米空軍:B-1とB-2早期引退方針に変化なし [米空軍]

米空軍協会がこの質問をしたのは、爆撃機ロードマップ「Bomber Vector」発表後に、米空軍が将来予測情勢を基礎に必要戦力数を見積もって発表した「Air Force We Need」で、爆撃機飛行隊を追加で7個飛行隊増やす必要があるとの結果が示され、B-1やB-2を早期引退させずに維持する方向転換があったのでは・・・・との噂が流れていたからです
まずB-1とB-2早期引退方針の背景ですが・・・
(細部は→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-02-17-2)
●以前は、B-1とB-52を2040年まで、B-2を2058年まで使用する計画だったが、「Bomber Vector」では、B-1とB-2を2030年前半に早期退役させ、B-52のエンジン換装等を行って2050年代まで維持する。
●新規に導入するB-21爆撃機100機は、2020年半ばから11年かけて製造され、75機のB-52と併せた175機体制への移行はゆっくり行われる

●B-1とB-2の稼働率が低く維持費が高いのは、部品製造企業が次々に撤退し、部品確保が困難であることが大きな原因で、特に20機しかないB-2は部品の「共食い」で何とかしのいでいる状態で、2058年までの維持など到底不可能である。またB-2のステルス突破力は、間もなく通用しなくなるとの見積もりも背景にはある
●また、B-21爆撃機を、B-1とB-2の後継として同じ基地に配備することで、弾薬管理施設等の設備投資を抑え、運用要員や整備員計約1万名への影響を最低限に、かつ安価に円滑に機種更新を実施可能と見積もられることがある
●一方で、開発が進む長射程スタンドオフ兵器や多様な兵器が搭載可能なB-52に対しては、今後のエンジン換装による燃費改善で航続距離や在空時間を延伸し、2050年代の退役までエンジンを取り外し定期整備を不要とする方向で、
●また、B-52エンジン換装や2050年代までの維持には2兆4千億円が必要とされているが、そのうちの1兆円強は新エンジン導入による維持費や燃料費の削減でペイできると米空軍は主張している
Wilson空軍長官はインタビューで

●我々のB-21爆撃機開発は、Critical Design Reviewも終了し、スケジュール通りに順調に進んでいる。B-21計画は最もよく管理された開発プロジェクトの一つであり、爆撃機の全体計画を変更する必要はない
●B-52爆撃機に対しては、エンジン換装等の近代化改修に引き続き投資してゆく
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米空軍協会のミッチェル研究所は、独自に必要爆撃機数を見積もり、「270機」との数字を打ち出しているようです。
そしてその中では、B-21爆撃機の調達機数増加を求めており、またB-1とB-2の退役時期もB-21が十分配備されるまで待つべきと提言されています(B-1ろB-2早期退役は支持)

まぁ・・・ミッチェル研究所は米空軍応援団ですから大きな要求を持ち出しますが、事は日本周辺の軍事情勢に直結していることを肝に銘じておきましょう
爆撃機ロードマップ
「2018年春のBomber Vector」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-02-17-2
B-52関連の記事
「パイロンに大型兵器を」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-07-14-2
「エンジン換装大集会」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-12-24
「エンジン内部破損で落下」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-01-08
「弾薬庫航空機に向け改修」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-08-13
21世紀の抑止概念を目指す
「3本柱は本当に必要?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-07-22
「米戦略軍も新たな抑止議論」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-03-11
「将来の抑止と第3の相殺戦略」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-03-03
「次期爆撃機に有人型は不要だ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-07-16-1
2019-03-01 05:00
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