国防省評価局:ALISは未だF-35の大きな障害 [亡国のF-35]
問題多数で使えないからデータベース不十分
使わないから使用者の習熟度も上がらず
開発段階での試験が現場の使用実態と乖離・・・
1月31日、米国防省の試験評価局(DOT&E:director of operational test and evaluation)が、F-35の稼働率が上がらない元凶の一つである自動兵站情報システムALISの現状についてレポートを発表し、
設計上の機能を発揮できず、現場を混乱させている様子を厳しく指摘しています
現場の使用状況に即した性能確認試験が不十分なため現場に余計な負担をかけ、トラブルが多いため整備員がALISを使用しない抜け道で活動するため正確なデータ蓄積ができず、不十分な情報やソフトのバグが生む誤った故障アラームで稼働率低下の悪循環など、現場整備員の苦悩が伺えるデタラメな状況がレポートされています
まだ現場配分の機体数が少ないため人海戦術で対応しているのでしょうが、機数が増えるにしたがって整備の現場が破綻する様子が目に浮かぶようです・・・・。皆さん、F-35運用が安定し、F-35を採用する国が増えてきたと考えるのは大きな間違いです。米国がF-35輸出を促進するため、一生懸命表面をお化粧しているだけです・・・
1日付Defense-News記事によれば
●ALIS(Autonomic Logistics Information System)は、F-35運用と整備に効率性をもたらすものと大宣伝されているが、必要なデータの欠落とソフトのバグにより、現場整備員の仕事をますます困難なものにしてる様子をDOT&Eレポートは暴露している
●結果として、ALISが誤って機体故障アラームを表示し、例えば展開先で飛行開始までに余計な時間を要し、現場整備員に大きな負担を強いている
●DOT&Eレポートは、ALIS関連不具合を大きく3つのカテゴリーに分類できるとしている
●一つ目は、自動化されているはずの使用手順の多くが、未だ手動入力によらねばならず、操作に多大な時間を必要とする点
●二つ目は、ALISが提供するデータが不完全や誤りであることが多い点。理由は様々だが、例えば契約業者が問題の多いALISを使いたがらず必要な情報が入力されいのも背景の一つ。F-35を製造するロッキード社の現場でも、ALISを使い始めたのは2018年3月からという驚くべき実態
●三つ目は、上記2つの結果、現場整備員がALIS使用経験不足である点。このため複雑な搭載装備品のデータ修正には多くの時間を要し、結果として求められる時刻までに機体を飛行可能にすることができない事態に至っている。ALIS操作問題での非稼働が、主要な5つの非稼働率原因に入っている
●このような問題が顕在化するのはF-35が母基地から機動展開した場合で、不自由な環境では第4世代機より飛行準備に時間必要になっている。このため整備員は、本来ALISで実施すべきデータ管理を、自己流の別手段で行っている
●最もF-35稼働率が低い海兵隊の航空基地では、修理のために必要な部品をALISに入力すると、入手までに数年かかると表示されることがあり、電話で確認して急送を依頼している実態などが明らかになっている
●同レポートによれば、これら問題の一部はソフト管理部門で対策が行われているが、タイムリーに措置されていない問題が多数あり、対処されている問題の解決にも異常に長い時間がかかっている
●ALIS内の複数のアプリが異なった指示を出し、現場を混乱させている問題も2012年から指摘されているが、複数のソフト改修を経た後も依然問題として残っている
●ロッキード社は、今後のALISソフト改修はより小規模で頻度を上げる方向で行うとし、DOT&Eもその方向を指示しているが、改修ソフトの試験手法が現場のALIS使用実態に即しておらず、ソフト開発部署ごとに試験手法が異なっていると批判している
DOT&EレポートがALIS以外で指摘した課題の一部
●海兵隊に納入されたF-35Bの初期型は、2000時間分の耐久試験しか行われておらず、8000時間と設定されている耐用年数前に問題が出る可能性がある
●国防省F-35計画室は、今後6か月ごとにソフトを更新する方向で計画しているが、あまりにも頻繁でソフトの信頼性確認が不十分なリスクが高い
●F-35に脅威データを提供する「mission data files」を作成する装置が不十分であり、特に展開先など作戦時のストレスが高い環境下で新たなデータファイルを迅速に作成できない
●F-35A型の機関砲の装着が適切に行われておらず、射撃の正確性に問題がある
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F-35の維持整備はそのコストと作業員負担の多さで大きな問題となっており、最大の懸案の一つですが、「日暮れて途遠し」状態に変化無しです
航空自衛隊の現場の声(三沢基地の整備員)を是非聞いてみたいものです・・・
関連の記事
「2Bソフト機は稼働率4割台」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-03-10-1
「2/3が飛行不能FA-18の惨状」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-02-07
「世界中のF-35稼働率は5割」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-03-03-3
