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来年1月電子戦検討の結果報告を [米空軍]

ここ数年でやっと気づいたEWでの劣勢
シリアが地上で最も激烈な電子戦場

Electronic Warfare.jpg10日、米空軍副参謀総長のStephen Wilson大将がインタビューに答え、米空軍が国防省への提言を目的に1年間かけて検討してきた電子戦(EW: electronics warfare)体制整備構想を、来年1月の兵器戦術会議(WEPTAC)で披露する予定だと明らかにしました

この検討を行っているのは、米空軍全体の将来構想を検討するECCT(Enterprise Capability Collaboration Team)の電子戦チームの様ですので、国防省から委託を受けているわけではないようですが、将来を見据えて米空軍単独では戦えないことから、国防省レベルでなすべきことの案出を目的としているのでしょう

何回かご紹介したように、米軍は対テロ作戦に没頭している間に電子戦分野が疎かになり、今やロシアや中国はその米軍の弱点を突く強力な電子戦体制を構築していると強烈な危機感を抱いています

その一つの契機は、ロシアの浸潤を受けたウクライナ支援に米軍が乗り出した2014年ころにさかのぼります。

EC-130H3.jpgロシアが繰り出す無人機操縦信号妨害や通信妨害などハイブリッドな電子戦能力に「米軍は露軍の1/10も出来ない」と圧倒され、それに対峙するウクライナ軍の基本が徹底された対応ぶりにも驚嘆し、ウクライナ軍に教えるどころか学ぶ出来点が多いと衝撃を受けた報告がペンタゴンに届きます

それに輪をかけたのがシリアでの戦いです
現地の電子戦状況を語った米軍大将が今年4月、「今現在、米軍はシリアで、地球上で最も攻撃的な敵からの電子戦環境に置かれている。敵は日々、我々を試すように米軍の通信を中断させ、AC-130を無効化している」と例を挙げてその激しさと危機感を訴えているところです

そんな危機感から始まった米空軍ECCT電子戦チームの検討について、事柄の性格上、具体的な内容は少ないですが、ご紹介しておきます。

10日付Military.com記事によれば
Wilson.jpg●副参謀総長はMilitary.comのインタビューに答え、どこでどのように電子戦攻撃が電磁スペクトラム上で表面化するか、そのような敵を如何に拒否するかを明らかにするのが検討の目的であると述べた
●また、「スペクトラムのどの部分が狙われ、その攻撃がいつどこであろうとそのデータを確保することが必要だ」と訴えた

●そしてECCT電子戦検討チームは国防省に対し、電子戦に関するロードマップ提示することを狙っており、具体的には、誰が何を担当するか、どのような計画で行うか、その計画の時程や進め方はどうなるかの3つの視点でまとめられる
●Wilson大将は本検討開始の背景にも触れ、「米国防省は電子戦の重要性から目を背けてきたのだ。そしてここ2-3年でやっとその重要性を明確に再認識することになったのだ」と振り返った

EA-18G-pod.jpg●同大将は電子戦を担当する高官が新たに配置されるかを明確に述べなかったが、「全ての軍腫が電子戦の重要性に気づいた今、誰が担当し、どのようなスケジュールで進めるかがそのうち明らかになるだろう」と表現した
●検討に当たっては、シンクタンク研究者、関連企業、統合参謀本部関係者、ベンチャー関係者等から広く意見や情報を得ることに努めたと副参謀総長は付け加えた

●そして電子スペクトラム保全の重要性に改めて触れ、サイバーも宇宙も、全てのドメインがネットワークやGPSや衛星等に依存しており、全てが電磁スペクトラムに依存しているのだと述べ、スペクトラムを支配するものが勝利を収めると強調した
●更に、ドクトリンも、教育訓練も、作戦運用も、全てが電磁スペクトラムの支配を念頭に置いて組み立てられなければならないとも表現した
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EW2.jpgロシア軍は、できるだけ多くの兵士に実戦を経験させ、保有するあらゆる兵器を試すため、部隊をローテーションしてシリアに派遣しているようで、電子戦分野においてもシリアを「実験場」としているのでしょう。

そこでの経験が米軍に生かされることを願いますが、一方でロシア軍も米軍の反応から次なる手を考える材料を得ているのでしょう・・・・

そんな水面下の戦いが平時の戦いですが、如何に個々の兵士の体に染みつけるかがカギのような気がします・・・

いつの間にか大差のEW
「東欧中東戦線でのロシア軍電子戦を概観」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-06-09-1
「ウクライナの教訓」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-05-08
「露軍の電子戦に驚く米軍」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-08-03-1
「ウクライナで学ぶ米陸軍」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-04-02

被害状況下への備えを訴える
「妨害に強い衛星通信「波形」探求」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-10-12
「海兵隊司令官:被害に備えよ」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-06-16
「米海軍将軍:妨害対処を徹底する」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-01-21
「空軍OBも被害対処を重視」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-09-23-1
「被害状況下で訓練を」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-10-23

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