米空軍三沢F-16の整備部隊がでたらめで墜落事故 [米空軍]
2018年2月の墜落事故原因はでたらめ整備
無秩序、整備基準や品質管理不徹底、組織活動の欠如・・・
20日付米空軍協会web記事は、2018年2月に発生した米空軍三沢基地所属F-16のエンジン火災と燃料タンクの小川湖投下事故に関する調査報告(19日公表)を取り上げ、6年ほど前から当該F-16整備部隊が「無秩序、整備基準の不徹底、部品の不十分な品質管理、組織的活動の欠如、狂気の手順」などの言葉で表現できる状態だったことが原因だと報じています
そして記事は、2012年7月に北太平洋で発生した同部隊F-16墜落事故に関しても、機体の残骸がほとんど回収できていたいことから断定することは避けつつも、不適切な環境で保管されていた機体部品が原因だったのではないかと強く示唆しています
今年2月の事故に関する調査に対し、2015年に着任した上級軍曹がその際の状況を証言し、「部隊は混乱し、組織の体をなしていなかった」と述べたとも報じられており、今現在の状況がとっても気になります。
嘉手納の米空軍F-15部隊の整備員が、米本土の整備部隊と比較して技術未熟な若手比率が高く、嘉手納での連続勤務期間が短いとの実態をご紹介したこともありましたが、なんだか心配になってきました。
20日付米空軍協会web記事によれば
●2018年2月20日、通常訓練のため三沢基地を飛び立ったF-16は、離陸直後にエンジン火災に見舞われ、基地近傍の小川湖に燃料満載の外部燃料タンクを投下して機体を軽くしたのち、すぐさま三沢基地に緊急着陸した・(ちなみに、燃料タンクの回収や湖の油回収は全て自衛隊がやらされた)
●事故調査調査官は、同機の操縦者の判断について「正確で適切なものであり、短時間に集中して実施されている」と評価したが、「整備部隊の状況は操縦者の様ではなかった」と語った。
●19日公開の事故調査報告書は、事故機のエンジンには、2012年に実施された機体延命措置改修以降は使用されなくなった旧式の部品が誤って搭載されており、当該部品が飛行中に破損してエンジン火災を引き起こしたと結論付けた
●また定期的なエンジン整備や点検が行われていたはずであるが、この誤った部品の使用を発見することが出来なかったとも報告書は記している
●事故調査官が当該部隊の整備員から聞き取り調査を行ったところ、整備基準や手順の徹底がいい加減で、部品管理手続きも不適切、整備現場部隊は組織的活動が出来ておらず、他航空機との部品共食い手順も守られていない等々の事実が次々に明らかになった
●2015年に着任した上級軍曹がその際の状況を証言し、「部隊は無秩序で、組織の体をなしていなかった」と語ったとの記録も見られる
●更に報告書は「整備現場部隊は基準を無視した手順をつなぎ合わせて業務を行っており、彼ら自身の狂気の手法を編み出していた」、「2012年の改修後の整備手順基準を十分徹底しなかったために、旧式の誤った部品を発注してエンジンに装着したことで火災を発生させた」と記している
●ちなみに、このような同整備部隊の混乱(disarray)を改善するため、同部隊には約5000万円の予算が投入された
2012年2月の墜落事故にも・・・
●三沢基地所属F-16は、2012年7月に三沢から750nm離れた太平洋上で墜落(パイロットは救出された)したが、その原因は燃料供給バルブが指示していないのに閉じたことが原因だと報告されている
●同墜落機体のほとんどが海没したままで、細部の原因は不明なままだが、当該バルブ部品を管理していた三沢部隊が規則で定められている腐食防止施設を保有せず、当該部品を不適切な状態で2年間以上も保管していたことが、バルブの意図せぬ閉鎖を防げなかった可能性があるとみられている
●更に当該機を担当していたロッキード社の技術者も、技量不十分だと判明している
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米空軍の整備員不足、軍需産業基盤の弱体化など、様々な側面から米軍の足元が揺らいでいることを取り上げてきましたが、これだけ身近に問題を突き付けられるとちょっと怖いですねぇ・・・
米軍全体で航空機の事故が激増している現実もありますし・・・。そんな中で予算がカットされると・・・・
整備員不足や軍需産業基盤への懸念
「表面上は今年中に解消整備員不足」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-08-24
「米国防省:軍需産業課題レポート」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-05-26-1
「嘉手納整備員は若手ばかり」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-03-03
「整備員3400名が不足」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-11-11-1
「米空軍機の稼働率が異常低下」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-04-02
来年度予算カット宣言
「トランプが次年度予算5%カット指示」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-10-20-2
「国防副長官も認める」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-10-27
