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極めて真っ当な米議員団要求:強化格納庫を整備せよ [安全保障全般]

台湾有事では損耗航空機の9割は地上で破壊される予
消耗戦様相の台湾有事には強化シェルター整備が迅速&効果的
過去10年のシェルター整備で米軍は中国の1/20の惨状
現状ゼロのグアムでの整備が急務

HAS3.jpg5月13日付米空軍協会web記事は、米共和党の有力議員であるMarco Rubio上院議員やJohn Moolenaar下院議員ら15名の議員団が、昨年話題となったCSISによる台湾有事War-Game結果が示す「台湾有事で損耗する米軍航空機の9割は空中ではなく地上で失われる」との見積もりと、過去10年の米軍のアジア太平洋地域での強化格納庫(HAS:hardened aircraft shelter)への建設投資が、絶対数でも中国との比較でもあまりにも貧弱であることを問題視し、

台湾有事初動で大規模ミサイル攻撃を受ける可能性が高い「グアム島の基地」を中心とした米海軍と米空軍基地での、短期間で建設可能かつ費用対効果の高い強化航空機格納庫(HAS)や地下燃料貯蔵施設等の建設促進を要望する書簡を、米空軍長官と海軍長官あてに送付し、併せて現時点での強化航空機格納庫(HAS)や地下燃料貯蔵施設等建設への考え方を5月29日までに回答するよう求めている、と紹介しています

極めて真っ当で正論な議員団の問題意識は・・・
CSIS Taiwan 2023.jpg●2023年1月公表のCSISによる台湾有事War-Gameを24回重ねた結果レポート「The First Battle of the Next War」では、「台湾有事で損耗する米軍航空機の9割は空中ではなく地上で失われる」との見積もりが公表されているが、地上で航空機や燃料貯蔵庫を防御する強化格納庫(HAS)への米軍の投資は極めて貧弱な状態が続いている
●例えば、過去10年間で、中国軍は約400個のHASを建設しているが、米軍はアジア太平洋地域で僅か22個しか建設しておらず、その全てが韓国と日本の米軍基地で行われているのみである。ここで注視すべきは、対中国作戦の海空作戦の重要拠点としてミサイル防衛体制整備が急速に進むグアム島の海空軍基地で、過去10年間にHASが全く建設されず、それ以前にも設置されたHASも「ゼロ」の驚くべき実態である

HAS.jpg●アジア太平洋地域には、ハワイやアラスカにも海空戦力拠点があるが、中国にとって攻撃対象としての戦略的・政治的ハードルの高さを考慮すれば、グアム島米軍施設への有事初動でのミサイル攻撃の可能性は極めて高く、かつ現状でグアムが攻撃を受けた場合の被害コストは甚大で、台湾攻防の結果に関係なく、発生する損害額見積もり比較で、米軍は中国に敗北が確実な状況であ
●このような深刻な現状にもかかわらず、米軍のアジア太平洋戦域での施設予算は2023年度から2024年度にかけ減少しており、国防省全体の2024年度関連予算の2%以下しかアジア太平洋地域に配分されていない

HAS2.jpg●地上で航空機や燃料貯蔵庫を防御する強化格納庫(HAS)は、その規模や設計強度により多少費用や建設期間に差はあるが、戦闘機や爆撃機など最新装備の開発や導入に比較すれば圧倒的に安価でかつ短い2年以内で整備可能であり、地上で被害を受ける航空機価格を考慮すれば抜群に費用対効果の高い投資先であることから、早急に建設に着手すべきである

●米議会でこの重要課題について更に検討を深めるため、米海軍長官と空軍長官は5月29日までに、「海空軍のこれまでの関連対策状況」「現時点でのHAS建設計画」「将来希望する関連予算規模」「HAS建設加速のために必要な対策」について回答されたい
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HAS4.jpg「台湾有事で損耗する米軍航空機の9割は空中ではなく地上で失われる」との見積もりが突き付ける課題の大きさは、グアム島や西太平洋に展開予定の米海空軍戦力よりも、日本の自衛隊に対してより大きく厳しい問題だと思いますが、例えば航空自衛隊の意思決定を牛耳る戦闘機命派が、何らかの対策を考えている気配は皆無です

このブログでまんぐーすは、CSBAの「エア・シー・バトル論」紹介から始めて約14年間、この点を一貫して主張し、何ら変化が見られないことに強い無力感を感じていますが、それでもチマチマと発信を継続したいと考えています。日本の将来の為と自分に言い聞かせつつ・・

米議員団「米軍航空機の9割は地上で損壊」の引用元
「CSIS台湾有事のWar Game結果」→https://holylandtokyo.com/2023/01/11/4135/

CSISが台湾に再度提言
「台湾軍に非対称戦術を迫る」→https://holylandtokyo.com/2023/01/16/4160/

くたばれ戦闘機命派
「広中雅之は対領空侵効果に疑問」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-08-18-1
「小野田治も戦闘機に疑問」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-07-05
「織田邦男の戦闘機命論」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-03-06
「F-3開発の動きと日本への提言」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-03-18
「戦闘機の呪縛から脱せよ」→http://crusade.blog.so-net.ne.jp/2013-04-16
「大局を見誤るな:J-20初公開に思う」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-11-02

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