「F-35の主要な問題や課題」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-12-17
「維持費をF-16並みにしたい」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-04-01-1
「再びGAOが警告」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-06-10
使わないから使用者の習熟度も上がらず
開発段階での試験が現場の使用実態と乖離・・・
1月31日、米国防省の試験評価局(DOT&E:director of operational test and evaluation)が、F-35の稼働率が上がらない元凶の一つである自動兵站情報システムALISの現状についてレポートを発表し、
設計上の機能を発揮できず、現場を混乱させている様子を厳しく指摘しています
現場の使用状況に即した性能確認試験が不十分なため現場に余計な負担をかけ、トラブルが多いため整備員がALISを使用しない抜け道で活動するため正確なデータ蓄積ができず、不十分な情報やソフトのバグが生む誤った故障アラームで稼働率低下の悪循環など、現場整備員の苦悩が伺えるデタラメな状況がレポートされています
まだ現場配分の機体数が少ないため人海戦術で対応しているのでしょうが、機数が増えるにしたがって整備の現場が破綻する様子が目に浮かぶようです・・・・。皆さん、F-35運用が安定し、F-35を採用する国が増えてきたと考えるのは大きな間違いです。米国がF-35輸出を促進するため、一生懸命表面をお化粧しているだけです・・・
1日付Defense-News記事によれば
●ALIS(Autonomic Logistics Information System)は、F-35運用と整備に効率性をもたらすものと大宣伝されているが、必要なデータの欠落とソフトのバグにより、現場整備員の仕事をますます困難なものにしてる様子をDOT&Eレポートは暴露している
●結果として、ALISが誤って機体故障アラームを表示し、例えば展開先で飛行開始までに余計な時間を要し、現場整備員に大きな負担を強いている
●DOT&Eレポートは、ALIS関連不具合を大きく3つのカテゴリーに分類できるとしている
●一つ目は、自動化されているはずの使用手順の多くが、未だ手動入力によらねばならず、操作に多大な時間を必要とする点
●二つ目は、ALISが提供するデータが不完全や誤りであることが多い点。理由は様々だが、例えば契約業者が問題の多いALISを使いたがらず必要な情報が入力されいのも背景の一つ。F-35を製造するロッキード社の現場でも、ALISを使い始めたのは2018年3月からという驚くべき実態
●三つ目は、上記2つの結果、現場整備員がALIS使用経験不足である点。このため複雑な搭載装備品のデータ修正には多くの時間を要し、結果として求められる時刻までに機体を飛行可能にすることができない事態に至っている。ALIS操作問題での非稼働が、主要な5つの非稼働率原因に入っている
●このような問題が顕在化するのはF-35が母基地から機動展開した場合で、不自由な環境では第4世代機より飛行準備に時間必要になっている。このため整備員は、本来ALISで実施すべきデータ管理を、自己流の別手段で行っている
●最もF-35稼働率が低い海兵隊の航空基地では、修理のために必要な部品をALISに入力すると、入手までに数年かかると表示されることがあり、電話で確認して急送を依頼している実態などが明らかになっている
●同レポートによれば、これら問題の一部はソフト管理部門で対策が行われているが、タイムリーに措置されていない問題が多数あり、対処されている問題の解決にも異常に長い時間がかかっている
●ALIS内の複数のアプリが異なった指示を出し、現場を混乱させている問題も2012年から指摘されているが、複数のソフト改修を経た後も依然問題として残っている
●ロッキード社は、今後のALISソフト改修はより小規模で頻度を上げる方向で行うとし、DOT&Eもその方向を指示しているが、改修ソフトの試験手法が現場のALIS使用実態に即しておらず、ソフト開発部署ごとに試験手法が異なっていると批判している
DOT&EレポートがALIS以外で指摘した課題の一部
●海兵隊に納入されたF-35Bの初期型は、2000時間分の耐久試験しか行われておらず、8000時間と設定されている耐用年数前に問題が出る可能性がある
●国防省F-35計画室は、今後6か月ごとにソフトを更新する方向で計画しているが、あまりにも頻繁でソフトの信頼性確認が不十分なリスクが高い
●F-35に脅威データを提供する「mission data files」を作成する装置が不十分であり、特に展開先など作戦時のストレスが高い環境下で新たなデータファイルを迅速に作成できない
●F-35A型の機関砲の装着が適切に行われておらず、射撃の正確性に問題がある
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F-35の維持整備はそのコストと作業員負担の多さで大きな問題となっており、最大の懸案の一つですが、「日暮れて途遠し」状態に変化無しです
航空自衛隊の現場の声(三沢基地の整備員)を是非聞いてみたいものです・・・
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