働き方改革を考える:ニューギニア海産の挑戦 [ふと考えること]
職場の概念を変えるエビ加工事業所「ニューギニア海産」
パート従業員24名が好きな日に出勤し休むことができ、
休む場合には無断欠勤がルールで連絡禁止&理由説明不要で、
月20時間以上の縛りはあるが、1日や週の勤務時間縛りがなく、
それでも、出勤した人には必ず仕事を用意する態勢を整え、
1つの共通業務を除き、申告した嫌な仕事はやらない職場で
他人の仕事を助けることを求めない職場を基本とし、
その結果、3年間でパート退職者なしで、かつ作業効率向上
2022年9月25日(日)朝7時30分から放送のTBS「ガッチリマンデー」が、冒頭紹介のような職場を、試行錯誤しながら約10年で作り上げた「ニューギニア海産」とのエビ加工&販売業を取り上げたのですが、その社長さんの考え方や現場の様子が「目からうろこ」の驚き満載だったので、いつもとは全く異なる話題ですが、社長さんの「note」等からご紹介いたします
ご紹介する「ニューギニア海産」は、社長以下社員4名とパート約25名の輸入エビを「むきエビ」や「エビフライ(揚げる前段階)」に加工して販売する会社で、武藤北斗さん(1975年生:47歳)が社長兼工場長を務められていますが、冒頭にご紹介したような働き方を2013年6月から段階的に導入して成果を上げ、大きな注目を集めている会社です
武藤さんは大学卒業後(金属工学科)、築地市場勤務を経てパプアニューギニア海産に就職しましたが、東日本大震災で会社・工場(宮城県石巻市)がほぼ全壊し、大阪への移住を決意。震災による二重債務を抱え大阪府茨木市で再出発し、2020年に大阪府摂津市に工場を拡大新設した苦労人です。
大震災で「生きる」「死ぬ」「働く」「育てる」などを真剣に見つめ考えるようになり、2013年から従業員が自分の生活を大事に働ける職場への取り組みを開始し、「好きな日に働ける」「嫌いな作業はやる必要はない」など、固定概念に囚われず人が持ち得る可能性を引き出すことに挑戦している方です。
水産加工業と言う「不人気」「人材の定着率が低い」「人間関係で人が辞める」との悪循環が「常態」である職場を改めるため、冒頭紹介の勤務体制の他、従業員間の人間関係の摩擦を取り除き、子供や家庭を抱えるパートさんの動機づけを極限まで考え、社員とパートさんが最大限にその能力を発揮することを追求する同社長の柔軟な勤務体制づくりから、まんぐーすは大きな刺激を受けました
武藤さんの「note」からいくつか紹介すると
●(会社の)重要なルールとして初期からあるのが「従業員同士で陰口や悪口を言ってはならない」。休憩室などで「その場にいない人の話をしないでください」とお願いしている。一方で、工場長である私には他の従業員への不平不満もすべて話してくださいとお願いしている。
●職場にとって一番大切な争いをなくすことのために、細かなルールをたくさんつくった。「助けあってはいけない」など変わったルールが沢山ある。パート長廃止、お土産禁止なども好評
●雇用人数は繁忙期も変更はなく、『繁忙期だけ短期のパートさんを雇用』は一切考えていない。短期間のパートさんが一緒に仕事をした場合、単純な作業が多くなり、不平や不満がたまり勝ち。今いる従業員の皆さんに出勤を少し増やしてほしいと柔らかくお願いをするだけ。ミーティングで全体に向かってお願いするというのもポイントで、一人一人に対して個人的にお願いはしない
●どんな仕事であっても、職場環境がよければ面白さややりがいというのは自分で見つけられる気がする。争いがない安心できる場所で何かに一生懸命取り組み続けることができると考えると、何だかワクワクしてくるのは私だけではない。結論を誤解を恐れずに言うと『人間が働く中で大切なものって実は仕事の内容ではなく、人間関係』なんだと、今では考えている。
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この工場の作業は大きく5つ(エビの加工、パッケージ包装梱包、荷造り発送、冷凍庫での製品&材料管理、事務作業)で、「だから可能なんだ・・」と見ることはできますが、経営学の原点ともなった1932年加州ホーソン工場での作業効率改善実験から導かれた「人間関係論」の現代版とも言えます
パート従業員が対象の試みと見ることも出来ましょうが、流動性が激しく人の確保が難しいながら、極めて重要な役割を担う最前線従業員を如何に活性化して有効し、組織全体の満足度を高めるためのアプローチに他ならず、普遍的な側面が大いにあると思います。
現在的な人材管理の限界を感じ始めている皆様に、一つの「刺激」としてご紹介いたしました。詳しくは武藤社長の「note」をご覧ください
武藤社長の「note」
