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米空軍幹部が中国の次世代戦闘機開発を語る [米空軍]

飛躍的なステルス性・情報処理・センサー能力等
米空軍追及のNGADと同方向だと表現
一方でNGADがEMD段階入りとの発言は不正確

Kelly AFA.JPG9月21日、米空軍戦闘コマンドACC司令官Mark Kelly大将が記者団に対し、中国による次世代戦闘機開発について慎重ながら言及し、米空軍が開発中のNGADと同様に「a family of systems」としての運用を想定し、現在の中国戦闘機より「exponential:飛躍的に」ステルス性・情報処理・センサー能力等が向上したものを中国が目指していると語りました

更に同司令官は、中国が市場技術を迅速に取り入れて常に最新装備として維持することに着意し、決して次世代制空機の必要性を議論しているような段階ではなく、中国は確固たる計画に基づき開発を進めている点については明確に断言できると表現しています

Kelly AFA2.jpgまた、米国と中国の次世代機開発のアプローチの違いについて、米国は次世代機開発で一気に大きな飛躍を遂げようとするが、中国は例えば第4世代機を例にすると、ロシア製フランカーを少しずつ能力向上を図りながら、SU-27→SU-30→J-16→SU-35へと次第に国産レベルを上げ、最終的なSU-35は「5世代機のアビオや速度性能を備えた非常に優れた4世代機」で、次世代戦闘機への足掛かりになっていると語っています

Kelly AFA3.jpgそしてKelly司令官は、中国の次世代戦闘機の完成時期については言及しませんでしたが、「我々は、中国や他の潜在的敵対国より、少なくとも1か月は先んじて6世代制空機を手に入れなければならない」、「我々は彼ら(中国や敵対国)よりも早く達成する必要がある。さもなければ好ましい結末は得られない」と訴えました

なお同司令官は関連で、NGADが配備される2030年頃まで、F-22を信頼できる戦力として維持しておくことの必要性も同時に訴えたようです

一方でKendall空軍長官はNGAD開発状況について・・・
 
Kendall AFA7.jpg9月19日、Kelly司令官と同じ米空軍協会航空宇宙サイバー会議の会場で、Kendall空軍長官が記者団に対し、6月に自身が「NGADが基礎研究&確認段階を終え、EMD(engineering, manufacturing and development)フェーズに入った」と語ったことに関し発言を後退させ、公式には、EMDに入る前に必要な「Milestone Bレビュー」はまだ行われておらず、EMDフェーズに入っていないと述べました

6月の同長官による「EMDフェーズに入った」発言は米会計検査院GAOの関心も呼び、GAOが「現状を確認する」との姿勢を示すなど波紋を広げていたこともあり、9月7日にはDefense-Newsの取材に「事前の設計段階や基礎確認と同時に、EMD関連にも取り組んでいるとの認識を表現したものだ」と6月発言を修正することを示唆していたところでした

Kendall AFA2.jpg19日に同長官は本件に関し更に明確に、「NGAは依然基礎設計段階にあり、EMDフェーズに入ったとの表現は会話の中での表現」と述べ、EMDフェーズに入る前段階の「Milestone B」決定は公式にはなされていないと訂正しました

この一連のKendall長官の発言に対し航空専門家は辛らつな反応を見せ、共に元米空軍戦闘機パイロットであるヘリテージ財団のJohn Venable研究員やミッチェル研究所のHeather Penney研究員は、「2030年までにNGADが量産段階に入る可能性は極めて低い」、「無人機等とa family of systemsとして機能するための試験や確認には多くの時間が必要なはず」「1機数百億円と同長官が語ったNGADが円滑に導入可能とは考えにくい」等々と疑問を投げかけています

Kendall AFA4.jpgそして両研究員は、「NGADが初期運用態勢を確立するのは2030年代にかなり入ってからになると考えるべき」、「我々の悲観的な見通しが誤っていれば、米空軍にとっては良いのだが・・・」とコメントしています
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剛腕で知られるKendall空軍長官には期待するところ大ですが、最近の「F-35エンジンのAETP換装」や「NGAD進捗」に関する前のめりな発言が、国防省内や米議会において米空軍の立場を高める方向に作用しているのか疑問です。

Kendall AFA.jpgなお、Kelly司令官は中国次世代制空機開発について事柄の性質から細部に言及しませんでしたが、「National Air and Space Intelligence Center」のレポート等によれば・・・との表現で語ったようです

中国の次世代戦闘機開発については取り上げたことが無かったので、ご紹介しました

問題のKendall長官の6月発言
「NGADはEMD phaseに入った」→https://holylandtokyo.com/2022/06/03/3315/

最近のNGAD関連記事
「次期制空機NGADは1機が数百億円」→https://holylandtokyo.com/2022/05/09/3193/
「NGADの無人随伴機開発は」→https://holylandtokyo.com/2022/03/24/2938/
「NGADに発言相次ぐ」→https://holylandtokyo.com/2021/11/11/2376/
「戦闘機族ボスが少し語る」→https://holylandtokyo.com/2021/09/16/2211/
「戦闘機族ボスがNGADへの危機感」→https://holylandtokyo.com/2021/03/05/154/

AETPエンジン関連
「F-35へのAETP搭載にGEとP&W社の意見対立」→https://holylandtokyo.com/2022/09/29/3681/
「AETP採用なら調達機数削減!覚悟?」→https://holylandtokyo.com/2022/09/13/3644/
「AETP採用しないと産業基盤崩壊訴え」→https://holylandtokyo.com/2022/08/24/3562/
「空軍長官:国防省に下駄預ける」→https://holylandtokyo.com/2022/08/09/3515/
「空軍長官:数か月で決着すべき」→https://holylandtokyo.com/2022/05/26/3260/

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