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米空軍からF-15X購入の臭いプンプン [米空軍]

必要な機数を確保するため、予算があれば必要数全機をF-35でカバーしたい。しかし・・・

Goldfein112.jpg26日、Goldfein空軍参謀総長がDefense-Newsの単独インタビューを受け米空軍2020年度予算の論点の一つとなっている「F-15X」購入予算の確保に関する質問に対し、「F-35予算は一切削減しない」、「第4世代機で5世代機の代替はできない」、「質を量ではカバーできない」等々とF-35調達予算の重要性を強調しつつも、必要な量の確保の必要性と予算の縛りにも言及し、明言はしないもののF-15X購入可能性が高いことを強く示唆しました

本件に関しては、昨年末、突然ブルームバーグが、1980年代に購入した老朽化の激しい州空軍保有のF-15C型の後継として、米空軍が2020年度予算に12機のF-15X予算約1300億円を計上する方向だとスクープして大きなニュースになったものです。

F-15 upgrades3.jpgF-15EやF-16がで2030年頃まで使用可能であるのに対し、米空軍はF-15CやD型を約230機保有していますが、機体寿命が近づいて維持経費が高騰し始めていることから、これらF-15Cの後継に、カタールやサウジが比較的最近購入したF-15に、最新レーダー、コックピット、電子戦装備、更に搭載ミサイルの倍増等の改修を加えたF-15Xをボーイング社が売り込んでいたところです

ブルームバーグの報道を受け、F-15CとF-15Xに関しWilson空軍長官は、「全てのオプションがテーブルの上にある」と発言していましたが、今回Goldfein空軍参謀総長は、米空軍予算の変動に備えて様々なオプションを検討しているとしつつも、F-15X購入可能性が高いことを強く示唆しています(そのような印象を受けました)

26日付Defense-News記事によれば
F-15 upgrades.jpg●19日、Goldfein空軍参謀総長はDefense-News記者に対し、予算が十分ある限りはF-15Xを購入する可能性が高い(Air Force could buy)と述べる一方で、「F-35調達を1インチたりとも後退させるつもりはない。F-35予算から他の戦闘機購入費用を融通することは1セントなりともあり得ないし、現在予定しているF-35購入計画を予定通り進める」と強調した
●そして昨年10月から揺れ動く国防費枠への対応について、「我々は730billionに向けて準備してきたが、700になった場合に何を削減するかも検討した。そして750になった場合の事もだ」と述べ、直接的には認めるような発言はしなかったが、F-15X購入の引き金を引く可能性を強く示唆した

ボーイングはF-15Xを空軍に売り込んでいたが、これまで米空軍はこの提案を突っぱねていた。例えば昨年Wilson空軍長官は、「米空軍の戦闘機は現在、8割が4世代機で、2割が5世代機である。将来の戦いを考えれば、大きな違いを生み出す5世代機がより多く必要だ。5対5の比率にしたい米空軍とすれば、4世代機購入はありえず、5世代機の増加に進むのみである」と言い切っていた

Goldfein space.jpgしかし26日の参謀総長発言は、機数を確保するため、戦闘機世代を問うことなく、老朽化が進むF-15の後継機購入に進む可能性があることを示している。実際同大将は「4世代機と5世代機は互いに補完しあう。互いに相互を高めあう」とも表現した
●この相互に高めあう発言を捉え、質を量で補うことで妥協するのかと質問したところ、「それには当たらない」と参謀総長は述べ、「F-15C部隊に穴が開いて任務遂行に必要な機数が不足する事態は避けねばならず、部隊をリフレッシュする必要がある」と語り、

●「F-15C部隊の機体を更新するとしても、F-35部隊建設は並行して計画に基づき進める。決して世代間のトレードオフではない」と訴えた。
●そして「米空軍の戦闘機平均年齢を現在の28歳から15歳に下げ、必要な機数を確保するには、毎年72機の戦闘機を購入し続ける必要がある」と言いつつも一方で、「72機すべてをF-35で調達したいが、予算の制約から実現は難しい」、「F-15はF-35の能力を代替できないが、量も必要なのだ
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F-15 upgrades4.jpg昨年12月、航空自衛隊のF-15(MSIP機)約100機にも能力向上を行う計画だととの報道がありましたが、時を同じくして米国でも、急にF-15X調達への動きが表面化しています

何らかの力が働き、ボーイングを支えるための施策推進が決断されたと考えるのは「妄想が過ぎる」でしょうか? その背景の一つに、KC-46A空中給油機開発でのトラブル頻発によりボーイング社が自腹を切っている4-5000億円があるのでは・・・と考えるのは「邪推」でしょうか?

