豪州KC-30A給油機と空自F-2の給油適合試験完了 [安全保障全般]
KC-30Aは世界ベストセラー給油機A330MRTTのことです
8月からの「Pitch Black 22」演習への参加準備完了
4月29日、豪州空軍は日本に派遣していたKC-30A空中給油機(A330型MRTTのこと)による、空自F-2への3週間にわたる空中給油適合性確認試験が終了したと発表しました。
この適合試験は、8月から9月にかけ北部豪州で実施される「Exercise Pitch Black 22」に空自機が参加するために必要な準備の一環で、3月28日に小牧基地に展開した豪空軍KC-30Aが、4月4日から27日にかけ、空自F-2機に計9回のフライトで空中給油を行うことで実施されました
参加したF-2はA型とB型各2機で、日本海と太平洋上の訓練空域で試験は実施された模様です。KC-30はブームシステム(ARBS)と3Dディスプレイシステムを活用し、日中・夕暮れ・夜間の様々な条件下で給油試験が行われ、F-2側も様々な搭載形態(最大兵装は4発の対艦ミサイルとAAM-3空対空ミサイル搭載)で適合性を確認したとのことです
空自機は2020年の「Pitch Black」演習に初参加を目指していましたが、コロナの影響で他の参加予定国(米国、カナダ、フランス、ドイツ、ニュージーランド、インドネシア、シンガポール、タイ、マレーシア、韓国)との演習機会を逃していましたが、今回は満を持しての準備完了です
自衛隊と豪軍は、最近のトンガ火山爆発への災害対処&人道支援任務や、「Cope North in Guam」演習, 更に2019年に日本で行われた「Bushido Guardian」演習などを通じて関係を強化しています
豪空軍のDarren Goldie准将は本試験の意義について
●今回の適合試験の成功は、日本の飛行開発実験団と豪空軍ARDU(Aircraft Research and Development Unit)の2年間に及ぶ周到な準備の賜物である
●この試験プログラムの成功により、8月から9月に開催される「Exercise Pitch Black 22」への空自機の参加が可能になる
●初の豪給油機から空自機への空中給油及び適合試験終了は、豪日間の相互運用性を飛躍的に向上させるものであり、両国による作戦協力の高度化と複雑化を可能にすることを意味する
●そして更に、このような豪日の取り組みを通じ、我々は安全で包括的に強靭なインド太平洋地域を更に推進強化し続けることが可能になる
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日豪の関係強化面からの意義はもちろん大きいのですが、世界のベストセラー空中給油機であるKC-30A(A330型MRTTのこと)から、F-2だけでも空中受油可能になったことの重要性も忘れてはなりません。
KC-30A(A330型MRTTのこと)は、日米イスラエルだけが使用するKC-46より遥かに普及が進んでおり、自動給油システムなども成熟しています
●導入国がKC-46より多い
--- A330 MRTTは、豪州空軍が初導入後、英、サウジ、UAE、仏、シンガポール、韓国など13か国49機が運用中。25万飛行時間で6万回の空中給油実績実績
--- 更に、米軍機で空中給油認可済は10機種以上で、戦闘機ではF-35、F-22、F-16、F-15、A-10、爆撃機ではB-1、輸送機・哨戒機ではC-17、E-3、P-3及びP-8A対潜哨戒機、そのほかE-7にも給油可能
--- ベースとなるA330は世界で1600機以上使用され、部品調達など機体維持上の問題もない
●使用可能飛行場が3割増
--- 翼がKC-46より大きく揚力が大きいため、アジア太平洋地域で利用できる飛行場が3割増(現在150が196に増加)になる
●3か国が導入決定の自動給油装置アリ
--- 「fly-by-wire boom system」で全自動装置を試験中(既に330回給油試験済で今年中に昼間運用認証予定、夜間認証は2023年)
--- 高解像度高精彩3Dの画像システムを使用し、処理速度や反応速度が速い
KC-30A(A330型MRTTのこと)関連の記事
「A330型MRTT解説とLMXT」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-09-20
米空軍が空中給油機整備方針を大転換
「大転換:KC-YとZはKC-46の改修型へ」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2022-04-17
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8月からの「Pitch Black 22」演習への参加準備完了
