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南シナ海の米空母でF-35着陸失敗等事故5件相次ぐ [Joint・統合参謀本部]

女性艦長の空母リンカーンと連携訓練中にF-35事故
昨年11月末から5件連続、全て調査中
同空母はF-35C型初搭載空母で注目されているが

Carl Vinson.jpg1月25日付Military.com記事は、南シナ海で活動中の空母カールビンソンで1月24日、F-35C型が着陸に失敗し、パイロットは脱出して海上で救出されたものの、乗員7名が負傷、うち3名がマニラの病院に緊急搬送され1名は危険な状態にあると報じています

F-35C Carl.jpg同事故は、同じく南シナ海周辺に展開中の空母リンカーンと空母カールビンソンの連携共同訓練中に発生した模様ですが、空母カールビンソンは昨年9月から太平洋地域に派遣されており、空母リンカーンは初の女性艦長の元、1月3日にサンディエゴを出港したばかりでした

気になるのは、空母カールビンソンで昨年11月末から、小さくない事故が24日の事故も含めて5件連続している点です

同記事は米海軍安全センター(Naval Safety Center)のデータから他の4件を紹介し、
●11月22日、FA-18飛行中エンジン火災(無事着陸)
●11月24日、対潜哨戒へりMH-60R Seahawkが訓練中にソナー喪失
●11月29日、FA-18飛行中エンジン1基トラブル(無事着陸)
●12月31日、オスプレイが甲板上でエンジン火災

Carl Vinson3.jpg以上4件では、いずれも負傷者はなかったものの、異常な連続発生に米海軍も危機感を持って調査を続けているようですが、米海軍報道官は、「5件の事案はいずれも調査中であり、調査完了まではコメントを控えたい」、「いずれも細部を確認中であり、飛行中に発生した事案を含め、調査中である」とのみコメントしています

Carl Vinson2.jpg中東での作戦で酷使され、様々に機体疲労や部品故障が発生しているFA-18事案が2件含まれていますが、それ以外は異なる機種での事故であり、機材面での関連性があるとは考えにくいですが、「事故の連鎖」は、指揮統率、人事管理、整備管理、乗員の士気などなど、様々な要因が想定される「危険な兆候」です

空母カールビンソンは、米海軍として初めて空母艦載型F-35のC型を運用開始した「the air wing of the future」を体現した空母であり、事故の連鎖が止まることを願うばかりです

米空母関連の話題
「女性艦長で空母初出撃!」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2022-01-05
「6年遅れで空母フォード完成へ」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-12-26
「米空母と潜水艦修理の75%が遅延」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-08-22
「国防省が空母2隻削減と無人艦艇推進案」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-04-22
「CSBAが提言:大型艦艇中心では戦えない」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-01-10

その他の米海軍の話題
「3大近代化事業を一つに絞れ」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-06-09
「無人システム構想が酷評される」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-03-22

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