの何人かは国に戻れないだろうと思い、実際にそうであった。
●以来私は、制服を着て戦う若者を自分の息子や娘として、責任を持って責務を果たすべく毎日を過ごしてきた。君たちが誇りを胸に戦い、安全に帰還することを唯一の願いとして。君たちがこの道を選んでくれたことに忠心より感謝し、最大の敬意を持って君たちのために尽くすことを誓う。
●May you have fair winds and following seas. Congratulations.
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対ビンラディン作戦をゲーツ長官はこのような思いで見ていたんですねぇ・・・。30年の思いを込めて・・。
真の正しいリーダーとしての「自信」と「勇気」と「誠実さ・上品さ」・・いくつになっても大切にしたいです。そうだよな・・真のリーダーの自信とは・・・。

「君たちが誇りを胸に戦い、安全に帰還することを唯一の願いとして・・・」

「暴露ビンラディン作戦」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-05-03
「秘話映像イラン人質作戦準備」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-05-07

士官候補生への講演シリーズ
「空軍士官候補生へ最終講義」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-03-07
「前:陸軍士官候補生へ最終講義」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-03-07-1
「後:陸軍士官候補生へ最終講義」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-03-07-2

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米国が断れば他国は引き受けない [ゲーツ前国防長官]

「財政に秩序を取り戻し、将来の繁栄を確実にするため、国民に負担を強いるとともに、米国が世界における役割を縮小することは疑いない。我々は国際社会への関与と軍の規模と能力を大きく削減(sharply reduce)することを求められるだろう」

「もし仮に米国が世界をリードすることを断れば、他国はそれを引き受けない」

gatesNotreDame.jpgやっぱり止められないのが、ゲーツ長官のスピーチ読みです。
22日のノートルダム大学では、その前の週末のノースダコタ大やオクラホマ大とは異なるトーンの卒業式スピーチでした。オバマ大統領による35兆円削減宣言の影響が国防省にひたひたと押し寄せているのでしょうか・・かなり危機感溢れるスピーチでした。 スピーチ原稿はこちら

名誉博士号を授与されたゲーツ長官は・
●パパ・ママ銀行やパーティーまでの障害物ジョークの後・・
米国は、奴隷制や、ナチの全体主義や、ソ連の共産主義や、経済破綻とも正面から立ち向かい、苦労しながらも立ち直り新たな繁栄を勝ち得てきた。我々の歩みは確かだったが、ときに鈍重だった。チャーチルは第2次大戦時に言った。「米国は正しいことを成すと期待して良いだろう。ただし、他の全ての方法を試した後にだ。」
●それでも我が国は、その後の歴史においても引き続き困難に立ち向かってきた。10年に及ぶ追跡の後、ビンラディンの死を迎えたことは我々にそのことを思い起こさせる。

●しかし、過去そうであったからと言って、今や将来の問題が自ら解決法を見いだしてくれるわけがない。如何に優れた人々が政府にいたとしても、進歩を遂げるために重大な課題に立ち向かっていくには、指導者の厳しい選択とハードワークが求められる

gatesNotreda.jpg●今我々が直面している課題は、我々の統一や存在を直接脅かす様には見えないかもしれない。しかし、ある一面で複雑な課題を抱えている。ワシントンDCに共通認識があるとすれば、それは今の危機や課題をこれ以上先送りできないと言うことである。
●我が国の財政に秩序を取り戻し、将来の繁栄を確実にするため、全ての米国民に犠牲を強いるとともに、米国が世界における役割を縮小せねばならないことは疑いない。我々は国際社会への関与と軍の規模と能力を大きく削減(sharply reduce)することを求められるだろう。今日ここでこの件について述べてみる。
(原文:As we make the tough choices needed to put this country’s finances in order and to secure our future prosperity – including the sacrifices that will be required of all Americans – there will undoubtedly be calls to shrink America’s role in the world – for us to sharply reduce our international commitments and the size and capabilities of our military. I would like to address these calls, in this place and at this time.)

