中国製無人攻撃機が中東で増殖中 [中国要人・軍事]
それにしても米国製にそっくりです!
3日付Militarytimesは、最近中東地域で急速に目撃情報が増加中の中国製の無人攻撃機の状況を報じ、人道的な観点から米国が攻撃型の輸出を制限する中で、中国がそれなりの性能と低価格を武器に30機以上の無人攻撃機CH-4(MQ-1級)を中東に輸出し、多数の国と同機輸出を交渉中だと伝えています
衛星写真などで目撃されている国として、ヨルダン、イラク、サウジ、UAE、エジプト、パキスタン、更にアフリカのナイジェリアが紹介されており、今年4月にはUAE軍の中国製無人攻撃機がイエメン内に侵入し、イスラム過激派Houthiの車両攻撃に成功したと報じられています
中国の武器輸出は、2008年からの4年間と2013年からの4年間を比較して、約4割伸びているということですが、性能はほどほどで価格が半額以下の中国製無人攻撃機への引き合いは急増しており、現在10か国と更なる輸出を交渉中とのことです。
この状況に米国軍需産業は苛立ちを覚え、議員を巻き込んでトランプ政権に輸出規制緩和を求め、MTCR規制の解釈変更を要求する等の動きに出ており、部分的に緩和する動きもあるようですが、無人機攻撃による民間人への被害増加に伴い、更なる開放は容易ではないようです
3日付Militarytimes記事によれば
●中国製の無人攻撃機の性能について中国の専門家は、「技術的に遜色はなく、マーケットシェアが不足しているだけが問題だ」と豪語しているが、西側IISSの専門家は「中国製は信頼性の観点から課題があり、民間人被害の懸念が拭い去れない」と見ている
●また中国の代表的無人機企業CASC(米国製MQ-1やMQ-9と類似のCH-4、CH-5やRainbowなど製造)の匿名の関係者は、「さすがに米海軍の無人艦載給油機MQ-25Aレベルの技術はない」と語っているが、米空軍の無人機レベルにはあるとも解釈できる
●米国研究機関によると、イエメンでは240回の無人機攻撃が行われ、民間人111名を含む1300名が殺害されている。この統計が米国政府をして無人攻撃機輸出を容易に緩和できない背景にある
●一方で、2018年初頭に衛星がサウジ南部の飛行場で、米国製偵察無人機と並んで、中国製無人攻撃機を確認した。初めて2機種の無人機がイエメンでの紛争に投入が確認された事例となったが、今やイエメンは無人機の実験場となった感がある。そこで中国製が存在感を増しているのだ
●イエメンで、米国製無人機がアルカイダの活動家を初めて殺害したのが2002年であるが、今やその後を中国製が追いかけているようでもある
●2014年以降、CASCはCH-4を約800億円で30機以上サウジやイラク等に提供しており、同機輸出を10か国と交渉中である
中東での中国製無人攻撃機目撃例
・イラク空軍基地で当時の国防相がCH-4を視察の写真公開(2015年10月)
・中国製無人攻撃機が衛星写真で、ヨルダンとパキスタンの空港、エジプトのシナイ半島とリビア国境近くの基地で
・UAEの無人地域として知られる南部で3機のWing Loongが衛星写真で(2018年1月)
・イエメン国境近くのサウジの空港で、UAE購入の2機のCH-4がMQ-1と並んで衛星写真で
・ナイジェリアがBoko Haram対策で中国製無人攻撃機を使用
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なおMTCRは、米国をはじめとする西側主要国による、「ミサイル技術管理レジーム:Missile Technology Control Regime」で、「搭載能力500kg以上かつ射程300km以上の完成した無人航空機システム」の輸出を兵器技術拡散防止の観点から厳しく縛っているものです。
色々な解釈変更や見直し議論が米国内で議論されたようですが、他の西側諸国との共同枠組みであり米国だけで突っ走れず、現在は厳しい監視や確認を条件として、ヨルダンとUAEへの無人攻撃機提供を進める方向にあるようです
お金はあっても人材不足の産油国にとっては、手を出しやすい兵器が無人攻撃機でしょうから、今後も中国製の売り込みは活発化するのでしょう・・・
外務省によるMTCR解説
→http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/mtcr/mtcr.html
米国製無人機輸出緩和の関連
「肩透かし無人機輸出緩和」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-04-21-3
「4月にも武器輸出新政策か」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-03-18-1
「無人機輸出規制の見直し開始」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-08-04
中国と無人機
「中国がサウジで無人攻撃機の製造修理」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-03-29
「中国が高性能無人機輸出規制?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-08-03
「輸出用ステルス機」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-12-27
