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2030年代前半から衛星で地上&空中移動目標監視を [Joint・統合参謀本部]

米宇宙軍の副参謀総長が語る
E-3やE-7やE-8 JSTARS の任務を宇宙から

satellites MTI.jpg9月4日、Defense-News主催のイベントで Michael Guetlein 宇宙軍副参謀総長(大将)が、敵の防御能力で敵領域に接近して敵行動を監視することがますます困難になるため、米空軍のE-3やE-7やE-8 JSTARS が担ってきた地上移動目標や空中移動目標監視を、宇宙空間の衛星から実施可能にすべく、2030年代前半からの衛星投入を目指し技術開発中だと語りました

同大将は、従来E-8 JSTARSが担ってきた地上移動目標追尾を GMTI (ground moving target indicator) 任務、E-3が担い今後後継機であるE-7 引き継ぐ空中移動目標追尾をAMTI(Airmoving target indicator)住務と呼び、これら任務遂行には今後、より生存性の高い「成層圏外:beyond the stratosphere」配備のアセットが必要だと語っています

satellites MTI2.jpgまた宇宙軍NO2は、「大型目標のGMTI 任務遂行を検討する中で、AMTI の重要性も感じており、現在各方面と協議しながら研究に投資している」、「GMTIとAMTI の両方で、関連のいくつかの能力が実現し始めるのは(start coming online)、恐らく2030年代前半になるだろう」、更に「今後同任務は多層化方向に向かい、生存性向上のため、衛星と航空機の両方のセンサーを活用する方向に向かう」と語りました。

そして同大将は、敵が攻撃可能範囲が拡大して我を遠ざけ、敵領土の監視を困難にする中、我々は高度を上げて「生存性」を確保する必要に迫られているが、宇宙へ移動し目標からの距離が増すと、必要なレベルの目標解像度を得ることが難しくなると述べ、必要な能力獲得に必要な予算投資が必要で検討しているが、このままでは今後数年間は予算や資源不足に直面する恐れがあると訴えました
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satellites MTI4.jpgKendall 空軍長官や米空軍幹部が、E-3 早期戒管制機の稼働率が老朽化で2~3割にまで落ち込むまで後継機選定(E-7に 2023年決定)を先送りにしてきたのは、GMTIやAMTI任務を「一足飛びに衛星に任せたい」との思いが強すぎたためです。

結局、衛星によるGMTIやAMTI 任務遂行には、まだまだ技術開発や予算が必要で時間がかかると諦め、「中継ぎ」として2022年に急遽上のE-7導入に踏み切ったわけですが、衛星がGMTI やAMTI 任務を担うにはまだ時間が必要です。

Guetlein2.jpgまた Guetlein 副参謀長の「多層化のため衛星と航空機センサーの両方利用」発言からすると、E-7など航空アセットは「中継ぎ」では終わらなさそうです・・・。それでも、この種の能力の実現時期や「多層化」追求に関する、米軍幹部による初めての言及だと思います。見守りたいと思います

2022年、急転直下のE-7 導入決定
「E-7 導入を正式発表」→https://holylandtokyo.com/2022/04/28/3186/
「急にE-3後継機が話題に」→https.//holylandtokyo.com/2022/01/31/2669/

最近のE-7導入準備状況
「1年遅れで価格合意」 →https://holylandtokyo.com/2024/08/30/6218/
「NATOもE-7 導入へ」 →https://holylandtokyo.com/2023/11/21/5262/
「能力向上を米英豪共同で」→https://holylandtokyo.com/2023/07121/4871/

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