●ここ一世紀の間、米国は戦争が終わる毎に、人類の性質が変化して良くなったと期待する傾向を示してきた。人類が進化し、文明とともに人類の悲劇が終わると信じたのだ
●またはもう一つの傾向、つまり米国から遠く離れた世界で起こる危機の始まりから目を背ける傾向を繰り返してきた。1914年のオーストリア皇太子の殺害、アフガンでのタリバンの浸透、1990年代のタリバンとアルカイダの繋がりから目をそらしたのである。
●そして上記が導いた結果は、米国が地平線の向こう出来事に対処する能力と決意を失ってはならないことを示している。

歴史が教えてくれるとしたら、それはいつの世にも悪があり、侵攻や抑圧や富・欲望・権力のために他の人類の自由を犠牲にする輩が存在することである。
●私は歴代のどの国防長官よりも、外交や開発支援と言ったソフトパワーの重要性を提唱してきたと自信を持っている。しかし間違ってはならない。20世紀にそうであったように、21世紀においても、侵略者、独裁者やテロリストへの対処を究極的に保障するのはハードパワーである。

同盟を維持し、貿易路を守り、エネルギーを確保し、潜在的侵略者を抑制するためには、我が軍の信頼性、関与、プレゼンスが欠かせない。残念ながら、これらは国民の目からは見えにくく、国民はこれらの努力の結果を当然のものとしがちである。しかしこれらは、適切に装備され、訓練され、予算を与えられた米国の軍に掛かっているのだ
●確かに、強い軍は健全な国家財政無しには存在し得ない。我々国防省は、組織の官僚的な無駄を排し、人件費やコストを精査し、願望や必要性を無視した要求を排除して任務と能力を再検討するつもりである。しかしDonald Kaganが述べたように、平和の維持には力の保持と負担と責任を受け止める国家の姿勢が求められると。

gatesNotredam.jpg●再びチャーチルの言葉を引用する「偉大さの代償は責任である。米国民は世界の責任から逃れることは出来ない」。
●またある母親から息子への言葉「息子よ、公の仕事は常に誰かの手によって成されなければならない。誰かがやらなければならないのだ。もし賢明な人が避けたなら、他の人もやらないだろう。もし誠実な者が断れば、他も断るだろう。」
私も付け加えよう「もし仮に米国が世界をリードすることを断れば、他国はそれを引き受けないだろう。」 ノートルダムの2010年卒業生諸君、賢明で誠実な諸君が、我が国を新たな偉大さへ導く道を見つけてくれようお願いする。
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シンクタンクAEIで24日、ゲーツ長官が「最後の政策スピーチ in DC」と呼んだ講演を自身の要望で行いました。
中身は「35兆円削減」への覚悟を訴えるモノで、政治家や政権へ「覚悟」を求め、「脅し」を賭けるような勢いです。
細かい字でA4びっちり5枚ですので、気力があれば、忘れた頃にご紹介します。

お好きな方はご参考に。上記で引用したチャーチルの言葉
●You can always count on the Americans to do the right thing – after they’ve tried everything else.
●The price of greatness is responsibility…the people of the United States cannot escape world responsibility.

35兆円削減宣言と対応姿勢
「オバマ35兆円削減宣言」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-05-05
「更なる削減要求に備え」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-04-23
「4段階で経費削減に臨む」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-05-20

士官候補生や中堅幹部への講演
「空軍士官候補生へ最終講義」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-03-07
「前:陸軍士官候補生へ最終講義」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-03-07-1
「後:陸軍士官候補生へ最終講義」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-03-07-2

学生の卒業式や少年への講演
「ゲーツ長官引用の名言」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-05-18-1
「米国の将来を悲観するな」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-05-09
「大学で「公への奉仕を」」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2009-12-22
「ボーイスカウトの精神を」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-07-29
「ROTC学生へ 4軍が抵抗」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-07
「DUKE大学・空軍は単に飛んでいたいのか」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-10-02

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ゲーツ長官時代の終焉に思う [ゲーツ前国防長官]

しみじみムードの予習シリーズ1/2

gates2012BGT.jpg27日付「dodbuzz」が「The end of the Gates era」との記事を掲載し、オバマ大統領による28日のパネッタ新長官紹介を待つことなく、ゲーツ時代を回想し、見えない将来に思いを巡らせています
過去の国防省を振り返り、国防長官が削減しようとしても最終的に出来なかった数々の装備品と、「octopus」のようなペンタゴンを含む産軍複合体の生態を皮肉りつつ、ゲーツ長官の荒行にも言及、そしてゲーツ長官後へも思いをはせる内容となっています。