日本のMSIP機の動向にも注目いたしましょう・・・

「空自MSIP機を能力向上改修へ」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-12-01

米軍F-15は冷や飯
「ボーイングがF-15X宣伝中」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-07-24-1
「コッソリF-15C電子戦能力向上を中止」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-06-03
「F-15Cの早期退役やむなし?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-04-22
「米空軍がF-16延命へ:F-15C退役に弾み?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-04-13
「衝撃:制空用F-15全廃検討」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-03-23
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不穏:一般教書演説で海外撤兵をより鮮明に!? [安全保障全般]

日本時間6日水曜日午前11時から
「シリアとアフガンのでたらめを引き継いだ」と嘆いた大統領
「these wars must finally end」の続きを語るのか?

trump state union.jpg日本時間6日水曜日午前11時から、トランプ大統領が約1週間遅れでやっと調整がついた米国大統領の一般教書演説(State of the Union address)を行います

メキシコ国境の壁予算を巡る議会との対立から、米国政府機関が史上最長の1か月にわたる一部閉鎖に追い込まれ、民主党が多数を占める下院のペローシ議長が同演説の時期延期を求めた結果ですが、米国の外交&安全保障政策の転換を示す演説になるのでは・・・とのうわさが流れ始めています

トランプ大統領自身も先週後半にかけ、冒頭でご紹介したようなメッセージをSNSで発し始め、他にも在韓米軍3万人についても兼ねてから言及しています。

更に1日付NYT紙に掲載のインタビュー記事ではマティス前国防長官の辞任に関し、彼の仕事が全く気に入らなかったから辞任を求めた、と語るなど国際協調を柱にしてきた過去の部下を正面から否定する発言も飛び出しており、一般教書演説に向け、何やら胸騒ぎを感じるのはまんぐーすだけでしょうか・・・

まず1日付NYT紙記事でのトランプ発言など
Mattis9.jpg●トランプ大統領はNYT紙とのインタビューで、「私がマティス長官に辞表を出すよう告げたのだ」と語った。これはこれまで報じられてきた前国防長官辞任の顛末とは異なる
●マティス氏が辞表レターを大統領に提出し、同時に公表した直後、ホワイトハウスはそれを「引退:retirement」と表現し、同長官のそれまでの功績を「国防省の業務である軍隊の強化を大いに推進した」と讃えた

しかし数日後には、トランプ大統領が前長官の業績を「良くなかった」と語り、辞任を歓迎するとまで述べ、更に業務の円滑な引継ぎのため2月末まで国防長官業務を続けるとした辞表レターでの申し出を遮り、Shanahan副長官を1月1日から臨時長官に据えると発表している
●インタビューで大統領は、「マティス氏は辞表に、大統領には最適な考えを同じくする閣僚を選択する権利がある、と書いているが、これは私がマティス氏に対し、『君は私の好みに合わない:You’re just not my choice』と言葉で告げたからだ」と説明している

●トランプ氏はマティス氏との関係が悪化した経緯については細部を語らなかったが、「私はマティス氏にかつてない規模で予算を与えたが、それでもまだ不満だったようだ」とも表現した

一般教書演説について1日付Defense-News記事は
Trump Syria.jpg●同演説の準備を進める政権上級幹部は、安全保障に関する重要な事項が含まれる(will include a significant section on national security)と述べたが、海外展開兵力の削減と外交方針転換について触れることになる以外は細部を詰めているところだとした言及しなかった

1日金曜日には大統領がツイート、「大統領に就任し、シリアとアフガンのでたらめを引き継ぐことになった」と嘆き、「これらの戦いはいつかは終結しなければならない」と付け加えている
●更に「長期間にわたる派遣を経て、今こそ(海外派遣兵士は)帰国を開始すべき時だ。国の予算をより懸命に使用すべきだ。一部の人たちにはより賢くなってもらう必要がある」ともつぶやいた

