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欧州で初の米空軍F-35部隊設立 [亡国のF-35]

施設工事遅延で1年遅れも英国で
12月から機体受け入れ、最終的には2個飛行隊へ

495th Fighter S.jpg1日、英国のLakenheath英空軍基地で、米空軍初の欧州F-35飛行隊となる第495飛行隊が約30年ぶりに再立ち上げされ、飛行隊長が12月から機体受け入れを開始すると明らかにしました

「約30年ぶりに再立ち上げ」とご紹介したのは、同飛行隊がWW2時代に創設されて終戦時にいったん活動を終えた後、冷戦に伴い再編成され、1977年から1991年12月までF-111F戦闘爆撃機の部隊として「砂漠の盾」作戦などで活躍した歴史を持つからです

コロナの影響か、当初は2020年再立ち上げ予定が1年遅れのようですが、欧州全体で2030年までに450機のF-35を運用予定との予定の元、他の欧州導入国と連携して「がんばるぞ!」との同飛行隊長や欧州米空軍司令官の決意のほどをご紹介しておきます

先ずその前に、欧州諸国のF-35導入構想は
●共同開発国では(()内は導入予定機数)
 Denmark(27機), Italy(90機), Netherlands(37機), Norway(52機), 英国(138機)
●FMS購入国
 Belgium(34機), Israel(19機),ポーランド(32機)、スイス(32機)

495th Fighter S3.jpg上記を合計すると461機となり、これに米国がLakenheath英空軍基地に配備予定の2個飛行隊(第495飛行隊含む)48機を加えると500機を超えるのですが、2030年までだと地域合計450機になるようです

ただ、コロナ等による経済危機により、イタリアの90機や英国の138機は早くも赤信号で、イスラエルは50機以上の可能性があるものの、先行きの不透明感はぬぐえません

1日付米空軍協会web記事によれば
495th Fighter S2.jpg●1日に再編成された第48戦闘航空団隷下の第495飛行隊は、12月から機体を受け入れ、47機と人員約60名で活動する。更に同基地には追加でF-35飛行隊が編成される予定で、将来的には2個飛行隊48機で運用される予定である

●第495飛行隊長のIan D. McLaughlin中佐は1日、飛行隊のニックネームは伝統の「Valkyries」(戦場での生死を決める寓話上の女性)を引き継ぐと明らかにし、「冬に機体を受け入れるまでにやるべきことは山ほどあるが、伝統ある飛行隊を戦力化し、欧州最初のF-35飛行隊として欧州全体の戦力増強につなげたい」と決意を述べた
●欧州米空軍司令官のJeffrey L. Harrigian大将は9月の米空軍協会航空宇宙サイバー会議で、欧州でF-35をかつてない規模で運用する同盟国等と緊密に連携し、「既に計画中の欧州戦域F-35全体でのleverage構想により、相互運用性を高めるなどして地域におけるF-35の重要性を示していきたい」と抱負を語っていたところ
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495th Fighter S4.jpg現在のF-35の論点は、維持費の高止まりを如何に改善するかです。現在は第4世代機の2倍の維持経費が必要で、今後当初の要求性能を満たす「Block4」レベルへの機体改修などに必要な経費とその維持費見通しからすると、劇的な改善は困難との見方が一般的で、米議会幹部も米空軍幹部も、維持費レベルが確定した時点で調達機数削減を決定する意向を示しているところです

米空軍の導入予定機数は1760機程度ですが、これが800機程度に縮小されたとしても、既に一大戦力ですからしっかり活用して頂かないと困ります

兵站支援情報システムODINの開発中断など、現場のご苦労には頭が下がるばかりですが、頑張って頂くほかありません。B型も含め、140機以上の導入構想がある航空自衛隊も同様です

F-35のエンジン問題
「エンジン問題で15%飛行不能」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-07-15
「エンジンブレードと整備性問題」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-02-13
「Lord次官が最後の会見でF-35問題を」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-01-21
「F-35エンジン改良検討」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2017-06-01-2
「AETPの開発」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2016-07-02-1

最近のF-35
「2025年に調達上限設定を」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-09-01
「酸素生成装置問題を解決せよ」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-08-03
「海兵隊C型が完全運用態勢」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-07-08
「スイスが14番目の購入国に」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-07-01
「英国防相がF-35企業に不満をぶちまける」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-06-24-1
「英国は調達機数半減か」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-03-24
「伊軽空母に海兵隊F-35B展開」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-03-14-1
「F-35投資はどぶに金を捨てるようなもの」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-03-06
「エンジンブレードと整備性問題」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-02-13
「F-35稼働率の状況」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2021-01-21
「新型戦術核搭載飛行試験」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-11-28
「5月の事故対策改修は秘密」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-11-24
「中東でかく戦えり」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-08-19
「機種別機数が第3位に」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-07-07
「B型とC型が超音速飛行制限甘受」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-04-27
「ボルトの誤使用:調査もせず放置へ」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-02-29
「ポーランドが13カ国目に」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-02-03

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ブログサポーターご紹介ページ
https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-04-16-1

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