ゲーツ長官が残した足跡と、去ることへの寂しさと、40年にわたる公務を終えた彼がどんな引退生活をワシントン州の田舎で送るのか等々に思いを巡らせつつ、まんぐーすも長くない余生の行く末と世界情勢を斜に構えて眺めつつ、しばし将来に思いを馳せてみたいと思います。

今日と明日のたった2回シリーズですが、「しみじみムードの予習」です。

記事「ゲーツ時代の終焉」の概要は・・
●それほど長くない国防省の歴史の中で、国防省はそれほど変化しないという特徴を持っている。国防省は肥大化して消費し、時に国防長官によって邪魔されることはあったが、それが欲するモノは手に入れてきた。
Louis Johnsonが空母アメリカをスクラップしても、マクナマラが海空軍にF-111で妥協せよと強要しても、結局(しばしの時間をはさみ)彼らは欲しいモノを得てきた。だれも産軍複合体のパワーを止められなかった。

gatesJ-20.jpg●しかしゲーツ国防長官はその中でも、タコのようなペンタゴンに彼の意志を強制的に押しつけることに最も成功した国防長官である。
ゲーツ長官は空軍に対し最も多くを葬り去った。核運用部隊の不具合とイラクとアフガンで必要な無人機への消極的姿勢で空軍長官と参謀総長を同時に。またエアパワーを褒めるときは、空母に目を向けた。そして伝統的空軍パイロットのシンボルであるF-22計画を中断させた。更に空軍が愛してやまなかった次期爆撃機計画も葬った

●他の軍種も無傷だったわけではない。陸軍は漫画に出てくるような将来戦闘システムを捨て、海軍は水上艦艇士官の夢見るファンタジー溢れる将来クルーザーを失った。海兵隊は彼らのエンブレム的な高速水陸両用車両を断念した。
●ゲーツ時代、各軍種は天空の星ではなく、足下の戦場を見るようにし向けられた。今、空軍はロボット的でない航空機を十分買えなくなり、陸軍は兵士を守る新型車両を購入できない。また海軍は、多数の水兵が海上でなく中東の地上で勤務せざるを得ないことを思い知らされている。

●ゲーツ長官の時代が終わりを告げようとしている今、持ち上がりつつあるのは「この後も続くのか?」との大きな疑問である。
●これに対し空軍士官学校でゲーツ長官は3月に・・・
--この国は既に我々が保有している能力、つまり戦闘機や空母や戦車や着上陸襲撃を求めている。しかしそれらを21世紀に使用する際は、20世紀でのような形で使うことはまず恐らく無いだろう。
--結論を述べれば、各軍種はイラクやアフガン後も前世紀の思考様式に戻るのではなく、これまでと大きく異なった21世紀の世界に備えなければならない。

gatesFP.jpg●ゲーツ長官は空軍に対し、旧来型のパイロット中心の文化(pilot-centric culture)とは全く異なる、新たな戦いを受け入れよと強いている。果たして無人機は空軍の役割をどこまで担えるのか
●また同様に、海軍は空母への要求性能を下げよとの指示にどこまで反抗できるのか、陸軍はゲーツ長官の規模縮小計画と折り合っていけるのか・・・。その結果が出るとき、ゲーツ長官は国防省にはもういないのである。
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特にコメントはございません・・・。明日は2回シリーズの最終回、CSBA理事長クレピネビックの言葉をご紹介します。

「ゲーツ長官引用の名言」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-05-18-1

関連過去記事
「空軍士官候補生へ最終講義」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-03-07
「前:陸軍士官候補生へ最終講義」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-03-07-1
「後:陸軍士官候補生へ最終講義」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-03-07-2

「ゲーツ長官が空軍へ最後通牒」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2009-09-17
「空軍は単に飛んでいたいのか」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-10-02
「海軍海兵隊とも全面対決へ」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-05-04-1 「(追加)海軍海兵隊とも全面対決へ」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-05-07
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