米陸軍が50KW防空レーザー装備の装甲車3台導入へ [Joint・統合参謀本部]
1個小隊用Stryker戦闘車両3両を手始めに
現在もプロトタイプで各種試験&微修正継続中
小型の無人機を撃退可能な出力レベルですが
1月12日、CSIS主催のイベントで米陸軍のNeil Thurgood中将が、プロトタイプ試作や試験を続けている50KWレベルの陸軍車両レーザー自己防御兵器SHORAD(Short Range Air Defense)システムに関し、9月末までにStryker戦闘車両に搭載し、オクラホマ州の陸軍部隊に小隊規模3両を配備すると明らかにしました
Kord Technologiesとレイセオン社がチームとなって取り組むこの防御SHORADシステムは、小型無人機やロケット弾や迫撃砲から戦闘車両を防御することを狙うもので、2019年に主契約企業をKord社に、2021年にレイセオンをサブ契約企業に決定し、米陸軍初のレーザー兵器として開発を進めているものです
米国防省「Directed Energy Roadmap」での目標設定は
●2022年までに、150-300KW級の兵器化
100Kwでドローン、小型ボート、ロケット、迫撃砲に対処可能
300kwで巡航ミサイルに対処可能
●2024年までに、500KW級の兵器化
●2030年までに、1GW級の兵器化
・・・となっており、50KWは本当の初期段階でその威力も僅かですが、SHORADのサブ契約企業を決める際、レイセオンのライバルだったNorthrop Grummanが試作段階でシステム心臓部の火災事故を2回起こして開発を断念&事業から撤退し、この事業の難しさを改めて知らしめることになりました
しかし、既に米陸軍は50KW級を超える出力レベルの開発にも着手しており、100KW級は2019年の選定でレイセオン社を破った「Dynetics and Lockheed Martin team」チームに託し、300KW級もDynetics社をが担当企業に決定してHeavy Expanded Mobility Tactical Truckへの搭載を目指して開発を開始しているようです
9月末までの3両導入に向け、陸軍と関係企業は現場運用者も交えた試験と改修を現在も精力的に行っており、2月上旬まで実射やバーチャル試験が続くようですが、レイセオンが量産を担当するわけではなく、量産担当は改めて企業選定を行う予定で、ロッキードが対抗馬に名乗りを既に上げているようです
「いつまでたっても完成まであと5年」と揶揄され続けているレーザー兵器やエネルギー兵器ですが、2021年10月にはロッキードがAC-130搭載用の60KW出力のレーザー兵器で米空軍による地上受領試験を突破したと発表したり、低出力での動きが伝えられています
ただ、米国防省「Directed Energy Roadmap」が掲げる第一弾目標の「2022年までに、150-300KW級の兵器化」も、現状からすれば容易とは言えない状況で、試行錯誤が続く予想されます
それでもレーザー兵器は、連続発射が可能(弾薬の運搬&保管不要)で、光速で目標に到達(同時多数目標に対処可能)などの利点から、今後の脅威の中心となる無人機から地上火器対処、更には巡航&弾道ミサイルや極超音速兵器対処にまで大きな期待を集める兵器ですので、「生暖かく」ですが今後も見ていきたいと思います
世界の軍事関係者に衝撃
「攻撃無人機でアゼルバイジャン圧勝」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-12-21
エネルギー兵器関連
「AC-130用レーザー兵器の企業地上試験終了で空軍へ提供」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-10-12
「米議会がレーザー兵器開発に懸念で調査要求へ」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-09-08
「戦闘機防御用から撤退へ」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-07-01
「米空軍が無人機撃退用の電磁波兵器を試験投入へ」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-09-27
「米陸軍が50KW防空レーザー兵器契約」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-08-05
「米艦艇に2021年に60kwから」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-05-24
「F-15用自己防御レーザー試験」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-05-04
「エネルギー兵器での国際協力」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-06-27
「エネルギー兵器とMD」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-05-12
「レーザーは米海軍が先行」[→]https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-03-24
「無人機に弾道ミサイル追尾レーザー」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-12-17-1
「私は楽観主義だ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-09-23
「レーザーにはまだ長い道が」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-07-18
国防省高官がレーザーに慎重姿勢
「国防次官がレーザー兵器に冷水」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-09-12
「米空軍大将も慎重」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-06-24
夢見ていた頃
「AC-130に20年までにレーザー兵器を」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-07-06
「2021年には戦闘機に」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-02-21
「米企業、30kwなら準備万端」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-03-17-1
「米陸軍が本格演習試験」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-05-14-1