4月29日、豪州空軍は日本に派遣していたKC-30A空中給油機(A330型MRTTのこと)による、空自F-2への3週間にわたる空中給油適合性確認試験が終了したと発表しました。
この適合試験は、8月から9月にかけ北部豪州で実施される「Exercise Pitch Black 22」に空自機が参加するために必要な準備の一環で、3月28日に小牧基地に展開した豪空軍KC-30Aが、4月4日から27日にかけ、空自F-2機に計9回のフライトで空中給油を行うことで実施されました
参加したF-2はA型とB型各2機で、日本海と太平洋上の訓練空域で試験は実施された模様です。KC-30はブームシステム(ARBS)と3Dディスプレイシステムを活用し、日中・夕暮れ・夜間の様々な条件下で給油試験が行われ、F-2側も様々な搭載形態(最大兵装は4発の対艦ミサイルとAAM-3空対空ミサイル搭載)で適合性を確認したとのことです
空自機は2020年の「Pitch Black」演習に初参加を目指していましたが、コロナの影響で他の参加予定国(米国、カナダ、フランス、ドイツ、ニュージーランド、インドネシア、シンガポール、タイ、マレーシア、韓国)との演習機会を逃していましたが、今回は満を持しての準備完了です
自衛隊と豪軍は、最近のトンガ火山爆発への災害対処&人道支援任務や、「Cope North in Guam」演習, 更に2019年に日本で行われた「Bushido Guardian」演習などを通じて関係を強化しています
豪空軍のDarren Goldie准将は本試験の意義について
●今回の適合試験の成功は、日本の飛行開発実験団と豪空軍ARDU(Aircraft Research and Development Unit)の2年間に及ぶ周到な準備の賜物である
●この試験プログラムの成功により、8月から9月に開催される「Exercise Pitch Black 22」への空自機の参加が可能になる
●初の豪給油機から空自機への空中給油及び適合試験終了は、豪日間の相互運用性を飛躍的に向上させるものであり、両国による作戦協力の高度化と複雑化を可能にすることを意味する
●そして更に、このような豪日の取り組みを通じ、我々は安全で包括的に強靭なインド太平洋地域を更に推進強化し続けることが可能になる
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日豪の関係強化面からの意義はもちろん大きいのですが、世界のベストセラー空中給油機であるKC-30A(A330型MRTTのこと)から、F-2だけでも空中受油可能になったことの重要性も忘れてはなりません。
KC-30A(A330型MRTTのこと)は、日米イスラエルだけが使用するKC-46より遥かに普及が進んでおり、自動給油システムなども成熟しています
●導入国がKC-46より多い
--- A330 MRTTは、豪州空軍が初導入後、英、サウジ、UAE、仏、シンガポール、韓国など13か国49機が運用中。25万飛行時間で6万回の空中給油実績実績
--- 更に、米軍機で空中給油認可済は10機種以上で、戦闘機ではF-35、F-22、F-16、F-15、A-10、爆撃機ではB-1、輸送機・哨戒機ではC-17、E-3、P-3及びP-8A対潜哨戒機、そのほかE-7にも給油可能
--- ベースとなるA330は世界で1600機以上使用され、部品調達など機体維持上の問題もない
●使用可能飛行場が3割増
--- 翼がKC-46より大きく揚力が大きいため、アジア太平洋地域で利用できる飛行場が3割増(現在150が196に増加)になる
●3か国が導入決定の自動給油装置アリ
--- 「fly-by-wire boom system」で全自動装置を試験中(既に330回給油試験済で今年中に昼間運用認証予定、夜間認証は2023年)
--- 高解像度高精彩3Dの画像システムを使用し、処理速度や反応速度が速い
KC-30A(A330型MRTTのこと)関連の記事
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米空軍が空中給油機整備方針を大転換
「大転換:KC-YとZはKC-46の改修型へ」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2022-04-17
応援お願いします!ブログ「東京の郊外より」支援の会
→https://community.camp-fire.jp/projects/view/258997
ブログサポーターご紹介ページ
→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-04-16-1
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