3日付Militarytimesは、最近中東地域で急速に目撃情報が増加中の中国製の無人攻撃機の状況を報じ、人道的な観点から米国が攻撃型の輸出を制限する中で、中国がそれなりの性能と低価格を武器に30機以上の無人攻撃機CH-4(MQ-1級)を中東に輸出し、多数の国と同機輸出を交渉中だと伝えています
衛星写真などで目撃されている国として、ヨルダン、イラク、サウジ、UAE、エジプト、パキスタン、更にアフリカのナイジェリアが紹介されており、今年4月にはUAE軍の中国製無人攻撃機がイエメン内に侵入し、イスラム過激派Houthiの車両攻撃に成功したと報じられています
中国の武器輸出は、2008年からの4年間と2013年からの4年間を比較して、約4割伸びているということですが、性能はほどほどで価格が半額以下の中国製無人攻撃機への引き合いは急増しており、現在10か国と更なる輸出を交渉中とのことです。
この状況に米国軍需産業は苛立ちを覚え、議員を巻き込んでトランプ政権に輸出規制緩和を求め、MTCR規制の解釈変更を要求する等の動きに出ており、部分的に緩和する動きもあるようですが、無人機攻撃による民間人への被害増加に伴い、更なる開放は容易ではないようです
3日付Militarytimes記事によれば
●中国製の無人攻撃機の性能について中国の専門家は、「技術的に遜色はなく、マーケットシェアが不足しているだけが問題だ」と豪語しているが、西側IISSの専門家は「中国製は信頼性の観点から課題があり、民間人被害の懸念が拭い去れない」と見ている
●また中国の代表的無人機企業CASC(米国製MQ-1やMQ-9と類似のCH-4、CH-5やRainbowなど製造)の匿名の関係者は、「さすがに米海軍の無人艦載給油機MQ-25Aレベルの技術はない」と語っているが、米空軍の無人機レベルにはあるとも解釈できる
●米国研究機関によると、イエメンでは240回の無人機攻撃が行われ、民間人111名を含む1300名が殺害されている。この統計が米国政府をして無人攻撃機輸出を容易に緩和できない背景にある
●一方で、2018年初頭に衛星がサウジ南部の飛行場で、米国製偵察無人機と並んで、中国製無人攻撃機を確認した。初めて2機種の無人機がイエメンでの紛争に投入が確認された事例となったが、今やイエメンは無人機の実験場となった感がある。そこで中国製が存在感を増しているのだ
●イエメンで、米国製無人機がアルカイダの活動家を初めて殺害したのが2002年であるが、今やその後を中国製が追いかけているようでもある
●2014年以降、CASCはCH-4を約800億円で30機以上サウジやイラク等に提供しており、同機輸出を10か国と交渉中である
中東での中国製無人攻撃機目撃例
・イラク空軍基地で当時の国防相がCH-4を視察の写真公開(2015年10月)
・中国製無人攻撃機が衛星写真で、ヨルダンとパキスタンの空港、エジプトのシナイ半島とリビア国境近くの基地で
・UAEの無人地域として知られる南部で3機のWing Loongが衛星写真で(2018年1月)
・イエメン国境近くのサウジの空港で、UAE購入の2機のCH-4がMQ-1と並んで衛星写真で
・ナイジェリアがBoko Haram対策で中国製無人攻撃機を使用
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なおMTCRは、米国をはじめとする西側主要国による、「ミサイル技術管理レジーム:Missile Technology Control Regime」で、「搭載能力500kg以上かつ射程300km以上の完成した無人航空機システム」の輸出を兵器技術拡散防止の観点から厳しく縛っているものです。
色々な解釈変更や見直し議論が米国内で議論されたようですが、他の西側諸国との共同枠組みであり米国だけで突っ走れず、現在は厳しい監視や確認を条件として、ヨルダンとUAEへの無人攻撃機提供を進める方向にあるようです
お金はあっても人材不足の産油国にとっては、手を出しやすい兵器が無人攻撃機でしょうから、今後も中国製の売り込みは活発化するのでしょう・・・
外務省によるMTCR解説
→http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/mtcr/mtcr.html
米国製無人機輸出緩和の関連
「肩透かし無人機輸出緩和」→https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-04-21-3
「4月にも武器輸出新政策か」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2018-03-18-1
「無人機輸出規制の見直し開始」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-08-04
中国と無人機
「中国がサウジで無人攻撃機の製造修理」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2017-03-29
「中国が高性能無人機輸出規制?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-08-03
「輸出用ステルス機」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-12-27
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