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現在もプロトタイプで各種試験&微修正継続中
小型の無人機を撃退可能な出力レベルですが
1月12日、CSIS主催のイベントで米陸軍のNeil Thurgood中将が、プロトタイプ試作や試験を続けている50KWレベルの陸軍車両レーザー自己防御兵器SHORAD(Short Range Air Defense)システムに関し、9月末までにStryker戦闘車両に搭載し、オクラホマ州の陸軍部隊に小隊規模3両を配備すると明らかにしました
Kord Technologiesとレイセオン社がチームとなって取り組むこの防御SHORADシステムは、小型無人機やロケット弾や迫撃砲から戦闘車両を防御することを狙うもので、2019年に主契約企業をKord社に、2021年にレイセオンをサブ契約企業に決定し、米陸軍初のレーザー兵器として開発を進めているものです
米国防省「Directed Energy Roadmap」での目標設定は
●2022年までに、150-300KW級の兵器化
100Kwでドローン、小型ボート、ロケット、迫撃砲に対処可能
300kwで巡航ミサイルに対処可能
●2024年までに、500KW級の兵器化
●2030年までに、1GW級の兵器化
・・・となっており、50KWは本当の初期段階でその威力も僅かですが、SHORADのサブ契約企業を決める際、レイセオンのライバルだったNorthrop Grummanが試作段階でシステム心臓部の火災事故を2回起こして開発を断念&事業から撤退し、この事業の難しさを改めて知らしめることになりました
しかし、既に米陸軍は50KW級を超える出力レベルの開発にも着手しており、100KW級は2019年の選定でレイセオン社を破った「Dynetics and Lockheed Martin team」チームに託し、300KW級もDynetics社をが担当企業に決定してHeavy Expanded Mobility Tactical Truckへの搭載を目指して開発を開始しているようです
9月末までの3両導入に向け、陸軍と関係企業は現場運用者も交えた試験と改修を現在も精力的に行っており、2月上旬まで実射やバーチャル試験が続くようですが、レイセオンが量産を担当するわけではなく、量産担当は改めて企業選定を行う予定で、ロッキードが対抗馬に名乗りを既に上げているようです
「いつまでたっても完成まであと5年」と揶揄され続けているレーザー兵器やエネルギー兵器ですが、2021年10月にはロッキードがAC-130搭載用の60KW出力のレーザー兵器で米空軍による地上受領試験を突破したと発表したり、低出力での動きが伝えられています
ただ、米国防省「Directed Energy Roadmap」が掲げる第一弾目標の「2022年までに、150-300KW級の兵器化」も、現状からすれば容易とは言えない状況で、試行錯誤が続く予想されます
それでもレーザー兵器は、連続発射が可能(弾薬の運搬&保管不要)で、光速で目標に到達(同時多数目標に対処可能)などの利点から、今後の脅威の中心となる無人機から地上火器対処、更には巡航&弾道ミサイルや極超音速兵器対処にまで大きな期待を集める兵器ですので、「生暖かく」ですが今後も見ていきたいと思います
世界の軍事関係者に衝撃
「攻撃無人機でアゼルバイジャン圧勝」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-12-21
エネルギー兵器関連
「AC-130用レーザー兵器の企業地上試験終了で空軍へ提供」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-10-12
「米議会がレーザー兵器開発に懸念で調査要求へ」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-09-08
「戦闘機防御用から撤退へ」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-07-01
「米空軍が無人機撃退用の電磁波兵器を試験投入へ」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-09-27
「米陸軍が50KW防空レーザー兵器契約」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-08-05
「米艦艇に2021年に60kwから」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-05-24
「F-15用自己防御レーザー試験」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-05-04
「エネルギー兵器での国際協力」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-06-27
「エネルギー兵器とMD」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-05-12
「レーザーは米海軍が先行」[→]https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-03-24
「無人機に弾道ミサイル追尾レーザー」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-12-17-1
「私は楽観主義だ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-09-23
「レーザーにはまだ長い道が」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-07-18
国防省高官がレーザーに慎重姿勢
「国防次官がレーザー兵器に冷水」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-09-12
「米空軍大将も慎重」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-06-24
夢見ていた頃
「AC-130に20年までにレーザー兵器を」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-07-06
「2021年には戦闘機に」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-02-21
「米企業、30kwなら準備万端」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-03-17-1
「米陸軍が本格演習試験」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-05-14-1
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