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Defense-Newsが日本のF-2後継機開発を報じる [安全保障全般]

7日の防衛省による自民党への説明受け
準トップ記事扱いです
90機保有のF-2後継機

F-3 1.jpgあまり関心が持てず、放置していた航空自衛隊のF-2後継機に関する事項を、9日付Defense-Newsが準トップ記事扱いで短く淡々と報じていますので、ご紹介しておきます

記事は、7日に防衛省が自民党の国防議員連盟に対し、開発スケジュール案を提示したことを紹介するものですが、その前に経緯的なものを簡単に日本のメディアから拾ってみると・・・

---2019年12月防衛大臣が「将来戦闘機」から「次世代戦闘機開発計画」ニュー・ジェネレーション・ファイター(NGF)へと呼称を変更と明らかに

---報道ロッキード社によるF22とF35をベースにしたハイブリッド案を断った英BAEシステムズが提案した「テンペスト」共同開発計画も蹴った 
---報道日本政府は「日本主導の開発」を掲げ米軍や、米軍事産業への過度な依存から脱却することを目指している
---報道最大100機程度の導入を想定。1機200億円以上になる可能性があり、コスト削減は重要課題

F-3 2.jpg---2020年5月、防衛省は次期戦闘機の開発チームを防衛装備庁内に20数人規模でスタート。機体のイメージはほぼ固まり、後は生産企業と役割分担をどう決めるかが中心作業。国産100%は運用面やコスト面から不可能で、「日本主導」の原則を押さえつつ、米英など外国企業参加をどこまで認めるかが焦点何をもって「日本主導」と見なすかは曖昧

以上のようなざっくりとした経緯(正確かどうか自信なし)を踏まえつつ、9日付Defense-Newsが報じるところをご覧ください

9日付Defense-News記事によれば
日本が、次世代の国産戦闘機開発のスケジュールを作成し、2024年から試作機製造に着手し、本格生産を2031年開始する方向の流れを明らかにした
7日、防衛省が与党である自民党関係者に戦闘機開発の計画案を提示し、主契約企業を遅くとも今年中に、早ければ今年10月にも決定し、2020年度中に機体形状や重量、エンジン推力などの「構想設計」に着手する方向を示した

F-3 3.jpg日本は過去10年間、戦闘機の技術の開発に取り組んできており、ステルス形状設計や同素材、active electronically scanned array radars、ターボファンエンジンなど研究対象に含まれている
●また日本は、これら技術を実証するデモ機を、2016年から18年の間で飛行試験している
●なお日本は、(共同開発国でないにもかかわらず)F-35の米国に次ぐ顧客であり、A型を115機、B型を42機運用予定である
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まぁ・・・もう熱く語る気力もないのですが、戦闘機など航空アセットは、脆弱で攻撃されやすい飛行場インフラに依存しており、中国の膨大な各種ミサイル兵器により、またサイバー攻撃や電子戦線攻撃によって無効化される可能性が高く、有事における機能発揮が危ぶまれるアセットです

Asia Pacific.jpgこの状態を踏まえ米空軍は航空アセットの分散運用をACE構想などで取り組んでいますが、米空軍戦闘コマンド司令官や太平洋空軍司令官からは、「中国正面で、戦闘機は将来必ずしも必要なアセットではない可能性」との発言や、「西太平洋の基地防御は困難」とのあきらめムードが漂う表現ぶりも聞かれる今日この頃です

FMSに押されて衰退傾向にある日本の軍需産業基盤の維持育成の「最後の砦」として、自衛隊出身議員などが「日本主導の原則」の旗を押し立てているわけですが、イージスアショア撤退を契機に始まった様々な議論も踏まえ、また無人機や地上配備型攻撃兵器との投資バランスも含め、よーーーーーーく考えた方がよいと思います

「機体のイメージはほぼ固まり」・・・との報道もありますが、米空軍が根本的に次世代制空NGAD見直しをWill Roper氏を中心に始める前の、PCAと呼ばれて頃(3-4年前)のイメージではないでしょうか?

中国正面で戦闘機に出番はあるのか?
「戦闘機族ボス:中国正面で戦闘機のニーズは・・・」https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-02-28
「西太平洋の基地防御は困難」https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-09-23
「欺まんで中国軍を騙せ」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-12-21

中国軍事脅威の本質は
「脅威の変化を語らせて下さい」→http://crusade.blog.so-net.ne.jp/2012-10-08
「中国軍事脅威の本質を考えよう」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2012-12-30
「A Balanced Strategyを振り返る」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2011-11-27

分散運用へ新コンセプトACE
「三沢でACE訓練」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-03-21
「太平洋空軍がACEに動く」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-02-12
「太平洋空軍司令官がACEを語る」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2017-12-10-1
「有事に在日米軍戦闘機は分散後退」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-11-02
「F-22でACEを訓練」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2017-03-08

意思決定先延ばしの米空軍次期制空機
「CSBAの米空軍将来提言」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-01-24
「連接重視で航空アセット削減へ」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-01-28
「次期制空機検討は急がない、急げない」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-11-19
「米空軍が次期戦闘機検討でギャンブル」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-10-05

「戦闘機族のボスがNGAD予算を危惧」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-08-21
「PCA価格はF-35の3倍?」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-12-15
「秋に戦闘機ロードマップを」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-04-22
「PCA検討状況」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-07-12
「次期制空機検討は2017年が山!?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-11-12
「次世代制空機PCAの検討」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-08-30
「航続距離や搭載量が重要」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-04-08

「CSBAの将来制空機レポート」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-04-15-2
「NG社の第6世代機論点」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-01-17
「F-35にアムラーム追加搭載検討」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-03-28

欧州の戦闘機関連話題
「英戦闘機開発にイタリアも参加へ」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2019-09-11
「独仏中心に欧州連合で第6世代機開発」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-04-07-2
「独の戦闘機選定:F-35除外も核任務の扱いが鍵」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-02-01
「独トーネード90機の後継争い」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-04-28

無人機ウイングマン構想
https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-05-21

日米技術協力の視点
「日米が協力すべき4分野」→https://holyland.blog.ss-blog.jp/2020-04-18

ブログ「東京の郊外より」支援の会を立ちあげました!
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