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THAADシステムに最新型PAC-3発射機連接し迎撃成功 [Joint・統合参謀本部]

THAAD高性能レーダー情報でPAC-3使用可
PAC-3の指揮統制システム不要、発射機のみ連接
きっかけは朝鮮半島の移動部隊からの緊急要請

THAAD PAC-3.jpg3月9日ロッキード社が声明を発表し、2月24日に米ミサイル防衛庁MDAがTHAADシステムに最新型PAC-3のMSE(Missile Segment Enhanced)を連接した射撃試験をホワイトサンズ射撃場で実施し、THAADシステムのレーダーで捕捉した目標を、PAC-3MSE発射機から発射されたミサイルで迎撃に成功(実際はヒット直前で迎撃体を自爆措置)したと明らかにしました

この試験は、THAADのレーダーと指揮等統制装置にPAC-3MSE発射機を繋いで行われ、PAC-3システムより捜索範囲の広いTHAADレーダーで捕捉した目標に対し、THAAD指揮統制装置から出された指示に従ってPAC-3MSE発射機から迎撃ミサイルを発射する形で行われました

THAAD PAC-34.jpgつまり、THAADシステムに、THAADミサイル発射機とPAC-3MSE発射機を同時に接続し、目標の飛行諸元や脅威度や友軍の応戦状況に応じて、迎撃手段を前線の指揮統制装置内で高高度広範囲対応のTHAADミサイルと低高度拠点対応のPAC-3MSEから選択可能になるということです

米陸軍とミサイル防衛庁MDAは、朝鮮半島展開の移動部隊からの差し迫った要求に応えるため、数年前から重層的なミサイル防衛網構築を目指してTHAADとPAC-3融合に急いで取り組んできた模様で

THAAD PAC-35.jpg融合試験当初は、THAADシステムにPAC-3指揮統制装置を含む全システムを連接していたようですが、よりシンプルな形を追求し、2月24日のPAC-3発射機のみを連接する形にまで深化させた様です

米軍内でPAC-3を運用する陸軍は、将来的にPAC-3を「new integrated air and missile defense system」に置き換える計画を進めているようですが、残ったPAC-3発射機と迎撃ミサイルを、THAADシステムに連接して重層的な防御網構築をオプションとして持つ方向なのかもしれません(邪推です)

9日、発表同日にワシントンDCで講演したMDA長官のJon Hill海軍中将は、「作戦運用上の緊急要請に応え、間もなく成果を前線に届けることができることに喜びを感じ興奮している」と語っています
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Hill MDA.jpgTHAADシステムとPAC-3発射機との連接要領がよくわかりませんが、THAADレーダーとPAC-3システムの連接組み合わせは可能なのでしょうか?

ニーズはともかくとして、日本にあるTHAADレーダーとPAC-3システムが遠隔連接できれば、青森県や京都府の日本海側になる米軍のTHAADレーダー情報を、日本各地に展開するPAC-3部隊に提供できれば、広範囲の戦況を把握できて良いことがあるかもしれません(ないかな? JADGEシステムとの連接で十分かな?)

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「UAEでTHAADが初実戦迎撃成功」→https://holylandtokyo.com/2022/01/24/2640/
「グアムには陸上配備イージスアショアが必要」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-07-23
「CSISが時代遅れの米国IAMDに提言」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2018-01-27-2

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