●1月31日には、上院が大統領のシリアとアフガンからの撤兵計画に反対する決議を行い、同地域の過激派は依然として米国への大きな脅威だと訴えている

trump paris.jpg同演説作成関係者は、トランプ大統領がどの国を特に取り上げることになるか等について、ベネズエラの政治的混乱以外については言及しなかった
昨年の同演説でトランプ大統領は、中東やアフガンでの軍事作戦の進展を讃え、国防費を増加して軍事力を強化すると主張していたが、今年の同演説作成チームは、昨年の内容の多くは今年も引き継がれると述べている
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日本にとっての悪夢のシナリオの一つは、2月末にベトナムで開催される2回目の米朝首脳会談に向け、北朝鮮が米国を射程に入れるICBMを放棄する代わりに、米国が在韓米軍の帰還又は大幅削減で「ディール」するシナリオです。もちろん北の核兵器は「放置」のままで・・・

中国関連では米中の激突が続いていますが、こっちでも心配の種は尽きませんねぇ・・・

2020年度国防予算をめぐる記事
「枠は示されたようですが・・・」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-01-12
「一転、国防費増?」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-12-11
「国防費巡り4者激突」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-12-05
「トランプが閣議で次年度予算5%カット指示」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-10-20-2

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中国の空母キラーDF-26発射映像公開も・・・ [中国要人・軍事]

米海軍が今年初の航海の自由作戦開始日にぶつけ
でも依然として移動目標攻撃能力を証明には・・・

DF-21D-1.jpg1月24日、中国のTY局(中国中央電視台)が「米空母キラー」とか「グアムキラー」と呼ばれる中距離弾道ミサイルDF-26の発射訓練映像を放送し今年初めての「航行の自由作戦」で米海軍がイージス艦(USS McCampbell)が台湾海峡を通過したタイミングにぶつけてきました

ちなみにDF-26が今回の試験発射実施を命じられたのは、1月7日に同イージス艦が南シナ海のParacel Islands(西沙諸島)近傍を通過して今年初めての「航行の自由作戦」を開始した事を受けてのことだと報じられています

映像で射程5740㎞(3570nm)と紹介されているDF-26は、第2列島線上のグアム島米軍基地を攻撃できる中距離弾道ミサイルとして、今話題の米国のINF全廃条約からの脱退を後押ししたインパクトある兵器ですが、2015年9月の「抗日戦争勝利70周年記念パレード」で「ASBM:対艦弾道ミサイル」と場内アナウンスされ、世界の専門家を仰天させた兵器でもあります

DF-26.jpg対艦弾道ミサイル(空母キラー)としては、射程約2000㎞のDF-21D型が中国ウォッチャーの関心を集めていた当時でしたから、その射程の2倍以上で、かつ移動目標である艦艇を攻撃可能との場内アナウンスに、西側専門家は口を「あんぐり」状態でした

そのDF-26を中国国防省は、2018年4月に部隊配備したと発表していますが、DF-21Cと共に、未だに海上の移動目標攻撃に成功した試験や事件は確認されておらず、また中国の海上移動目標情報の収集能力やリアルタイム共有能力に疑問を持つ西側専門家の間には、「空母キラー」は誇大広告と指摘する者も少なくありません

今回公開された映像で、ミサイル上部に4枚のフィンが装着されている様子が映し出され、大気圏再突入後の終末段階でミサイルの軌道修正能力をアピールしているようにも見え、またこの映像公開を報じる中国国営英字紙「環球時報」も、「この試験映像で西側の疑念を払しょくした」と書いているようですが、疑念が晴れたわけではありません

DF-26 2.jpgただ、DF-21DもDF-26も、部隊配備が完了して作戦投入可能だと中国が主張すれば、米海軍が虎の子の空母(搭載アセットを含め2兆円以上の価値)を、安易に射程内で活動させるかと言えばそれも疑問ですから、厄介な兵器であることには間違いありません

以下では、1月24日に公開された約50秒の映像をご紹介いたします

South China Morning Postの映像

DF-26の特徴
固体燃料式で、命令を受けて直ちに発射可能
●車両搭載型の移動式発射機から発射可能(映像あり)



ASBM関連の記事
「対艦弾道ミサイルは脅威か?」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-12-02
「DF-26も対艦能力ありと公言」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-09-04
「米海軍:空母の重要性は不変「」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-08-14 
「空母をどう位置づけるか?」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-02-22

タグ:DF-21D DF-26
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