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予算案公開を前に国防長官が省内にメッセージ [オースチン国防長官]

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就任から3年目に臨むオースチン長官の情勢認識
予算の重視事項や国防省の抱える課題を概観するために

Message2023.jpg3月2日、就任から2年を経て3年目に入るオースチン国防長官が、2024年度国防省予算案を議会提出して公になる約2週間前のタイミングで、全国防省員と全米軍に充てた3ページのメッセージを発刊し、国際情勢を受けた国防予算要求での重視事項や、国防省や米軍が抱える問題への対処への所信を述べています

正直に申し上げて、「あまり目立たない国防長官」とのイメージをまんぐーすは持っており、過去2年間に同長官を取り上げたことは数えるほどしかありませんし、未だにフロノイ女史がなるべきだったとは思いますが、政権として多様性を求める観点や、産軍複合体の「闇」の動きもあっての就任ですから、今更ここでグタグタ述べるつもりもありません

Austin GPR.jpgメッセージは、同長官が就任以来掲げてきた3つの重視分野「国防DEFEND THE NATION」、「国防省&米軍勤務者のケアTAKING CARE OF OUR PEOPLE」、「多方面のチームワークSUCCEED THROUGH TEAMWORK」の大項目から構成され、各大項目に3~4個の小項目がぶら下がる構成となっており、米国防省の取り組みや課題を多角的に概観する良い機会ですので、官僚的文書ではありますがご紹介しておきます

「国防DEFEND THE NATION」

●Prioritize China as the "Pacing Challenge.
習近平 愛される国.jpg我々の時代が抱える課題が対中国。米政府機関や議会との垣根を排し、関係国と協力し、統合や相互運用性を高め、アジア太平洋での抑止体制を強化する。我々は、nuclear triad, space, cyberspace, long-range fires, and next-generation capabilities in fighter aircraft and undersea warfare、そして全ドメイン指揮統制に大規模投資を行う

●Tackle the Acute Russian Threat.
Putin Haines Reagan.jpgロシアの不法なウクライナ侵略は1945年以降維持されてきた国際秩序への攻撃であり、プーチンの戦争選択に引きずり込まれることなく、我々はNATO領土を1インチも譲らないとの強い決意の元、同盟国と緊密に連携してNATO東正面を強化する
●Address Advanced and Persistent Threats
北朝鮮やイランや国際テロ組織からの脅威への警戒を怠らない。我が領土や部隊を脅かす無人システムに対処し、遠方からの対テロ対処能力を洗練させていく。最近ISISやアルカイダ指導者を排除したように、ソマリアでのプレゼンス維持拡大などにも取り組む

●Innovate and Modernize
Air Combat Evolution3.jpg我がダイナミズムは米国優位の根源であり、新たな脅威に対処するため、我が統合戦力を「from hypersonic weapons to our Joint Warfighting Concept」分野、「from data analysis to artificial intelligence」分野など多様な領域で近代化し、最新技術開発にも「歴史的な国防投資」し、「once-in-a-generation investmentを造船&艦艇修理所と弾薬製造軍需基盤」に投入して臨む
●Meet the Climate Crisis.
気候変動がもたらす安全保障課題を我が戦略は反映しており、強固に防御された作戦域での兵站支援への影響局限に取り組んでいる。また厳しい気象現象がもたらすリスクを削減し、任務遂行能力の強靭さを向上させることに取り組む

「国防省&米軍勤務者ケアTAKING CARE OF OUR PEOPLE」

●Grow Our Talent
marine2.jpeg世界最強の軍を維持するため、米国最優秀な愛国者人材を募集採用し軍内に留める必要があり、米国の優秀な大学との連携を強化し、教育訓練に投資し、科学・技術・工学・数学分野への奨学金制度を創設し、更に従来に比して例外的な機会提供を通じてプロ育成に取り組む
●Build Resilience and Readiness
省員や米軍人やその家族の生活の質改善のため、昨年大きな投資を行い、引っ越し支援、子弟支援、配偶者就職支援等々に取り組んできたが、まだまだ実施すべきことが残されており、メンタルケアや自殺防止、健康維持管理システム強化や住居の質向上にも取り組んでいく
●Ensure Accountable Leadership
全国防省勤務者の健康や安全や福祉を悪化させるような行為には、国防省として厳しく対処する。性的襲撃対策には、私の就任第1日目から独立の特別評議会を立ち上げて対処してきたし、その提言の実行に取り組んでいる。大統領府や議会とも連携し、性的襲撃への対処法令や規則強化にも取り組み、この種の犯罪への捜査・対処を強化し、同時に関連する犯罪防止策にも引き続き取り組んでいく

「多方面のチームワークSUCCEED THROUGH TEAMWORK」

●Join Forces with Our Allies and Partners
Cobra Gold 23 5.jpg米国の同盟国等とのネットワークは比類なき強みであり戦略アセットである。ウクライナ事案が明示したように、引き続き関係を緊密にし維持する。NATOと同憲章5条へのコミットは強固である。アジア太平洋地域でも、相互運用性や情報共有や統合計画を強化し、より複雑な演習訓練に取り組む。歴史的な豪英米initiativeを遂行していく
●Strengthen Partnerships Across America.
米国内の各州や各自治体や部族との関係は、軍事施設に所在する軍人や家族支援に極めて重要であり、逆に地域にお世話になる軍人たちは自然災害やパンデミック等の地域の危機に際して地域を支えて行く。米議会とは必要資源の確保上で重要なパートナーであり、軍需産業も技術革新の推進役として、また軍の強靭性を維持する上での重要パートナーである
●Build Unity Within the Department.
国防省内に勤務する全ての文民と軍人が活発に協力してこそ時期に即した迅速な決定が可能となる。国防省内の意思決定層でのパートナーシップ精神を組織全体に見せることで、国防省勤務者全体への協力精神拡散を期待したい
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Message2023 2.jpg取り組みを強化する部分や重視する分野の背景には、今そこにある課題が存在するわけで、例えば大項目「国防省&米軍勤務者ケアTAKING CARE OF OUR PEOPLE」には、現在の国防省や米軍が抱える根幹部分に関する課題が反映されています。

また、最後の「Build Unity Within the Department」の小項目に、「国防省内の意思決定層でのパートナーシップ(協力)精神を組織全体に見せることで・・・」と書かれていますが、裏返せば、厳しい予算や増え続ける任務を背景に、国防省や米軍の指導層レベルで、予算確保や業務分担を巡りドロドロの争いが続いているということでしょう。様々な視点で国防長官メッセージをご覧ください・・・

3ページの全国防省&米軍への国防長官メッセージ
https://media.defense.gov/2023/Mar/02/2003171462/-1/-1/1/MESSAGE-TO-THE-FORCE.PDF

過去2年間でわずか11本のオースチン長官記事一覧
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