→ https://note.com/hokutomuto
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パート従業員24名が好きな日に出勤し休むことができ、
休む場合には無断欠勤がルールで連絡禁止&理由説明不要で、
月20時間以上の縛りはあるが、1日や週の勤務時間縛りがなく、
それでも、出勤した人には必ず仕事を用意する態勢を整え、
1つの共通業務を除き、申告した嫌な仕事はやらない職場で
他人の仕事を助けることを求めない職場を基本とし、
その結果、3年間でパート退職者なしで、かつ作業効率向上
2022年9月25日(日)朝7時30分から放送のTBS「ガッチリマンデー」が、冒頭紹介のような職場を、試行錯誤しながら約10年で作り上げた「ニューギニア海産」とのエビ加工&販売業を取り上げたのですが、その社長さんの考え方や現場の様子が「目からうろこ」の驚き満載だったので、いつもとは全く異なる話題ですが、社長さんの「note」等からご紹介いたします
ご紹介する「ニューギニア海産」は、社長以下社員4名とパート約25名の輸入エビを「むきエビ」や「エビフライ(揚げる前段階)」に加工して販売する会社で、武藤北斗さん(1975年生:47歳)が社長兼工場長を務められていますが、冒頭にご紹介したような働き方を2013年6月から段階的に導入して成果を上げ、大きな注目を集めている会社です
武藤さんは大学卒業後(金属工学科)、築地市場勤務を経てパプアニューギニア海産に就職しましたが、東日本大震災で会社・工場(宮城県石巻市)がほぼ全壊し、大阪への移住を決意。震災による二重債務を抱え大阪府茨木市で再出発し、2020年に大阪府摂津市に工場を拡大新設した苦労人です。
大震災で「生きる」「死ぬ」「働く」「育てる」などを真剣に見つめ考えるようになり、2013年から従業員が自分の生活を大事に働ける職場への取り組みを開始し、「好きな日に働ける」「嫌いな作業はやる必要はない」など、固定概念に囚われず人が持ち得る可能性を引き出すことに挑戦している方です。
水産加工業と言う「不人気」「人材の定着率が低い」「人間関係で人が辞める」との悪循環が「常態」である職場を改めるため、冒頭紹介の勤務体制の他、従業員間の人間関係の摩擦を取り除き、子供や家庭を抱えるパートさんの動機づけを極限まで考え、社員とパートさんが最大限にその能力を発揮することを追求する同社長の柔軟な勤務体制づくりから、まんぐーすは大きな刺激を受けました
武藤さんの「note」からいくつか紹介すると
●(会社の)重要なルールとして初期からあるのが「従業員同士で陰口や悪口を言ってはならない」。休憩室などで「その場にいない人の話をしないでください」とお願いしている。一方で、工場長である私には他の従業員への不平不満もすべて話してくださいとお願いしている。
●職場にとって一番大切な争いをなくすことのために、細かなルールをたくさんつくった。「助けあってはいけない」など変わったルールが沢山ある。パート長廃止、お土産禁止なども好評
●雇用人数は繁忙期も変更はなく、『繁忙期だけ短期のパートさんを雇用』は一切考えていない。短期間のパートさんが一緒に仕事をした場合、単純な作業が多くなり、不平や不満がたまり勝ち。今いる従業員の皆さんに出勤を少し増やしてほしいと柔らかくお願いをするだけ。ミーティングで全体に向かってお願いするというのもポイントで、一人一人に対して個人的にお願いはしない
●どんな仕事であっても、職場環境がよければ面白さややりがいというのは自分で見つけられる気がする。争いがない安心できる場所で何かに一生懸命取り組み続けることができると考えると、何だかワクワクしてくるのは私だけではない。結論を誤解を恐れずに言うと『人間が働く中で大切なものって実は仕事の内容ではなく、人間関係』なんだと、今では考えている。
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この工場の作業は大きく5つ(エビの加工、パッケージ包装梱包、荷造り発送、冷凍庫での製品&材料管理、事務作業)で、「だから可能なんだ・・」と見ることはできますが、経営学の原点ともなった1932年加州ホーソン工場での作業効率改善実験から導かれた「人間関係論」の現代版とも言えます
パート従業員が対象の試みと見ることも出来ましょうが、流動性が激しく人の確保が難しいながら、極めて重要な役割を担う最前線従業員を如何に活性化して有効し、組織全体の満足度を高めるためのアプローチに他ならず、普遍的な側面が大いにあると思います。
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