その1 米空軍改善提案コンテスト最終候補 [米空軍]
Spark Tank competitionの最終候補をご紹介
3月4日に米空軍協会戦闘シンポジウム(フロリダ州で開催)の会場で、米空軍の前線部隊から提出された各種改善提案の発表会が開催され、最終候補に残った6つの提案がプレゼンを行いました。
毎年開催の米空軍省主催「Spark Tank competition」との改善提案コンテストが、優秀提案に予算をつけたりするのかは不明ですが、米空軍協会web記事が最終候補を取り上げ紹介していますので、GW中に3回に分けてご紹介することとし、本日は2つの最終候補をご紹介いたします
なお、どの提案が最優秀に選ばれたかについては、「その3」の記事の中でご紹介いたします
1つは「輸血用血液の最前線への最終輸送手段に無人機を」との提案で、もう一つは「操縦者の低酸素症の原因と関係がある酸素マスクのフィット感を改善するシリコン詰め物を3Dプリンターで」との提案です。
いずれも少佐が提案チーム長を務める草の根の提案で、米空軍前線部隊のニーズや部隊のニーズを体現したもので、部隊の現実を知る機会なので取り上げます
輸血用血液の最前線への最終輸送手段に無人機を
●ネリス空軍基地第99医療支援隊の提案:提案チーム長はGiselle Rieschick少佐
●前線での負傷者等に輸血用の血液を緊急輸送する必要が生じた場合、地上に脅威がある場合、乗員6名のUH-60ヘリを輸送手段にすることになるが、搭乗員の命をリスク下に置き、種々の手続きが極めて複雑で煩雑になる。かつてヘリで20分の輸送を対空脅威から断念した経験が今回の提案の背景にある
●この課題を解決するため、約50㎏の専用ボックスを搭載し、40マイル以上飛行可能な無人機2機の導入と、通信覆域拡大のためピックアップトラックに搭載可能な通信タワーを約5500万円で導入することを提案する
●「輸血用血液の緊急輸送ニーズ」は米空軍前線部隊だけでなく、陸軍部隊でも、海軍艦艇部隊が沿岸地域から地上部隊を支援する場合にも使用でき、統合レベルでも多様なニーズがあるはずであり、血液以外にも多様な応用が可能である
3Dプリンターで操縦者用酸素マスクのフィット改善シリコン挿入具を
●空軍士官学校で歯科医として勤務するGiselle Rieschick少佐を中心としたチーム提案
●操縦者の低酸素症が大きな問題となっているが、その要因の一つと考えられている問題に酸素マスクの不適合がある。多くの操縦者が酸素マスクと鼻の接点に不快感を感じ、中には酸素マスクを外して飛行しているパイロットも少なくないと言われている
●歯科医であるRieschick少佐は、歯の詰め物で歯の治療を行う際、10種類のタイプの詰め物の中から患者のあったタイプを選択し、微調整して治療に使用してきたが、操縦者の酸素マスクMBU-20/Pには5種類のタイプしかなく、パイロットは各顔の形状に合わせた微調整もせず使用している状況に驚いた
●例えばF-35操縦者用のHUDヘルメットは4500万円もするというのに、安全に直結する酸素マスクに顔形状にあった選択肢がない状況改善に、歯科医の世界では広く普及し始めていたスマホ撮影の顔写真と3Dプリンターの組み合わせを応用し、酸素マスクのフィッティングを改善する安価なシリコン製挿入具の開発を提案した
●周辺の操縦者にこのアイディアを話すると大きな支持が得られたが、実用化には膨大なデータの蓄積や試験が必要であり、支援を得るため提案コンテストに応募した
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今日ご紹介した「改善提案コンテスト」については、他の4件の最終候補も順次ご紹介します
どの提案の紹介も十分ではなく、読者の皆様も消化不良気味かもしれませんが、細部については → https://www.afwerx.af.mil/spark-tank.html. をご覧ください
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毎年開催の米空軍省主催「Spark Tank competition」との改善提案コンテストが、優秀提案に予算をつけたりするのかは不明ですが、米空軍協会web記事が最終候補を取り上げ紹介していますので、GW中に3回に分けてご紹介することとし、本日は2つの最終候補をご紹介いたします
なお、どの提案が最優秀に選ばれたかについては、「その3」の記事の中でご紹介いたします
1つは「輸血用血液の最前線への最終輸送手段に無人機を」との提案で、もう一つは「操縦者の低酸素症の原因と関係がある酸素マスクのフィット感を改善するシリコン詰め物を3Dプリンターで」との提案です。
いずれも少佐が提案チーム長を務める草の根の提案で、米空軍前線部隊のニーズや部隊のニーズを体現したもので、部隊の現実を知る機会なので取り上げます
輸血用血液の最前線への最終輸送手段に無人機を
●ネリス空軍基地第99医療支援隊の提案:提案チーム長はGiselle Rieschick少佐
●前線での負傷者等に輸血用の血液を緊急輸送する必要が生じた場合、地上に脅威がある場合、乗員6名のUH-60ヘリを輸送手段にすることになるが、搭乗員の命をリスク下に置き、種々の手続きが極めて複雑で煩雑になる。かつてヘリで20分の輸送を対空脅威から断念した経験が今回の提案の背景にある
●この課題を解決するため、約50㎏の専用ボックスを搭載し、40マイル以上飛行可能な無人機2機の導入と、通信覆域拡大のためピックアップトラックに搭載可能な通信タワーを約5500万円で導入することを提案する
●「輸血用血液の緊急輸送ニーズ」は米空軍前線部隊だけでなく、陸軍部隊でも、海軍艦艇部隊が沿岸地域から地上部隊を支援する場合にも使用でき、統合レベルでも多様なニーズがあるはずであり、血液以外にも多様な応用が可能である
3Dプリンターで操縦者用酸素マスクのフィット改善シリコン挿入具を
●空軍士官学校で歯科医として勤務するGiselle Rieschick少佐を中心としたチーム提案
●操縦者の低酸素症が大きな問題となっているが、その要因の一つと考えられている問題に酸素マスクの不適合がある。多くの操縦者が酸素マスクと鼻の接点に不快感を感じ、中には酸素マスクを外して飛行しているパイロットも少なくないと言われている
●歯科医であるRieschick少佐は、歯の詰め物で歯の治療を行う際、10種類のタイプの詰め物の中から患者のあったタイプを選択し、微調整して治療に使用してきたが、操縦者の酸素マスクMBU-20/Pには5種類のタイプしかなく、パイロットは各顔の形状に合わせた微調整もせず使用している状況に驚いた
●例えばF-35操縦者用のHUDヘルメットは4500万円もするというのに、安全に直結する酸素マスクに顔形状にあった選択肢がない状況改善に、歯科医の世界では広く普及し始めていたスマホ撮影の顔写真と3Dプリンターの組み合わせを応用し、酸素マスクのフィッティングを改善する安価なシリコン製挿入具の開発を提案した
●周辺の操縦者にこのアイディアを話すると大きな支持が得られたが、実用化には膨大なデータの蓄積や試験が必要であり、支援を得るため提案コンテストに応募した
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