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25年の沈黙破り:米空軍最大の給油量を誇る基地 [米空軍]

なんと、8月28日付DODBuzzは同UAEの基地に米空軍部隊が所在して活動していることを米国とUAEが協議の上、25年間の秘密主義を改め、公にすることにしたと報じています

25年前に米空軍が同基地で活動を開始し、2002年1月25日に第380派遣航空団が同基地に編成されて15年何が契機となったかは不明ですが、公にするそうです
https://www.dodbuzz.com/2017/08/28/air-force-acknowledges-clandestine-base-in-uae/

9月28日付米空軍協会web記事も
http://www.airforcemag.com/Features/Pages/2017/September%202017/Connecting-Airmen-to-the-Mission-at-Al-Dhafra.aspx

何がきっかけなんでしょうか?????

以下の記事は、まだ公式に「Undisclosed location in Southwest Asia」だった8月頃の、公然の秘密を紹介する記事です・・・
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Al Dhafra.jpgアラブ首長国連邦の首都アブダビの南約30㎞に、米空軍が対ISISや中東域での作戦拠点としているUAE空軍基地があります。

米国防省や米軍の公式発表や軍事メディアでも、常に「Undisclosed location in Southwest Asia」と呼称され、その名をメディアで見ることはないのですが、言わば公然の秘密として、米空軍が大規模に拡張して作戦に使用しているのがUAE空軍の「Al Dhafra Air Base」です

UAE空軍はF-16と Mirage 2000を計5個飛行隊を同基地に配備し、米空軍はKC-10空中給油機、RQ-4大型無人偵察機、U-2高高度偵察機、E-3早期警戒管制機を展開させ、加えてF-22戦闘機も2012年ごろから頻繁に派遣しています

KC-10 2.jpg特にF-22派遣に関しては、衛星写真ではっきりとその展開が確認できるように意識してか、美しく5~6機が整列して駐機されている様子が何度かネット上で取り上げられており、同基地がイランから僅か100nmしかなく、F-22で10分以内に飛行可能な距離であることから、イランへにらみを利かせるための意図を感じると見る専門家もいます

本日は8月19日付米軍事メディアが取り上げた、「米空軍基地の中で最も航空機燃料の給油量が多い基地」の前線で頑張る給油部隊とその装備を紹介した記事をご紹介し、公然の秘密である「Al Dhafra Air Base」を取り上げます

19日付Military.com記事によれば
Al Dhafra 3.jpg●第380派遣航空団の燃料部隊は、25個のゴム製の簡易燃料タンクでイラクやシリアでの多国籍部隊の作戦を支えている。2016年には、2.6億ガロンの航空燃料をKC-10空中給油機等に提供した。この数字は一日平均約250万ガロンで、米空軍基地の中で最も多い量である
大口の給油相手はKC-10空中給油機で、1回に35.6万ポンドを注入する。この量はKC-135空中給油機の約2倍の量である

●航空機が効率よく再発進準備できるように、同基地にエンジンを駆動したまま燃料補給を行う「Hot refueling」を行うピットを12か所設け、C-130輸送機等の運用効率を格段に向上させている
●そのために米空軍は、タンクローリーのような燃料給油車両を使用しないで、各ピットから直接航空機に給油パイプを接続できる「Type III, Constant-Pressure Hydrant Fueling System」を導入している

●同システムは、給油ポンプ、フィルター、小型コンプレッサー、給油トランスミッターなどを一体にした装置で、どのピットでも一定の油圧を確保できるようになっている。
Al Dhafra 2.jpgRQ-4グローバルホーク大型無人偵察機やU-2高高度偵察機は、共に気温の低い高高度を通常飛行することから、他の空軍機が使用する航空機燃料「JP-8」より気化温度が低い別の燃料を使用する。この燃料はJP-8とは別の移送距離が短くて済む燃料ピットから供給される

●毎月、第380派遣航空団は駐留国(UEAのこと)国営の石油会社から、平均1100万ガロン(7500万ポンド)の航空燃料を提供されているが、当該国(UEAのこと)の微妙な立場から会社名は報じないようにMilitary.comは要請されている
●燃料は米軍機以外の多国籍部隊にも給油されるかとの質問に対し、担当の兵士は「我々はしっかりこの地に基盤を設け、彼らが必要とするものを提供する」と答えた。

●砂漠地帯の厳しい気候から、簡易ゴム製タンクの劣化は早く約7年で交換する必要があり、また点検等の作業も多い。更に野外での種々の作業は兵士に大きな負担を強いるため、前線部隊は通常の燃料タンクを地下に設置することを求めている
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再度強調しておきますが、紹介した19日付Military.com記事は、一度も「Al Dhafra Air Base」との言葉は使用せず、現地を訪問した記者たちも「on condition the exact location of the base not be disclosed」を条件に取材を許されています

Al Dhafra 4.jpgしかし「Al Dhafra Air Base」でググっていただければわかるように、カタールのアルウデイド基地と並び、米空軍が「Al Dhafra Air Base」にご紹介したアセットの根拠基地にしていることは公然の秘密となっています。

カタールがアラブ諸国の中で「いじめの対象」となり、米国との関係も微妙な中、この「Al Dhafra Air Base」とUAEは、ますます米軍にとって重要性を増しているとも言えましょう。3660mの滑走路が2本もありますから

UAE関連の記事
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湾岸諸国が関係する記事
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「米イスラエル関係の転機?:軍事援助を巡る攻防」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-07-26
「中東でF-35はイスラエル独占?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-09-13

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