無秩序、整備基準や品質管理不徹底、組織活動の欠如・・・
20日付米空軍協会web記事は、2018年2月に発生した米空軍三沢基地所属F-16のエンジン火災と燃料タンクの小川湖投下事故に関する調査報告(19日公表)を取り上げ、6年ほど前から当該F-16整備部隊が「無秩序、整備基準の不徹底、部品の不十分な品質管理、組織的活動の欠如、狂気の手順」などの言葉で表現できる状態だったことが原因だと報じています
そして記事は、2012年7月に北太平洋で発生した同部隊F-16墜落事故に関しても、機体の残骸がほとんど回収できていたいことから断定することは避けつつも、不適切な環境で保管されていた機体部品が原因だったのではないかと強く示唆しています
今年2月の事故に関する調査に対し、2015年に着任した上級軍曹がその際の状況を証言し、「部隊は混乱し、組織の体をなしていなかった」と述べたとも報じられており、今現在の状況がとっても気になります。
嘉手納の米空軍F-15部隊の整備員が、米本土の整備部隊と比較して技術未熟な若手比率が高く、嘉手納での連続勤務期間が短いとの実態をご紹介したこともありましたが、なんだか心配になってきました。
20日付米空軍協会web記事によれば
●2018年2月20日、通常訓練のため三沢基地を飛び立ったF-16は、離陸直後にエンジン火災に見舞われ、基地近傍の小川湖に燃料満載の外部燃料タンクを投下して機体を軽くしたのち、すぐさま三沢基地に緊急着陸した・(ちなみに、燃料タンクの回収や湖の油回収は全て自衛隊がやらされた)
●事故調査調査官は、同機の操縦者の判断について「正確で適切なものであり、短時間に集中して実施されている」と評価したが、「整備部隊の状況は操縦者の様ではなかった」と語った。
●19日公開の事故調査報告書は、事故機のエンジンには、2012年に実施された機体延命措置改修以降は使用されなくなった旧式の部品が誤って搭載されており、当該部品が飛行中に破損してエンジン火災を引き起こしたと結論付けた
●また定期的なエンジン整備や点検が行われていたはずであるが、この誤った部品の使用を発見することが出来なかったとも報告書は記している
●事故調査官が当該部隊の整備員から聞き取り調査を行ったところ、整備基準や手順の徹底がいい加減で、部品管理手続きも不適切、整備現場部隊は組織的活動が出来ておらず、他航空機との部品共食い手順も守られていない等々の事実が次々に明らかになった
●2015年に着任した上級軍曹がその際の状況を証言し、「部隊は無秩序で、組織の体をなしていなかった」と語ったとの記録も見られる
●更に報告書は「整備現場部隊は基準を無視した手順をつなぎ合わせて業務を行っており、彼ら自身の狂気の手法を編み出していた」、「2012年の改修後の整備手順基準を十分徹底しなかったために、旧式の誤った部品を発注してエンジンに装着したことで火災を発生させた」と記している
●ちなみに、このような同整備部隊の混乱(disarray)を改善するため、同部隊には約5000万円の予算が投入された
2012年2月の墜落事故にも・・・
●三沢基地所属F-16は、2012年7月に三沢から750nm離れた太平洋上で墜落(パイロットは救出された)したが、その原因は燃料供給バルブが指示していないのに閉じたことが原因だと報告されている
●同墜落機体のほとんどが海没したままで、細部の原因は不明なままだが、当該バルブ部品を管理していた三沢部隊が規則で定められている腐食防止施設を保有せず、当該部品を不適切な状態で2年間以上も保管していたことが、バルブの意図せぬ閉鎖を防げなかった可能性があるとみられている
●更に当該機を担当していたロッキード社の技術者も、技量不十分だと判明している
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米空軍の整備員不足、軍需産業基盤の弱体化など、様々な側面から米軍の足元が揺らいでいることを取り上げてきましたが、これだけ身近に問題を突き付けられるとちょっと怖いですねぇ・・・
米軍全体で航空機の事故が激増している現実もありますし・・・。そんな中で予算がカットされると・・・・
整備員不足や軍需産業基盤への懸念
「表面上は今年中に解消整備員不足」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-08-24
「米国防省:軍需産業課題レポート」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-05-26-1
「嘉手納整備員は若手ばかり」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-03-03
「整備員3400名が不足」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-11-11-1
「米空軍機の稼働率が異常低下」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-04-02
来年度予算カット宣言
「トランプが次年度予算5%カット指示」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-10-20-2
「国防副長官も認める」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-10-27
2018-11-23 07:44
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